ひったくり

ひったくり（引ひっ手繰たくり、引ひったくり）は、物ものを持もち歩あるいている歩行ほこう者しゃや、前ぜんカゴに荷物にもつを入いれている自転車じてんしゃに近ちかづき、すれ違ちがったり追おい抜ぬいたりする瞬間しゅんかんにその物ものを奪うばって（ひったくって）逃にげる行為こういである。窃盗せっとうの一種いっしゅ。

ひったくり

手法しゅほう

オートバイ・自転車じてんしゃ・徒歩とほで後うしろから近ちかづき、手てに持もっていたり、自転車じてんしゃの前ぜんカゴに入いれていたりするバッグを奪うばって逃走とうそうする行為こういが多おおい。また、歩あるきながらスマートフォンを操作そうさしている人ひとがスマートフォンをひったくられる例れいもある。

被害ひがい者しゃの多おおくが女性じょせいである。女性じょせいは現金げんきん・カード類るいの入はいった財布さいふや貴重きちょう品ひんなどをバッグに入いれて行動こうどうすることが多おおいためであるといわれている。発生はっせい時間じかん帯たいとしては、夕方ゆうがたから深夜しんやが多おおい。

処罰しょばつ

日本にっぽんでは窃盗せっとう罪ざいが適用てきようされるが、被害ひがい者しゃがはずみで転倒てんとうしたり、抵抗ていこうしたりするなどで負傷ふしょうした場合ばあいは、強盗ごうとう致傷ちしょう罪ざいが適用てきようされる。

対策たいさく

以下いかのような対策たいさくが推奨すいしょうされている。

• バッグを車道しゃどうと反対はんたい側がわに持もつ。
• ショルダーバッグをたすき掛かけにする。
• リュックサックを使用しようする。
• 防犯ぼうはんブザーを携行けいこうする。
• 自転車じてんしゃの前ぜんカゴにひったくり防止ぼうしカバーやネットをかぶせる。
• 車両しゃりょうが左側ひだりがわ通行つうこうの国くに・地域ちいきに於おいては道路どうろの右側みぎがわを歩あるく（対面たいめん交通こうつう）。

日本にっぽんの状況じょうきょう

発生はっせい件数けんすう

日本にっぽんのひったくりの認知にんち件数けんすうは、2002年ねんの5万まん2919件けんをピークに減少げんしょう、2019年ねんには1553件けん（うち秋田あきた県けん、富山とやま県けん、鳥取とっとり県けん、島根しまね県けんでは発生はっせい件数けんすうがゼロ）を記録きろくした。一時いちじは、全国ぜんこく一いちの発生はっせい件数けんすうから「名物めいぶつ」とまで言いわれた大阪おおさか府ふのひったくりも激減げきげんしており、2000年ねんの1万まん973件けんから2019年ねんには254件けんとなった。

労災ろうさい保険ほけん

女性じょせい労働ろうどう者しゃが午後ごご8時じ30分ふん頃ごろ駅えきを降おりたのち大都市だいとし周辺しゅうへんの暗くらいほうれん草そう畑はたけの周辺しゅうへんで自動車じどうしゃによるひったくりに遭あい、ハンドバッグ、革かわ袋ぶくろを奪うばい取とられ負傷ふしょうした事件じけんでは、「大都市だいとし周辺しゅうへんの寂さびしいところに住居じゅうきょを有ゆうし、かつ午後ごご8時じ30分ふん頃ごろという時間じかんに退勤たいきんする場合ばあい、その途上とじょうで｢ひったくり｣にあうことは、一般いっぱんに発生はっせいしうる危険きけんである。また、『ひったくり』の場合ばあいに、自動車じどうしゃによる接触せっしょく、転倒てんとう負傷ふしょうすることも一般いっぱんにあり得えること。すなわち、通勤つうきんに通常つうじょう伴ともなう危険きけんが具体ぐたい化かしたものと認みとめられる」として、通勤つうきん災害さいがいによる労災ろうさい保険ほけんの適用てきようが認みとめられた（昭和しょうわ49年ねん3月がつ4日にち　基もと収おさむ69号ごう）。

関連かんれん項目こうもく

• 犯罪はんざい・防犯ぼうはん
• 窃盗せっとう
• ドゥマゲテ - フィリピン中部ちゅうぶの都市とし。都市とし名めいは「ひったくり」の意味いみである。