上部にはアルゼンチンの有名なシンボルであり、アルゼンチンの国旗にも描かれている山吹色の五月の太陽があり、アルゼンチンの興隆を象徴している。アルゼンチンの国歌の一番に"Se levanta a la faz de la tierra una nueva y gloriosa nación,"「新しき栄光に満ちた国家は、地の上に目覚める」と歌われているが、
スペイン語の動詞levantarse は「上がる」が原義であり、前述の歌詞にあるような「(眠りから)目覚める」という意味の他に「(太陽が)昇る」をも意味することがある。
青と白の色はアルゼンチンの民衆のシンボルであり、国旗の色と同じである。青い半楕円は空を表し、白い(紋章学上は銀色の)半楕円はラプラタ川(スペイン語で la plata は「銀」を意味する)を表している。
手は肉の色であり、友情、平和、連合、兄弟愛を表している。パイクは茶色であり(木のパイクである)、伝統的なフランスの帽子のようなフリギア帽は赤である。
手とフリギア帽の接近はそれぞれの表す意味に加えて、アルゼンチンの国の標語 "En unión y libertad"(「統一と自由において」)を表しており、統一(手)は力(パイク)を、力(パイク)は自由(フリギア帽)という事実を表している。
フリギア帽はアナトリア半島のフリギア人が被っていたものであるが、古代ローマにて自由を獲得した奴隷のシンボルとなり、その解放奴隷達は彼らの所有者に彼らが自由になる前は所有者によって木のパイクで痛めつけられていた。
Símbolos Nacionales de la República Argentina - By Comisión Administradora de la Biblioteca del Congreso de la Nación, Buenos Aires 1997. ISBN 950-691-036-7