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タレント・エージェント - Wikipedia

タレント・エージェントtalent agent)とは、おも映画えいがにおける俳優はいゆう監督かんとく脚本きゃくほんプロデューサー撮影さつえい監督かんとくらの権利けんり代行だいこうする人物じんぶつである。代理人だいりにん作家さっか著作ちょさくけんエージェント本質ほんしつてきおな業務ぎょうむあつかう。

米国べいこくのタレント・エージェント

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ここではおもにアメリカ映画えいが業界ぎょうかいについてしるす。

業務ぎょうむ内容ないよう

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エージェントは、クライアントのために仕事しごとさがし、金銭きんせんじょう契約けいやくむすぶ。その見返みかえりとして、手数料てすうりょうなんわりかをる。この手数料てすうりょうはユニオン(俳優はいゆう組合くみあい登録とうろくしたプロジェクト)の仕事しごと場合ばあいは10%、それ以外いがい仕事しごとでは20%が相場そうばである[1]弁護士べんごしらととも仕事しごとやその報酬ほうしゅう交渉こうしょうにあたるのだが、クライアントとは歩合ぶあい契約けいやくむすんでおり、クライアントのギャラが高額こうがくになればなるほどエージェントの収入しゅうにゅうがるため、ギャラ交渉こうしょうちかられる。その結果けっか、ギャラが高騰こうとうする。近年きんねん米国べいこく映画えいが極端きょくたんなギャラ高騰こうとう一因いちいんとされる[2]

現在げんざいのエージェントは、見込みこみのある才能さいのうそだて、パッケージ(これにはふつう、プロパティ、脚本きゃくほんプロデューサー監督かんとく、スターがパックされている)をてるなど、以前いぜんはスタジオがおこなっていたたくさんの仕事しごとをこなしている。ときにはクライアントにアドバイスをすることもある。

主要しゅようエージェンシー

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映画えいがビジネスにおける主要しゅようなエージェンシーに、クリエイティヴ・アーティスツ・エージェンシー略称りゃくしょうCAA)、ICMパートナーズ略称りゃくしょうICM)、ウィリアム・モリス・エンデヴァー・エンターテイメント略称りゃくしょうWME)、ユナイテッド・タレント・エージェンシー略称りゃくしょうUTA)などがある。

クライアントとの関係かんけい

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俳優はいゆう映画えいがしょうなどを受賞じゅしょうしたとき授賞じゅしょうしきいままで感謝かんしゃしたひととして名前なまえをあげられることがある。個人こじんがエージェント、広報こうほう、マネージャーから弁護士べんごしといったブレインをえらび、個々ここ契約けいやくむすぶのが一般いっぱんてきであるアメリカのマネジメントの特徴とくちょうあらわしているれいといえる[3]

エージェントがどんなに有能ゆうのうでもクライアントの理解りかいられず、成功せいこう出来できない場合ばあいもある。たとえばジェニファー・ロペス映画えいがジーリ」が商業しょうぎょうてき失敗しっぱいしたのち、CAAからエンデヴァーにエージェントをえた。これは失敗しっぱいをエージェントの責任せきにんにする典型てんけいてきれいである。また、無理むり難題なんだいきつける俳優はいゆうおおく、たとえばシルベスター・スタローンは「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲ぎゃくしゅう」のMr.フリーズやく熱望ねつぼうしていたが、アーノルド・シュワルツェネッガー同役どうやく決定けっていしたことると即刻そっこくエージェントを解雇かいこした[3]

失言しつげんでエージェントをえることもある。サラ・ミシェル・ゲラー所属しょぞくするWMAの社長しゃちょうが「ザ・ニューヨーカー」のインタビューで「『THE JUON/のろい』に出演しゅつえんするまえひとしい存在そんざいだった」と発言はつげんしたこと激怒げきどした彼女かのじょはWMAをった[3]

クライアントは知名度ちめいどがってくると、それまで所属しょぞくしていた無名むめいエージェントから大手おおてエージェントにエージェントをえる。キャリアをきずくにあたってきっかけをあたえてくれたエージェントからはなれるのは恩知おんしらずだともおもわれるが、業界ぎょうかいにおけるコネのつよさやエージェント主導しゅどう映画えいが増加ぞうかなど無名むめいエージェントをはなれたほう利点りてんおおく、うまくハリウッドではモラル忠誠ちゅうせいしんかならずしも美徳びとくとされない[3]

影響えいきょうりょく

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エージェントたちは、スタジオ・システム時代じだいにもしばしば重要じゅうよう役割やくわりたしてきたが、かれらの仕事しごと重要じゅうようせいしたのは専属せんぞく契約けいやくシステムの終了しゅうりょう以降いこうである。

米国べいこく映画えいが製作せいさくにおいてエージェントが影響えいきょうりょくち、スタジオ以上いじょう権力けんりょく行使こうしするようになったのはおそらく1970年代ねんだい以降いこうである。たとえばCAAの有力ゆうりょく創設そうせつしゃであり、代表だいひょうでもあるマイケル・オーヴィッツは1990ねん松下電器産業まつしたでんきさんぎょうによるMCA買収ばいしゅうたくみに背後はいごあやつっていた。かれはまた、短期間たんきかんであるがウォルト・ディズニー代表だいひょうでもあった。かれは、1990年代ねんだいとおして、主要しゅようなスタジオにインターネット配信はいしん会社かいしゃ提携ていけいすることをアドバイスした。映画えいが番組ばんぐみつたえるのにインターネットが重要じゅうよう役割やくわりっていたからである。

おおくの俳優はいゆう知名度ちめいどがってきたらそれまで所属しょぞくしていた無名むめいエージェントから大手おおてエージェントにエージェントをえる。業界ぎょうかいにおけるコネがつよいのも一因いちいんだが、近年きんねんはエージェント主導しゅどう映画えいがえているのがもっともな理由りゆうである。たとえば2004ねんの「クローサー」はジュリア・ロバーツジュード・ロウなど主要しゅようキャスト4にんばかりか、監督かんとくマイク・ニコルズ脚本きゃくほんパトリック・マーバーまでCAA所属しょぞくだった[3]

韓国かんこくのタレント・エージェント

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近年きんねん韓国かんこくではハリウッドしき公認こうにんエージェンシー法案ほうあん推進すいしんされており、注目ちゅうもくあつめている。内容ないようとしては従来じゅうらいのマネージャー業務ぎょうむをエージェントとマネージャーの2つにけ、エージェントの業務ぎょうむはクライアントの仕事しごと契約けいやくかぎるというものである。いちはやくこれをれたのが、イ・ビョンホンでそれまで所属しょぞくしていた事務所じむしょはなれて、ハリウッドしきエージェント方式ほうしきれた事務所じむしょBHエンターテインメントをげた[4]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 高田たかだゆみ「ハリウッドへのみち 米国べいこくにおける俳優はいゆうマネジメント」『日経にっけいエンタテインメント!だい14かんだい18ごう日経にっけいBPしゃ、2010ねん11月、pp.114、2010ねん10がつ10日とおか閲覧えつらん 
  2. ^ 2006ねん12がつごう日経にっけいエンタテインメント!」(日経にっけいBPしゃ
  3. ^ a b c d e 2006ねん6がつごう日経にっけいエンタテインメント!」(日経にっけいBPしゃ)66、67ぺーじ、「成功せいこう失敗しっぱい自己じこ責任せきにん。ブレインえらびがかれみち」より
  4. ^ 朝鮮日報ちょうせんにっぽう. “チェ・ジウとイ・ビョンホンは「ハリウッドしき”. 2008ねん4がつ16にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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