ジャンヌ・ダルク (映画えいが)

『ジャンヌ・ダルク』（原題げんだい: The Messenger: The Story of Joan of Arc）は、1999年ねんに公開こうかいされたフランス・アメリカ合作がっさくの伝記でんき映画えいが。リュック・ベッソン監督かんとく、ミラ・ジョボヴィッチ主演しゅえんで、ジャンヌ・ダルクの誕生たんじょうから処刑しょけいまでを描えがいた歴史れきし映画えいがである。

ジャンヌ・ダルク
The Messenger: The Story of Joan of Arc
監督かんとく	リュック・ベッソン
脚本きゃくほん	リュック・ベッソン アンドリュー・バーキン
製作せいさく	パトリス・ルドゥー
製作せいさく総そう指揮しき	リュック・ベッソン アンドリュー・バーキン
出演しゅつえん者しゃ	ミラ・ジョボヴィッチ ジョン・マルコヴィッチ フェイ・ダナウェイ ダスティン・ホフマン
音楽おんがく	エリック・セラ
撮影さつえい	ティエリー・アルボガスト
編集へんしゅう	シルヴィ・ランドラ
製作せいさく会社かいしゃ	ゴーモン
配給はいきゅう	ゴーモン・ブエナ・ビスタ・インターナショナル コロンビア ピクチャーズ SPE
公開こうかい	1999年ねん10月がつ27日にち 1999年ねん11月12日にち 1999年ねん12月11日にち
上映じょうえい時間じかん	158分ふん
製作せいさく国こく	フランス アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
言語げんご	英語えいご
製作せいさく費ひ	$85,000,000
興行こうぎょう収入しゅうにゅう	$66,976,317 22億おく円えん

概要がいよう

フランスの英雄えいゆうとして扱あつかわれてきたジャンヌ・ダルクを「一人ひとりの少女しょうじょ」という視点してんから描えがいた作品さくひん。

全体ぜんたいを通とおして宗教しゅうきょうと神かみの存在そんざいを絡からめながら進行しんこうするが、同時どうじにジャンヌは神かみの使つかいではないと否定ひてい的てきに描えがかれている。

作中さくちゅうにたびたび登場とうじょうする大だい規模きぼで迫力はくりょくのある攻おさむ城じょうシーンにより、娯楽ごらく大作たいさくとしても評価ひょうかが高たかい。

ストーリー

百ひゃく年ねん戦争せんそう下したのフランス。13歳さいの少女しょうじょジャンヌは、故郷こきょうであるドンレミ村むらで父ちちや母はは、姉あねのカトリーヌと共ともに幸しあわせに暮くらしていた。人並ひとなみ外はずれて信仰しんこう心こころ豊ゆたかであったジャンヌは、頻繁ひんぱんに村むらの教会きょうかいへ告解こっかいに訪おとずれていたが、ある日ひ神父しんぷに、自みずからに助言じょげんを授さづけてくれるという謎なぞの少年しょうねんについて話はなす。その少年しょうねんの正体しょうたいは不明ふめいであるものの、ジャンヌは「天てんから来きた人ひと」ではないかと考かんがえていた。 その日ひの午後ごご、ジャンヌが自分じぶんの村むらへ戻もどると、村むらはイギリス軍ぐんに焼やき討うちにされ、目めの前まえで姉あねを虐殺ぎゃくさつされるという悲劇ひげきに見舞みまわれる。心しんに深ふかい傷きずを負おったジャンヌは、父ちちの命令めいれいで村むらの修復しゅうふくが終おわるまでの間あいだ、伯父おじであるデュラン夫妻ふさいの家いえに預あづけられる。しかし姉あねを虐殺ぎゃくさつされた悲かなしみとイギリス軍ぐんへの憎にくしみから、ジャンヌは伯父おじ夫妻ふさいにも心しんを閉とざし、教会きょうかいの神父しんぷにもやり場ばのない感情かんじょうをぶつける。彼女かのじょのあまりの悲かなしみを目まの当あたりにした神父しんぷは「いつか神かみが、お前まえを必要ひつようとする日ひが来くる」と言いうが、ジャンヌは「今いますぐ神かみと一ひとつになりたい」と激はげしい感情かんじょうを露あらわにする。

それから数すう年ねん後ご。シノン城しろのシャルル王おう太子たいし（後ごのシャルル7世せい）の元もとに、自みずからを「神かみの使つかい」と名乗なのるジャンヌからの手紙てがみが届とどく。手紙てがみには、イギリス軍ぐんに包囲ほういされているオルレアンの街まちを解放かいほうし、シャルル王おう太子たいしがランスで戴冠たいかん式しきを挙あげる手助てだすけがしたいと書かかれていた。廷臣ていしんたちは危険きけんを感かんじて、シャルルにジャンヌとの対面たいめんを断ことわるように助言じょげんする。しかし姑しゅうとのヨランド（王おう太子たいし妃ひマリーの母はは）から「ロレーヌの乙女おとめがフランスを救すくう」というい伝いつたえを聞きかされたシャルルは、彼女かのじょの後押あとおしを受うけてジャンヌと対面たいめんする決意けついをする。だが一計いっけいを案あんじたシャルルは、ジャンヌが本当ほんとうに神かみの使つかいであるかを試ためすために、家臣かしんのジャン・ドーロンに自分じぶんの衣装いしょうを着きせて、玉座ぎょくざに座すわらせる。やがて広間ひろまに現あらわれたジャンヌは、玉座ぎょくざに座すわっているジャンがシャルル王おう太子たいしではないと気付きづき、広間ひろまに集あつまった人々ひとびとの中なかから見事みごとに本物ほんもののシャルルを見みつけるのだった。 やがてシャルルと2人ふたりきりになったジャンヌは、自分じぶんの過去かこと、神かみのお告つげに従したがいフランスを救すくうために城しろへやって来きたことを告白こくはくする…。

登場とうじょう人物じんぶつ

ジャンヌ・ダルク

演えんじ - ミラ・ジョボヴィッチ

本ほん作さくの主人公しゅじんこう。フランスのロレーヌ地方ちほうの村むらに暮くらしていた敬遠けいえんなキリスト教徒きりすときょうとの娘むすめ。幼おさない頃ころにイギリス軍ぐんにより姉あねを殺害さつがいされた経緯けいいから、深ふかいトラウマを抱だいている。「神かみのお告つげ」を受うけたとしてシャルル王おう太子たいし（後ごのシャルル7世せい）の城しろへ出向でむき、イギリス軍ぐんに包囲ほういされたオルレアンを解放かいほうするべく、フランス軍ぐんを指揮しきする。

シャルル7世せい

演えんじ - ジョン・マルコヴィッチ

フランス王おう太子たいし。「神かみの使者ししゃ」を名乗なのるジャンヌに対たいして、初はじめは半信半疑はんしんはんぎであったが、やがて信頼しんらいし彼女かのじょに軍隊ぐんたいを与あたえる。ジャンヌの尽力じんりょくによりフランス国王こくおうとなる。

ヨランド・ダラゴン

演えんじ - フェイ・ダナウェイ

元もとアンジュー公おおやけ妃ひで、シャルル王おう太子たいしの姑しゅうと（王おう太子たいし妃ひの母はは）。シャルルの理解りかい者しゃである一方いっぽう、策略さくりゃく家かの一いち面めんもある。ジャンヌがシノン城じょうに来きた際さいには彼女かのじょと対面たいめんすることを勧すすめた。

ジル・ド・レ

演えんじ - ヴァンサン・カッセル

フランス国軍こくぐんの将軍しょうぐんであり、男爵だんしゃく。シャルルからは「フランスの元帥げんすい」 と称となえられている。初はじめはジャンヌに反発はんぱつしていたが、戦場せんじょうでの彼女かのじょの勇姿ゆうしを見みて改心かいしんしてからは、ジャンヌの戦友せんゆうとなった。オルレアンの戦たたかいでは、イギリス軍ぐんの射手しゃしゅに狙ねらわれたジャンヌを身みを挺ていして助たすけている。

デュノワ伯はく

演えんじ - チェッキー・カリョ

フランス国軍こくぐんの将軍しょうぐんで、オルレアンの守備しゅび隊長たいちょう。ジル同様どうよう、当初とうしょはジャンヌと反発はんぱつし合あっていたが、やがて同志どうしとなる。

アランソン公こう

演えんじ - パスカル・グレゴリー

フランス国軍こくぐんの将軍しょうぐんで、シャルルの従兄弟いとこ。シャルルからは、洗練せんれんされ勇気ゆうきがあり裕福ゆうふくだと称しょうされた。オルレアンの戦たたかいではジャンヌの戦友せんゆうとして彼女かのじょを支ささえた。

ジャン・ドーロン

演えんじ - デズモンド・ハリントン

フランス国こくの軍人ぐんじんであり、ジャンヌの副官ふっかん。元もとは弓ゆみの射手しゃしゅであり、パリ大学だいがくで読よみ書かきを習ならっていた経歴けいれきがある。ジャンヌを何なにかと気きにかけ、支ささえている。

ラ・イル

演えんじ - リチャード・ライディングス

フランス国軍こくぐんの将軍しょうぐんで、ジャンヌの戦友せんゆう。言葉ことば使づかいの悪わるさを度々たびたびジャンヌに注意ちゅういされている。

ピエール・コーション

演えんじ - ティモシー・ウェスト

ジャンヌの異端いたん裁判さいばんを取とり仕切しきるボーヴェの司教しきょう。史実しじつとは異ことなり、ジャンヌの異端いたん裁判さいばんでは公平こうへいな立場たちばに立たち、ジャンヌを火刑かけいから救すくおうと尽力じんりょくする一いち面めんもある。

ルニョー

演えんじ - デビッド・ベグ

大司教だいしきょう。 ランスで行おこなわれたシャルルの戴冠たいかん式しきを取とり仕切しきり、彼かれに王冠おうかんを授さづけた。

キャスト

役名やくめい	俳優はいゆう	日本語にほんご吹替
		ソフト版ばん	日本にほんテレビ版はん
ジャンヌ・ダルク	ミラ・ジョボヴィッチ	朴ほお璐美	松本まつもと梨香りか
シャルル7世せい	ジョン・マルコヴィッチ	土師はじ孝也たかや	山寺やまでら宏一こういち
ヨランド・ダラゴン	フェイ・ダナウェイ	沢田さわだ敏子としこ	此島愛子あいこ
ジャンヌの良心りょうしん	ダスティン・ホフマン	有本ありもと欽隆	津嘉山つかざん正種まさたね
アランソン公こう	パスカル・グレゴリー	山野井やまのい仁ひとし	内田うちだ直哉なおや
ジル・ド・レ	ヴァンサン・カッセル	中田なかた和宏かずひろ	大塚おおつか芳忠よしただ
デュノワ伯はく	チェッキー・カリョ	廣田ひろた行こう生せい	谷口たにぐち節たかし
ラ・イル	リチャード・ライディングス	郷里ごうり大輔だいすけ	玄田げんだ哲章てっしょう
ドーロン	デズモンド・ハリントン	檀だん臣しん幸こう	関せき俊彦としひこ
ピエール・コーション	ティモシー・ウェスト	宝たから亀ひさし克かつ寿ことぶき	黒沢くろさわ良りょう
ルニョー	デビッド・ベグ	小山こやま武宏たけひろ	佐々木ささき勝彦かつひこ
ジャンヌの父ちち	ブルース・バイロン	高橋たかはし翔しょう	山路やまじ和弘かずひろ
ジャンヌの伯母おば	バーバラ・エルボーン	梅田うめだ貴たか公美くみ	小島こじま幸子さちこ
ジャンヌ（幼少ようしょう時代じだい）	ジェーン・バレンタイン	小暮こぐれ英えい麻あさ	矢島やじま晶子あきこ
その他た		齋藤さいとう龍りゅう吾われ 楠くすのき見み尚己なおみ 柳沢やなぎさわ栄治えいじ 仲野なかの裕ひろし 塚田つかだ正ただし昭あきら 高森たかもり奈緒なお 星野ほしの充たかし昭あきら 梅津うめづ秀行ひでゆき 岩崎いわさきひろし	藤本ふじもと譲ゆずる 大木おおき民夫たみお 斎藤さいとう志郎しろう 坂東ばんどう尚樹なおき 天田あまだ益男ますお 小関おぜき一はじめ 糸いと博はく 西川にしかわ幾雄いくお 辻村つじむら真人まさと 津田つだ英三えいぞう 藤ふじ夏子なつこ 楠くすのき大典たいてん 宗そう矢樹やぎ頼よりゆき 加瀬かせ康之やすゆき 佐藤さとうゆうこ 浜田はまだ賢二けんじ
演出えんしゅつ		清水しみず洋史ひろし	小山こやま悟さとる
翻訳ほんやく		徐じょ賀が世子せいし
調整ちょうせい		オムニバス・ジャパン	重光しげみつ秀樹ひでき
効果こうか			リレーション
編集へんしゅう			MA：KSSスタジオ
担当たんとう			別府べっぷ憲治けんじ
プロデューサー			大塚おおつか恭司きょうじ 北島きたじま有子ゆうこ
プロデューサー補ほ			野地のち玲子れいこ
制作せいさく		東北新社とうほくしんしゃ	ケイエスエス
初回しょかい放送ほうそう		2016年ねん1月がつ20日はつか 『午後ごごのロードショー』	2002年ねん2月がつ1日にち 21:03-23:39 『金曜きんようロードショー』

受賞じゅしょう歴れき

映画えいが賞しょう	賞しょう	対象たいしょう	結果けっか	出典しゅってん
第だい25回かい セザール賞しょう	音響おんきょう賞しょう	ヴィンセント・トゥリ　他た	受賞じゅしょう
	衣装いしょうデザイン賞しょう	カトリーヌ・ルテリエ	受賞じゅしょう
第だい5回かいルミエール賞しょう	監督かんとく賞しょう	リュック・ベッソン	受賞じゅしょう
	最優秀さいゆうしゅう映画えいが賞しょう	『ジャンヌ・ダルク』	受賞じゅしょう
ゴールデンリール賞しょう	ベストサウンド編集へんしゅう賞しょう	『ジャンヌ・ダルク』	受賞じゅしょう
第だい20回かいゴールデンラズベリー賞しょう	最低さいてい女優じょゆう賞しょう	ミラ・ジョボヴィッチ	ノミネート

外部がいぶリンク

• ジャンヌ・ダルク - allcinema
• ジャンヌ・ダルク - KINENOTE
• The Messenger: The Story of Joan of Arc - オールムービー（英語えいご）
• Joan of Arc - IMDb（英語えいご）
• Jeanne d'Arc - AlloCiné（フランス語ふらんすご）