ク7 (航空機こうくうき)

日にち国こく ク7 まなづる

ク7II

• 用途ようと：輸送ゆそう機き
• 分類ぶんるい：軍用ぐんようグライダー
• 設計せっけい者しゃ：益浦ますうら幸三こうぞう
• 製造せいぞう者しゃ：日本にっぽん国際こくさい航空こうくう工業こうぎょう
• 運用うんよう者しゃ：大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐん
• 生産せいさん数すう：2機き
• 運用うんよう状じょう況きょう：試作しさくのみ

ク7は、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中なかに試作しさくされた日本にっぽん陸軍りくぐんの双そう胴どう型がた軍用ぐんようグライダー（滑空かっくう機き）。設計せっけい、製造せいぞうは日本にっぽん国際こくさい航空こうくう工業こうぎょう（日にち国こく）による。愛称あいしょうは「まなづる」。連合れんごう国こく軍ぐんのコードネームは「Gander（ガンダー、「雄ゆうガチョウ」転てんじて「間抜まぬけ」の意い）」。

概要がいよう

ク7は前作ぜんさくの前田まえだ ク1を大型おおがた化かしたもので、1942年ねん（昭和しょうわ17年ねん）2月がつに陸軍りくぐんから「九きゅう八はち式しき軽けい戦車せんしゃを運搬うんぱん可能かのうな木製もくせいの滑空かっくう機き」として日にち国こくに発注はっちゅうされた。日にち国こくは益浦ますうら幸三こうぞう技師ぎしを設計せっけい主務しゅむ者しゃとして同月どうげつ中ちゅうに基礎きそ設計せっけいを開始かいしし、1943年ねん（昭和しょうわ18年ねん）1月がつに強度きょうど試験しけん用ようのク7Iが完成かんせいした。その後ご、強度きょうど試験しけんの結果けっかを受うけて実用じつよう型がたとなるク7IIの製作せいさくを開始かいし。ク7Iで発見はっけんされた問題もんだい点てんを改良かいりょうし、1944年ねん7月がつに試作しさく機きが完成かんせい、同年どうねん8月がつ15日にちに初はつ飛行ひこうした。

機体きたいは中央ちゅうおう胴体どうたいと動どう翼つばさの骨組ほねぐみは軽けい合金ごうきん製せいで、それ以外いがいは木製もくせい。双そう胴どう型がたを採用さいようしたことにより大おおきな四角しかくい貨物かもつ室しつを確保かくほすることができ、これにより32 - 40名めいの兵員へいいんか7,000 kgの貨物かもつ、又または軽けい戦車せんしゃさえ搭載とうさいすることができた。胴体どうたい後部こうぶには現代げんだいの軍用ぐんよう輸送ゆそう機きでは標準ひょうじゅんとなった、油圧ゆあつ式しきの上うえ開びらき扉とびらと下した開びらき昇降しょうこう板ばんを備そなえている。ク7は強力きょうりょくな曳航えいこう機きを必要ひつようとし、これには一いち〇〇式しき重じゅう爆撃ばくげき機きや四よん式しき重じゅう爆撃ばくげき機きが充あてられる予定よていだったが、これらの機体きたいは配備はいび数すうが少すくなかった。このことからク7にエンジンを装着そうちゃくした動力どうりょく機き型がたキ105の開発かいはつが開始かいしされたため、ク7の開発かいはつは中止ちゅうしされ、ク7I・ク7IIあわせてわずか2機きしか製造せいぞうされなかった。なお、製作せいさく中ちゅうだったク7IIの二に号機ごうき以降いこうはキ105として製作せいさくが続行ぞっこうされている。

派生はせい型がた

• ク7I : 大型おおがた実験じっけん軍用ぐんようグライダー。
• ク7II : 実用じつよう型がた。試作しさくのみ。
• キ105 鳳おおとり : エンジン付つき。

要目ようもく

• 全長ぜんちょう：19.92 m
• 全幅ぜんぷく：35.00 m
• 全高ぜんこう：5.90 m
• 主翼しゅよく面積めんせき：112.5 m²
• 空虚くうきょ重量じゅうりょう：4,500 kg
• 有効ゆうこう積載せきさい重量じゅうりょう：7,500 kg
• 最大さいだい離陸りりく重量じゅうりょう：12,000 kg
• 超過ちょうか禁止きんし速度そくど：355 km/h (220 mph)
• 巡航じゅんこう速度そくど：200 km/h (125 mph)
• 最良さいりょう滑空かっくう比ひ：20：1
• 乗員じょういん：2名めい
• 積載せきさい量りょう：兵員へいいん 32 - 40名めい 又または貨物かもつ7,000 kg

参考さんこう文献ぶんけん

• 野沢のざわ正ただし 『日本航空にほんこうくう機き総そう集あつまり 立川たちかわ・陸軍りくぐん航空こうくう工廠こうしょう・満まん飛ひ・日にち国こく篇へん』 出版しゅっぱん協同きょうどう社しゃ、1980年ねん、165 - 168頁ぺーじ。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:80027840。

関連かんれん項目こうもく

• キ105 鳳おおとり
• ゴータ Go 242