オード県けん

オード県けん; Aude
	オード県けん章あきら
位置いち
概要がいよう
県けん番号ばんごう	11
地域ちいき圏けん	オクシタニー
県庁けんちょう所在地しょざいち	カルカソンヌ
郡ぐん庁ちょう所在地しょざいち	リムー; ナルボンヌ
郡ぐん	3
小郡おごおり	35
コミューン	438
県議会けんぎかい議長ぎちょう	アンドレ・ヴィオラ; フランス社会党しゃかいとう
統計とうけい
人口じんこう; 国内こくない71位い	（2011年ねん）; 359,967人にん
人口じんこう密度みつど	59人にん/km2
面積めんせき¹	6,139 km2
	¹ 「French Land Register data」（1平方へいほうキロ以上いじょうの湖沼こしょう、エスチュアリー、氷河ひょうがなどの水面すいめん積せき除のぞく。
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オード県けん(オードけん、Aude)は、フランスのオクシタニー地域ちいき圏けんの県けんである。名称めいしょうはオード川かわにちなむ^[1]。

地理ちり

ルカートの潟かた

ピレネーゾリアンタル県けん、アリエージュ県けん、オート＝ガロンヌ県けん、タルヌ県けん、エロー県けんと接せっし、47kmあまりの海岸かいがん線せんでリオン湾わんに面めんする。ピレネー山脈さんみゃくを含ふくむ県けんであり、標高ひょうこうの最高さいこう地点ちてんはマドレス山さんの2469mである。

オード県けんの自然しぜん区分くぶん上じょうの地方ちほうはどれも特定とくていの風景ふうけいを持もつ。東部とうぶ沿岸えんがんの潟かたと湖みずうみは、陸りくと海うみの間あいだの沿岸えんがんバリアを形成けいせいしている。これらはオード川がわ、オルブ川がわ、エロー川がわの堆積たいせき物ぶつで形成けいせいされる。ここの風景ふうけいは多おおくの汽水湖みずうみからなる。野生やせい動物どうぶつが限定げんてい的てきになるのは、海うみ、日光にっこう、乾燥かんそう、洪水こうずいの影響えいきょうを受うけやすいからである。ここでは海水かいすいでも育そだつ植物しょくぶつが残のこり、フラミンゴやセイタカシギのような鳥類ちょうるいが目立めだつ。

さらに西にしの内陸ないりくでは、マキやガリグといった低木ていぼく林りんがオードやコルビエール地方ちほうの風景ふうけいを支配しはいする。この風景ふうけいは森林しんりん破壊はかいの結果けっかであり、家畜かちくを飼かうことで維持いじされている。植物しょくぶつ相しょうは多様たようでかつ典型てんけい的てきである。ここには多おおくのランの種類しゅるいが含ふくまれている。ソー地方ちほうはブナやモミの林はやしで占しめられている。こうした森林しんりんはキノコで知しられ、豊ゆたかな動植物どうしょくぶつを維持いじしている。

北きたから西にしのモンターニュ・ノワール地方ちほうは、カシやブナの森林しんりんに覆おおわれている。ローラゲ地方ちほうは穀物こくもつ生産せいさんの行おこなわれる畑地はたちが丘おかを覆おおう風景ふうけいが見みられる。ギャンギーズ湖このような水辺みずべもある。ラゼス地方ちほうにあるオード川谷かわたに上流じょうりゅうは、ブナ、ハンノキで構成こうせいされる河畔かはん林りんである。南みなみフランスでは珍めずらしい、数箇所すうかしょの湿原しつげんがある。

オード県けんの自然しぜん区分くぶん上じょうの地方ちほう

ローラゲ
モンターニュ・ノワール
カバルデス
カルカセス
ラゼス
ケルコブ
ペイ・ド・ソー
ミネルヴォワ
コルビエール
ナルボネ

気候きこう

風力ふうりょく発電はつでん

オードの気候きこうは地中海ちちゅうかい性せい気候きこうが支配しはい的てきである。秋あきは激はげしく風速ふうそくの速はやい嵐あらしが特徴とくちょうである。夏なつは常つねに暑あつく乾燥かんそうし、ワイン用ようブドウとオリーブの栽培さいばいに適てきしている。

しかし県けんの気候きこうは入いり混まじっている。北きたのモンターニュ・ノワール、南みなみのソーは、冬ふゆになると時々ときどき低温ていおんになる山岳さんがく気候きこうである。東部とうぶが純粋じゅんすいに地中海ちちゅうかい性せい気候きこうなのに対たいし、西部せいぶはより降雨こうう量りょうが増ふえる。中央ちゅうおう部ぶ、リムーやカルカソンヌ、ラゼス地方ちほうの気候きこうは、風ふうが重要じゅうような仲介ちゅうかい者しゃとなる。

風ふうはオード県けんにしばしば存在そんざいする。オードは国内こくないで最もっとも風ふうの強つよい県けんであり、風かぜの吹ふく日ひは年間ねんかん300日にちから350日にちある。これは主おもに北部ほくぶと南部なんぶの地形ちけいが風ふうの通とおり道みちになる回廊かいろうになっているからである。北西ほくせいからの風ふうはカタルーニャではトラモンタナ、プロヴァンスではミストラルという。これは内陸ないりくからの風ふうで、乾燥かんそうし、冬ふゆは激はげしく寒さむい。東ひがしからのスフル・ド・マラン（船乗ふなのりの呼吸こきゅう、という意味いみ）は、カステルノーダリを越こえてトゥールーザン地方ちほうまで吹ふく。これは海うみから吹ふきつける高温こうおん多湿たしつの風ふうである。こうした定期ていき的てきに吹ふく風ふうのおかげで、アヴィニョネ＝ローラゲのように、風力ふうりょく発電はつでん所しょの設置せっちができている。

歴史れきし

フランス革命かくめい中なかの1790年ねん3月がつ4日にち、かつてのラングドック州しゅうから分離ぶんりして県けんとなった。

ローラゲ地方ちほうの穀物こくもつが難局なんきょくに直面ちょくめんしている頃ころ、オードは強力きょうりょくなワイン生産せいさんを経験けいけんした。しかし県けんは、ワインの過剰かじょう生産せいさんと販売はんばい不振ふしんの影響えいきょうを受うけた。1907年ねん、マルスラン・アルベールとナルボンヌ市長しちょうエルネスト・フェルール指揮しきのもと、ワイン危機ききはワイン生産せいさん者しゃの反乱はんらんに変かわった。この結果けっか、1909年ねん以降いこうオード県けんで協同きょうどう組合くみあい結成けっせいが相次あいついだ。

人口じんこう統計とうけい

オード県民けんみんはオドワ（Audois）という。1990年ねんの国勢調査こくせいちょうさでは、1960年代ねんだいからオード県けんは年間ねんかん約やく700人にんの人口じんこう増加ぞうかをしていることがわかった。この伸のびは、60歳さい以上いじょうの年金ねんきん受給じゅきゅう者しゃたちが出身しゅっしん地域ちいき圏けんに戻もどってきていること、地中海ちちゅうかい盆地ぼんち諸国しょこくからの移民いみんの流入りゅうにゅうで説明せつめいがつく。

最新さいしんの調査ちょうさでは、オード県けん人口じんこうは国内こくない人口じんこうの0.5%、地域ちいき圏けん人口じんこうの14.1%である。県けんは本質ほんしつ的てきに農村のうそん県けんであり、人口じんこう密度みつどは48人にん/km2と、全国ぜんこく平均へいきんの約やく半分はんぶんである。中規模ちゅうきぼ都市としであるカルカソンヌとナルボンヌは県けんの二に大都市だいとしであり、県けん人口じんこうの1/3が集あつまる。

1975年ねん以降いこうの人口じんこう統計とうけいは以下いかのようになっている^[2]。

1975	1982	1990	1999	2006
272,000	281,000	299,000	310,000	341,022

経済けいざい

コルビエールのブドウ畑はたけ

オード県けんは農業のうぎょう県けんである。主体しゅたいはワイン生産せいさんで、東部とうぶのコルビエールAOC、クラプ、中央ちゅうおう部ぶのミネルヴォワ、コート・ド・マルペイル、南部なんぶのブランケット・ド・リムーである。穀物こくもつ生産せいさんはモンターニュ・ノワールで主おもに行おこなわれるが、ヒツジの飼育しいくも行おこなわれている。また、近年きんねんはオリーブオイル生産せいさん用ようのオリーブ栽培さいばいが増加ぞうかしている。