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妊産婦の死亡率、黒人は白人の3倍 アメリカの医療に埋め込まれた差別を掘り起こす:朝日新聞GLOBE+
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妊産婦にんさんぷ死亡しぼうりつ黒人こくじん白人はくじんの3ばい アメリカの医療いりょうまれた差別さべつこす

ホワイトハウスへもうダッシュ 更新こうしん 公開こうかい
2016年4月12日、生まれたばかりの次男ラングストンくんを抱っこするキラ・ジョンソンさん
2016ねん4がつ12にちまれたばかりの次男じなんラングストンくんをっこするキラ・ジョンソンさん(チャールズ・ジョンソンさん提供ていきょう

べい疾病しっぺい対策たいさくセンター(CDC)のデータによれば、2020ねん米国べいこく妊娠にんしんちゅうおよ妊娠にんしん終了しゅうりょう42にち以内いないくなった女性じょせいかずは861にんだった。おな条件下じょうけんかで2018ねん死者ししゃすうは658にん、2019ねんで754にんと、近年きんねん増加ぞうか傾向けいこうにある。「ニアミス」とされるにかけた経験けいけん女性じょせいかず年間ねんかんやく5まんにんとされる。経済けいざい協力きょうりょく開発かいはつ機構きこう(OECD)の統計とうけいは、米国べいこく妊産婦にんさんぷ死亡しぼうりつ先進せんしんこくくらけてたかいことをりにしている。2019ねんの10まんにんあたりの妊産婦にんさんぷ死亡しぼうしゃすうは、フランスで7.6、カナダで7.5、イギリスで6.5、オーストラリアで5.9、日本にっぽんでは3.7である一方いっぽう米国べいこくは17.4だった。

メリーランドしゅう産婦人科さんふじんか、「プランド・ペアレントフッド」のチーフ・メディカル・ディレクターもつとめるレーガン・マクドナルド・モスリー医師いしは、他国たこくくら米国べいこく妊産婦にんさんぷ死亡しぼうりつたか理由りゆうひとつに「さかさまの労働ろうどうりょく」を指摘してきする。「(米国べいこくでは)助産婦じょさんぷによる助産じょさんしょいえでの出産しゅっさんではなく、病院びょういんモデルにもとづき産婦人科さんふじんかたよおおきな傾向けいこうがある。一方いっぽうで、医者いしゃ助産婦じょさんぷ出産しゅっさん看護かんごケアのプロバイダーが全体ぜんたいてき不足ふそくしている。さらに、妊産婦にんさんぷ死亡しぼうおおくが出産しゅっさんきているにもかかわらず、出産しゅっさん母体ぼたい問題もんだいしょうじたさいのサポートが手薄てうすになっている」。

生前、米疾病対策センター(CDC)の伝染病学者だったシャロン・アーヴィングさん
生前せいぜんべい疾病しっぺい対策たいさくセンター(CDC)の伝染でんせんびょう学者がくしゃだったシャロン・アーヴィングさん(ワンダ・アーヴィングさん提供ていきょう

CDCのデータにもとづきこの割合わりあい人種じんしゅべつると、米国べいこくで10まんにんあたりの白人はくじんくなる割合わりあいは2018ねんで14.9、2019ねんで17.9、2020ねんで19.1だった。ヒスパニックけいは、2018ねんで11.8、2019ねんで12.6、2020ねんで18.2と、白人はくじんよりもひく数値すうちている。一方いっぽう黒人こくじんは、2018ねんで37.3、2019ねんで44.0、2020ねんでは55.3で、白人はくじんやヒスパニックけいくらべると3ばいちか死亡しぼうりつたかい。専門せんもんあいだで「さまたげることができる」とされる妊産婦にんさんぷ死亡しぼうがなぜべい黒人こくじん女性じょせいあいだ均衡きんこうたかいのか?

妊産婦にんさんぷ死亡しぼうりつとシステミック・レイシズム

マクドナルド・モスリー医師いしは、だいいち理由りゆうとして「医療いりょうサービスのシステムにひそむシステミック・レイシズム(制度せいどされた人種じんしゅ差別さべつ)」をあげる。「とく歴史れきしてき社会しゃかい主流しゅりゅうから疎外そがいされたひとたちにとって、システミック・レイシズムが個々ここける医療いりょうサービスのクオリティに直接的ちょくせつてき間接かんせつてき影響えいきょうしている」と指摘してきするマクドナルド・モスリー医師いしは、まずその間接かんせつてき影響えいきょうれいとして一般いっぱんてき黒人こくじん居住きょじゅう環境かんきょうについて説明せつめいする。

安全あんぜんせい白人はくじん居住きょじゅうことなる黒人こくじん区域くいきでは、おおくのひとたかいストレスレベルになやまされている。警察けいさつ不当ふとうつかまらないか。げきたれたり殺人さつじん事件じけんまれたりしないか。いえ強盗ごうとうはいらないか。子供こども無事ぶじいえかえってくるか。どうやって家族かぞくべさせていくか。日々ひびこのような不安ふあんかか生活せいかつをしている。子供こどもころ暴力ぼうりょく麻薬まやくじゅう発砲はっぽう事件じけん経験けいけんしたひとたちがかかえるトラウマは成人せいじんしてもえることはなく、ストレスや精神せいしん疾患しっかんなどをこし「まけ連鎖れんさ」をつくしている。

長男のチャールズくんと手を繋いで歩くキラ・ジョンソンさん
長男ちょうなんのチャールズくんとつないであるくキラ・ジョンソンさん(チャールズ・ジョンソンさん提供ていきょう

「このように通常つうじょうよりもたかいストレスは(『ストレス・ホルモン』とばれる)コルチゾールのレベルを上昇じょうしょうさせることで、おおくの慢性まんせい疾患しっかんをもたらす。これが黒人こくじん女性じょせい妊産婦にんさんぷ死亡しぼうりつ影響えいきょうしているというおおくの研究けんきゅう結果けっか発表はっぴょうされている」。一般いっぱんてきおお死因しいんは、循環じゅんかん疾患しっかんなんらかの原因げんいんによる多量たりょう出血しゅっけつ精神せいしん疾患しっかんによるもの、高血圧こうけつあつ疾患しっかんなどがあげられるという。

健康けんこう状態じょうたい格差かくさ一人ひとりいちにん行動こうどうパターンによるものだと黒人こくじん批判ひはんされる傾向けいこうがあるが、構造こうぞうてき差別さべつがこのくに様々さまざま側面そくめんまれている。地域ちいき安全あんぜんか。きれいなみずがあるか。汚染おせんされていない空気くうきがあるか。これらはシステミック・レイシズムの問題もんだいだ」。首都しゅとワシントンとニューヨークを拠点きょてんとし、経済けいざい人種じんしゅ、ジェンダーの平等びょうどう教育きょういくやヘルスケアなどの問題もんだい研究けんきゅうするシンクタンク「ザ・センチュリー・ファンデーション」で、ヘルスケア・リフォーム・ディレクターをつとめるジャミラ・テイラー博士はかせかたる。「差別さべつ体験たいけんすることがひと病気びょうきにする。人種じんしゅ問題もんだいではない。はだいろでもない。日常にちじょう生活せいかつなかでトラウマをしょうじる体験たいけん健康けんこう状態じょうたいにインパクトをあたえる」。

収入しゅうにゅうレベルでことなる医療いりょうサービス

「(米国べいこくには)収入しゅうにゅうレベルにもとづくことなったヘルスケア・システムが存在そんざいする。てい所得しょとく有色ゆうしょく人種じんしゅがクオリティのひく医療いりょうサービスをけている」とはなすマクドナルド・モスリー医師いしは、黒人こくじん居住きょじゅうでの資源しげんまずしさを指摘してきする。米国べいこくでは病院びょういんかず圧倒的あっとうてきすくない黒人こくじん居住きょじゅうおおく、ちが地域ちいきまでバスや電車でんしゃいてかなければならない黒人こくじん医者いしゃにかかろうとしない、または診察しんさつ回数かいすうすくない傾向けいこうがある。たとえば、首都しゅとワシントンでも、黒人こくじん居住きょじゅうとされる南東なんとうには出産しゅっさんできる病院びょういん現在げんざいひとつも存在そんざいしない。全米ぜんべいでも有名ゆうめいおおきな病院びょういんのほとんどが黒人こくじん居住きょじゅうそとにある。

たとえ病院びょういんがあっても、設備せつびやテクノロジーにがついている場合ばあいすくなくないとマクドナルド・モスリー医師いしはいう。「たとえば、マンモグラム(にゅうがん検診けんしん使つかわれるレントゲン)の機械きかいひとつをとっても、黒人こくじん居住きょじゅうにある施設しせつ機械きかいおとっていることがある。とく腫瘍しゅようちいさい場合ばあい白人はくじんであればつかる腫瘍しゅようが、黒人こくじん居住きょじゅう黒人こくじんであれば機械きかい性能せいのうのせいでつけてもらえずただしい診断しんだんおこなわれないことになる」。

さらにマクドナルド・モスリー医師いしは、てい所得しょとく黒人こくじんおおくが利用りようするメディケイド(てい所得しょとくしゃおよび障害しょうがいしゃのための医療いりょう保険ほけん制度せいど)の問題もんだいてん指摘してきする。メディケイドにより、専門せんもんてき医者いしゃてもらう必要ひつようがあるとき選択肢せんたくし限定げんていされたり、プライベートの保険ほけんならられる処置しょちのオプションが除外じょがいされたりすることがあるという。

母親キラ・ジョンソンさんの絵を掲げる長男のチャールズくん(左)と次男のラングストンくん
母親ははおやキラ・ジョンソンさんのかかげる長男ちょうなんのチャールズくん(ひだり)と次男じなんのラングストンくん(チャールズ・ジョンソンさん提供ていきょう

カイザー・ファミリー財団ざいだんの2019ねん統計とうけいによれば、米国べいこくで65さい未満みまんのメディケイド加入かにゅうしゃやく5せん6ひゃくまんにんのうち、20%を黒人こくじんめている。65さい未満みまん黒人こくじん人口じんこうの32.9%がメディケイドに加入かにゅうしており、白人はくじん人口じんこうめる割合わりあい15・2%のやく2ばいあたいする。

テイラー博士はかせは「現在げんざい、メディケイドによる妊産婦にんさんぷ保険ほけん適用てきよう分娩ぶんべん60にち失効しっこうする」ことを問題もんだいする。このことが、出産しゅっさんえた母親ははおや医者いしゃもともど診察しんさつしてもらうことをさまたげてしまっているという。テイラー博士はかせは、メディケイドの分娩ぶんべん保険ほけん適用てきよう期間きかん延長えんちょう切実せつじつうったえる。「これを12ヶ月かげつ延長えんちょうすることができれば、糖尿とうにょうびょうなどの慢性まんせい疾患しっかんわずら母親ははおや産後さんご医療いりょうサービスを維持いじすることができる。出産しゅっさん1年間ねんかん、メディケイドのベネフィットをキープできるようにすることが(妊産婦にんさんぷ死亡しぼうらす)かぎとなる」。

バイデン大統領だいとうりょうの「アメリカ・レスキュー・プラン(救済きゅうさい計画けいかく)」に、分娩ぶんべんから1ねんのメディケイド適用てきよう期間きかん延長えんちょうまれるなど、連邦れんぽう政府せいふみは前進ぜんしんしている。これがすべてのしゅう適用てきようされることが重要じゅうよう課題かだいとなっている。

医療いりょう現場げんばでの差別さべつ

システミック・レイシズムが医療いりょうサービスのクオリティに直接的ちょくせつてき影響えいきょうしているれいとして、マクドナルド・モスリー医師いし医療いりょう現場げんばでの差別さべつ偏見へんけん指摘してきする。患者かんじゃ差別さべつけているとかんじた場合ばあい、または患者かんじゃがシャロン・アーヴィングさんやキラ・ジョンソンさんのようにくなってしまった場合ばあい、それがどこまで人種じんしゅ差別さべつもとづくかを検証けんしょうすることはきわめてむずかしい。だがマクドナルド・モスリー医師いしう。

「20ねんちか医療いりょうケアを提供ていきょうしてきた医者いしゃとしてえることは、患者かんじゃ人種じんしゅもとづきことなった対応たいおうけるのをかえ目撃もくげきしてきたということだ。医療いりょう従事じゅうじしゃなかには、自分じぶんことなるバックグラウンドをひと理解りかいしようとせず、有色ゆうしょく人種じんしゅてい所得しょとく患者かんじゃ一人ひとり人間にんげんとしてではなくもののようにあつかひともいる。また、たとえ医者いしゃ差別さべつ主義しゅぎしゃでなくとも、『黒人こくじん女性じょせい白人はくじん女性じょせいくらべてにゅうがんになりにくい』などといったよぎった概念がいねんもとづきただしい診断しんだんおこなわれないこともある」

生まれたばかりのソレイユちゃんを抱っこするシャロン・アーヴィングさん
まれたばかりのソレイユちゃんをっこするシャロン・アーヴィングさん(ワンダ・アーヴィングさん提供ていきょう

生殖せいしょくかんする研究けんきゅう記事きじ出版しゅっぱんする「リプロダクティブ・ヘルス」による2019ねん妊娠にんしん出産しゅっさんにおける不平等ふびょうどう不当ふとうあつかいにかんするリサーチによれば、「医療いりょう現場げんば不当ふとうあつかわれた経験けいけん有色ゆうしょく人種じんしゅ女性じょせい割合わりあい一貫いっかんしてたかい」という結論けつろんされている。2700にん調査ちょうさ参加さんかしゃなか社会しゃかい経済けいざいてきひくいステイタスを黒人こくじん女性じょせいの27.2%が医療いりょうなんらかの不当ふとうあつかいをけたとこたえた一方いっぽうおな経験けいけんをしたことがあるとこたえたどう条件じょうけん白人はくじんは18.7%だった。「不当ふとうあつかい」のおも内容ないようは、「選択肢せんたくしあたえられず自分じぶん決断けつだんをさせてもらえない、怒鳴どなられる、おこられる、おどされる、無視むしされる、拒否きょひされる、たすけをもとめるリクエストにたいする反応はんのうがない」だった。

2017ねん発表はっぴょうされたNPR(米国べいこく公共こうきょうラジオ放送ほうそう)とハーバード大学だいがくの「米国べいこく差別さべつ」についての共同きょうどう調査ちょうさによると、「病院びょういん診療しんりょうしょ黒人こくじんがゆえに差別さべつけたとかんじたことはあるか?」といういに「イエス」とこたえた黒人こくじん割合わりあいは32%だった。「自分じぶん家族かぞく人種じんしゅ差別さべつけるかもしれないという懸念けねんから医者いしゃてもらうことや医療いりょうケアをもとめることを回避かいひしたことはあるか?」という質問しつもんには22%の黒人こくじんが「イエス」とこたえた。

黒人こくじん白人はくじんよりもいたみをかんじない?

黒人こくじん女性じょせい妊娠にんしん出産しゅっさんとおして体験たいけんする差別さべつかたとき奴隷どれい時代じだいにさかのぼる黒人こくじん女性じょせいからだ弾圧だんあつ歴史れきし理解りかいすることが重要じゅうようだ」とテイラー博士はかせかたる。現代げんだい産科さんかがくおよ婦人ふじん科学かがくはじまりは、奴隷どれい黒人こくじん女性じょせいからだ利用りようすることではじまった。白人はくじん女性じょせい安全あんぜん手術しゅじゅつけられるよう、黒人こくじん女性じょせいからだ麻酔ますいなしで人体じんたい実験じっけん使つかわれた。このような歴史れきしから、「『黒人こくじん白人はくじんくらあつ皮膚ひふっているため、いたみにたいする忍耐にんたいりょく白人はくじんよりもたかい』というよぎった認識にんしきがいまだにステレオタイプとして米国べいこく根付ねついている」。

テイラー博士はかせつづけた。「いたみにさけ黒人こくじんこえは、みみかたむけられることなく無視むしされた。それがどれほどのトラウマをんだことだろう。現代げんだいにおいて、いたみや不快ふかいうったえる黒人こくじん女性じょせいこえ医者いしゃとどかないというはなしくたびに、まるで奴隷どれい時代じだいおなじようなことがいまでもきているようにえる」。

生まれたばかりのソレイユちゃんを抱っこするシャロン・アーヴィングさん
まれたばかりのソレイユちゃんをっこするシャロン・アーヴィングさん(ワンダ・アーヴィングさん提供ていきょう

2016ねんのバージニア州立しゅうりつ大学だいがくによる疼痛とうつう処理しょりについてのリサーチで、「米国べいこく白人はくじん患者かんじゃ鎮痛ちんつうざい過剰かじょう処方しょほうされ使用しようする一方いっぽう黒人こくじん患者かんじゃ組織そしきてき適切てきせつ疼痛とうつう処理しょりけていない」という結果けっか発表はっぴょうされた。黒人こくじん白人はくじんくらべ、きちんとした治療ちりょうほどこされていないだけではなく、世界せかい保健ほけん機関きかん(WHO)がさだめるガイドラインの基準きじゅん下回したまわっていることが判明はんめいした。

222にん医学いがくせい研修けんしゅう対象たいしょうおこなわれた調査ちょうさは、腎臓じんぞう結石けっせきあし骨折こっせつれいに、白人はくじん黒人こくじんのそれぞれの患者かんじゃがゼロから10レベルでどれほどのいたみを体験たいけんしているかを推測すいそくし、適切てきせつ疼痛とうつう処置しょち提案ていあんするという内容ないようだった。さらに参加さんかしゃは、白人はくじん黒人こくじん生物せいぶつがくてき相違そういについてしんじられているものが真実しんじつ虚偽きょぎかをわれた。虚偽きょぎれいは、「黒人こくじん白人はくじんよりもよわいおそい」、「黒人こくじん末端まったん神経しんけい白人はくじんくらにぶい」、「黒人こくじん血液けつえき白人はくじんよりもはや凝固ぎょうこする」、「黒人こくじんはだ白人はくじんよりもあつい」などがふくまれていた。

結果けっか参加さんかしゃの50%が虚偽きょぎ生物せいぶつがくてき相違そういなかすくなくとも1つを真実しんじつこたえ、黒人こくじんいたみの査定さていあやまり、処置しょち提案ていあん的確てきかくではなかった。「教育きょういくレベルがたかひとたちでさえ『はだあついため黒人こくじんいたみにつよい』などという科学かがくてき根拠こんきょもとづかない固定こてい観念かんねんっている。このようなよぎった認識にんしきき、適切てきせつ治療ちりょうおこなわれるようにしなければならない」とマクドナルド・モスリー医師いし力説りきせつする。

むかしくらべれば、最近さいきん医大いだい看護かんご学校がっこうでこのような固定こてい概念がいねんについて議論ぎろんされるようになった。間接かんせつてき偏見へんけん差別さべつひと健康けんこうがいするという認識にんしきひろまりつつある。ただ、この問題もんだい改善かいぜんするには、根本こんぽんてき原因げんいん差別さべつ起因きいんしているということをさらに議論ぎろんしていく必要ひつようがある。問題もんだいなのは『人種じんしゅ』ではなく、『人種じんしゅ差別さべつ』だ」。

次男のラングストンくんを妊娠中のキラ・ジョンソンさん
次男じなんのラングストンくんを妊娠にんしんちゅうのキラ・ジョンソンさん(チャールズ・ジョンソンさん提供ていきょう

2017ねん1がつ28にち元気げんきおんな出産しゅっさんしてからわずか25にちくなったシャロン・アーヴィングさんの母親ははおや、ワンダさんがげた妊産婦にんさんぷ支援しえんする営利えいり団体だんたい「ドクター・シャロンズ・マターナル・アクション・プロジェクト(MAP)」のウェブサイトにはこうかれている。

黒人こくじん女性じょせいにとっていのちむことが死刑しけい宣告せんこくになるべきではない」