マイクラで論理ろんり回路かいろ(ろんりかいろ)をまなぼう(だい4かい

更新こうしん

Learning logic circuits by Minecraft (part 4).

前回ぜんかいつづき、マイクラで論理ろんり回路かいろ(ろんりかいろ)をまなぼう、のだい 4かいです。おたせしました。ようやく論理ろんり回路かいろ説明せつめいはいります。すこしむずかしいはなしになりますので、しっかりついてきてくださいね!

シリーズの記事きじ一覧いちらんは、こちらです。

このページをふりがなきでみたいときは、こちらをクリックしてください!(「ひらひらのひらがなめがね」さんのサービスを使つかわせていただいています。)

もし、からないことがあるときは、おとうさんやおかあさんに相談そうだんしてもいでしょう。このページのわりにわせフォームがありますので、気軽きがるにしつもんしてくださいね。(わたしも、うまく説明せつめいできていないところは、どんどんなおしたいとおもっています。)

もうひとつ。本当ほんとう説明せつめいすべてふりがなきでけたらいのですが、んでいるほうなん年生ねんせい方法ほうほうがないので、せんもん(せんもん)用語ようご以外いがいすべ漢字かんじいています。漢字かんじ文章ぶんしょうにふりがなをけてくれる便利べんりなウェブサイトもありますので、ぜひ活用かつようしてください。

論理ろんり回路かいろ記号きごう

論理ろんり回路かいろ普通ふつう回路かいろというものを使つかって設計せっけいします。回路かいろえがくには、いろいろな記号きごうまりごとがあります。

みなさんは、学校がっこうで「地図ちず」について勉強べんきょうしたことがありますね。こちら地図ちず記号きごう一覧いちらんがありますが、すこ復習ふくしゅうしてみましょう。

これは、みなさんがよくっている「学校がっこう」の記号きごうですね。

つぎは、消防署しょうぼうしょ記号きごうです。

これとたように、回路かいろえがくときにもいろいろな記号きごう使つかいます。今回こんかいは、論理ろんり回路かいろえがくときに使つかう、重要じゅうような 3つの記号きごうについて説明せつめいします。

AND(アンド)回路かいろ

これは、AND(アンド)という記号きごうです。論理ろんりせき(ろんりせき)ともいます。意味いみは、あと説明せつめいしましょう。

OR(オア)回路かいろ

これは OR(オア)です。論理ろんり(ろんりわ)ともいます。

NOT(ノット)回路かいろ

これは NOT(ノット)です。インバータ、論理ろんり否定ひてい(ろんりひてい)ともいます。

論理ろんり回路かいろってなんだろう?

さて、論理ろんり回路かいろとはなんでしょう。

みなさんがっているスマートフォン、タブレット、パソコン、さらには、いま洗濯せんたく冷蔵庫れいぞうこ、エアコン、自動車じどうしゃなどには、すべて「電子でんし回路かいろ」というものがはいっています。電子でんし回路かいろなかでも、いろいろと複雑ふくざつ判断はんだん(はんだん)をするための回路かいろを「論理ろんり回路かいろ」といます。

たとえばいま、あなたのお部屋へやなかに、つぎのような「判断はんだん」ができる論理ろんり回路かいろはいった、あたまのいい照明しょうめい器具きぐ(ライト)があったとしましょう。

  • いまよるで」、そして部屋へやなかひとがいたら」、自動的じどうてき照明しょうめい(ライト)をてんける

このように「なに々ならば…をする」、「なに々で、そして、これこれだったら…をする」というようなかんがかたを「論理ろんり(ロジック = logic)」といます。そして、このような論理ろんり電子でんし回路かいろつくったものを「論理ろんり回路かいろ」とぶのです!

さらに、うえいたように「いまよるで、そして、部屋へやなかひとがいたら」のように、あること(いまよるだ)とべつのこと(部屋へやなかひとがいる)が「両方りょうほうただしいときになにかをするには、さきほど紹介しょうかいした「AND(アンド)」という論理ろんり回路かいろ使つかいます。回路かいろつぎのようにえがきます。

この、ボート(小舟こぶね)をうえからみたような記号きごうの、左側ひだりがわせん信号しんごう)は、AND 回路かいろくちで、入力にゅうりょく(にゅうりょく)とびます。右側みぎがわせん信号しんごう)は出口でぐちで、これを出力しゅつりょく(しゅつりょく)とびます。

AND 回路かいろでは、入力にゅうりょくすべてが「しん(しん = ただしいということ)」のとき、出力しゅつりょくから「しん」という信号しんごうてきます。

また、AND 回路かいろでは複数ふくすう入力にゅうりょくえがくことができます。うえ回路かいろでは入力にゅうりょく信号しんごうが 2つですが、これを 3つにしたり、5つにしたりすることができるのです。その場合ばあいすべての入力にゅうりょくしんただしいとき)、出力しゅつりょくしんただしい)になります。

一方いっぽうで、出力しゅつりょくつねに 1つです。AND 回路かいろそと信号しんごうを 2つに分岐ぶんきける)してもいのですが、回路かいろそのものとしては、出力しゅつりょくは 1つです。

しんにせ

さきほど、「しん」という言葉ことばをこっそり使つかいました。これをちゃんと説明せつめいしましょう。

論理ろんり回路かいろでは、あることが「ただしいこと」「そうであること」を、しん(しん)とびます。参考さんこうしょによっては、これを H(エイチあるいはハイ)といてあることもありますが、正確せいかくには「しん」とびます。ちなみに、英語えいごでは「true(トゥルー)」といます。(技術ぎじゅつしゃほうは、しんうより、true とうことがおおいとおもいます。)

一方いっぽう、あることが「ただしくないこと」、「そうでないこと」は、にせ(ぎ)とびます。これも、参考さんこうしょによっては L(エルあるいはロー)といてあることもあります。こちらは、英語えいごでは「false(フォールス)」といます。

論理ろんり回路かいろは、つたえる信号しんごう判断はんだん入力にゅうりょく判断はんだん結果けっかなどを、すべて「しんにせ」であらわします。たとえば、いま、時計とけい午後ごご 10だとしましょう。そのとき、論理ろんり回路かいろでは「いまよるである」が「しん」、つまりただしいこととかんがえます。ぎゃくに、時計とけい午前ごぜん 8だったら、「いまよるである」はただしくないので「にせ」になります。

かりますか? ちょっとむずかしいかもれませんね。

いま、あなたが学校がっこうにいて、先生せんせいから「○○さんは、今朝けさちゃんとごはんべてきましたか?」とかれたら、普通ふつうは「はい」あるいは「いいえ」とこたえますね。論理ろんり回路かいろ世界せかいでは、これを「しんです」、あるいは「にせです」、というのです。つまりやさしくいうと、しんとは「はい」のことで、にせとは「いいえ」ということになります。

「あいまい」は、ない!

論理ろんり回路かいろ世界せかいでは、しんでもにせでもない、あいまいな判断はんだんはありません。現実げんじつ世界せかいでは、「いまよるである」という論理ろんりがあるとき、たとえば午後ごご 6は、その論理ろんりしんにせめにくいことがあります。しかし、論理ろんり回路かいろ設計せっけいするときには、どこかでせんくしかありません。たとえば、「午後ごご 7から午前ごぜん 5までをよるとする」というふうに、きっちりめる必要ひつようがあります。論理ろんり回路かいろでは通常つうじょう、「どちらでもない」という論理ろんりはありません。

よく、機械きかいやコンピュータは融通ゆうずう(ゆうずう)がかない、というようないいかたをしますが、普通ふつう論理ろんり回路かいろは、このようにしんにせしか判断はんだんできないので、そういうふうないいかたになるのですね。一方いっぽうで、最近さいきん人工じんこう知能ちのう機械きかい学習がくしゅう、AI)という研究けんきゅうすすんできて、いままでの論理ろんり回路かいろではできないような、あいまいな判断はんだんをすることができるようになってきましたが、今回こんかい勉強べんきょうでは、ふるくからの論理ろんり回路かいろだけをかんがえましょう。

なお、このような、しんにせかしかあつかえない論理ろんり回路かいろ)を、むずかしい言葉ことばでは論理ろんり(にちろんり)とびます。

OR(オア)と NOT(ノット)

さて、AND 回路かいろについてはかりました。これ以外いがい重要じゅうよう論理ろんり、また論理ろんり記号きごうとして、OR(オア)と NOT(ノット)があります。

AND 回路かいろは、複数ふくすう入力にゅうりょくすべてがしんのときに出力しゅつりょくしんとなりますが、OR 回路かいろでは、入力にゅうりょくのどれかがしんだと、出力しゅつりょくしんになります。AND 回路かいろはたらきを、「…で、そして、…だったら」と説明せつめいしましたが、OR 回路かいろでは、「…で、あるいは、…だったら」というように説明せつめいすることができます。

以下いかれいしめします。AND 回路かいろ記号きごう入力にゅうりょくがわがまっすぐなせん出力しゅつりょくがわまるかたちでしたが、OR 回路かいろでは、入力にゅうりょくがわへこんだまるせん出力しゅつりょくがわをとがったまるせんえがきます。ただしいかたちをしっかりおぼえましょう。

さて。この OR 回路かいろ出力しゅつりょくでは、どのようなことができるでしょうか。

たとえば、こんなことはどうでしょう?  あめっているか、あるいはふうつよかったら、まど自動的じどうてきめてくれる論理ろんり回路かいろがあったら便利べんりではないでしょうか?  あめっていて、そしてふうつよかったら、ではなく、どちらかだけでも、まどめてくれるとうれしいですね。このようなとき、OR 回路かいろ使つかいます。「あめっている」か、あるいは、「ふうつよかった」ら、まどめる、というような回路かいろというわけです。

OR 回路かいろも AND 回路かいろ同様どうよう入力にゅうりょく複数ふくすうあっていです。出力しゅつりょくひとつだけです。

最後さいごが、NOT 回路かいろです。インバータ(= inverter、反転はんてんのこと)ともびます。

NOT 回路かいろは、入力にゅうりょく論理ろんりしんにせか)を、ひっくりかえはたらきがあります。つまり、入力にゅうりょくしんだったら出力しゅつりょくにせに、入力にゅうりょくにせだったら、出力しゅつりょくしんになります。あまのじゃくな回路かいろですね。

いまじょうの NOT 回路かいろでは、洗濯せんたくうごいているとき、入力にゅうりょくしんになりますが、そのとき、出力しゅつりょくにせになります。ぎゃくに、洗濯せんたくうごいて「いない」とき、出力しゅつりょくしんになります。この論理ろんり回路かいろをうまく使つかうと、洗濯せんたくとままったらアラームをらす、なんていう回路かいろつくれそうですね。

真理しんりひょう

いままで説明せつめいしてきたような論理ろんり回路かいろはたらきを、ひょうあらわすことができます。このようなひょうを、真理しんりひょう(しんりちひょう)といます。「まりちひょう」ではありませんよ。 🙂

AND 回路かいろ真理しんりひょう

以下いかやすくするため、しんを 1、にせを oとくことにします。(論理ろんり回路かいろでは、数字すうじの 1をしん、0 をにせあらわすことがよくあります。)

まず最初さいしょに、2入力にゅうりょくの AND 回路かいろです。

入力にゅうりょくA 入力にゅうりょくB 出力しゅつりょく
0 0 0
0 1 0
1 0 0
1 1 1

2入力にゅうりょくの AND では、入力にゅうりょくわせは 2 × 2 で 4とおりになります。

つぎは、3入力にゅうりょくの AND 回路かいろです。

入力にゅうりょくA 入力にゅうりょくB 入力にゅうりょくC 出力しゅつりょく
0 0 0 0
0 0 1 0
0 1 0 0
0 1 1 0
1 0 0 0
1 0 1 0
1 1 0 0
1 1 1 1

3入力にゅうりょくの AND では、入力にゅうりょくわせは 2 × 2 × 2 で 8とおりになります。

いずれの場合ばあいでも、AND 回路かいろでは、すべての入力にゅうりょくしん(1)にならないと、出力しゅつりょくしん(1)にならないことがかります。

OR 回路かいろ真理しんりひょう

まず最初さいしょに、2入力にゅうりょくの OR 回路かいろです。

入力にゅうりょくA 入力にゅうりょくB 出力しゅつりょく
0 0 0
0 1 1
1 0 1
1 1 1

つぎは、3入力にゅうりょくの OR 回路かいろです。

入力にゅうりょくA 入力にゅうりょくB 入力にゅうりょくC 出力しゅつりょく
0 0 0 0
0 0 1 1
0 1 0 1
0 1 1 1
1 0 0 1
1 0 1 1
1 1 0 1
1 1 1 1

OR 回路かいろでは、入力にゅうりょくのどれか 1つがしん(1)になると、出力しゅつりょくしん(1)になることがよくかりますね。

NOT 回路かいろ真理しんりひょう

NOT 回路かいろは、1入力にゅうりょくしかありません。

入力にゅうりょく 出力しゅつりょく
0 1
1 0

真理しんりひょうは、このように論理ろんり回路かいろ記号きごう(AND, OR, NOT)などの意味いみ説明せつめいするときによく使つかわれますが、実際じっさいには、もっと複雑ふくざつ回路かいろ設計せっけい重要じゅうようはたらきをします。

わせ論理ろんり回路かいろ

さて、ここまでは AND や OR 回路かいろひとつだけの回路かいろ紹介しょうかいしましたが、もちろん、これらの回路かいろ複数ふくすうつないで複雑ふくざつ回路かいろつくることができます。ひとれいしめしましょう。なお、このような論理ろんり回路かいろを「わせ(論理ろんり回路かいろ(combinational logic circuit)」とびます。

回路かいろじょうのポチっとしたちいさなまる(●)は、ここで信号しんごうせんつながっている、という意味いみです。なお、回路かいろあかみどりえがけられていますが、これは回路かいろつくった CADきゃど(キャド)ソフトの都合つごうであって、回路かいろをこのようないろえがかなくてはいけない、という意味いみではありません。

さて、うえの(複雑ふくざつな)回路かいろ言葉ことばあらわすとつぎのようになります。

(A かつ B)あるいは(C かつ D)ならば X はしんである。X がしんならば Y はにせである。

なお、「A かつ B」というのは、「A がしんで、かつ B がしんである」をりゃくしたいいかたです。また、「…ならば X がしんである」といういいかたも、「…ならば X である」とりゃくすことができます。

つぎに、さきほど説明せつめいした真理しんりひょうでこの回路かいろてみましょう。

入力にゅうりょくA 入力にゅうりょくB 入力にゅうりょくC 入力にゅうりょくD 出力しゅつりょくX 出力しゅつりょくY
0 0 0 0 0 1
0 0 0 1 0 1
0 0 1 0 0 1
0 0 1 1 1 0
0 1 0 0 0 1
0 1 0 1 0 1
0 1 1 0 0 1
0 1 1 1 1 0
1 0 0 0 0 1
1 0 0 1 0 1
1 0 1 0 0 1
1 0 1 1 1 0
1 1 0 0 1 0
1 1 0 1 1 0
1 1 1 0 1 0
1 1 1 1 1 0

どうでしょう?  すぐには理解りかいできないかもれませんが、じっくりながめていると、すこしずつかるようになりますよ!

電気でんき論理ろんり回路かいろつくるには

さて、いままで論理ろんり回路かいろ信号しんごうを「しん」とか「にせ」とかってきましたが、実際じっさい電気でんき仕組しくみ使つかって論理ろんり回路かいろ実現じつげんするにはどうしたらいのでしょう?

電気でんき簡単かんたん仕組しくみについては小学校しょうがっこう 3〜4年生ねんせいならいます。また、電圧でんあつなんボルト)・電流でんりゅうなんアンペア)といったかんがかた中学校ちゅうがっこう 2年生ねんせいまなびますね。おおくの電子でんし回路かいろでは、この「電圧でんあつ」を使つかって「しん」や「にせ」をあらわします。

一般いっぱんには(おおくの場合ばあいは)たか電圧でんあつしんひく電圧でんあつにせあらわします。 また、電気でんき論理ろんり回路かいろ説明せつめいするときには、普通ふつうは「しん/にせ」ではなく、このような電圧でんあつかんがかた使つかって、たか電圧でんあつを H(high = ハイ)、ひく電圧でんあつを L(low = ロー)とぶのが一般いっぱんてきです。

ただし注意ちゅういてんとして、H がつねしんあらわすとはかぎらないということに注意ちゅういしてください。「信号しんごうしんであることを H(ハイ)でひょうそう」とまりのとき、これを「H 能動のうどう(のうどう)あるいは active-high(アクティブ・ハイ)とびます。ぎゃくに、「信号しんごうしんであることを L(ロー)でひょうそう」という場合ばあいは、これを「L 能動のうどう」あるいは active-low(アクティブ・ロー)の信号しんごうびます。

むずかしいですね。みなさんは、「普通ふつうは H(ハイ = たか電圧でんあつ)でしんあらわすけど、ぎゃく場合ばあいもあるんだ」というくらいにおぼえておけば OK です。

みなさんのなかで、Arduino(アルデュイーノ)、PIC(ピック)、Raspberry Pi(ラズベリーパイあるいはラズパイ)といったマイコンボードをさわったことのあるほうがいるかもれません。これらのマイコンは通常つうじょう、5V(ボルト)あるいは 3.3V の電圧でんあつうごいていて、ある信号しんごうせん回路かいろ)に 5V(あるいは 3.3V)の電圧でんあつがかかっているとき、これを「H(ハイ)」としています。また、電圧でんあつが 0V(電圧でんあつがかかっていないということ)のとき、これを「L(ロー)」とします。

電子でんし回路かいろおおくの場合ばあい電圧でんあつひくくするほど消費しょうひ電流でんりゅうすくなくなる(つまり、電池でんち長持ながもちする)ので、最近さいきんは 5V でなく、3.3V、2.5V、1.8V といった電圧でんあつうご電子でんし回路かいろやマイコンがえています。しかし、みなさんがもし電子でんし回路かいろれるときは、だいたい、5V か 3.3V だとおもって間違まちがいないでしょう。

ちょっとむずかしいはなしばしていです)

ところで、みなさんのなか注意深ちゅういぶかほう心配しんぱいすることでしょう。

もし、5V でうご論理ろんり回路かいろに、半分はんぶんの 2.5V を入力にゅうりょくしたらどうなるの?

それは非常ひじょうい(するどい)質問しつもんです!  このように中途半端ちゅうとはんぱ電圧でんあつ正確せいかくには電位でんい(でんい)といます)を入力にゅうりょくした場合ばあい電気でんきうご論理ろんり回路かいろでは、これを H と判断はんだんするか L と判断はんだんするかは、「閾値(しきいち)」あるいはスレッシュホールド(= threshold)というものでまります。あるいは、H か L を明確めいかくにできるように、閾値がめられている、とかんがえてもいでしょう。

具体ぐたいてきな閾値については、みなさんはここでおぼえる必要ひつようはありませんが(ネットで調しらべればすぐにかります)、むかしながら(1980年代ねんだいころでしょうか)おお使つかわれた、5V 動作どうさの TTL(ティーティーエル, Transistor-Transistor Logic)とばれるゲジゲジ論理ろんり IC では、入力にゅうりょくが 2V 以上いじょうならば H、0.8V 以下いかならば L、というまり(設計せっけい)になっていました。

そのあいだにある中途半端ちゅうとはんぱ電圧でんあつ入力にゅうりょくした場合ばあいは、それは H と判断はんだんされるかもれませんし、L と判断はんだんされるかもれません。(それはちょうど、みなさんが授業じゅぎょうちゅうすこしだけげてみたとき、先生せんせいは、あなたがげて質問しつもんしようとしていると判断はんだんするかもれませんし、あるいはそうはおもわないかもれない、ということとています。)

ただし、このような中途半端ちゅうとはんぱ電圧でんあつ入力にゅうりょくすると、論理ろんり回路かいろ誤動作ごどうさあやまったうごき)をすることがあるので、そのような入力にゅうりょくをしてはいけないことになっています。ただし普通ふつうは、すぐに IC やマイコンがこわれてしまうということはないので、あまり心配しんぱいしなくて大丈夫だいじょうぶです。

(This file is licensed under the Creative Commons Attribution-Share Alike 3.0 Unported license.)

余談よだん: ところで、なぜ TTL の H がわにはマージン(余裕よゆう)が 5 – 2 = 3V もあるのに、L がわのマージンは 0.8V しかないんだ?  とおもわれるほうがあるかもれません。TTL という IC はバイポーラトランジスタという半導体はんどうたい技術ぎじゅつつくられているのですが、入力にゅうりょく閾値がベース・エミッタあいだの PN 接合せつごうじゅん電圧でんあつまるため、このような非対称ひたいしょう(H がわと L がわがアンバランスになっている)な特性とくせいになっているのだとおもいます。

一方いっぽうで、最近さいきんよく使つかわれているマイコン IC は TTL ではなく、C-MOS(シーモス)とばれる半導体はんどうたい技術ぎじゅつつくられていて、閾値は TTL のものとちがいます。たとえば、さきほどれた Arduino(アルデュイーノ)とばれるマイコンボードに搭載とうさいされている Atmel しゃのマイコン(5V 動作どうさ場合ばあい)では、入力にゅうりょくが 3V 以上いじょうで H、1.5V 以下いかで L というまりになっています。C-MOS の論理ろんり IC では、「おおむね電源でんげん電圧でんあつの 2/3 以上いじょうなら H、1/3 以下いかなら L」とおぼえておくとかりやすいでしょう。

はい、むずかしいはなしはここでわりにします。

ようやく Minecraft(マイクラ)だ!

さて、これでわりにしてしまうと、「えーーっ、マイクラのはなしきたかったのに〜」という悲鳴ひめいこえてきそうですので、マイクラでの論理ろんり回路かいろはなしすこしだけしましょう。

Minecraft(マイクラ)のブロック(アイテム)のなかで、論理ろんり回路かいろつくれそうなものとして、レッドストーンコンパレーター(以下いかりゃくしてコンパレーターとびます)があります。コンパレーター(comparator)とは、日本語にほんごやくすと「比較ひかく(ひかくき。くらべるもの)」という意味いみになります。コンパレーターには 2つの(正確せいかくには 3つ)入力にゅうりょくがあり、はいってくる 2つの信号しんごうくらべて出力しゅつりょく変化へんかさせる機能きのうがあります。

じつは、マイクラには、レッドストーントーチの不思議ふしぎ性質せいしつ利用りようして論理ろんり回路かいろ方法ほうほうがあります。ネットで検索けんさくすると、おそらくそちらがつかるとおもうのですが、今回こんかいはあくまでも、「電気でんき信号しんごう使つかって論理ろんり回路かいろつく原理げんり仕組しくみ)」を勉強べんきょうするのが目的もくてきですので、まずは基本きほんてきかんがかたからスタートします。

ただし、おおきな論理ろんり回路かいろつくろうとするとレッドストーントーチの性質せいしつ使つかったほうがコンパクトな回路かいろえがけることもたしかです。次回じかい以降いこう、そのやりかたすこしだけ紹介しょうかいしたいとおもいます。

まずは、以下いかのビデオを御覧ごらんください。

コンパレーターって不思議ふしぎなブロックですね。わたし最初さいしょ、ネットの情報じょうほうMinecraft Wiki など)をないではたらきを理解りかいしようとしたのですが、あきらめました…。みなさんもぜひチャレンジしてください。

さて。コンパレーターのメイン(あるじ)の入力にゅうりょくは、うえのビデオ(写真しゃしん)で手前てまえがわにあります。そして、左右さゆうにサブ(ふく)の入力にゅうりょくがあります。左右さゆう入力にゅうりょくおなはたらきをするのですが、しばらくは左右さゆう片方かたがただけを使つかったほうが、かりやすくていでしょう。

ところで、この回路かいろでは、じつはレッドストーンダストの回路かいろながさが重要じゅうようなのです。前回ぜんかいまでに説明せつめいしたように、レッドストーンダストをつたわると、レッドストーン信号しんごうつよさがよわくなっていきます。

そうなんです。この回路かいろでは、メインの入力にゅうりょく手前てまえがわ)の信号しんごうが、左側ひだりがわ(あるいは右側みぎがわ)の入力にゅうりょくよりも(すこし)よわくないと、論理ろんり回路かいろとしてはたらかないのです!  このあたりの仕組しくみは、次回じかい説明せつめいしたいとおもいます。

また余談よだん: マイクラのレッドストーン回路かいろは、とーってもよくかんがえられているとおもいます。レッドストーン回路かいろは、じつは「アナログ回路かいろ」なのですね。アナログ回路かいろ使つかって論理ろんり回路かいろつくる、というのは、本当ほんとう勉強べんきょうになるものです。わたしが、わか電子でんし技術ぎじゅつしゃにマイクラのレッドストーン回路かいろあそんでもらいたい、ではなくて、電子でんし回路かいろ復習ふくしゅうしてしい、というのは、こういう理由りゆうがあるためです。

そうそう、ひとつだけ重要じゅうよう注意ちゅういがあります。前回ぜんかい説明せつめいしたリピーターと同様どうように、コンパレーターのうえにはみぎクリックで操作そうさできるスイッチがあります。スイッチがえているときはコンパレーターとしてはたらきますが、このスイッチをみぎクリックしてオンにすると(かりがともります)、今度こんどは「ざん(subtracter)」という回路かいろとしてはたらきます。しばらくのあいだは、このスイッチをオフのままで使つかってくださいね。

うえのレッドストーン回路かいろは、した論理ろんり回路かいろおなはたらきをします。入力にゅうりょく A は、ビデオのなかてくる手前てまえのレバー、入力にゅうりょく B は、左側ひだりがわいたレバーです。いずれも、レバーをオンにしたときが「しん」になります。また、出力しゅつりょくしんのとき、レッドストーンランプがともります。

ビデオの最後さいごにもありますが、この回路かいろ真理しんりひょういておきましょう。

入力にゅうりょくA 入力にゅうりょくB 出力しゅつりょく
0 0 0
0 1 0
1 0 1
1 1 0

つまり、さきほどのビデオにてくるレッドストーン回路かいろは、基本きほんてきには AND 回路かいろなのですが、入力にゅうりょく B のしん/にせぎゃくになっているのです。これは、うえ論理ろんり回路かいろにあるように、入力にゅうりょく B が NOT 回路かいろ反転はんてんしている(ひっくりかえっている)とかんがえるといでしょう。つまり、入力にゅうりょく B がしんだと、NOT 回路かいろ出力しゅつりょくにせとなり、AND 回路かいろしたがわ入力にゅうりょくにせとなります。ぎゃくに、B がにせだと、NOT 回路かいろ出力しゅつりょくしんとなり、AND 回路かいろしたがわ入力にゅうりょくしんとなります。

今回こんかいはここまで。みなさんも、コンパレーターにいろんなつなぎかたをして、このコンパレーターがどのようにはたらいているのか調しらべてみるといでしょう。こたえは、次回じかい! (いや、次回じかい次回じかいになるかな??)

なお、以下いかの YouTube チャネルに登録とうろくいただくと、あたらしい教材きょうざい公開こうかいされたさいにすぐ御覧ごらんいただけます。よろしくおねがいいたします!

わせはお気軽きがるに!

わせをいただいたのち継続けいぞくして営業えいぎょう活動かつどうをしたり、ニュースレターとうをおおくりしたりすることはございません。
返答へんとうは 24時間じかん以内いない営業えいぎょう時間じかんちゅう)とさせていただいております。もし返答へんとうとどかない場合ばあいなんらかの事情じじょうでメールがたちとなっている可能かのうせいがございます。大変たいへん手数てすうですが、べつのメールアドレスとう督促とくそくいただけますとさいわいです。