シュリ・チンモイ

シュリ・チンモイ（Sri Chinmoy、フルネーム：チンモイ・クマル・ゴーシュ (Chinmoy Kumar Ghose) 、1931年ねん 8月がつ27日にち - 2007年ねん 10月11日にち）は、インドのベンガル地方ちほう出身しゅっしんで、1964年ねんにアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのニューヨークへ移住いじゅうしたヨーガ指導しどう者しゃ。宗教しゅうきょう家か、哲学てつがく者しゃ、文筆ぶんぴつ家か、アスリート、作曲さっきょく家か及および演奏えんそう家か、霊れい性せいの導師どうし（グル）である。

アルジュナの化身けしんを自称じしょう。著名ちょめいな弟子でしにカール・ルイスや^[1]1970年代ねんだいにはギタリストのカルロス・サンタナや同おなじくギタリストのジョン・マクラフリンが師事しじしていた^[2]。

多数たすうの音楽おんがく、絵画かいが、文学ぶんがくを創造そうぞうし、世界せかい各地かくちでコンサート（数すう多おおくの楽器がっきの演奏えんそう）、公開こうかい瞑想めいそう、講演こうえん活動かつどうなどを無料むりょうで行おこなった。

来歴らいれき

インド時代じだい（1931年ねん-1964年ねん）

チンモイは、インド東ひがしベンガル州しゅうチッタゴン地区ちく（現在げんざいのバングラデシュチッタゴン管区かんく）のシャクプラ村むらに7人にん兄弟きょうだいの末すえっ子ことして生うまれた。彼かれの父親ちちおやは、元もと鉄道てつどう検札けんさつ係がかりの銀行ぎんこう家かでシャシ・クマル・ゴーシュ (Shashi Kumar Ghose) といい、母親ははおやは信心しんじん深ふかい気質きしつの主婦しゅふでヨーガマヤ・ゴーシュ (Yogamaya Ghose) といった。

1943年ねんに彼かれは、父親ちちおやを病気びょうきで亡なくし、その数すうヵ月かげつ後ごには母親ははおやも病気びょうきで亡なくす。孤児こじになった彼かれは、1944年ねん12歳さいの頃ころ、兄弟きょうだい姉妹しまいを伴ともない、南みなみインドのポンディシェリにある（既すでに、兄あにの Hriday とチッタ (Chitta) が存在そんざいを定着ていちゃくさせている）シュリ・オーロビンド・アシュラムに入はいり、オーロビンド・ゴーシュの弟子でしとなる。そこで、彼かれは瞑想めいそうを含ふくむ霊れい性せい修行しゅぎょうを行おこない、陸上りくじょう競技きょうぎの練習れんしゅうやベンガル語ごと英語えいごの勉強べんきょうをしたり、アシュラムの小ちいさな工場こうじょうで働はたらくなどをして、20年ねんを過すごす。10代と20代だいは、彼かれは短距離たんきょり選手せんしゅと十種競技じっしゅきょうぎ選手せんしゅでもあった。

1955年ねん、彼かれは、アシュラムの管理かんりを行おこないベンガル語ごの文書ぶんしょ記事きじを英語えいごに翻訳ほんやくしているノーリニ・カンタ・グプタ (Nolini Kanta Gupta) の秘書ひしょになる。彼かれもまた、インドの霊れい性せいの導師どうしについての記事きじを発表はっぴょうしたり、自身じしんのノートに詩しや歌うたやアシュラムでの生活せいかつの感想かんそうを記しるし続つづけた。

西にしへ

1964年ねん4月がつ13日にち、彼かれが33歳さいの頃ころ、アメリカ人じん後援こうえん者しゃの招聘しょうへいを受うけ、西側にしがわ諸国しょこくの人々ひとびとに霊的れいてき指導しどうを行おこなう目的もくてきで、ニューヨークに移住いじゅうした。移住いじゅうした最初さいしょの1年間ねんかん、インド領事館りょうじかんのLL・メヘロートラー (LL Mehrotra) の下もとで、パスポートとビザ発行はっこうの部署ぶしょのアシスタントとして働はたらく。1965年ねんに、グッゲンハイム美術館びじゅつかんに招待しょうたいされ、アジア協会きょうかいの後援こうえんを受うけ、3曲きょくの曲きょくを演奏えんそうした。その年としの後半こうはん、彼かれは月刊げっかんAUM誌しを出版しゅっぱんし始はじめる。1966年ねん7月がつ22日にち、彼かれは、のちに世界せかい約やく60ヶ国かこくに100以上いじょう設立せつりつすることになるところの、彼かれの霊的れいてき哲学てつがくや瞑想めいそうなどを指導しどうし、適度てきどの梵行（禁欲きんよく）生活せいかつを実践じっせんするための「シュリ・チンモイ・センター」の最初さいしょのセンターをプエルトリコのサンフアンに創設そうせつした。この頃ころから「シュリ・チンモイ」と名乗なのるようになったと思おもわれる。

1968年ねんから1970年ねんにかけて、彼かれはイェール大学だいがく、ハーバード大学だいがく、コーネル大学だいがく、ブランダイス大学だいがく、ダートマス大学だいがく、そしてニュースクールフォーソーシャルリサーチで講演こうえんを行おこなった。その後ご、日本にっぽんと極東きょくとうを初はつ訪問ほうもん。1970年ねん4月がつに、彼かれは国連こくれんにおいてピース・メディテーション（公開こうかい瞑想めいそう）の主催しゅさいを始はじめる。以後いご毎週まいしゅう定期ていき的てきに、宗派しゅうはを超こえた人々ひとびとの奉仕ほうしに支ささえられたNGOによって、国連こくれんの各国かっこく代表だいひょうやスタッフ向むけに、公開こうかい瞑想めいそうが催もよおされ続つづけている。1970年ねん後半こうはんには、彼かれは初はじめてヨーロッパを訪おとずれ、オックスフォおっくすふぉード大学どだいがくとケンブリッジ大学けんぶりっじだいがくでの講演こうえん等とうを行おこなった。1971年ねんまでに、当時とうじの事務じむ総長そうちょうタントの支持しじで、彼かれは国連こくれんのダグ・ハマーショルド講堂こうどう (Dag Hammarskjold Auditorium) で毎月まいつきの講義こうぎを開始かいしする。

彼かれは、外遊がいゆうの先々さきざきで講演こうえんを行おこない、新あたらしいシュリ・チンモイ・センターを設立せつりつし、多数たすうの活動かつどうに専念せんねんし続つづけた。1975年ねん4月がつに、彼かれはジョン・F・ケネディの記念きねんのために、ハーバード神学しんがく学校がっこうで一連いちれんの7つの講演こうえんを行おこなった。彼かれは、同年どうねん7月がつの国立こくりつ記念きねん日びに国連こくれんの祈念きねん式典しきてんにおいて、また、1976年ねん4月がつにそれに類似るいじした式典しきてんにおいて、オープニング・メディテーションを提供ていきょうした。1978年ねん9月がつに、彼かれは彼かれの古ふるい上司じょうしであるLLメヘロートラーと再会さいかい。その後ご、LL・メヘロートラーはサンフランシスコでインドのコンサルタントの要職ようしょくに就ついた。

博愛はくあい主義しゅぎに基もとづくスポーツプログラム

1977年ねんにチンモイは、マラソン、水泳すいえい、サイクリング、イベント等とうを世界中せかいじゅうで開催かいさいする目的もくてきで、シュリ・チンモイ・マラソンチームを設立せつりつした。1976年ねんには最初さいしょの活動かつどうとして、33人にんのランナーがアメリカ50州しゅう、約やく14162kmを7週間しゅうかん掛かけてリレーを行おこない、アメリカの200年ねん祭さいを祝いわう「リバティー・トーチ・リレー」が計画けいかくされる。リレーの最後さいごのランナーは、ニューヨーク市しにて、当時とうじのエイブラハム・ビーム (Abraham Beame) 市長しちょうによって出迎でむかえられた。彼かれは、1976年ねん8月がつ16日にちを「リバティー・トーチの日ひ」と宣言せんげんした。このコンセプトは、1987年ねんには、国際こくさい的てきなピース・ラン（後のちにワールド・ハーモニー・ランに名称めいしょう変更へんこう）になるまでに拡大かくだいし、通常つうじょう2年ねんごとに開催かいさいされた。

全すべてのチンモイの平和へいわの先導せんどうに共通きょうつうしているのは、それが何なにかに対たいする抗議こうぎであるとか政治せいじ運動うんどうを含ふくむものではないということである。ただ、「平和へいわは私わたしから始はじめる」というスローガンを基調きちょうとした、平和へいわの必要ひつよう性せいについて、人類じんるいの意識いしきを高たかめる努力どりょくすることのみだという。

最近さいきんの活動かつどう、そして死し

1993年ねん、シカゴでの世界せかい宗教しゅうきょう会議かいぎの初はつの本ほん会議かいぎに招待しょうたいされ、沈黙ちんもくの瞑想めいそうを行おこなった。そして2004年ねん、バルセロナにおいても同様どうように行いった。

同年どうねん（1993年ねん）、ヴィヴェーカーナンダが世界せかい宗教しゅうきょう会議かいぎに出席しゅっせきして100年ねんの節目ふしめを記念きねんして、彼かれは春はるから夏なつに掛かけて、地上ちじょうにおけるヴィヴェーカーナンダの39年間ねんかんの歩あゆみに、39のコンサートを捧ささげた（セント・ピーター教会きょうかいとクライスト・アンド・セント・スティーブン教会きょうかいと Bharatiya Vidya Bhavan でのニューヨークコンサートを含ふくむ）。

2007年ねん10月がつ11日にち、心筋梗塞しんきんこうそくにより76歳さいで死去しきょ^[3]。

主おもな著書ちょしょ

『ハイアー・メディテーション - 内ないなる自己じこへの旅たび』山原やまはら春代はるよ・野田のだ友とも裕ひろし・三宅みやけ慶子けいこ・西尾にしお武彦たけひこ訳やく、たま出版しゅっぱん、1992年ねん3月がつ

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ Seabrook, Andrea (2007年ねん10月がつ14日にち). “Sri Chinmoy's Weight-Lifting Skills Wowed Fans”. NPR. 2021年ねん4月がつ10日とおか閲覧えつらん。
^ “ソニー・ミュージック・ディスコグラフィー「魂たましいの兄弟きょうだいたち」”. ソニー・ミュージック (2005年ねん7月がつ27日にち). 2023年ねん2月がつ5日にち閲覧えつらん。
^ Kilgannon, Corey (2007年ねん10月がつ13日にち). “Sri Chinmoy, Athletic Spiritual Leader, Dies at 76”. New York Times. 2021年ねん4月がつ10日とおか閲覧えつらん。