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クレアチンキナーゼ - Wikipedia

クレアチンキナーゼ(Creatine Kinase、CK)、CPK(クレアチンホスホキナーゼ、Creatine PhosphoKinase)は、動物どうぶつ酵素こうそで、筋肉きんにく収縮しゅうしゅくさいエネルギー代謝たいしゃ関与かんよしている。EC番号ばんごう2.7.3.2。

creatine kinase MM, dimer, Human.

はたらきは、クレアチンATPからクレアチンリンさんADP生成せいせいする反応はんのう媒介ばいかいである。骨格こっかくすじ心筋しんきんなど、興奮こうふんせい細胞さいぼう分布ぶんぷしている。

臨床りんしょう検査けんさ

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CKは骨格こっかくすじ心筋しんきん障害しょうがいけたさい血液けつえきなか流出りゅうしゅつする逸脱いつだつ酵素こうそとして臨床りんしょうじょう重要じゅうようである。 心筋梗塞しんきんこうそく筋炎きんえんきんジストロフィーなど心筋しんきん障害しょうがいすじ疾患しっかんちゅう濃度のうど上昇じょうしょうする。ただし、はげしい運動うんどうなどでもすじ線維せんいこわれるためCKの上昇じょうしょうがみられることがある。

単位たんいはIU(国際こくさい単位たんい)/L。正常せいじょう男性だんせいほうたかく(筋肉きんにくりょうちがいによる)、男性だんせいで30~190 IU/L、女性じょせいで20~150 IU/L程度ていどとされている。

アイソザイム

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CKはふたつのサブユニットからなるりょうたい蛋白質たんぱくしつである。このサブユニットには2種類しゅるいあり(B:のうかた、M:すじがた)、このわせによって3種類しゅるいのCK(MM、BB、MB)がアイソザイムとして存在そんざいする。骨格こっかくすじにはMMがた心筋しんきんにはMBがたおおいため、原因げんいん不明ふめいのCK上昇じょうしょうではこのアイソザイム比率ひりつ分析ぶんせきすることで有意義ゆういぎ所見しょけんられることがある。また、急性きゅうせい心筋梗塞しんきんこうそくうたがわれるさいにはCK-MBの測定そくてい診断しんだん裏付うらづけ、および重症じゅうしょう指標しひょうとなる。

心筋梗塞しんきんこうそく発症はっしょう、CK上昇じょうしょうするには若干じゃっかんのタイムラグがある(数時間すうじかんから上昇じょうしょう)。急性きゅうせい対応たいおうでは、確定かくてい診断しんだんのためにはCK-MBよりもはや上昇じょうしょうし、やはり特異とくいせいたかトロポニンT重視じゅうしされる。

CK-MBでも骨格こっかくすじ由来ゆらい正常せいじょうでも5%程度ていどみとめられることがられている。そのためCK上昇じょうしょうには比率ひりつ調しらべる必要ひつようがある。また骨格こっかくすじからもすじ再生さいせいにはCK-MBが産出さんしゅつされることがられている。この場合ばあいはトロボニンTなども同様どうよう産出さんしゅつされる。とく皮膚ひふ筋炎きんえん多発たはつせい筋炎きんえん活動かつどうにはCKの25%がCK-MBとなることもある。上記じょうき疾患しっかん合併症がっぺいしょう心筋しんきんえんみとめられることもあるため心臓しんぞうちょう音波おんぱ検査けんさ併用へいよう必要ひつようである。

マクロクレアチンキナーゼしょう

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免疫めんえきグロブリンとクレアチンキナーゼが結合けつごうし、検査けんさじょう高値たかねとなる症候しょうこうがあり、マクロクレアチンキナーゼしょう(マクロCKしょう)とばれる。ほとんどは疾患しっかん意味いみするものではないが、とき悪性あくせい腫瘍しゅようにかわばらびょうによるマクロCKしょうもあり、注意ちゅういようする。