[子供こどもけ] インストール不要ふよう! Python でおかきプログラミングしよう

更新こうしん
[For Kids]  Let’s sketch program by Processing and Python!

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わたしは、おさんがはじめてプログラミングをまなぶとき、どんなプログラミングの道具どうぐいのか、かんがえることがあります。わたし重要じゅうようだとおもうのは、つぎの 3つです。

  • プログラミングに気軽きがるれられること。可能かのうならば、パソコンにソフトウェアのインストールが不要ふようなこと。
  • ひろ使つかわれているプログラミング言語げんごで、パソコンの OS をわず、できれば Raspberry Pi(ラズパイ)でもうごかせること。
  • グラフィックでおかきをしたり、おとらしたり、ゲームをつくったりしてたのしめること。

くわしくは最後さいごのほうれたいとおもいますが、まずは理屈りくつなしではじめてみましょう。なお、今回こんかいはウェブ・ブラウザを使つかった簡単かんたんなプログラミングを説明せつめいしますが、つくったプログラムを簡単かんたん保存ほぞんできないなどの問題もんだいも、たしかにあります。もっと本格ほんかくてき道具どうぐについては、こちら説明せつめいしています。

Processing(プロセシング)てなんだろう?

Processing とは、プログラミングの専門せんもんないひとたち、とくに、コンピュータグラフィックを使つかったアート(芸術げいじゅつ)に関心かんしんのあるひとが、プログラミング言語げんごむずかしい理屈りくつなしに使つかえるようにつくられた、プログラミングのための「道具どうぐ」です。おさんでも使つかいやすいようにつくられているので、日本にっぽんでも、小中学校しょうちゅうがっこう先生せんせいなどに人気にんきがあるようです。

Windows や macOS、Raspberry Pi(ラズパイ)で比較的ひかくてき簡単かんたん利用りようできるようになっていますが、ソフトウェアをインストールする必要ひつようがあるので、おとうさん、おかあさんの仕事しごとようのパソコンにインストールするには、ちょっと不安ふあんがあるかもれません。(勤務きんむさきからかえっている PC にソフトウェアをインストールするのは、セキュリティのてんから社内しゃない規則きそく禁止きんしされている場合ばあいもあります。)

ウェブ・ブラウザでプログラミングをためしてみよう

最近さいきんは、パソコンのウェブ・ブラウザ(インターネットのホームページをるソフト。以下いかブラウザとびます)がとても高機能こうきのうになっていて、ブラウザのうえで、さまざまなプログラムをうごかせるようになっています。そういったことを利用りようして、ブラウザじょうで Processing(のような道具どうぐ)をうごかせるように工夫くふうなさっているほうが、世界中せかいじゅうにいらっしゃいます。わたし調しらべてみたところでは、以下いかの 2つが興味深きょうみぶかいです。

最初さいしょの p5.js は有名ゆうめいで、日本にっぽんでも紹介しょうかいなさっているほうおおくあります。もともとの Processing は Java というプログラミング言語げんご基本きほんとしていますが、p5.js は JavaScript というプログラミング言語げんご使つかっています。(Java と JavaScript は名前なまえていますが、まったちが言語げんごです。)

つぎの pyp5js は、(p5.js の技術ぎじゅつ使つかって)Processing を Python というプログラミング言語げんご利用りようできるようにしたプロジェクトです。Python を Processing のように使つかうプロジェクトはほかにもいろいろあるのですが、pyp5js は、ブラウザだけあればためすことができるので、素晴すばらしいとかんじました。

最近さいきんは、プログラミングの専門せんもんでないひとあいだで Python をおぼえようというひとえていて、まわりに Python をっているひとつけやすいとおもいます。そこで、今回こんかいは pyp5js をげてみようとおもいます。

まずは pyp5js をうごかそう

pyp5js のオリジナルのホームページはこちらです。そして、それを簡単かんたんにブラウザじょうためすことができるページが、こちらです。特別とくべつむずかしいことはないのですが、やっぱり英語えいごだといやだなあ、とおもわれるほうもあるかとおもいます。そこで、わたしすこしだけ内容ないようえて、日本語にほんごのメッセージになるようにしてみました。(ブラウザとしては、Mozilla Firefox、Google Chrome、Microsoft Edge、Safari などで動作どうさするとおもいます。)

うえのリンクをひらくと、こんな画面がめんひらきます。

ためしに、したほうにある「実行じっこう」ボタンをクリックしてみましょう。つぎのようなあおまるおおきくなってり、ちいさくなったりするのをることができるでしょう。

なお、「シェアをする」ボタンをクリックすると、みなさんがいたプログラムをすぐに実行じっこうできるような「リンク(URL)」をコピーできます。メールや SNS にけると、そのまま簡単かんたんにシェアできます。みなさんがひと自慢じまんしたいプログラムをいた場合ばあいには、ぜひシェアしてくださいね!(もちろん、自分じぶんのためのプログラムをっておくためにも使つかえます。リンクを自分じぶんにメールすればわけですね。)

さて。ちょっとだけ、このプログラムをえてみましょう。(なお、オリジナルの Processing をっているひとは、なんかかたすこちがうなあ、とおもうかもれませんが、たぶんすぐにれるでしょう。オリジナルの Processing は Java 言語げんごかたで、pyp5js は Python 言語げんごかたになっているのですね。)

    diameter = sin(frameCount / <span style="color: #ff0000;" data-darkreader-inline-color="">60</span>) * 50 + 50

の 60 という部分ぶぶんを、

    diameter = sin(frameCount / <span style="color: #ff0000;" data-darkreader-inline-color="">10</span>) * 50 + 50

のように 10 にえて「実行じっこう」をクリックしてみましょう。ちがいがかりますか?(ヒント: おおきくなったりちいさくなったりのはやさはどうですか?)

また、

    fill("bule")

というところを、

    fill("green")

のようにえて実行じっこうしてみましょう。今度こんどはすぐにちがいがかりますね!

Processing のサンプルプログラムをすこためしてみよう

じつは、こちらに pyp5js のサンプルプログラムがいくつか紹介しょうかいされています。とくに、Flappy bird というデモは、ると「ぼくにもゲームがつくれそう!」とおもわせるくらいたのしいプログラムですが、はじめてのほうにはちょっとむずかしそうです。

そこで、オリジナルの Processing のホームページから、初心者しょしんしゃけのサンプルをいくつか pyp5js でうごかしてみることにしましょう。

まずは、こちらにあるプログラムです。

こんなプログラムがありますね。

void setup() {
  size(480, 120);
}

void draw() {
  if (mousePressed) {
    fill(0);
  } else {
    fill(255);
  }
  ellipse(mouseX, mouseY, 80, 80);
}

これを、pyp5js でいてみましょう。(こちらからすぐに実行じっこうできます。)

def setup():
    size(480, 120)

def draw():
    if mouseIsPressed:
        fill(0)
    else:
        fill(255)
  
    ellipse(mouseX, mouseY, 80, 80)

プログラムのちがいがかりますでしょうか。

  • void setup() などのわりに、Python(pyp5js)では def setup() のようにきます。
  • Python では、{}使つかいません。
  • Python では、;使つかいません。
  • p5.js や pyp5js では、mousePressedわりに mouseIsPressedきます。

また、Coordinate System and Shapes には、こんなプログラムがあります。

size(200,200);
rectMode(CENTER);
rect(100,100,20,100);
ellipse(100,70,60,60);
ellipse(81,70,16,32);
ellipse(119,70,16,32);
line(90,150,80,160);
line(110,150,120,160);

これは、つぎのようになります。pyp5js では、setup()draw()省略しょうりゃくできないようです。(こちらからすぐに実行じっこうできます。)

def setup():
    size(200, 200)
    
def draw():
    rectMode(CENTER);
    rect(100, 100, 20, 100)
    ellipse(100, 70, 60, 60)
    ellipse(81, 70, 16, 32)
    ellipse(119, 70, 16, 32)
    line(90, 150, 80, 160)
    line(110, 150, 120, 160)

さらに 3D グラフィックスもためしてみましょう。こちらの P3D / Processing.org には、こんなプログラムが説明せつめいされています。

size(640,360,P3D);
background(0);
lights();

pushMatrix();
translate(130, height/2, 0);
rotateY(1.25);
rotateX(-0.4);
noStroke();
box(100);
popMatrix();

pushMatrix();
translate(500, height*0.35, -200);
noFill();
stroke(255);
sphere(280);
popMatrix();

これを、pyp5js になおしてみました。(こちらからすぐに実行じっこうできます。)

def setup():
    size(640, 360, P3D)

def draw():    
    background(0)
    lights()

    pushMatrix()
    translate(130, height/2, 0)
    rotateY(1.25)
    rotateX(-0.4)
    noStroke()
    box(100)
    popMatrix()

    pushMatrix()
    translate(500, height*0.35, -200)
    noFill()
    stroke(255)
    sphere(280)
    popMatrix()

ちょっと表示ひょうじ位置いちちがってしまいました。じつは、pyp5js(と、pyp5js が利用りようしている p5.js)では、3D グラフィックの座標ざひょうちがっているのです。こちらのサイト説明せつめいされているように、オリジナルの Processing では原点げんてん(0, 0, 0)がキャンバスの左上ひだりうえにあるのにたいして、p5.js では、原点げんてんがキャンバスの中心ちゅうしんにあります。そのため、おなじような表示ひょうじにするには、座標ざひょううごかす必要ひつようがあります。なおしてみましょう。(こちらからすぐに実行じっこうできます。)

def setup():
    size(640, 360, P3D)

def draw():    
    background(0)
    lights()

    pushMatrix()
    translate(130 - width/2, 0, 0)  # ここと、
    rotateY(1.25)
    rotateX(-0.4)
    noStroke()
    box(100)
    popMatrix()

    pushMatrix()
    translate(500 - width/2, height*(-0.15), -200)  # ここ
    noFill()
    stroke(255)
    sphere(280)
    popMatrix()

なおりましたね!(2022/4/17 加筆かひつ訂正ていせい

おしまいに「前書まえがき」

ここからは、おさんの両親りょうしん学校がっこう先生せんせいがたけの「前書まえがき」です。説明せつめいながすぎると、おさんが(大人おとなも!?)んでくれないとおもったので最後さいごまわしました。

冒頭ぼうとうきましたように、わたしはおさん(あるいは、プログラミングの専門せんもんでないひとけのプログラミング環境かんきょうとして重要じゅうようなことは、

  • インストールが不要ふよう、あるいはできるだけ簡単かんたんであること
  • パソコンの OS をえらばないこと(Raspberry Pi でもうごくこと)
  • グラフィックスやサウンドを簡単かんたんあつかえること

だとおもっています。

ひとのインストールにかんしては、プログラミング講座こうざをしたことのあるおおくの先生せんせい同意どういいただけるかとおもいます。プログラミング講座こうざでは、生徒せいとさんのすべてがプログラミング環境かんきょうをセットアップできるまでに、1あいだ程度ていどかかってしまうこともまれではありません。(最後さいごまで、うまくうごかない生徒せいとさんがることもあります。)

BASIC をおぼえていますか?

かつて(1980年代ねんだい)に BASIC 言語げんごうごくパソコンが流行りゅうこうしたことがありました。なにしろ、テレビにつないで電源でんげんれれば、すぐにプログラミングをまなぶことができたので、大人おとな初心者しょしんしゃだけでなく、ようまねで BASIC をおぼえてしまった子供こどもが、当時とうじたくさんあったとおもいます。MS-DOS など、オペレーティングシステム(OS)の知識ちしき不要ふようでした。

私事しじですが、わたし当時とうじ NEC PC-8801 というパソコンを利用りようできる環境かんきょうがありました。パソコンを使つかえるようになるまえから、自宅じたくに BASIC 言語げんご入門にゅうもんしょなどがあって、BASIC をすこかるようになっていたわたしは、PC-8801 にとても興奮こうふんしました。しかし、もし PC-8801 でグラフィックスが簡単かんたんあつかえなかったら、パソコンにそれほど興味きょうみおぼえなかったかもれません。パソコン雑誌ざっしってきては、そこで紹介しょうかいされているグラフィックスのプログラムをたくさんうごかして感動かんどうしていたことをおもします。どんなプログラムがあったでしょうか。

  • パソコンで迷路めいろえがく(これは Processing でもやってみたい)
  • フラクタルの幾何きかがく模様もようえがく(複雑ふくざつなパセリみたいなえがくのです)
  • 陰影いんえいのある球体きゅうたいえがく(当時とうじのパソコンは 8しょく程度ていどしか表示ひょうじできなかったので、ランダムディザほうというのを使つかっていたと記憶きおくしています。)

さて、インストールの容易たやすさ、子供こども関心かんしんつグラフィックス、サウンド機能きのうかりました。重要じゅうようてんはなんでしょう?  わたしは、どんなプログラミング言語げんご最初さいしょおしえるか、も重要じゅうようだとおもっています。

教育きょういくようプログラミング言語げんごこんむかし

はなしながくなりますが、おいください。

かつて、初心者しょしんしゃけ、教育きょういくけとばれるプログラミング言語げんごおおくありました。BASIC も、初心者しょしんしゃけとかんがえられていた言語げんごで、1970年代ねんだいから 1980年代ねんだいにわたってひろ利用りようされていました。しかし BASIC は、ソフトウェア設計せっけい理論りろんなどの視点してんで、学校がっこう大学だいがくなど)で学生がくせいおしえるプログラミング言語げんごとしてはふさわしくないという理由りゆうから、一般いっぱん理学りがくけい工学こうがくけい学生がくせいには、まず Pascal 言語げんごおしえる学校がっこう先生せんせいおおかったとおもいます。しかし、Pascal は一部いちぶ処理しょりけい(Turbo Pascal など)をのぞいて、実用じつようせいてんから、商用しょうようのプログラミングにはあまり利用りようされませんでした。

そのに、工学こうがくけい学生がくせいにはながあいだ FORTRAN 言語げんご教育きょういくされていたとおもいます。わたしも 1990ねんごろに(いまだ)FORTRAN をおそわった記憶きおくがあります。(当時とうじ)FORTRAN は科学かがく技術ぎじゅつ計算けいさんよう標準ひょうじゅん言語げんごかんがえられていて、またむかしからしたしんできた年輩ねんぱい先生せんせいかたおおかった、というのがその背景はいけいではないかとおもいます。

そういえば、コンピュータ科学かがく情報じょうほう科学かがくけの学生がくせいに LISP 言語げんごおしえる先生せんせいもありましたね。LISP も面白おもしろ言語げんごです。

Java の時代じだい

1990年代ねんだいはいってくると学生がくせいに、C 言語げんごや Java をおしえる学校がっこう先生せんせいえてきました。C 言語げんごは、言語げんご仕様しよう比較的ひかくてきコンパクトで、かつ、コンピュータのハードウェアアーキテクチャに密着みっちゃくした設計せっけいとなっているため、大学だいがくなどでは LISP などと並行へいこうして、コンピュータ科学かがく専攻せんこうする学生がくせい教育きょういくされました。また、実際じっさい開発かいはつ現場げんばでは、上記じょうきのような特徴とくちょうから、くみこみけいのソフトウェア設計せっけいではひろ利用りようされ、、、いえ、2020年代ねんだい現在げんざい主力しゅりょくのプログラミング言語げんごでありつづけています。

いっぽうの Java は、当時とうじ Sun Microsystems という企業きぎょう発表はっぴょうした言語げんごであり、セキュリティ重視じゅうし、かつ、オブジェクト指向しこうをうまくあつかえるように慎重しんちょう設計せっけいされた言語げんごです。いまでも基幹きかんけいソフトウェアの世界せかいではひろ利用りようされている言語げんごだとおもいますが、すぐれたプログラミング言語げんごがどんどん登場とうじょうしていることにくわえ、Sun Microsystems を買収ばいしゅうした Oracle しゃ営業えいぎょう戦略せんりゃくじょう事情じじょうから、ライセンスや価格かかく体系たいけい頻繁ひんぱん変更へんこうされ、それがかりづらくかんじられる、というのがわたし正直しょうじき印象いんしょうです。最近さいきんは、言語げんご仕様しようだけでなく、言語げんご処理しょりけい(プロラミング言語げんご実際じっさいうごかすソフトウェア)のソースコードが公開こうかいされ無償むしょう利用りようできることが当然とうぜんといったなかであるため、特定とくてい企業きぎょう開発かいはつした OS でしか動作どうさしない、あるいは企業きぎょうにとって都合つごうわる環境かんきょうでは利用りようしづらい、利用りようできるようにならない、といったプログラミング言語げんごけられる傾向けいこうがあります。

Python の登場とうじょう

さて、Python(パイソン)です。

Python 言語げんごは、1990年代ねんだいなかばに登場とうじょうした言語げんごです。当時とうじは AWK や Perl といったスクリプト言語げんごひろ利用りようされており、わたしながあいだ Python をらずにいました。記憶きおくでは、わたし最初さいしょに Python にれたのは 2004ねんごろではないかとおもいます。

私見しけんですが)Python の一番いちばん特徴とくちょうは、利用りようできるライブラリが圧倒的あっとうてきおおい、ということだとおもっています。

ライブラリとはなんでしょう?

現代げんだいでは)てるときに、ってきて木材もくざい加工かこうしたり、てつかしてくぎ自作じさくするじんがいないように、プログラミングでも、(現代げんだいでは)すべてをいちから設計せっけいすることはありません。たとえば、画面がめんにコンピュータグラフィックスでえんえがくのに、sin(), cos() 関数かんすう使つかって点々てんてん(ピクセル)をつらねてプロットするひとはいません。ライブラリ Pillow や Matplotlib などを利用りようするはずです。(コンピュータグラフィックスの基礎きそ理論りろん勉強べんきょうしている学習がくしゅうしゃでない場合ばあい。) データのならえをするために、自分じぶんでソーティングアルゴリズムを実装じっそうするひともいません。標準ひょうじゅんライブラリ関数かんすう sort を使つかうはずです。(学生がくせい課題かだいでソーティングアルゴリズムのレポートをいているのではない場合ばあい。)

このように、あるまとまった機能きのうった標準ひょうじゅん「ソフトウェア部品ぶひん」のことをライブラリとびます。

Python ってなにがすごいの?

ネットで検索けんさくするとかりますが、おおくのひとおもいつくようなライブラリは、ほぼ間違まちがいないなく、だれかが Python よう設計せっけいし、無償むしょう公開こうかいし、利用りようできるようになっています。

私事しじですが、わたしはかつて、理科りか年表ねんぴょうているような太陽たいようつきこよみ東京とうきょうでは、何月なんがつなんにちに、つきなん地平線ちへいせんのぼるか、など)を計算けいさんしたいとおもったことがありました。当初とうしょ天体てんたい位置いち計算けいさん理論りろん興味きょうみがあったので専門せんもんしょんだりしていましたが、じつは、そのような計算けいさんのできる Python ライブラリが公開こうかいされていることをって、本当ほんとうおどろきました。

これも私事しじですが、かつて、アマチュア無線むせんけの、ソフトウェア受信じゅしん(SDR)を使つかったプロジェクトをこころみていたことがあります。ディジタル信号しんごう処理しょり計算けいさん多用たようするため、当時とうじひろ使つかわれていた MATLAB(のクローンである GNU Octave)で実装じっそうしましたが、一番いちばんこまったのは、GNU Octave は、ウェブ技術ぎじゅつ一般いっぱんてきなコンピュータグラフィックス(グラフ描画びょうがのぞく)、データベースのアクセス、サウンドカードからの音声おんせい入力にゅうりょくかんして、じつ機能きのう貧弱ひんじゃくだったのです。もちろん、それは当時とうじたりまえのことで、MATLAB のような特定とくてい用途ようと専用せんようプログラミング言語げんごは、ディジタル信号しんごう処理しょり計算けいさんまさしくこう能率のうりつ処理しょりできることが使命しめいであり、「MATLAB でウェブアプリケーションがけない」などと文句もんくったら、おかしなひとだとおもわれて当然とうぜんでした。

わたしはその、この SDR のプロジェクトを Python でなおしました。信号しんごう処理しょりには NumPy、SciPy を使つかいました。グラフィックス機能きのうは Pillow で実現じつげんしました。データベースには SQLite を使つかいました。当時とうじ使つかいませんでしたが、ウェブインターフェイスが必要ひつようだったら Flask を使つかったことでしょう。機械きかい学習がくしゅうには TensorFlow や scikit-learn が使つかえたでしょう。

たか技術ぎじゅつつくられた最適さいてきライブラリ

このように、Python では、あらゆる技術ぎじゅつ整合せいごうするライブラリが簡単かんたん利用りようできるので、おおくのプログラム設計せっけいしゃは、自分じぶん得意とくいとする技術ぎじゅつ、アイデアだけに集中しゅうちゅうできます。たとえば、NumPy や SciPy は線形せんけい代数だいすう数値すうち計算けいさん分野ぶんや専門せんもん注意深ちゅういぶか設計せっけいしたライブラリなので、性能せいのうは MATLAB とほぼ同等どうとうだとおもいます。よくむかし技術ぎじゅつしゃほうが、「あなたのプログラムは計算けいさん速度そくどおそいから、C 言語げんご使つかって最適さいてきしなさい、いや、アセンブラでいたほうがいのではないか」とおっしゃるのをみみにしますが、正直しょうじきいって、たとえば一般いっぱんのプログラマがアセンブラで FFT(高速こうそくフーリエ変換へんかん)の計算けいさんプログラムをいたとしても、SciPy の FFT 処理しょり性能せいのうたないとおもいます。

のりづけプログラミング言語げんご

結局けっきょくのところ、「Python とはなんなのだろうか」というと、それは glue language(のりづけ言語げんご)だということです。Python 本体ほんたいだけではすべての問題もんだい解決かいけつすることはできませんが、多様たよう高性能こうせいのうライブラリを利用りようできるので、それら ecosystem(生態せいたいけい)を活用かつようすることにより、「ほとんどすべて」のプログラミングの問題もんだい解決かいけつできる、とっても過言かごんではないとおもいます。(解決かいけつできないのでは、かた安全あんぜんせい高度こうど信頼しんらいせい、NumPy などの一般いっぱんライブラリで解決かいけつできない特殊とくしゅ最適さいてき計算けいさん商用しょうようアプリケーションプログラムでもとめられるプログラムコード秘匿ひとくせい、リソースの制限せいげんされたくみこみプログラミング分野ぶんやなどでしょうか。)

わたしなりの結論けつろん(なぜ Python か?)

はなしながくなりました。

このように、Python はのプログラミング言語げんごくらべて、圧倒的あっとうてきひろ範囲はんい応用おうよう効率こうりつ設計せっけいができることから、コミュニティも非常ひじょうひろいのが特徴とくちょうです。プログラミングの専門せんもんであれば、自分じぶん対象たいしょうとするアプリケーションに最適さいてきなプログラミング言語げんご(Java、C++、JavaScript など)に精通せいつうすべきですが、プログラミングがせんもんでないほうにとっては、このようにコミュニティのひろいプログラミング言語げんご Python がてきしている、とわたしかんがえます。専門せんもんでないおおくのみなさんは、(2022ねん現在げんざいでは)Python さえおぼえれば、複数ふくすうのプログラミング言語げんごおぼえる必要ひつようはほとんどありません!

これは本当ほんとう重要じゅうようなことで、たとえば初等しょとう教育きょういくせんもん先生せんせいが、複数ふくすうのプログラミング言語げんご使つかいこなし、児童じどう複数ふくすうのプログラミング言語げんご指導しどうする、というのは、先生せんせいにとっても児童じどうにとっても、苦痛くつうなことだとおもいます。(そんなことは、プロのソフトウェア技術ぎじゅつしゃがこなせればいことです。)

しつこいようですが、もうひとつだけ重要じゅうようなことをかせてください。Python のようなプログラミング言語げんごは、将来しょうらいソフトウェア技術ぎじゅつしゃになることを目標もくひょうとした学生がくせいさん、生徒せいとさんだけがおぼえるべきプログラミング言語げんごではない、ということです。実際じっさいにはその反対はんたいであり、ソフトウェア技術ぎじゅつしゃではない専門せんもん工業こうぎょう化学かがく, 生物せいぶつがく, 経済けいざいがく, 芸術げいじゅつがく, 建築けんちくがくなど、そのなんでも!)を目指めざしているひとが、コンピュータのちからりて、自分じぶん専門せんもんせいをよりたかめるためにおぼえるべきプログラミング言語げんごなのです!

Processing とその仲間なかまたち

ネットで検索けんさくすると、すで紹介しょうかいした p5.js、pyp5js だけでなくおおくのたようなプロジェクトがあります。わたしもほとんどためせていませんが、わたしつけたものをげておきます。

プロジェクト名称めいしょう ベース言語げんご インストール ブラウザからの利用りよう メモ
オリジナル Processing Java ? もちろん本家ほんけです
Python Mode for Processing Python 2 ? Python 2 はあまり使つかわれなくなっています
p5.js JavaScript ◎〜△ JavaScript にくわしいひとにおすす
pyp5js Python 3 ◎〜△ ちょっとためしてみるのにいてます
py5 Python 3 △(※) ? じつ最初さいしょつけたのがこれ
p5py/p5 Python 3 ? かなり本格ほんかくてきなことができそうです

インストールにかんして: ◎ = 不要ふよう, ○ = 一般いっぱんのパソコンユーザーなら可能かのう, △ = 専門せんもんてき知識ちしき必要ひつよう, ※ = 別途べっと Java のインストールが必要ひつよう

今日きょうはここまでです。

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