ワタリ (囲碁いご)

ワタリは囲碁いご用語ようごのひとつで、相手あいての石いしの下したをくぐるように盤ばん端はしに打うって自分じぶんの石いし同士どうしを連絡れんらくする手てを指さす。動詞どうしでは「ワタる」「渡わたる」と表現ひょうげんする。下図したず黒くろ1がワタリの一いち例れいで、▲の石いしと連絡れんらくする。

「ワタリ」という言葉ことばは盤ばん端はし近ちかくに打うつ手てを指さし、中央ちゅうおうに打うって連絡れんらくする手てはワタリとは呼よばない。ワタリは自分じぶんの石いしの安全あんぜんを確保かくほする重要じゅうような手段しゅだんであるが、時ときにただ連絡れんらくするだけで地ちがつかず、働はたらきのないワタり方ほうを「貧乏びんぼうワタリ」と言いうことがある。

ワタリの例れい

黒くろ1またはaにコスむのが手筋てすじで、左右さゆうの黒くろが連絡れんらくする。bのケイマではaまたは1にツケられてワタれない。

黒くろ1のアテコミが手筋てすじで、白しろ2のキリなら黒くろ3にサガって全体ぜんたいが連絡れんらくできる。

黒くろ1のケイマが味あじのよい連絡れんらくの手筋てすじ。白しろaならbにハネてワタっている。黒くろ1でcに打うつと、白しろaに切きられて手てが生しょうじる。

小目こもく一間いっけん高だかガカリ定石じょうせき。黒くろ1のツケから黒くろ3にツギ、ここに石いしが来きたことで黒くろ5のワタリが成立せいりつする。続つづいて白しろがaにハネ出はねだしてきても、bのキリでこの石いしを取とれる。

参考さんこう図書としょ

• 加納かのう嘉徳よしのり『ワタリのすべて (烏鷺うろうろブックス) 』