マイクラで論理ろんり回路かいろ（ろんりかいろ）を学まなぼう（第だい10回かい）

Learning logic circuits by Minecraft (part 10).

前回ぜんかいに続つづき、マイクラで論理ろんり回路かいろ（ろんりかいろ）を学まなぼう、の第だい 10回かい目めです。今回こんかいは、D（ディー）フリップフロップという回路かいろについて勉強べんきょうしましょう。

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前回ぜんかいは SR フリップフロップについて勉強べんきょうしましたね。SR フリップフロップは「順序じゅんじょ（じゅんじょ）回路かいろ」の一種いっしゅで、セット（S）という入力にゅうりょく信号しんごうを短みじかい時間じかんオンにすると、出力しゅつりょくがオンになり、リセット（R）という入力にゅうりょく信号しんごうを短みじかい時間じかんオンにすると、出力しゅつりょくがオフになる回路かいろです。オン/オフの状態じょうたい（じょうたい）を覚おぼえていることができるので、「記憶きおく（きおく）回路かいろ」の一いち種しゅです。SR フリップフロップは、身近みぢかにある電気でんき器具きぐ（照明しょうめいのリモコン、せんたく機きなど）のオン/オフスイッチと同おなじ働はたらきをするので、分わかりやすかったかと思おもいます。

D フリップフロップ回路かいろ

今回こんかい新あたらしく覚おぼえる回路かいろは、D フリップフロップと言いいます。次つぎのような記号きごうで表あらわします。

入力にゅうりょく D の「D」は、データ（data）、あるいはディレイ（delay = 時間じかんの遅おくれのこと）の略りゃくと言いわれています。入力にゅうりょく D があるフリップフロップなので、「D フリップフロップ」という訳わけです。

その下したの入力にゅうりょくはクロック（clock = 時計とけいのこと）と言いいます。コンピュータやスマートフォンで、CPU（演算えんざん回路かいろ）の速度そくど（スピード）を何なんメガヘルツ、何なにギガヘルツと言いいますが、それは、CPU のクロック速度そくどのことを表あらわしています。CPU が 1 ギガヘルツで動うごくというのは、クロックが 1秒間びょうかんに 1ギガ（10億おく）回かい、オン/オフを繰くり返かえすことを意味いみしています。

D フリップフロップのクロック入力にゅうりょくもそれと同様どうように、この入力にゅうりょくをオン/オフすることで回路かいろが働はたらきます。（クロック入力にゅうりょくをオン/オフしないと、D フリップフロップは全まったく働はたらきません。） どのように働はたらくのかは、これから説明せつめいしていきます。

詳くわしく勉強べんきょうしたい方ほうへ: クロック入力にゅうりょくの端子たんしに三角さんかくの印しるし（記号きごう）が付ついています。これは何なにでしょう?

これは、クロック入力にゅうりょくがエッジトリガー（edge trigger）という種類しゅるいの入力にゅうりょくであることを示しめしています。英語えいごで、エッジとは「角すみ（かど）」、トリガーとは「引ひき金がね（ひきがね）」という意味いみです。つまりエッジトリガー入力にゅうりょくとは、このクロック信号しんごう入力にゅうりょくが「変化へんか」したときに（タイミング図上ずじょうで波形はけいの角かくのところで）、それを引ひき金がねとして働はたらく回路かいろですよ、ということを意味いみしています。いまは、詳くわしく理解りかいしなくても大丈夫だいじょうぶです。

なお、上うえの D フリップフロップのクロック入力にゅうりょくでは、クロック入力にゅうりょくが L から H に変化へんかしたときにトリガーとなります。これを「立たち上あがりエッジ（rising edge）」と言いいます。逆ぎゃく向むき（H から L に変化へんかしたとき）のトリガーが必要ひつようなときは、三角さんかくの左側ひだりがわに小ちいさな丸まるを描えがきます。こちらは、「立たち下さがりエッジ（falling edge）」と言いいます。これも、いまは覚おぼえなくて大丈夫だいじょうぶです。（2022/2/10 加筆かひつ）

回路かいろの右側みぎがわには、出力しゅつりょく Q があります。SR フリップフロップと同様どうように、Q の反転はんてん（NOT）である Q バー（Q の上うえに棒ぼう線せんを引ひく）があるものもあります。

まずはビデオを観みちゃいましょう!

残念ざんねんながら、私わたしたちの身近みぢかに、D フリップフロップのような働はたらきをする部品ぶひんや道具どうぐが見当みあたりません。そのため、そのような身近みぢかな例れいを示しめして、「ああ、D フリップフロップってそういうものなんだ」と想像そうぞうするのが難むずかしいです。そこで今回こんかいは、まずは以下いかのビデオを観みて頂いただいたほうが良よいでしょう。実際じっさいの電子でんし回路かいろで、D フリップフロップ回路かいろを作つくってみました。

入力にゅうりょく D には、スライド型がたのトグルスイッチを繋つなぎます。トグルスイッチは、マイクラのレッドストーン回路かいろでいうと、「レバー」と似にた働はたらきをします。おうちの部屋へやの壁かべに付ついている、パチパチと切きり替かわる照明しょうめい（電気でんき）スイッチもトグルスイッチです。

クロック入力にゅうりょくには、押おしボタンスイッチを繋つなぎました。この押おしボタンスイッチは、押おしている間あいだだけスイッチがオンになるタイプのものです。押おしていないときはオフになります。このオン/オフの繰くり返かえしが先さきほど説明せつめいした「クロック」になります。

出力しゅつりょく Q には LED を繋つなぎ、出力しゅつりょくがオン（1）の時ときに点灯てんとう、オフ（0）のときに消灯しょうとうするようになっています。

それでは、ビデオをどうぞ!

タイミング図ずを見みてみましょう

前回ぜんかい、タイミング図ず（timing diagram）というものを学まなびましたね。回路かいろの動うごきを時間じかんを追おって見みるための図ずでした。上うえのビデオの中なかで入力にゅうりょく D やクロック入力にゅうりょくを変化へんかさせたのと同おなじ動うごきを、以下いかにタイミング図ずで説明せつめいしておきます。もちろん、出力しゅつりょく Q も書かいてあります。できたら、ビデオを観みながらタイミング図ずを追おいかけてみてください。きっと勉強べんきょうになると思おもいます。（後記こうき: クロックがエッジトリガーであることを明確めいかくにするため、タイミング図ずを差さし替かえました。タイミング図ずで、ある入力にゅうりょく信号しんごうがエッジトリガー（立たち上あがりエッジ）であることを強調きょうちょうするには、このように、立たち上あがりエッジ部分ぶぶんに矢印やじるしを描えがきます。2022/2/10 加筆かひつ）

追加ついかの説明せつめい（2022/2/10）

上うえのビデオやタイミング図ずでは、エッジトリガーのクロック入力にゅうりょくについての説明せつめいが不足ふそくしていました。ごめんなさい。ビデオは直なおせないので、タイミング図ずだけ追加ついかさせてください。

エッジトリガーの重要じゅうような働はたらきは、この入力にゅうりょく（クロック）が 1 である間あいだに、入力にゅうりょく D が変化へんかしても、出力しゅつりょく Q が変化へんかしない、という点てんにあります。これは、次回じかいのテキストでレッドストーン回路かいろを作つくるときに重要じゅうようなポイントになりますので、ここできちんと説明せつめいさせて頂いただくことにしました。以下いかのタイミング図ずを見みてください。

クロックが 1（高たかい）である間あいだに入力にゅうりょく D が変化へんかしても、出力しゅつりょく Q は変化へんかしないことをタイミング図ずで表あらわしています。これが D フリップフロップの重要じゅうようなポイントです。

補足ほそく: 以前いぜんに、今後こんごは「フリップフロップとラッチを区別くべつしないで説明せつめいします」と書かいてしまったのですが、クロックが 1 である間あいだに入力にゅうりょく D が変化へんかしたときに、出力しゅつりょく Q が変化へんかする論理ろんり回路かいろのことを、D フリップフロップではなく「D ラッチ」と呼よびます。本ほんシリーズの今後こんごのテキストでは、D ラッチではなく、D フリップフロップを扱あつかっていきます。

今日きょうはここまで!  次回じかいは、Minecraft（マイクラ）のレッドストーン回路かいろで、この D フリップフロップを作つくってみましょう。なお、以下いかの YouTube チャネルに御ご登録とうろく頂いただくと、新あたらしい教材きょうざいが公開こうかいされた際さいにすぐ御覧ごらん頂いただけます。よろしくお願ねがいいたします!

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