Learning logic circuits by Minecraft (part 4).
前回 ぜんかい に続 つづ き、マイクラで論理 ろんり 回路 かいろ (ろんりかいろ)を学 まな ぼう、の第 だい 4回 かい 目 め です。お待 ま たせしました。ようやく論理 ろんり 回路 かいろ の説明 せつめい に入 はい ります。少 すこ しむずかしい話 はなし になりますので、しっかりついてきてくださいね!
シリーズの記事 きじ 一覧 いちらん は、こちら です。
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もし、分 わ からないことがあるときは、お父 とう さんやお母 かあ さんに相談 そうだん しても良 よ いでしょう。このページの終 お わりに問 と い合 あ わせフォームがありますので、気軽 きがる にしつもんしてくださいね。(わたしも、うまく説明 せつめい できていないところは、どんどん直 なお したいと思 おも っています。)
もう一 ひと つ。本当 ほんとう は説明 せつめい を全 すべ てふりがな付 つ きで書 か けたら良 よ いのですが、読 よ んでいる方 ほう が何 なん 年生 ねんせい か知 し る方法 ほうほう がないので、専 せん 門 もん (せんもん)用語 ようご 以外 いがい は全 すべ て漢字 かんじ で書 か いています。漢字 かんじ の文章 ぶんしょう にふりがなを付 つ けてくれる便利 べんり なウェブサイトもありますので、ぜひ活用 かつよう してください。
論理 ろんり 回路 かいろ の記号 きごう
論理 ろんり 回路 かいろ は普通 ふつう 、回路 かいろ 図 ず というものを使 つか って設計 せっけい します。回路 かいろ 図 ず を描 えが くには、いろいろな記号 きごう の決 き まり事 ごと があります。
皆 みな さんは、学校 がっこう で「地図 ちず 」について勉強 べんきょう したことがありますね。こちら に地図 ちず 記号 きごう の一覧 いちらん がありますが、少 すこ し復習 ふくしゅう してみましょう。
これは、皆 みな さんがよく知 し っている「学校 がっこう 」の記号 きごう ですね。
次 つぎ は、消防署 しょうぼうしょ の記号 きごう です。
これと似 に たように、回路 かいろ 図 ず を描 えが くときにもいろいろな記号 きごう を使 つか います。今回 こんかい は、論理 ろんり 回路 かいろ を描 えが くときに使 つか う、重要 じゅうよう な 3つの記号 きごう について説明 せつめい します。
AND(アンド)回路 かいろ
これは、AND(アンド)という記号 きごう です。論理 ろんり 積 せき (ろんりせき)とも言 い います。意味 いみ は、後 あと で説明 せつめい しましょう。
OR(オア)回路 かいろ
これは OR(オア)です。論理 ろんり 和 わ (ろんりわ)とも言 い います。
NOT(ノット)回路 かいろ
これは NOT(ノット)です。インバータ、論理 ろんり 否定 ひてい (ろんりひてい)とも言 い います。
論理 ろんり 回路 かいろ ってなんだろう?
さて、論理 ろんり 回路 かいろ とはなんでしょう。
皆 みな さんが持 も っているスマートフォン、タブレット、パソコン、さらには、今 いま の洗濯 せんたく 機 き や冷蔵庫 れいぞうこ 、エアコン、自動車 じどうしゃ などには、全 すべ て「電子 でんし 回路 かいろ 」というものが入 はい っています。電子 でんし 回路 かいろ の中 なか でも、いろいろと複雑 ふくざつ な判断 はんだん (はんだん)をするための回路 かいろ を「論理 ろんり 回路 かいろ 」と言 い います。
例 たと えばいま、あなたのお部屋 へや の中 なか に、次 つぎ のような「判断 はんだん 」ができる論理 ろんり 回路 かいろ の入 はい った、頭 あたま のいい照明 しょうめい 器具 きぐ (ライト)があったとしましょう。
「今 いま が夜 よる で」、そして 「部屋 へや の中 なか に人 ひと がいたら」、自動的 じどうてき に照明 しょうめい (ライト)を点 てん ける
このように「何 なに 々ならば…をする」、「何 なに 々で、そして 、これこれだったら…をする」というような考 かんが え方 かた を「論理 ろんり (ロジック = logic)」と言 い います。そして、このような論理 ろんり を電子 でんし 回路 かいろ で作 つく ったものを「論理 ろんり 回路 かいろ 」と呼 よ ぶのです!
さらに、上 うえ で書 か いたように「今 いま は夜 よる で、そして、部屋 へや の中 なか に人 ひと がいたら」のように、あること(今 いま は夜 よる だ)と別 べつ のこと(部屋 へや の中 なか に人 ひと がいる)が「両方 りょうほう 」正 ただ しいときに何 なに かをするには、先 さき ほど紹介 しょうかい した「AND(アンド)」という論理 ろんり 回路 かいろ を使 つか います。回路 かいろ 図 ず を次 つぎ のように描 えが きます。
この、ボート(小舟 こぶね )を上 うえ からみたような記号 きごう の、左側 ひだりがわ の線 せん (信号 しんごう )は、AND 回路 かいろ の入 い り口 くち で、入力 にゅうりょく (にゅうりょく)と呼 よ びます。右側 みぎがわ の線 せん (信号 しんごう )は出口 でぐち で、これを出力 しゅつりょく (しゅつりょく)と呼 よ びます。
AND 回路 かいろ では、入力 にゅうりょく の全 すべ てが「真 しん (しん = 正 ただ しいということ)」のとき、出力 しゅつりょく から「真 しん 」という信号 しんごう が出 で てきます。
また、AND 回路 かいろ では複数 ふくすう の入力 にゅうりょく を描 えが くことができます。上 うえ の回路 かいろ 図 ず では入力 にゅうりょく 信号 しんごう が 2つですが、これを 3つにしたり、5つにしたりすることができるのです。その場合 ばあい 、全 すべ ての入力 にゅうりょく が真 しん (正 ただ しいとき)、出力 しゅつりょく が真 しん (正 ただ しい)になります。
一方 いっぽう で、出力 しゅつりょく は常 つね に 1つです。AND 回路 かいろ の外 そと で信号 しんごう を 2つに分岐 ぶんき (分 わ ける)しても良 よ いのですが、回路 かいろ そのものとしては、出力 しゅつりょく は 1つです。
真 しん と偽 にせ
さきほど、「真 しん 」という言葉 ことば をこっそり使 つか いました。これをちゃんと説明 せつめい しましょう。
論理 ろんり 回路 かいろ では、あることが「正 ただ しいこと」「そうであること」を、真 しん (しん)と呼 よ びます。参考 さんこう 書 しょ によっては、これを H(エイチあるいはハイ)と書 か いてあることもありますが、正確 せいかく には「真 しん 」と呼 よ びます。ちなみに、英語 えいご では「true(トゥルー)」と言 い います。(技術 ぎじゅつ 者 しゃ の方 ほう は、真 しん と言 い うより、true と言 い うことが多 おお いと思 おも います。)
一方 いっぽう 、あることが「正 ただ しくないこと」、「そうでないこと」は、偽 にせ (ぎ)と呼 よ びます。これも、参考 さんこう 書 しょ によっては L(エルあるいはロー)と書 か いてあることもあります。こちらは、英語 えいご では「false(フォールス)」と言 い います。
論理 ろんり 回路 かいろ は、伝 つた える信号 しんごう 、判断 はんだん の入力 にゅうりょく 、判断 はんだん の結果 けっか などを、全 すべ て「真 しん か偽 にせ 」で表 あらわ します。例 たと えば、いま、時計 とけい が午後 ごご 10時 じ だとしましょう。そのとき、論理 ろんり 回路 かいろ では「今 いま は夜 よる である」が「真 しん 」、つまり正 ただ しいことと考 かんが えます。逆 ぎゃく に、時計 とけい が午前 ごぜん 8時 じ だったら、「今 いま は夜 よる である」は正 ただ しくないので「偽 にせ 」になります。
分 わ かりますか? ちょっと難 むずか しいかも知 し れませんね。
いま、あなたが学校 がっこう にいて、先生 せんせい から「○○さんは、今朝 けさ ちゃんとご飯 はん を食 た べてきましたか?」と聞 き かれたら、普通 ふつう は「はい」あるいは「いいえ」と答 こた えますね。論理 ろんり 回路 かいろ の世界 せかい では、これを「真 しん です」、あるいは「偽 にせ です」、というのです。つまりやさしくいうと、真 しん とは「はい」のことで、偽 にせ とは「いいえ」ということになります。
「あいまい」は、ない!
論理 ろんり 回路 かいろ の世界 せかい では、真 しん でも偽 にせ でもない、あいまいな判断 はんだん はありません。現実 げんじつ の世界 せかい では、「今 いま は夜 よる である」という論理 ろんり があるとき、例 たと えば午後 ごご 6時 じ は、その論理 ろんり が真 しん か偽 にせ が決 き めにくいことがあります。しかし、論理 ろんり 回路 かいろ を設計 せっけい するときには、どこかで線 せん を引 ひ くしかありません。たとえば、「午後 ごご 7時 じ から午前 ごぜん 5時 じ までを夜 よる とする」というふうに、きっちり決 き める必要 ひつよう があります。論理 ろんり 回路 かいろ では通常 つうじょう 、「どちらでもない」という論理 ろんり はありません。
よく、機械 きかい やコンピュータは融通 ゆうずう (ゆうずう)が利 き かない、というようない方 いかた をしますが、普通 ふつう の論理 ろんり 回路 かいろ は、このように真 しん と偽 にせ しか判断 はんだん できないので、そういうふうない方 いかた になるのですね。一方 いっぽう で、最近 さいきん は人工 じんこう 知能 ちのう (機械 きかい 学習 がくしゅう 、AI)という研究 けんきゅう が進 すす んできて、今 いま までの論理 ろんり 回路 かいろ ではできないような、あいまいな判断 はんだん をすることができるようになってきましたが、今回 こんかい の勉強 べんきょう では、古 ふる くからの論理 ろんり 回路 かいろ だけを考 かんが えましょう。
なお、このような、真 しん か偽 にせ かしか扱 あつか えない論理 ろんり (回路 かいろ )を、難 むずか しい言葉 ことば では二 に 値 ち 論理 ろんり (にちろんり)と呼 よ びます。
OR(オア)と NOT(ノット)
さて、AND 回路 かいろ については分 わ かりました。これ以外 いがい に重要 じゅうよう な論理 ろんり 、また論理 ろんり 記号 きごう として、OR(オア)と NOT(ノット)があります。
AND 回路 かいろ は、複数 ふくすう の入力 にゅうりょく の全 すべ てが真 しん のときに出力 しゅつりょく が真 しん となりますが、OR 回路 かいろ では、入力 にゅうりょく のどれかが真 しん だと、出力 しゅつりょく が真 しん になります。AND 回路 かいろ の働 はたら きを、「…で、そして 、…だったら」と説明 せつめい しましたが、OR 回路 かいろ では、「…で、あるいは 、…だったら」というように説明 せつめい することができます。
以下 いか に例 れい を示 しめ します。AND 回路 かいろ の記号 きごう は入力 にゅうりょく 側 がわ がまっすぐな線 せん 、出力 しゅつりょく 側 がわ が丸 まる い形 かたち でしたが、OR 回路 かいろ では、入力 にゅうりょく 側 がわ を凹 へこ んだ丸 まる い線 せん 、出力 しゅつりょく 側 がわ をとがった丸 まる い線 せん で描 えが きます。正 ただ しい形 かたち をしっかり覚 おぼ えましょう。
さて。この OR 回路 かいろ の出力 しゅつりょく では、どのようなことができるでしょうか。
例 たと えば、こんなことはどうでしょう? 雨 あめ が降 ふ っているか、あるいは 風 ふう が強 つよ かったら、窓 まど を自動的 じどうてき に閉 し めてくれる論理 ろんり 回路 かいろ があったら便利 べんり ではないでしょうか? 雨 あめ が降 ふ っていて、そして 風 ふう も強 つよ かったら、ではなく、どちらかだけでも、窓 まど を閉 し めてくれると嬉 うれ しいですね。このようなとき、OR 回路 かいろ を使 つか います。「雨 あめ が降 ふ っている」か、あるいは 、「風 ふう が強 つよ かった」ら、窓 まど を閉 し める、というような回路 かいろ という訳 わけ です。
OR 回路 かいろ も AND 回路 かいろ と同様 どうよう 、入力 にゅうりょく は複数 ふくすう あって良 よ いです。出力 しゅつりょく は一 ひと つだけです。
最後 さいご が、NOT 回路 かいろ です。インバータ(= inverter、反転 はんてん 器 き のこと)とも呼 よ びます。
NOT 回路 かいろ は、入力 にゅうりょく の論理 ろんり (真 しん か偽 にせ か)を、ひっくり返 かえ す働 はたら きがあります。つまり、入力 にゅうりょく が真 しん だったら出力 しゅつりょく は偽 にせ に、入力 にゅうりょく が偽 にせ だったら、出力 しゅつりょく は真 しん になります。あまのじゃくな回路 かいろ ですね。
いま上 じょう の NOT 回路 かいろ では、洗濯 せんたく 機 き が動 うご いているとき、入力 にゅうりょく が真 しん になりますが、そのとき、出力 しゅつりょく は偽 にせ になります。逆 ぎゃく に、洗濯 せんたく 機 き が動 うご いて「いない」とき、出力 しゅつりょく は真 しん になります。この論理 ろんり 回路 かいろ をうまく使 つか うと、洗濯 せんたく 機 き が停 とま まったらアラームを鳴 な らす、なんていう回路 かいろ を作 つく れそうですね。
真理 しんり 値 ち 表 ひょう
いままで説明 せつめい してきたような論理 ろんり 回路 かいろ の働 はたら きを、表 ひょう で表 あらわ すことができます。このような表 ひょう を、真理 しんり 値 ち 表 ひょう (しんりちひょう)と言 い います。「まりちひょう」ではありませんよ。 🙂
AND 回路 かいろ の真理 しんり 値 ち 表 ひょう
以下 いか 、見 み やすくするため、真 しん を 1、偽 にせ を oと書 か くことにします。(論理 ろんり 回路 かいろ では、数字 すうじ の 1を真 しん 、0 を偽 にせ と表 あらわ すことがよくあります。)
まず最初 さいしょ に、2入力 にゅうりょく の AND 回路 かいろ です。
入力 にゅうりょく A
入力 にゅうりょく B
出力 しゅつりょく
0
0
0
0
1
0
1
0
0
1
1
1
2入力 にゅうりょく の AND では、入力 にゅうりょく の組 く み合 あ わせは 2 × 2 で 4通 とお りになります。
次 つぎ は、3入力 にゅうりょく の AND 回路 かいろ です。
入力 にゅうりょく A
入力 にゅうりょく B
入力 にゅうりょく C
出力 しゅつりょく
0
0
0
0
0
0
1
0
0
1
0
0
0
1
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0
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1
1
3入力 にゅうりょく の AND では、入力 にゅうりょく の組 く み合 あ わせは 2 × 2 × 2 で 8通 とお りになります。
いずれの場合 ばあい でも、AND 回路 かいろ では、全 すべ ての入力 にゅうりょく が真 しん (1)にならないと、出力 しゅつりょく が真 しん (1)にならないことが分 わ かります。
OR 回路 かいろ の真理 しんり 値 ち 表 ひょう
まず最初 さいしょ に、2入力 にゅうりょく の OR 回路 かいろ です。
入力 にゅうりょく A
入力 にゅうりょく B
出力 しゅつりょく
0
0
0
0
1
1
1
0
1
1
1
1
次 つぎ は、3入力 にゅうりょく の OR 回路 かいろ です。
入力 にゅうりょく A
入力 にゅうりょく B
入力 にゅうりょく C
出力 しゅつりょく
0
0
0
0
0
0
1
1
0
1
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1
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1
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1
OR 回路 かいろ では、入力 にゅうりょく のどれか 1つが真 しん (1)になると、出力 しゅつりょく が真 しん (1)になることがよく分 わ かりますね。
NOT 回路 かいろ の真理 しんり 値 ち 表 ひょう
NOT 回路 かいろ は、1入力 にゅうりょく しかありません。
入力 にゅうりょく
出力 しゅつりょく
0
1
1
0
真理 しんり 値 ち 表 ひょう は、このように論理 ろんり 回路 かいろ 記号 きごう (AND, OR, NOT)などの意味 いみ を説明 せつめい するときによく使 つか われますが、実際 じっさい には、もっと複雑 ふくざつ な回路 かいろ の設計 せっけい で重要 じゅうよう な働 はたら きをします。
組 く み合 あ わせ論理 ろんり 回路 かいろ
さて、ここまでは AND や OR 回路 かいろ 一 ひと つだけの回路 かいろ を紹介 しょうかい しましたが、もちろん、これらの回路 かいろ を複数 ふくすう 繋 つな いで複雑 ふくざつ な回路 かいろ を作 つく ることができます。一 ひと つ例 れい を示 しめ しましょう。なお、このような論理 ろんり 回路 かいろ を「組 く み合 あ わせ(論理 ろんり )回路 かいろ (combinational logic circuit)」と呼 よ びます。
回路 かいろ 上 じょう のポチっとした小 ちい さな丸 まる (●)は、ここで信号 しんごう 線 せん が繋 つな がっている、という意味 いみ です。なお、回路 かいろ 図 ず が赤 あか と緑 みどり で描 えが き分 わ けられていますが、これは回路 かいろ 図 ず を作 つく った CAD きゃど (キャド)ソフトの都合 つごう であって、回路 かいろ 図 ず をこのような色 いろ で描 えが かなくてはいけない、という意味 いみ ではありません。
さて、上 うえ の(複雑 ふくざつ な)回路 かいろ を言葉 ことば で表 あらわ すと次 つぎ のようになります。
(A かつ B)あるいは(C かつ D)ならば X は真 しん である。X が真 しん ならば Y は偽 にせ である。
なお、「A かつ B」というのは、「A が真 しん で、かつ B が真 しん である」を略 りゃく したい方 いかた です。また、「…ならば X が真 しん である」というい方 いかた も、「…ならば X である」と略 りゃく すことができます。
次 つぎ に、先 さき ほど説明 せつめい した真理 しんり 値 ち 表 ひょう でこの回路 かいろ を見 み てみましょう。
入力 にゅうりょく A
入力 にゅうりょく B
入力 にゅうりょく C
入力 にゅうりょく D
出力 しゅつりょく X
出力 しゅつりょく Y
0
0
0
0
0
1
0
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1
1
1
0
どうでしょう? すぐには理解 りかい できないかも知 し れませんが、じっくり眺 なが めていると、少 すこ しずつ分 わ かるようになりますよ!
電気 でんき で論理 ろんり 回路 かいろ を作 つく るには
さて、いままで論理 ろんり 回路 かいろ の信号 しんごう を「真 しん 」とか「偽 にせ 」とか言 い ってきましたが、実際 じっさい に電気 でんき の仕組 しくみ を使 つか って論理 ろんり 回路 かいろ を実現 じつげん するにはどうしたら良 よ いのでしょう?
電気 でんき の簡単 かんたん な仕組 しくみ については小学校 しょうがっこう 3〜4年生 ねんせい で習 なら います。また、電圧 でんあつ (何 なん ボルト)・電流 でんりゅう (何 なん アンペア)といった考 かんが え方 かた を中学校 ちゅうがっこう 2年生 ねんせい で学 まな びますね。多 おお くの電子 でんし 回路 かいろ では、この「電圧 でんあつ 」を使 つか って「真 しん 」や「偽 にせ 」を表 あらわ します。
一般 いっぱん には(多 おお くの場合 ばあい は) 、高 たか い電圧 でんあつ で真 しん 、低 ひく い電圧 でんあつ で偽 にせ を表 あらわ します。 また、電気 でんき で論理 ろんり 回路 かいろ を説明 せつめい するときには、普通 ふつう は「真 しん /偽 にせ 」ではなく、このような電圧 でんあつ の考 かんが え方 かた を使 つか って、高 たか い電圧 でんあつ を H(high = ハイ)、低 ひく い電圧 でんあつ を L(low = ロー)と呼 よ ぶのが一般 いっぱん 的 てき です。
ただし注意 ちゅうい 点 てん として、H が常 つね に真 しん を表 あらわ すとは限 かぎ らないということに注意 ちゅうい してください。「信号 しんごう が真 しん であることを H(ハイ)で表 ひょう そう」と決 き まりのとき、これを「H 能動 のうどう (のうどう)あるいは active-high(アクティブ・ハイ)と呼 よ びます。逆 ぎゃく に、「信号 しんごう が真 しん であることを L(ロー)で表 ひょう そう」という場合 ばあい は、これを「L 能動 のうどう 」あるいは active-low(アクティブ・ロー)の信号 しんごう と呼 よ びます。
難 むずか しいですね。皆 みな さんは、「普通 ふつう は H(ハイ = 高 たか い電圧 でんあつ )で真 しん を表 あらわ すけど、逆 ぎゃく の場合 ばあい もあるんだ」というくらいに覚 おぼ えておけば OK です。
皆 みな さんの中 なか で、Arduino(アルデュイーノ)、PIC(ピック)、Raspberry Pi(ラズベリーパイあるいはラズパイ)といったマイコンボードを触 さわ ったことのある方 ほう がいるかも知 し れません。これらのマイコンは通常 つうじょう 、5V(ボルト)あるいは 3.3V の電圧 でんあつ で動 うご いていて、ある信号 しんごう 線 せん (回路 かいろ )に 5V(あるいは 3.3V)の電圧 でんあつ がかかっているとき、これを「H(ハイ)」としています。また、電圧 でんあつ が 0V(電圧 でんあつ がかかっていないということ)のとき、これを「L(ロー)」とします。
電子 でんし 回路 かいろ は多 おお くの場合 ばあい 、電圧 でんあつ を低 ひく くするほど消費 しょうひ 電流 でんりゅう が少 すく なくなる(つまり、電池 でんち が長持 ながも ちする)ので、最近 さいきん は 5V でなく、3.3V、2.5V、1.8V といった電圧 でんあつ で動 うご く電子 でんし 回路 かいろ やマイコンが増 ふ えています。しかし、皆 みな さんがもし電子 でんし 回路 かいろ に触 ふ れるときは、だいたい、5V か 3.3V だと思 おも って間違 まちが いないでしょう。
ちょっと難 むずか しい話 はなし (読 よ み飛 と ばして良 よ いです)
ところで、皆 みな さんの中 なか で注意深 ちゅういぶか い方 ほう は心配 しんぱい することでしょう。
もし、5V で動 うご く論理 ろんり 回路 かいろ に、半分 はんぶん の 2.5V を入力 にゅうりょく したらどうなるの?
それは非常 ひじょう に良 よ い(するどい)質問 しつもん です! このように中途半端 ちゅうとはんぱ な電圧 でんあつ (正確 せいかく には電位 でんい (でんい)と言 い います)を入力 にゅうりょく した場合 ばあい 、電気 でんき で動 うご く論理 ろんり 回路 かいろ では、これを H と判断 はんだん するか L と判断 はんだん するかは、「閾値(しきいち)」あるいはスレッシュホールド(= threshold)というもので決 き まります。あるいは、H か L を明確 めいかく にできるように、閾値が決 き められている、と考 かんが えても良 よ いでしょう。
具体 ぐたい 的 てき な閾値については、皆 みな さんはここで覚 おぼ える必要 ひつよう はありませんが(ネットで調 しら べればすぐに分 わ かります)、昔 むかし ながら(1980年代 ねんだい ころでしょうか)多 おお く使 つか われた、5V 動作 どうさ の TTL(ティーティーエル, Transistor-Transistor Logic)と呼 よ ばれるゲジゲジ論理 ろんり IC では、入力 にゅうりょく が 2V 以上 いじょう ならば H、0.8V 以下 いか ならば L、という決 き まり(設計 せっけい )になっていました。
その間 あいだ にある中途半端 ちゅうとはんぱ な電圧 でんあつ を入力 にゅうりょく した場合 ばあい は、それは H と判断 はんだん されるかも知 し れませんし、L と判断 はんだん されるかも知 し れません。(それはちょうど、皆 みな さんが授業 じゅぎょう 中 ちゅう に少 すこ しだけ手 て を挙 あ げてみたとき、先生 せんせい は、あなたが手 て を挙 あ げて質問 しつもん しようとしていると判断 はんだん するかも知 し れませんし、あるいはそうは思 おも わないかも知 し れない、ということと似 に ています。)
ただし、このような中途半端 ちゅうとはんぱ な電圧 でんあつ を入力 にゅうりょく すると、論理 ろんり 回路 かいろ が誤動作 ごどうさ (誤 あやま った動 うご き)をすることがあるので、そのような入力 にゅうりょく をしてはいけないことになっています。ただし普通 ふつう は、すぐに IC やマイコンが壊 こわ れてしまうということはないので、あまり心配 しんぱい しなくて大丈夫 だいじょうぶ です。
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余談 よだん : ところで、なぜ TTL の H 側 がわ にはマージン(余裕 よゆう )が 5 – 2 = 3V もあるのに、L 側 がわ のマージンは 0.8V しかないんだ? と思 おも われる方 ほう があるかも知 し れません。TTL という IC はバイポーラトランジスタという半導体 はんどうたい 技術 ぎじゅつ で作 つく られているのですが、入力 にゅうりょく 閾値がベース・エミッタ間 あいだ の PN 接合 せつごう の順 じゅん 電圧 でんあつ で決 き まるため、このような非対称 ひたいしょう (H 側 がわ と L 側 がわ がアンバランスになっている)な特性 とくせい になっているのだと思 おも います。
一方 いっぽう で、最近 さいきん よく使 つか われているマイコン IC は TTL ではなく、C-MOS(シーモス)と呼 よ ばれる半導体 はんどうたい 技術 ぎじゅつ で作 つく られていて、閾値は TTL のものと違 ちが います。たとえば、先 さき ほど触 ふ れた Arduino(アルデュイーノ)と呼 よ ばれるマイコンボードに搭載 とうさい されている Atmel 社 しゃ のマイコン(5V 動作 どうさ の場合 ばあい )では、入力 にゅうりょく が 3V 以上 いじょう で H、1.5V 以下 いか で L という決 き まりになっています。C-MOS の論理 ろんり IC では、「おおむね 、電源 でんげん 電圧 でんあつ の 2/3 以上 いじょう なら H、1/3 以下 いか なら L」と覚 おぼ えておくと分 わ かりやすいでしょう。
はい、難 むずか しい話 はなし はここで終 お わりにします。
ようやく Minecraft(マイクラ)だ!
さて、これで終 お わりにしてしまうと、「えーーっ、マイクラの話 はなし を聞 き きたかったのに〜」という悲鳴 ひめい が聞 き こえてきそうですので、マイクラでの論理 ろんり 回路 かいろ の話 はなし を少 すこ しだけしましょう。
Minecraft(マイクラ)のブロック(アイテム)の中 なか で、論理 ろんり 回路 かいろ を作 つく れそうなものとして、レッドストーンコンパレーター(以下 いか 、略 りゃく してコンパレーターと呼 よ びます)があります。コンパレーター(comparator)とは、日本語 にほんご に訳 やく すと「比較 ひかく 器 き (ひかくき。比 くら べるもの)」という意味 いみ になります。コンパレーターには 2つの(正確 せいかく には 3つ)入力 にゅうりょく があり、入 はい ってくる 2つの信号 しんごう を比 くら べて出力 しゅつりょく を変化 へんか させる機能 きのう があります。
実 じつ は、マイクラには、レッドストーントーチの不思議 ふしぎ な性質 せいしつ を利用 りよう して論理 ろんり 回路 かいろ を組 く む方法 ほうほう があります。ネットで検索 けんさく すると、おそらくそちらが見 み つかると思 おも うのですが、今回 こんかい はあくまでも、「電気 でんき 信号 しんごう を使 つか って論理 ろんり 回路 かいろ を作 つく る原理 げんり (仕組 しくみ )」を勉強 べんきょう するのが目的 もくてき ですので、まずは基本 きほん 的 てき な考 かんが え方 かた からスタートします。
ただし、大 おお きな論理 ろんり 回路 かいろ を作 つく ろうとするとレッドストーントーチの性質 せいしつ を使 つか ったほうがコンパクトな回路 かいろ を描 えが けることも確 たし かです。次回 じかい 以降 いこう 、そのやり方 かた も少 すこ しだけ紹介 しょうかい したいと思 おも います。
まずは、以下 いか のビデオを御覧 ごらん ください。
VIDEO
コンパレーターって不思議 ふしぎ なブロックですね。私 わたし は最初 さいしょ 、ネットの情報 じょうほう (Minecraft Wiki など)を見 み ないで働 はたら きを理解 りかい しようとしたのですが、諦 あきら めました…。皆 みな さんもぜひチャレンジしてください。
さて。コンパレーターのメイン(主 あるじ )の入力 にゅうりょく は、上 うえ のビデオ(写真 しゃしん )で手前 てまえ 側 がわ にあります。そして、左右 さゆう にサブ(副 ふく )の入力 にゅうりょく があります。左右 さゆう の入力 にゅうりょく は同 おな じ働 はたら きをするのですが、しばらくは左右 さゆう の片方 かたがた だけを使 つか ったほうが、分 わ かりやすくて良 よ いでしょう。
ところで、この回路 かいろ では、実 じつ はレッドストーンダストの回路 かいろ の長 なが さが重要 じゅうよう なのです。前回 ぜんかい までに説明 せつめい したように、レッドストーンダストを伝 つた わると、レッドストーン信号 しんごう の強 つよ さが弱 よわ くなっていきます。
そうなんです。この回路 かいろ では、メインの入力 にゅうりょく (手前 てまえ 側 がわ )の信号 しんごう が、左側 ひだりがわ (あるいは右側 みぎがわ )の入力 にゅうりょく よりも(少 すこ し)弱 よわ くないと、論理 ろんり 回路 かいろ として働 はたら かないのです! この辺 あた りの仕組 しくみ は、次回 じかい 説明 せつめい したいと思 おも います。
また余談 よだん : マイクラのレッドストーン回路 かいろ は、とーってもよく考 かんが えられていると思 おも います。レッドストーン回路 かいろ は、実 じつ は「アナログ回路 かいろ 」なのですね。アナログ回路 かいろ を使 つか って論理 ろんり 回路 かいろ を作 つく る、というのは、本当 ほんとう に勉強 べんきょう になるものです。私 わたし が、若 わか い電子 でんし 技術 ぎじゅつ 者 しゃ にマイクラのレッドストーン回路 かいろ で遊 あそ んで貰 もら いたい、ではなくて、電子 でんし 回路 かいろ を復習 ふくしゅう して欲 ほ しい、というのは、こういう理由 りゆう があるためです。
そうそう、一 ひと つだけ重要 じゅうよう な注意 ちゅうい があります。前回 ぜんかい に説明 せつめい したリピーターと同様 どうよう に、コンパレーターの上 うえ には右 みぎ クリックで操作 そうさ できるスイッチがあります。スイッチが消 き えているときはコンパレーターとして働 はたら きますが、このスイッチを右 みぎ クリックしてオンにすると(明 あ かりが灯 とも ります)、今度 こんど は「引 ひ き算 ざん 器 き (subtracter)」という回路 かいろ として働 はたら きます。しばらくの間 あいだ は、このスイッチをオフのままで使 つか ってくださいね。
上 うえ のレッドストーン回路 かいろ は、下 した の論理 ろんり 回路 かいろ と同 おな じ働 はたら きをします。入力 にゅうりょく A は、ビデオの中 なか に出 で てくる手前 てまえ のレバー、入力 にゅうりょく B は、左側 ひだりがわ に置 お いたレバーです。いずれも、レバーをオンにしたときが「真 しん 」になります。また、出力 しゅつりょく が真 しん のとき、レッドストーンランプが灯 とも ります。
ビデオの最後 さいご にもありますが、この回路 かいろ の真理 しんり 値 ち 表 ひょう を書 か いておきましょう。
入力 にゅうりょく A
入力 にゅうりょく B
出力 しゅつりょく
0
0
0
0
1
0
1
0
1
1
1
0
つまり、先 さき ほどのビデオに出 で てくるレッドストーン回路 かいろ は、基本 きほん 的 てき には AND 回路 かいろ なのですが、入力 にゅうりょく B の真 しん /偽 にせ が逆 ぎゃく になっているのです。これは、上 うえ の論理 ろんり 回路 かいろ 図 ず にあるように、入力 にゅうりょく B が NOT 回路 かいろ で反転 はんてん している(ひっくり返 かえ っている)と考 かんが えると良 よ いでしょう。つまり、入力 にゅうりょく B が真 しん だと、NOT 回路 かいろ の出力 しゅつりょく は偽 にせ となり、AND 回路 かいろ の下 した 側 がわ の入力 にゅうりょく も偽 にせ となります。逆 ぎゃく に、B が偽 にせ だと、NOT 回路 かいろ の出力 しゅつりょく は真 しん となり、AND 回路 かいろ の下 した 側 がわ の入力 にゅうりょく も真 しん となります。
今回 こんかい はここまで。皆 みな さんも、コンパレーターにいろんなつなぎ方 かた をして、このコンパレーターがどのように働 はたら いているのか調 しら べてみると良 よ いでしょう。答 こた えは、次回 じかい ! (いや、次回 じかい の次回 じかい になるかな??)
なお、以下 いか の YouTube チャネルに御 ご 登録 とうろく 頂 いただ くと、新 あたら しい教材 きょうざい が公開 こうかい された際 さい にすぐ御覧 ごらん 頂 いただ けます。よろしくお願 ねが いいたします!
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