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|ぞく = [[タラノキぞく]] ''[[:en:Aralia|Aralia]]''
|たね = '''タラノキ''' ''A. elata''
|学名がくめい = {{Snamei||Aralia elata}} ({{AUえーゆー|Miq.}}) {{AUえーゆー|Seem.}} {{Small|([[1868とし|1868]])}}<ref name="YList">{{YList|id=3813|taxon=Aralia elata (Miq.) Seem. タラノキ(標準ひょうじゅん|accessdate=20222023-03-0631}}</ref>
|シノニム=
* {{Snamei|Aralia mandshurica}} {{AUえーゆー|Maxim.}} {{small|([[1857ねん|1857]])}}<ref name="YList_40025">{{YList|id=40025|taxon=Aralia mandshurica Maxim. タラノキ(シノニム)|accessdate=20222023-03-0631}}</ref>
|和名わみょう = タラノキ(楤木)
|英名えいめい =
}}
 
'''タラノキ'''(楤木{{sfn|金田かねだ初代はつよ|2010|p=82}}・楤の{{sfn|はやし将之まさゆき|2008|p=69}}・そう{{Sfn|高橋たかはし秀男ひでお監修かんしゅう|2003|p=134}}・桵木{{sfn|鈴木すずき庸夫みちお高橋たかはしふゆやすのべ尚文なおふみ|2014|p=35}}、[[学名がくめい]]: {{Snamei||Aralia elata}})は、[[ウコギ]][[タラノキぞく]]の[[落葉らくよう低木ていぼく]]別名べつめいかずおおく、「タランボウ」「オニノカナボウ」など地方ちほうによって様々さまざまがある。新芽しんめ山菜さんさいとして有名ゆうめいな'''タラたら'''(楤芽)で、[[てんぷら]]などに調理ちょうりされてべられる。かおりがする。
 
== 名称めいしょう ==
標準ひょうじゅん和名わみょうとされている'''タラノキ'''については、名称めいしょう由来ゆらいはよくわかっていない<ref>{{Cite book|和書わしょ|author=近田ちかだ文弘ふみひろ|year=2014|title=みのるのかたちで調しらべる 樹木じゅもく名前なまえだい事典じてん|publisher=くもん出版しゅっぱん|page=101|isbn=978-4-7743-2219-3}}</ref>。
 
別名べつめいかずおおく、タラ(楤、桵)<ref>{{Kotobank|楤|デジタル大辞泉だいじせん}}</ref>、ウドモドキ{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=215}}ともよばれるが、地方ちほうによっては'''タランボウ'''{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=215}}{{sfn|金田かねだ初代はつよ|2010|p=82}}、'''オニノカナボウ'''{{sfn|貝津かいづ好孝よしたか|1995|p=219}}{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=215}} 、'''タラッペ'''{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=215}}、イギノキ{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=215}}、トゲウドノキ{{sfn|金田かねだ初代はつよ|2010|p=82}}などの様々さまざまがある。中国ちゅうごくめいは「遼東りゃおとん楤木」<ref name="YList"/>はるえる若芽わかめは、タラノメ(タラたら)とよばれている
 
== 分布ぶんぷ生育せいいく環境かんきょう ==
[[日本にっぽん]]の[[北海道ほっかいどう]]・[[本州ほんしゅう]]・[[四国しこく]]・[[九州きゅうしゅう]]・[[沖縄おきなわけん|沖縄おきなわ]]のほか、[[朝鮮半島ちょうせんはんとう]]、[[中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく|中国ちゅうごく]]、[[千島ちしま列島れっとう]]、[[サハリン]]の[[ひがしアジア]]地域ちいき分布ぶんぷする{{sfn|菱山ひしやま忠三郎ちゅうざぶろう|2003|p=20}}。
 
平地ひらちから標高ひょうこう1500メートル以上いじょうまで山地さんち原野げんや河岸かわぎし森林しんりん林道りんどうわきなどあかるい日当ひあたりの山野さんや自生じせいする{{sfn|馬場ばばあつし|1996|p=72}}{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=215}}{{sfn|はやし将之まさゆき|2008|p=69}}。とくに、野原のはらややぶ、崩壊ほうかいなどのれた場所ばしょえる{{Sfn|高橋たかはし秀男ひでお監修かんしゅう|2003|p=134}}{{sfn|鈴木すずき庸夫みちお高橋たかはしふゆやすのべ尚文なおふみ|2014|p=35}}。いわゆるパイオニアてき樹木じゅもくであり、森林しんりん攪乱かくらん(かくらん)をうけると、たとえば伐採ばっさい跡地あとち素早すばや出現しゅつげんし、大小だいしょう集団しゅうだんつくって群生ぐんせいする{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=215}}。栽培さいばいもされる{{sfn|はやし将之まさゆき|2008|p=69}}。
 
== 特徴とくちょう ==
くき[[落葉らくよう広葉樹こうようじゅ]]の低木ていぼくから高木たかぎで、たかさは2 - 6[[メートル]] (m) 程度ていどなり{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=215}}、みきえだにもとげするどいトゲみつある{{sfn|金田かねだ初代はつよ|2010|p=82}}<ref>{{Cite book|和書わしょ|author=板木はんぎ利隆としたか|date=1996-10|title=図解ずかいやさしい野菜やさいづくり|page=279|publisher=いえ光協会ひかりきょうかい|isbn=978-4259533946}}</ref>[[落葉らくよう広葉樹こうようじゅ]]の低木ていぼくで、たかさは2 - 6[[メートル]] (m) 程度ていどになる{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=215}}生育せいいく環境かんきょうにもよるが1ねんで20 - 60[[センチメートル]] (cm) ほどび、5ねんで3&nbsp;mにたっするものもめずらしくはない。みきあまりぶんえだせずにまっすぐにち、単一たんいつまたは分岐ぶんきする{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=215}}。ほそみき[[樹皮じゅひ]]にはみきから垂直すいちょくびる大小だいしょうするどとげおおくつくこと特徴とくちょうである{{sfn|菱山ひしやま忠三郎ちゅうざぶろう|2003|p=20}}{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=215}}。みきふといものは樹皮じゅひたてけて、印象いんしょうわる{{sfn|鈴木すずき庸夫みちお高橋たかはしふゆやすのべ尚文なおふみ|2014|p=35}}。はるえるえださきる{{sfn|金田かねだ初代はつよ|2010|p=82}}。
 
[[]]は[[互生ごせい]]し、みきえだ先端せんたんだけにあつまってつき、なつにはかさのように四方しほうおおきくひらく{{sfn|馬場ばばあつし|1996|p=72}}{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=215}}{{sfn|金田かねだ初代はつよ|2010|p=82}}。[[]]は奇数きすう2 - 3かい[[はねじょう複葉ふくよう]]で{{sfn|馬場ばばあつし|1996|p=72}}ちょんからだながが50 - 100&nbsp;cmにもたっするおおきなものであり{{Sfn|高橋たかはし秀男ひでお監修かんしゅう|2003|p=134}}全体ぜんたいくさしつでつやはない。[[葉柄ようへい]]はながさ15 - 30&nbsp;cmで基部きぶがふくらむ。[[しょう]]はながさ5 - 12&nbsp;cmのたまごがたから楕円だえんがたさきとがうらしらみをび、[[えん]]にあら[[鋸歯きょし]]がある{{sfn|菱山ひしやま忠三郎ちゅうざぶろう|2003|p=20}}{{sfn|金田かねだ初代はつよ|2010|p=83}}。じくにはトゲがおおい{{sfn|はやし将之まさゆき|2008|p=69}}。全体ぜんたいおおいが、次第しだいすくなくなり、みゃくじょうあらのこあきには赤色あかいろ橙色だいだいいろに[[紅葉こうよう]]するが、紅葉こうようしはじめは紫色むらさきいろになりやすい{{sfn|はやし将之まさゆき|2008|p=69}}
 
花期かきばんなつ(8 - 9月ごろ){{Sfn|高橋たかはし秀男ひでお監修かんしゅう|2003|p=134}}。みき先端せんたんしんからながさ30 - 50&nbsp;cmほどあるふく総状そうじょう[[総状そうじょう花序かじょ]]を複数ふくすうつけ、多数たすうみち3[[ミリメートル]] (mm) 程度ていどちいさなしろい[[はな]]をかせる(3mm程度ていど){{sfn|菱山ひしやま忠三郎ちゅうざぶろう|2003|p=20}}{{sfn|馬場ばばあつし|1996|p=72}}{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=215}}。[[花弁はなびら]]は三角形さんかっけいで5まい、[[雄蕊おしべ]]は5ほんている。自家じか[[受粉じゅふん]]をふせぐため、[[雄蕊おしべ]]がさきじゅくしてちたのち、5の[[雌蕊めしべ]]がじゅくし、あきには黒色こくしょく直径ちょっけい 3&nbsp;mmほどのちいさな球状きゅうじょうの[[果実かじつ]]となり、10 - 11月ごろにじゅく{{sfn|馬場ばばあつし|1996|p=72}}{{sfn|平野ひらの隆久たかひさ監修かんしゅう 永岡書店ながおかしょてんへん|1997|p=220}}{{Sfn|高橋たかはし秀男ひでお監修かんしゅう|2003|p=134}}。
[[]]は[[互生ごせい]]し、みき先端せんたんだけにあつまってひらく{{sfn|馬場ばばあつし|1996|p=72}}{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=215}}。[[]]は奇数きすう2 - 3かい[[はねじょう複葉ふくよう]]で{{sfn|馬場ばばあつし|1996|p=72}}、全長ぜんちょうが50 - 100&nbsp;cmにもたっするおおきなものであり、全体ぜんたいくさしつでつやはない。[[葉柄ようへい]]はながさ15 - 30&nbsp;cmで基部きぶがふくらむ。[[しょう]]はながさ5 - 12&nbsp;cmのたまごがたから楕円だえんがたで、うらしらみをび、[[えん]]に[[鋸歯きょし]]がある{{sfn|菱山ひしやま忠三郎ちゅうざぶろう|2003|p=20}}。全体ぜんたいおおいが、次第しだいすくなくなり、みゃくじょうあらのこる。
 
えださきにできる[[冬芽とうが]]のいただきおおきく円錐えんすいがたで、がわ互生ごせいしてちいさい{{sfn|鈴木すずき庸夫みちお高橋たかはしふゆやすのべ尚文なおふみ|2014|p=35}}。冬芽とうがうろこは3 - 4まいつつまれている{{sfn|鈴木すずき庸夫みちお高橋たかはしふゆやすのべ尚文なおふみ|2014|p=35}}。こんあさいV字形じけいやU字形じけいで、[[維管たば]]あとが30 - 40ほどられる{{sfn|鈴木すずき庸夫みちお高橋たかはしふゆやすのべ尚文なおふみ|2014|p=35}}。
なつ(8 - 9がつ)ごろ、みき先端せんたんしんからながさ30 - 50&nbsp;cmほどあるふく総状そうじょうの[[花序かじょ]]を複数ふくすうつけ、多数たすうちいさなしろい[[はな]]をかせる(3mm程度ていど){{sfn|菱山ひしやま忠三郎ちゅうざぶろう|2003|p=20}}{{sfn|馬場ばばあつし|1996|p=72}}{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=215}}。[[花弁はなびら]]は三角形さんかっけいで5まい、[[雄蕊おしべ]]は5ほんている。自家じか[[受粉じゅふん]]をふせぐため、[[雄蕊おしべ]]がさきじゅくしてちたのち、5の[[雌蕊めしべ]]がじゅくし、あきには黒色こくしょくちいさな球状きゅうじょうの[[果実かじつ]]となる{{sfn|馬場ばばあつし|1996|p=72}}。
 
分類ぶんるいじょうみきとげすくなく、うらおおくてしろくないものをメダラ (f. ''subinermis'') といい、栽培さいばいされるものはむしろこちらのほう普通ふつうである。
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=== 病虫害びょうちゅうがい ===
野生やせい植物しょくぶつであるタラノキは、作物さくもつとしてはたけ栽培さいばいした場合ばあいに、タラノキ立枯たちがれ疫病えきびょう病原びょうげんたい:''[[:w:Phytophthora cactorum|Phytophthora cactorum]]''<ref>[https://www.gene.affrc.go.jp/databases-micro_pl_diseases_detail.php?id=7773 タラノキ・立枯たちがれ疫病えきびょう]、日本にっぽん植物しょくぶつ病名びょうめいデータベース、[[農業のうぎょう生物せいぶつ資源しげんジーンバンク]]</ref>)という産地さんちをつぶすほどの致命ちめいてき重要じゅうよう病害びょうがい発生はっせいすることがあり、いかに病害びょうがい回避かいひして栽培さいばいするかがおおきな課題かだいとなる{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=222}}。タラノキ立枯たちがれ疫病えきびょう栽培さいばいされたタラノキだけにられる疫病えきびょうきん起因きいんする病気びょうきで、しんこずえがしおれてれ、かぶ根元ねもと黒褐色こっかっしょく軟化なんか腐敗ふはい症状しょうじょうとなる{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=222}}。地温ちおん15 - 27発生はっせいしやすく、こえ密植みっしょく多発たはつしやすい傾向けいこうがあり、除草じょそうによるだん発生はっせい助長じょちょうさせる{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=222}}。また、タラノキそうかびょうは、ウコギ寄生きせいするきん起因きいんするやまいで、梅雨つゆ前後ぜんごしてしょうはんてんしょうじて奇形きけいし、なつ高温こうおん一時いちじ停滞ていたいして、秋雨あきさめふたた発生はっせいする{{sfnはらからだ:''[[:w:Elsinoë|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=223}}。Elsinoë]]''
''araliae''<ref>[https://www.gene.affrc.go.jp/databases-micro_pl_diseases_detail.php?id=7772 タラノキ・そうかびょう]、日本にっぽん植物しょくぶつ病名びょうめいデータベース、[[農業のうぎょう生物せいぶつ資源しげんジーンバンク]]</ref>)は、ウコギ寄生きせいするきん起因きいんする病気びょうきで、梅雨つゆ前後ぜんごしてしょうはんてんしょうじて奇形きけいし、なつ高温こうおん一時いちじ停滞ていたいして、秋雨あきさめふたた発生はっせいする{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=223}}。また、[[軟腐病菌びょうきん]](''[[:w:Pectobacterium carotovorum|Pectobacterium carotovorum]]'')による[[軟腐びょう]]<ref>[https://www.pref.shimane.lg.jp/industry/norin/gijutsu/nougyo_tech/byougaityuu/byougaityuu-index/taranoki/taranoki.html#:~:text=%E3%81%9D%E3%81%86%E3%81%8B%E7%97%85%E3%81%AF%E8%8C%8E,%E6%96%91%E3%81%8C%E5%BD%A2%E6%88%90%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%80%82 タラノキ:そうかびょう、軟腐びょう]、[[島根しまねけん農業のうぎょう技術ぎじゅつセンター]]</ref>も報告ほうこくされている。
 
害虫がいちゅうとしては、はる新芽しんめえだに[[アブラムシ]]が寄生きせいすることがある{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=223}}。また、暖地だんちでは8がつごろに[[キボシカミキリ]]が発生はっせいする{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=223}}。
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| right=1 }}
 
とく有名ゆうめいなのは、新芽しんめの[[山菜さんさい]]としての「タラたら」の利用りようであるが、樹皮じゅひ民間みんかんやくとしてけん強壮きょうそうつよせい作用さようがあり、[[糖尿とうにょうびょう]]にもよいといわれるざいかるくてやわらかく、[[下駄げた]]や[[杓子しゃくし]]などがつくられる{{sfn|平野ひらの隆久たかひさ監修かんしゅう 永岡書店ながおかしょてんへん|1997|p=220}}
 
=== タラたら ===
'''タラたら'''(タラのめ)とは、タラノキのえださき若芽わかめのことで、おもに[[山菜さんさい]]として食用しょくようにされる{{sfn|主婦しゅふ友社ともしゃへん|2011|p=226}}。おもな[[しゅん]]は3がつ - 4がつで、市場いちば出回でまわっているもののおおくは栽培さいばいひんである{{sfn|主婦しゅふ友社ともしゃへん|2011|p=226}}。山菜さんさいとしては苦味にがみや[[灰汁あく]]はすくなく、あつかいやすい食材しょくざいで、てんぷらやものによく使つかわれるほか、かるでてごまえや胡桃くるみえなどのものいたぶつにされる{{sfn|主婦しゅふ友社ともしゃへん|2011|p=226}}。しょく100[[グラム]] (g) あたりの熱量ねつりょうやく27[[キロカロリー]] (kcal) で、栄養素えいようそは[[タンパク質たんぱくしつ]]がおおめでコクふかあじわいがある{{sfn|主婦しゅふ友社ともしゃへん|2011|p=226}}{{sfn|猪股いのまた慶子けいこ監修かんしゅう 成美せいびどう出版しゅっぱん編集へんしゅうへん|2012|p=154}}。山村さんそん地域ちいきでは、ふるくからはる高級こうきゅう山菜さんさいとして珍重ちんちょうされ{{sfn|農文協のうぶんきょうへん|2004|p=215}}、ぞくに「山菜さんさい王様おうさま」としょうされる{{sfn|金田かねだ初代はつよ|2010|p=82}}<ref>{{Cite book|和書わしょ|author =講談社こうだんしゃへん|title = からだにやさしいしゅん食材しょくざい 野菜やさいほん|date=2013-05-13|publisher = [[講談社こうだんしゃ]]|isbn=978-4-06-218342-0|page =28}}</ref>。
 
;採取さいしゅ方法ほうほう
:トゲがあるため作業さぎょうようかわ手袋てぶくろなどが必要ひつようになる{{sfn|金田かねだ初代はつよ|2010|p=82}}。新芽しんめ根元ねもと容易よういにむしることができるが、かまとう道具どうぐもちいることもある。採取さいしゅする新芽しんめ、まだひらききっていないえだ先端せんたんからうえいた1ばんわかいただきだけにする{{sfn|金田かねだ初代はつよ|2010|p=84}}。えださきみ(がわまでってしまうんだあそのえだれてしまう。ゆえ、ややしたから2番目ばんめや3番目ばんめような行為こういはマナー違反いはんとみなされふくらんでくこと、タラノキはる)としまりえださずよわりやすいとは昨年さくねんえだめ、それよりした候補こうほざんっているか確認かくにんすようにする{{Sfn|高橋たかはし秀男ひでお監修かんしゅう|2003|p=134}}{{sfn|金田かねだ初代はつよ|2010|p=82}}一定いってい時期じきぎると候補こうほもとれて発芽はつがない。どう通常つうじょうない。おさな一本立いっぽんだちのタラノキ(たかさがだいたいひざからこしくらい)のいただきるとそのよう全体ぜんたいれてしまう。なお、韓国かんこくタラたら農家のうかでは、収穫しゅうかくのあえだ適当てきとうかずだけのこしてえだきりる(なつにはふたたおおきくなる)。そのまま放置ほうちるとタラノキはたかさ3 - 4メートルに成長せいちょうれてまうため収穫しゅうかく困難こんなん無謀むぼう採取さいしゅつつしむよう注意ちゅうい喚起かんきされてい<ref name{{sfn|金田かねだ初代はつよ|2010|p=koreana/>82}}
:韓国かんこくタラたら農家のうかでは、収穫しゅうかくのあと適当てきとうかずだけのこしてえだる(なつにはふたたおおきくなる)。そのまま放置ほうちするとタラノキはたかさ3 - 4メートルに成長せいちょうし、収穫しゅうかく困難こんなんになる<ref name=koreana/>。
:[[園芸えんげい]]業者ぎょうしゃ販売はんばいしているえだとげのない品種ひんしゅ(メダラ)や別種べっしゅのリュウキュウタラノキ(''Aralia ryukyuensis'') を栽培さいばい販売はんばいすることもある。
 
;採取さいしゅ時期じき
:新芽しんめ採取さいしゅ時期じきさくらの8分咲ぶざきころに同期どうきしており、さとさくらタラたら採取さいしゅ時期じきでもある日本にっぽんでは中国ちゅうごく地方ちほう四国しこく九州きゅうしゅうが4がつごろ、関東かんとう地方ちほうなどの暖地だんちは4 - 5がつごろ、北海道ほっかいどう東北とうほく地方ちほう中部ちゅうぶ地方ちほう寒冷かんれいは5がつごろといわれる{{Sfn|高橋たかはし秀男ひでお監修かんしゅう|2003|p=134}}{{sfn|金田かねだ初代はつよ|2010|p=82}}栽培さいばいする場合ばあい韓国かんこく南部なんぶでは4がつ上旬じょうじゅん中部ちゅうぶから北部ほくぶにかけては4がつ中旬ちゅうじゅん下旬げじゅん収穫しゅうかくする。温室おんしつ栽培さいばいしたものは早春そうしゅんなつ場合ばあいによってはふゆにも収穫しゅうかく可能かのう<ref name=koreana/>。
 
;調理ちょうり方法ほうほう
:根元ねもとのかたい部分ぶぶんとして、はかま(はかま)部分ぶぶんのぞ{{sfn|金田かねだ初代はつよ|2010|p=82}}{{sfn|主婦しゅふ友社ともしゃへん|2011|p=226}}。なまのまま、根元ねもとそこみをれて[[てんぷら]]にするのが一般いっぱんてきで、くちいっぱいにひろがる独特どくとく芳香ほうこう心地ここちよい苦味にがみとコク特徴とくちょうてきである{{Sfn|高橋たかはし秀男ひでお監修かんしゅう|2003|p=135}}{{sfn|金田かねだ初代はつよ|2010|p=82}}たんてんぷら以外いがいゆがいも、みずにさらし、[[おひたし]]や[[ゴマ]]の[[もの]]、[[びたし]]、[[もの]]にしたり、[[あぶらいた]]、しるにしべてもよい{{sfn|金田かねだ初代はつよ|2010|p=82}}{{sfn|主婦しゅふ友社ともしゃへん|2011|p=226}}{{sfn|猪股いのまた慶子けいこ監修かんしゅう 成美せいびどう出版しゅっぱん編集へんしゅうへん|2012|p=154}}{{Sfn|高橋たかはし秀男ひでお監修かんしゅう|2003|p=135}}。せいのままであぶって、味噌みそをつけてべてもおいしくべられる{{Sfn|高橋たかはし秀男ひでお監修かんしゅう|2003|p=135}}。韓国かんこくではあさでてチェコチュジャン([[コチュジャン]])をつけてべるのが一般いっぱんてき。また、しょうゆけにするとにがみは減少げんしょうし、独特どくとく芳香ほうこうくなる<ref name=koreana>{{Cite journal|和書わしょ|author=ていくん(チョン・ジェフン)|title=はる食卓しょくたく王様おうさまタラたら|year=2021|publisher=The Korea Foundation|journal=Koreana|volume=28|issue=1|issn=1225-4592|page=60-63}}</ref>。
 
<gallery>
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=== 薬用やくよう ===
タラノキがわとして、樹皮じゅひは'''楤木がわ'''(たらのきかわ)、がわは'''楤根がわ'''(そうこんぴ)とよんで[[生薬きぐすり]]としてもちいられる{{sfn|馬場ばばあつし|1996|p=72}}。樹皮じゅひ部分ぶぶんは'''とげろうからす'''(しろうあ)ともよばれるが、中国ちゅうごく薬物やくぶつめいの楤木はタラノキの仲間なかま別種べっしゅである{{sfn|貝津かいづ好孝よしたか|1995|p=219}}。
 
乾燥かんそうさせたタラノキがわせんじて、1にち3かいけて服用ふくようすると、血糖けっとう降下こうかけんせいちょう糖尿とうにょうびょう腎臓じんぞうびょう効用こうようがあるといわれる{{sfn|馬場ばばあつし|1996|p=72}}{{sfn|平野ひらの隆久たかひさ監修かんしゅう 永岡書店ながおかしょてんへん|1997|p=220}}。また、をたべることでおなじような効果こうか期待きたいできるとわれている。がわも「タラがわ」(タラこんぴ)という生薬きぐすりで、糖尿とうにょうびょう症状しょうじょうたいしてもちいられる。高血圧こうけつあつ慢性まんせい胃炎いえんにはかわつきえだきざんだものでおちゃわりに飲用いんようすることもでき、常用じょうようしても支障ししょうない{{sfn|馬場ばばあつし|1996|p=72}}。あたためる作用さようがある薬草やくそうで、ねつがあったり、のぼせやすいひとや、にんへの服用ふくようきんじられている{{sfn|貝津かいづ好孝よしたか|1995|p=219}}。
 
[[膵臓すいぞう]]の[[βべーた細胞さいぼう]]に障害しょうがいあたえた糖尿とうにょうびょうモデルにたいしてタラノメ抽出ちゅうしゅつぶつ投与とうよしたが改善かいぜん効果こうかみとめられなかった。一方いっぽう、ラットへの[[ブドウ糖ぶどうとう]]や[[ショとう]]の負荷ふか投与とうよさいして[[血糖けっとう]]上昇じょうしょうが7-8わり抑制よくせいされた。このことから、タラノメは糖尿とうにょうびょう治療ちりょうというよりも予防よぼう悪化あっか防止ぼうし効果こうかがあるとかんがえられるとする報告ほうこくがある<ref>吉川よしかわ雅之まさゆき、[https://doi.org/10.1271/kagakutoseibutsu1962.40.172 薬用やくよう食物しょくもつ糖尿とうにょうびょう予防よぼう成分せいぶん] 『化学かがく生物せいぶつ』 2002ねん 40かん 3ごう p.172-178, {{doi|10.1271/kagakutoseibutsu1962.40.172}}</ref>。なお、タラノキざい小細工こざいくよう使つかわれる<ref>{{Cite book|和書わしょ|editor=新村しんむらいずる|date=1983-11-01|title=広辞苑こうじえん|edition=だいさんはん|publisher=岩波書店いわなみしょてん|page=1402}}</ref>。
 
== ている有毒ゆうどく植物しょくぶつ ==
だしは有毒ゆうどくの[[ヌルデ]]や[[ヤマウルシ]]にもているが、これらのはトゲがないことから見分みわけられる{{sfn|金田かねだ初代はつよ|2010|p=82}}。
 
== 脚注きゃくちゅう ==
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* {{Cite book|和書わしょ|author =猪股いのまた慶子けいこ監修かんしゅう 成美せいびどう出版しゅっぱん編集へんしゅうへん|title = かしこくえらぶ・おいしくべる 野菜やさいまるごと事典じてん|date=2012-07-10|publisher = [[成美せいびどう出版しゅっぱん]]|isbn=978-4-415-30997-2|page =154|ref=harv}}
* {{Cite book|和書わしょ|author=貝津かいづ好孝よしたか|title=日本にっぽん薬草やくそう|date=1995-07-20|publisher=小学館しょうがくかん|series=小学館しょうがくかんのフィールド・ガイドシリーズ|isbn=4-09-208016-6|page =219|ref=harv}}
* {{Cite book|和書わしょ|author=金田かねだ初代はつよ|coauthors=金田かねだ洋一郎よういちろう写真しゃしん)|title=ひとでわかる! おいしい「山菜さんさい野草やそう」の見分みわかたかた|publisher=[[PHP研究所けんきゅうじょ]]|date=2010-09-24|pages=82 - 83|ISBN=978-4-569-79145-6|ref=harv}}
* {{Cite book|和書わしょ|author=鈴木すずき庸夫みちお高橋たかはしふゆやすのべ尚文なおふみ|title =樹皮じゅひ冬芽とうが四季しきつうじて樹木じゅもく観察かんさつする 431しゅ|date=2014-10-10|publisher =[[まことぶんどう新光しんこうしゃ]]|series=ネイチャーウォチングガイドブック|isbn=978-4-416-61438-9|page =35|ref=harv}}
* {{Cite book|和書わしょ|author =主婦しゅふ友社ともしゃへん|title = 野菜やさいまるごと大図おおずあきら|date=2011-02-20|publisher = [[主婦しゅふ友社ともしゃ]]|isbn=978-4-07-273608-1|page =226|ref=harv}}
* {{Cite book|和書わしょ|author=高橋たかはし秀男ひでお監修かんしゅう 田中たなかつとむ・松原まつばらけいちょ|title=日本にっぽん山菜さんさい|publisher=[[学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ]]|series=フィールドベスト図鑑ずかん13|date=2003-04-01|isbn=4-05-401881-5|pages=134 - 135|ref={{SfnRef|高橋たかはし秀男ひでお監修かんしゅう|2003}} }}
* {{Cite book|和書わしょ|author = 農文協のうぶんきょうへん|title = 野菜やさい園芸えんげいだい百科ひゃっか だい2はん 20:特産とくさん野菜やさい70しゅ|date = 2004-03-31|publisher = [[のうやま漁村ぎょそん文化ぶんか協会きょうかい]]|isbn = 4-540-04123-1|pages = 215 - 226|ref=harv}}
* {{Cite book|和書わしょ|author=馬場ばばあつし|others=大貫おおぬきしげる(写真しゃしん)|title=薬草やくそう500しゅ栽培さいばいから効用こうようまで|date=1996-09-27|publisher=まことぶんどう新光しんこうしゃ|series = |isbn = 4-416-49618-4|page = 72|ref=harv}}
* {{Cite book|和書わしょ|author =菱山ひしやま忠三郎ちゅうざぶろう|title ={{fontsize|small|ポケットばん}} 身近みぢか樹木じゅもく|date=2003-06-01|publisher=主婦しゅふ友社ともしゃ|isbn=4-07-238428-3|page =20|ref=harv}}
* {{Cite book|和書わしょ|author =平野ひらの隆久たかひさ監修かんしゅう 永岡書店ながおかしょてんへん|title =樹木じゅもくガイドブック|date=1997-05-10|publisher =[[永岡書店ながおかしょてん]]|isbn=4-522-21557-6|page =220|ref=harv}}
* {{Cite book|和書わしょ|author=藤嶋ふじしまいさむ|ref={{SfnRef|藤嶋ふじしまいさむ|1997}}|date=1997-02-28|title=タラノメ ふかし栽培さいばい調製ちょうせい販売はんばい実際じっさい|publisher=のうやま漁村ぎょそん文化ぶんか協会きょうかい|isbn=4-540-96135-7}}
 
== 関連かんれん項目こうもく ==
* [[山菜さんさい]]
* [[救荒きゅうこう植物しょくぶつ]]
* [[一覧いちらん]]
* [[コシアブラ]] - よう若芽わかめはタラノメとならはる山菜さんさい
* [[救荒きゅうこう植物しょくぶつ]]
* [[山菜さんさい]]
 
== 外部がいぶリンク ==
{{commons|Aralia elata}}
* [{{Wayback|url=http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/araliaceae/taranoki/taranoki.htm |title=植物しょくぶつ雑学ざつがく辞典じてん タラノキ] |date=20071116140020}} - 岡山理科大学おかやまりかだいがく
 
{{Normdaten}}
https://ja.wikipedia.org/wiki/タラノキ」から取得しゅとく