(Translated by https://www.hiragana.jp/)
最前線から見る「脱炭素化」の現在地:朝日新聞GLOBE+
  1. HOME
  2. Brand
  3. Mitsubishi Corporation 2022
  4. 最前線さいぜんせんからる「だつ炭素たんそ」の現在地げんざいち

最前線さいぜんせんからる「だつ炭素たんそ」の現在地げんざいち

PR by 三菱商事みつびししょうじ 公開こうかい
三菱商事みつびししょうじ矢作やさくあきらさとるこうおさむぶんまわしあきら奥村おくむら龍介りゅうすけ北島きたじまシェリー原田はらだまさあきら

米国べいこく都市としからメンバーが集結しゅうけつ

──本日ほんじつは、米国べいこくかく都市としから、Breakthrough Energy Catalyst以下いかBEC)のプロジェクトを推進すいしんしているみなさんにおあつまりいただきました。

奥村おくむら わたしは、南部なんぶテキサスしゅうヒューストンで、三菱商事みつびししょうじBECプロジェクトチームの統括とうかつをしています。BECのプロジェクトは、東京とうきょう司令塔しれいとうに、首都しゅとワシントンD.C.西海岸にしかいがんシアトル、さらに欧州おうしゅうとも連携れんけいしながらすすめていますが、今日きょう米国べいこく都市としからメンバーにあつまってもらいました。まずはそれぞれから、自己じこ紹介しょうかい勤務きんむについておはなしさせていただきます。

矢作やさく北島きたじまこうおさむ原田はらだ奥村おくむら

矢作やさく わたし奥村おくむらおなじヒューストンでバイオマス由来ゆらい航空こうくう燃料ねんりょうであるSAF(Sustainable Aviation Fuel:持続じぞく可能かのう航空こうくう燃料ねんりょうのプロジェクトチームに所属しょぞくしています。ヒューストンは「世界せかいのエネルギーの首都しゅと」とばれているように、欧米おうべい石油せきゆメジャーをふく世界せかい有数ゆうすうのエネルギー企業きぎょう拠点きょてんまちです。石油せきゆ・ガス産業さんぎょうさかえてきた場所ばしょということで、近年きんねんだつ炭素たんそ潮流ちょうりゅう複雑ふくざつ反応はんのうすくなからずありますが、一方いっぽうで、今後こんごそれをえていくだけの技術ぎじゅつちからのある企業きぎょうがそろっているともおもっています。

こうおさむ わたし三菱商事みつびししょうじ電力でんりょく事業じぎょう子会社こがいしゃDiamond Generating CorporationDGC)に在籍ざいせきし、東海岸ひがしかいがんマサチューセッツしゅうボストンで勤務きんむしています。みなさんのイメージどおり、ボストンエリアといえば、最先端さいせんたんのエネルギー関連かんれん技術ぎじゅつをリードするMITマサチュまさちゅセッツ工科大学せっつこうかだいがく)があります。大学だいがく研究けんきゅう機関きかんなどのアカデミアと、数々かずかずのスタートアップといった産業さんぎょう融合ゆうごうするまちで、コンパクトながら刺激しげきてき空気くうきなかはたらいています。

原田はらだ わたし西海岸にしかいがんカリフォルニアしゅうのシリコンバレーで、だつ炭素たんそとくしたビジネスの探索たんさくをしています。シリコンバレーはDXのイメージがつよいかもしれませんが、それのみならず、「EX」(エネルギートランスフォーメーション)についても、イノベーションの震源しんげんだとかんじます。スタートアップはもちろんのこと、ベンチャーキャピタルや、テクノロジーの基礎きそささえる大学だいがく研究けんきゅう機関きかん充実じゅうじつしており、サステイナビリティーにたいする市民しみんしゅう政府せいふ意識いしき非常ひじょうたかい。やはりそれが根底こんていにあってこそ、だつ炭素たんそ社会しゃかいへの移行いこうすすむと肌身はだみかんじます。シリコンバレー支店してんには、かく営業えいぎょうグループからイノベーション担当たんとう派遣はけんされ、グループの垣根かきねえたあたらしいバリューをつくるために、日々ひび奮闘ふんとうしています。

北島きたじま わたしはニューヨークにあるMCA北米ほくべい三菱商事みつびししょうじ会社かいしゃ本社ほんしゃのコーポレート担当たんとうとしてはたらいています。ニューヨーク在住ざいじゅうねんになりますが、世界せかい金融きんゆう中心ちゅうしんであり、おおくの「フォーチュン500」(べいFortune毎年まいとし発表はっぴょうするべい企業きぎょう番付ばんづけ上位じょうい500しゃりする企業きぎょう本社ほんしゃがあるニューヨークには、やはりヒト・モノ・カネ・情報じょうほうあつまることを実感じっかんします。また、国連こくれん本部ほんぶがある場所ばしょでもあり、だつ炭素たんそをはじめとする国際こくさいてき枠組わくぐみ・ルールがつくられる場所ばしょあたらしい議論ぎろん最先端さいせんたんにキャッチアップできる場所ばしょだとかんじます。

データによる「える」で、目的もくてき明確めいかく

── 三菱商事みつびししょうじ参画さんかくしているBECかんして、みなさんが具体ぐたいてきにどのような業務ぎょうむにあたっているのかおかせください。

原田はらだ だつ炭素たんそ新規しんき技術ぎじゅつはコストがたかいためにいまだひろ使つかわれておらず、また、ひろ使つかわれていないからコストががらない、いわゆる「ニワトリとたまご」のジレンマにたいして、いまいちおおきなネスト()をつくろう、というミッションが根底こんていにあります。我々われわれ実際じっさいにやっていることは、まずは新規しんき技術ぎじゅつ導入どうにゅう企図きとする案件あんけん精査せいさです。いま、BECのサポートをけたいという膨大ぼうだいかず案件あんけん応募おうぼが、欧米おうべい中心ちゅうしんあつまってています。そこで、BECとしてどの案件あんけん支援しえんすべきかを、最新さいしん技術ぎじゅつ動向どうこう政府せいふ規制きせい支援しえんじょうきょう製品せいひんバリューチェーン、需要じゅようとの連携れんけいといった様々さまざま情報じょうほう総合そうごうてき把握はあくしたうえで、のパートナーと活発かっぱつ議論ぎろんかさねて判断はんだんしています。そして、そこで経験けいけんもとに、三菱商事みつびししょうじとしての新規しんき事業じぎょう構想こうそうしています。

── だつ炭素たんそというおおきな目標もくひょう一致いっちしていても、具体ぐたいてきにどこを目指めざすのかというはなしになると、プレーヤーあいだ意見いけんのズレやかんがえの相違そういなどがてきませんか?

原田はらだ おっしゃるとおりです。そこで、ビル・ゲイツ大切たいせつにしているBEC哲学てつがくとして、「すべてを科学かがくとデータにもとづいておこなう」というものがあります。

BECでは、プロジェクトにたいする出資しゅっし寄付きふ・グリーン製品せいひんりなどの資金しきん提供ていきょうおこないますが、それらの支援しえんによる将来しょうらいてきなインパクト、つまり「温室おんしつ効果こうかガスをこれだけらせる」「生産せいさんコストはこれだけ削減さくげんできる」といった可能かのうせいをデータで科学かがくてき分析ぶんせきし、定量ていりょうします。 

この「える」が、いつ、どのプロジェクトに、どのように資金しきん提供ていきょうするのがインパクトを最大さいだいしうるか判断はんだんするみちしるべとなります。また、そのようなインパクト測定そくてい手法しゅほうなかみとめられ、スタンダードになっていくことで、官民かんみん足並あしなみをそろえたあらたな投資とうしまれるというこう循環じゅんかん目指めざしています。 

これまでにない野心やしんてきなアプローチですので、わたし自身じしん当初とうしょはやや懐疑かいぎてきでしたが、おおくのステークホルダーと議論ぎろんをするなかで、いまはその意義いぎ可能かのうせいさい認識にんしきしています。

原田はらだ

しん技術ぎじゅつ開発かいはつし、アジアとのはし
─SAF(持続じぞく可能かのう航空こうくう燃料ねんりょう)─

── 航空こうくう業界ぎょうかいだつ炭素たんそのカギとされているSAFについて、現状げんじょうおしえてください。

矢作やさく 持続じぞく可能かのう航空こうくう燃料ねんりょう(Sustainable Aviation Fuel:SAF)は、バイオマスやはいしょくあぶら、グリーン水素すいそなどの再生さいせい可能かのうエネルギーげんから生産せいさんされるジェット燃料ねんりょうのことで、従来じゅうらいのジェット燃料ねんりょうぜて使つかうことで、CO₂排出はいしゅつりょう大幅おおはばらすことができます。航空機こうくうき電化でんか水素すいそむずかしいため、このSAFへのえが、航空こうくう業界ぎょうかいのカーボンニュートラル達成たっせいおおきく寄与きよすると期待きたいされています。

SAFは、BEC支援しえん対象たいしょうとしているよっつの領域りょういきなかでももっと社会しゃかい実装じっそうすすんでいる分野ぶんやですが、今日きょうのSAF導入どうにゅうりょうはまだジェット燃料ねんりょう1%まん各国かっこく本格ほんかくてきSAF導入どうにゅうけて、量産りょうさん体制たいせいととのえる必要ひつようがあります。

── そのためには膨大ぼうだいりょうのSAFの原料げんりょう必要ひつようになりますよね。原料げんりょう調達ちょうたつやコスト削減さくげん課題かだいには、どういどみますか。

矢作やさく よりおおくのバイオ原料げんりょう導入どうにゅう、それに必要ひつようしん技術ぎじゅつ実装じっそう必要ひつようとなることは確実かくじつです。SAFにはおおきくよっつの製造せいぞう方法ほうほうがあるのですが、植物しょくぶつやエタノール、水素すいそCO₂リサイクルなど色々いろいろ技術ぎじゅつ原料げんりょうかさなりっている領域りょういきでもあります。食品しょくひん産業さんぎょうグループ、石油せきゆ化学かがくソリューショングループ、電力でんりょくソリューショングループ、天然てんねんガスグループといった三菱商事みつびししょうじかくグループをんで、さらに世界せかい各地かくちのパートナーとも協力きょうりょくしながら、あらたな技術ぎじゅつモデルをつくげていきたいとかんがえています。 

さらに、石油せきゆ業界ぎょうかい連携れんけいしながら国産こくさんSAF導入どうにゅう実現じつげんさせること、そして将来しょうらいてきには、アジアでの大型おおがた生産せいさん社会しゃかい実装じっそうにつなげるためのはしてき役割やくわりになっていきたいとかんがえています。 

矢作やさく北島きたじま

現場げんば知見ちけんかして、しん社会しゃかい実装じっそう
─クリーン水素すいそとLDES(長期ちょうきエネルギー貯蔵ちょぞう)─

── クリーン水素すいそ製造せいぞう長期ちょうきエネルギー貯蔵ちょぞうも、BECの重点じゅうてん領域りょういきですね。

こうおさむ  わたしは、クリーン水素すいそ長期ちょうきエネルギー貯蔵ちょぞう(Long-duration Energy Storage:LDES)のプロジェクトチームに参加さんかしています。ごぞんじのとおり、太陽光たいようこう風力ふうりょく利用りようする再生さいせい可能かのうエネルギーは、天候てんこう次第しだいという間歇かんけつ(かんけつ)せいともなうため、さいエネを主力しゅりょく電源でんげんするには電力でんりょく電気でんきエネルギーまたはべつのエネルギー形態けいたい貯蔵ちょぞうして、必要ひつようときにもう一度いちど電気でんきえて使つかうという「長期ちょうきエネルギー貯蔵ちょぞう」の技術ぎじゅつだい規模きぼ必要ひつようとされます。また、さいエネ由来ゆらいなど製造せいぞう排出はいしゅつされるCO₂りょうすくない「クリーン水素すいそ」は、今後こんごさらにひろいエネルギー用途ようと使つかっていくことがもとめられています。 

どちらの技術ぎじゅつだつ炭素たんそ社会しゃかい実現じつげんさせるうえで不可欠ふかけつであり、べいエネルギえねるぎしょう非常ひじょう注力ちゅうりょくしている分野ぶんやです。三菱みつびし商事しょうじでも、2020としさいエネを主力しゅりょくとするオランダの総合そうごうエネルギー事業じぎょう会社かいしゃEneco(エネコ)への資本しほん参画さんかくすすめるなど、より付加ふか価値かちたかめていくためのみをすすめています。

── ひとことで「だつ炭素たんそ事業じぎょうすすめる」といっても、くに地域ちいきによって、経済けいざい構造こうぞうほう制度せいどちがいますよね。一筋縄ひとすじなわでいかないこともおおいのではないですか。

こうおさむ まさにそのとおりです。水素すいそやLDESといっても、ヨーロッパに水素すいそとアメリカに水素すいそちがいますし、おなじアメリカないでもしゅうごと、さらにこまかくえば電力でんりょく会社かいしゃ管轄かんかつによっても事情じじょうちがいます。そうした地域ちいき事情じじょう加味かみしてすすめることも、だつ炭素たんそ事業じぎょうにはもとめられます。

わたし入社にゅうしゃ以来いらい様々さまざま現場げんば経験けいけんませていただきましたが、持続じぞくするビジネスには、プロジェクトが所在しょざいする現地げんち人間にんげんがしっかりとコミュニケーションをとって地域ちいきとの関係かんけいせいきずき、雇用こようつくり、許認可きょにんかり、建設けんせつをし、さらに継続けいぞくてき地域ちいき対話たいわをしながら運営うんえいしていくことが、本当ほんとう大切たいせつだとかんじています。

これができなければ、どんな最先端さいせんたん技術ぎじゅつ実際じっさい役立やくだててもらうことはできません。そういった現場げんばでの実行じっこうりょく、そして多様たよう産業さんぎょう知見ちけんというのは、三菱商事みつびししょうじBECから期待きたいされているてんであり、わたしとしてもぜひ貢献こうけんしたいとおもっているところです。

北島きたじまこうおさむ

接地せっち面積めんせきひろさが市場いちば勃興ぼっこうつよみに

ダイレクトエアキャプチャー

── ネットゼロの「ふだ」といわれている技術ぎじゅつが、ダイレクトエアキャプチャー(DAC)ですね。

原田はらだ 2050としネットゼロにけて、いまばなしてきたSAFやクリーン水素すいそLDES当然とうぜん必要ひつようです。ただし、じつは「それだけではりない」というのがIEA国際こくさいエネルギー機関きかん)やIPCC国連こくれん気候きこう変動へんどうかんする政府せいふあいだパネル)の共通きょうつう見解けんかいです。つまり、2050としネットゼロを達成たっせいするためには、プロセス全体ぜんたい排出はいしゅつする温室おんしつ効果こうかガスのりょうよりも吸収きゅうしゅうするりょうおお「カーボン・ネガティブ」にすることももとめられているのです。 

そのためには、CO₂大気たいきちゅうから除去じょきょして固定こていする・地下ちか貯蔵ちょぞうするといった技術ぎじゅつ必要ひつようであり、そのふだになるのがDAC(Direct Air Capture)という、空気くうきちゅうからCO₂回収かいしゅうする技術ぎじゅつで、わたしはそのDACプロジェクトチームに参加さんかしています。 

DACは、ネットゼロにけてたす役割やくわりおおきい一方いっぽうで、現時点げんじてんでは収益しゅうえきむずかしいという課題かだいがあります。昨今さっこんCO₂削減さくげん価値かちを「クレジット」となすカーボン・クレジット(排出はいしゅつ削減さくげん効果こうか取引とりひき可能かのう形態けいたいにしたもの)の売買ばいばい活発かっぱつになっていますが、植林しょくりんなどの自然しぜん植生しょくせいけい方法ほうほうくらべて、DACをはじめとするテクノロジー由来ゆらい手法しゅほうは、まだコストがたかく、それをまかなうだけのクレジット収益しゅうえき確保かくほする必要ひつようがあります。

── 温室おんしつ効果こうかガスの排出はいしゅつ削減さくげん効果こうか取引とりひきするカーボン・クレジットは、クレジットの存在そんざいがカギとなりますよね。

原田はらだ カーボン・クレジット市場いちばなかでも、テクノロジーによる炭素たんそ除去じょきょもちいた分野ぶんやはまだ黎明れいめい(れいめい)ですが、三菱商事みつびししょうじ先駆せんくてきなプレーヤーとして、バイヤー候補こうほをはじめ様々さまざまなステークホルダーとのネットワークをきずいています。三菱商事みつびししょうじには、エネルギー関連かんれん業界ぎょうかいはもちろん、コンビニなどのリテール業界ぎょうかい自動車じどうしゃ・モビリティー業界ぎょうかいなど様々さまざま産業さんぎょうとの接地せっち面積めんせきがありますが、そのような現場げんばのプレーヤーと「どういう条件じょうけんならクレジットを購入こうにゅういただけるか」「どういった契約けいやくじょうのイノベーションが必要ひつようか」「なぜテクノロジー由来ゆらいのクレジットが必要ひつようか」といった議論ぎろん日々ひびかさねています。そこでられたビビッドな知見ちけんは、DAC社会しゃかい実装じっそう貢献こうけんしうる価値かちおおきなものだとおもいます。 

また、DACにはCO₂有効ゆうこう活用かつようする用途ようともあります。メタネーションとばれる、CO₂水素すいそH₂)から、天然てんねんガスや都市としガスの主成分しゅせいぶんであるメタン(CH₄)をつく技術ぎじゅつもちいることで、都市としガスのパイプラインなど既存きそんインフラを活用かつようしながらガスをだつ炭素たんそするという提案ていあんも、BECプロジェクトチームないおこなっています。このような、日本にっぽんやアジアの地域ちいき特性とくせいまえた施策しさく提案ていあんも、三菱みつびし商事しょうじだからこそできる貢献こうけんだとおもっています。

無理むり」ではなく「どうすればできるか」への意識いしき改革かいかく

── BECでの活動かつどうとおしてられた、あらたなづきや視点してんはありますか。

奥村おくむら ビル・ゲイツ設立せつりつしたBreakthrough Energyという組織そしきはもともと、科学かがくしゃ起業きぎょう、それらを支援しえんするベンチャーキャピタル、そして篤志とくしという、わたしたちとは属性ぞくせい・バックグラウンドのことなる方々かたがたが、「ネットゼロ」というひとつのミッションのもとにたかったネットワークです。この理念りねんのもと、新規しんき技術ぎじゅつ導入どうにゅうプロジェクトへの投資とうし活動かつどう政府せいふとの折衝せっしょうになっているBECもまた、ミッションドリブン(使命しめい主導しゅどうがた)な組織そしきであり、それゆえのつよさというものはひしひしとかんじます。 

というのも、わたし自身じしんながらくエネルギー分野ぶんやでの経験けいけんがあるため、ネットゼロ実現じつげんへのチャレンジの重要じゅうようせいはよくかりますが、一方いっぽうでは「けっしてエネルギー資源しげんめぐまれた環境かんきょうにはない日本にっぽん本当ほんとう実現じつげんできるのだろうか」とおもうことも正直しょうじきあります。ですが、このミッションドリブンな体制たいせいくと、そういうかんがかたではなく、「どうすれば達成たっせいできるのか」、「課題かだいがあるのなら解決かいけつさくつけよう」というモードにわります。じつはこれはとても新鮮しんせん感覚かんかくで、Breakthrough Energyとのかかわりのなかおおきく影響えいきょうけているてんだとかんじています。おそらく三菱商事みつびししょうじ以外いがいBECパートナーも、同様どうよう感覚かんかくているのではないでしょうか。

奥村おくむら

北島きたじま ミッションドリブンのはなしは、わたし同感どうかんです。くわえるなら、BECにたずさわっているひとたちの熱意ねついがすごいというてんでしょうか。かく業界ぎょうかい専門せんもん一堂いちどうかいして、ひとつのミッションにけて議論ぎろんすると、「1+1=」のこたえが2どころか、3になったり4になったりする状況じょうきょうがよくありますよね。

こうおさむ たしかに「本気ほんき」がすごいですよね。かかえているなやみやぶつかっているかべ自体じたいは、わたしたちとているのですが、絶対ぜったい達成たっせいしなければというつよおもいがあるから、堂々どうどうこまりごともけるし、とことんげて解決かいけつしようとします。そういう姿すがたていると、BECあつまっている企業きぎょうは、いずれ本当ほんとうにネットゼロを実現じつげんするだろうし、そのとき位置いちも「後部こうぶ座席ざせき」ではなくて「運転うんてんせき」になるだろうとおもいます。我々われわれ本気ほんきでソリューションをつけにいかなければ、という危機ききかんつねっていますね。

座談ざだんかい後編こうへんVol.3]では、BECの今後こんごだつ炭素たんそ社会しゃかい展望てんぼうについてげます。