エウゼビ・グエイ

グエイ伯はくエウゼビ・グエイ・イ・バシガルーピまたはアウゼビ・グエイ・イ・バシガルーピ（カタルーニャ語ご: Eusebi Güell i Bacigalupi, Comte de Güell, 1846年ねん — 1918年ねん7月がつ8日にち）は、スペインの実業じつぎょう家か・政治せいじ家か。グエルという表記ひょうきはカスティーリャ語ご読よみに由来ゆらいする。

エウゼビ・グエイ

生涯しょうがい

バルセロナで生うまれた。彼かれの父ちちジュアン・グエイ・イ・ファレーは、トラダンバーラ（タラゴナ県けん）出身しゅっしんで、キューバ滞在たいざい中ちゅうに相当そうとうな財産ざいさんを築きずき、バルセロナへ戻もどってから多様たような事業じぎょうを促進そくしんした。母ははフランシスカ・バシガルーピは、18世紀せいき後半こうはんにバルセロナへ移住いじゅうしたジェノヴァ商人しょうにんの一族いちぞく出身しゅっしんで、彼女かのじょの兄あにはバルセロナ、サンツ・ムンジュイック地区ちくで織物おりもの工場こうじょうを所有しょゆうしていた。

父ちちジョアンと同おなじようにエウゼビ・グエイは、会社かいしゃを新設しんせつするというビジネスに心血しんけつを注そそいだ。その後ごにグエイ伯はくとなるエウゼビは、裕福ゆうふくであった一族いちぞくの一員いちいんであったことから、バルセロナ、フランス、イギリスで法学ほうがく、経済けいざい学がく、応用おうよう化学かがくを学まなぶことができた。実業じつぎょう家かフェラン・アルシナー(es)と協力きょうりょくして、サンタ・クローマ・ダ・サルバリョーにおいてコーデュロイ工場こうじょうを始はじめ、これはのちのコロニア・グエイ(es)教会きょうかいの基礎きそとなった（1891年ねん）。のちの1901年ねん、カステリャー（en:Castellar de n'Hug）に本拠ほんきょをおくアスファルト・ポートランド・アシュランド総合そうごう会社かいしゃを興おこした。そしてまた、妻つまイサベル（イスパノ・コロニアル銀行ぎんこうを創設そうせつしたロペス財閥ざいばつ、コミーリャス侯爵こうしゃく家か出身しゅっしん）の一族いちぞくの会社かいしゃ、イスパノ・コロニアル銀行ぎんこう、フィリピーナス・タバコ会社かいしゃ（Compañía General de Tabacos de Filipinas）の重役じゅうやくとなった。

1910年ねん、コローニア・グエイを訪問ほうもんした際さいのガウディとグエイ

エウゼビ・グエイは政治せいじの世界せかいに身みを投とうじ、また文化ぶんか活動かつどうの広ひろい分野ぶんやに関係かんけいしていた。1875年ねんにはバルセロナ市し議員ぎいんに選出せんしゅつされ、1878年ねんには州しゅう議会ぎかい議員ぎいんとなり、スペイン上院じょういん議員ぎいんとなった。彼かれはカタルーニャの文化ぶんか後援こうえん者しゃとして積極せっきょく的てきで、サン・ジョルディ王立おうりつ美術びじゅつアカデミー会員かいいんとなり、カタルーニャ主義しゅぎ者しゃの団体だんたいセントラ・カタラーの総裁そうさいとなった。

建築けんちく家かアントニ・ガウディと親交しんこうを結むすび、彼かれの生涯しょうがい最大さいだいの後援こうえん者しゃとなったために、彼かれら2人ふたりの名前なまえは国際こくさい的てきに知しられるようになった。グエイ公園こうえん、コロニア・グエル教会きょうかい、グエイ邸てい、グエイ別邸べっていである。1918年ねん7月がつ8日にち、グエイはグエイ公園こうえん内ないの自宅じたくで死去しきょした。彼かれは広範囲こうはんいの文化ぶんかに関心かんしんを示しめした人物じんぶつで、数カ国すうかこく語ごに翻訳ほんやくされるほどの著作ちょさくを持もっていた。

アルフォンソ13世せいは、外国がいこくで成なした富とみを用もちいてグエイがスペイン経済けいざいに貢献こうけんしたことを讃たたえ、彼かれを貴族きぞくの列れつに序じょすことにした。その後ごの結婚けっこんによって、グエイ家かの子孫しそんは現在げんざいコミリャス侯こうの称号しょうごうを名乗なのっている。実業じつぎょう家か、政治せいじ家かであるエウゼビ・グエイの名なに対たいし、グエイ伯はくの称号しょうごうが授さづけられた。数すう年ねん後ご、アルフォンソ13世せいはグエイの子供こどもたちへ子爵ししゃくと男爵だんしゃくの称号しょうごうを与あたえた。これに感謝かんしゃして、グエイの子供こどもたちは、王家おうけへペドラルベス王宮おうきゅう（es:Palacio Real de Pedralbes、グエイ邸ていパヴィリオン内ない）を献上けんじょうした。