インタビュー

インタビュー（英語えいご: interview）とは、二に人にんかそれ以上いじょうの間あいだでの会話かいわで、一方いっぽうが他方たほうに質問しつもんをして情報じょうほうを得えるために行おこなわれるものである。インタビューは大おおきく分わけて、評価ひょうかのためのインタビューと情報じょうほう収集しゅうしゅうのためのインタビューの2つに分わかれる。

評価ひょうかのためのインタビュー

評価ひょうかのためのインタビューで最もっともよく行おこなわれるものはジョブ・インタビュー、すなわち就職しゅうしょくの際さいの雇用こよう者しゃと応募おうぼ者しゃの間あいだの面接めんせつである。インタビューの目的もくてきは、応募おうぼ者しゃが職場しょくばに適合てきごうできる社会しゃかい的てきスキルや知的ちてき能力のうりょくをもっているかどうか評価ひょうかするためである。同様どうようのインタビュー（面接めんせつ）は入学にゅうがく試験しけんや奨学しょうがく金きん募集ぼしゅうでも行おこなわれる。

ほとんどの先進せんしん国こくでは、こうしたインタビューにおいて何なにを聞きいてよいかについての規則きそくや規定きていが企業きぎょう社会しゃかいにおいて整備せいびされている。高度こうどに個人こじん的てきな質問しつもんや仕事しごとの上うえで関係かんけいのない質問しつもんはすべきでないとされており、差別さべつにつながる質問しつもんも同様どうようである。（結婚けっこんしているか、するつもりか、出身しゅっしんはどこか、など。）こうしたインタビューは15分ふん程度ていどの短みじかさでよいとされるが、より長ながい時間じかんや数日すうじつにわたる面接めんせつも存在そんざいする。

その他たの評価ひょうかのためのインタビューは心理しんり学がく的てきな評価ひょうかのためのものである。

情報じょうほう収集しゅうしゅうのためのインタビュー

姫路ひめじお城しろまつりにてマスメディアからのインタビューを受うける姫路ひめじお城しろの女王じょおう

インタビューの対象たいしょう者しゃに関かんする情報じょうほうを集あつめるためのインタビューもある。この種たねのインタビューはジャーナリズムの取材しゅざいのためや、インストラクショナルデザインと呼よばれる教育きょういく計画けいかくのためのものである。またノンフィクション作家さっかや研究けんきゅう者しゃにとっても重要じゅうようである。普通ふつう、インタビューで得えた発言はつげんや情報じょうほうは、書籍しょせきや新聞しんぶん・雑誌ざっしなど出版しゅっぱん物ぶつに使つかわれたり放送ほうそう用ように編集へんしゅうされる。

こうしたインタビューは、その対象たいしょう者しゃがインタビューを受うける事ことに興味きょうみを持もっているときにだけ行おこなわれるものである。対象たいしょう者しゃがなぜインタビューに同意どういするか、主おもな理由りゆうはいくつかある。

使命しめい感かん: インタビューを受うける者ものがスキャンダルや新しん発見はっけんなどの大事だいじな情報じょうほうや、社会しゃかい的てきに重要じゅうような経験けいけんを持もっていて、（あるいは持もっていると思おもい込こんで）もし誰だれにも聞きいてもらえないとそれらの情報じょうほうや経験けいけんが消きえてしまうという危機きき感かんを持もっている場合ばあい、インタビューの機会きかいがあれば快諾かいだくしたり、インタビューをしてくれるよう人じんに頼たのむことがある。
自意識じいしき: テレビに映うつりたい新聞しんぶんに載のりたい、言いいたい事ことを公共こうきょうの電波でんぱに乗のせたいという欲望よくぼうは、自分じぶん自身じしんについてや自分じぶんの人生じんせい・生いき方かたについて語かたることを喜よろこびとする人ひとたちにとって一番いちばん大おおきな欲望よくぼうである。
宣伝せんでん: 政治せいじ家かや有名人ゆうめいじんはその成功せいこうが自己じこ宣伝せんでんにかかっており、インタビューは無料むりょうの宣伝せんでんになりうる。こうした対象たいしょう者しゃは、自分じぶんの最新さいしんの著書ちょしょや出演しゅつえん映画えいがをインタビュー内ないで強調きょうちょうする。こうした宣伝せんでん的てきなインタビューはインタビューする側がわも依頼いらいされて行おこなうことがある。
金銭きんせん: インタビューする側がわが相手あいてに金銭きんせんを払はらうべきかどうかの問題もんだいは議論ぎろんを呼よぶ問題もんだいである。識者しきしゃや専門せんもん家かは大体だいたいいつも支払しはらいを受うけており、大おおきな収入しゅうにゅう源げんになっている。ほとんどのメディアは事件じけんの目撃もくげき証人しょうにんなどにインタビュー代だいを支払しはらうことを禁きんじているが、万一まんいちそうした謝礼しゃれいの習慣しゅうかんができてしまえば、金かねを目的もくてきにありもしない話はなしや見みてもいない事件じけんについてのでっち上あげをする人ひとが現あらわれるだけだからである。ただし大おおきな例外れいがいはタブロイド紙かみ（特とくにイギリス）など扇情せんじょう的てきなジャーナリズムである。他たのメディアではせいぜい食事しょくじをおごって話はなしを聞きくための支出ししゅつが認みとめられることがある程度ていどである。
同情どうじょう: 対象たいしょう者しゃの多おおくは、インタビューする人ひとをただ助たすけたくてインタビューに応おうじる。これは事件じけんの目撃もくげき証人しょうにんにとっては重要じゅうような動機どうきであり、また、なぜ非常ひじょうに多おおくの有名人ゆうめいじんが学校がっこう新聞しんぶんなどのインタビューを受うけるのかについての説明せつめいにもなる。

インタビューの条件じょうけん

インタビューの承諾しょうだくが取とれても、対象たいしょう者しゃの多おおくは条件じょうけんを課かす。ほとんどすべてのインタビューには時間じかん制限せいげんがある。対象たいしょう者しゃの名声めいせいや重要じゅうよう人物じんぶつ度どが高たかいほど、条件じょうけんは厳きびしくなる。条件じょうけんの中なかには、特定とくていの質問しつもんには応おうじられないというものもあれば、事前じぜんに全ぜん質問しつもんをリストにして提出ていしゅつするよう要求ようきゅうするものもある。

インタビューのルール

新橋しんばし駅えき西口にしぐち駅前えきまえ広場ひろばでテレビクルーのインタビューに応おうじるビジネスマン（2008年ねん9月がつ15日にち）

スポーツの試合しあい後ごのインタビュー

インタビューにはほかにもルールがあり、たとえば対象たいしょう者しゃが質疑しつぎに関かんしてはオフレコだと宣言せんげんした場合ばあい、取材しゅざい者しゃはその情報じょうほうを使つかえない。「バックグラウンド（Background）」という条件じょうけんの場合ばあい、情報じょうほうは使つかえても情報じょうほう源げんが誰だれかは言及げんきゅうしない。もし「ディープ・バックグラウンド（Deep Background）」という条件じょうけんなら、これは情報じょうほう源げんを特定とくていできる可能かのう性せいのある事柄ことがらは一切いっさい記事きじにしないということであり、その人物じんぶつによる情報じょうほうそのものは使つかえず、第だい二に第だい三さんの情報じょうほう源げんからの情報じょうほうで補強ほきょうできた場合ばあいにのみ、その第だい二に第だい三さんの情報じょうほう源げんをもとに報道ほうどうできる。この場合ばあい、第だい二に第だい三さんの情報じょうほう源げんが誰だれであるかが万まん一いち追及ついきゅうされても、最初さいしょの情報じょうほう源げんが誰だれだったかは追及ついきゅうすることはできない。ウォーターゲート事件じけんの際さい、内部ないぶ告発こくはつをした政権せいけん内部ないぶの人物じんぶつはディープ・スロートと仮称かしょうされたが、彼かれのもたらした情報じょうほうは取材しゅざいのきっかけとなったものの、その情報じょうほうは直接ちょくせつ記事きじになることはなかったため2005年ねんまでその正体しょうたいが明あきらかになることはなかった。その他た、インタビュー対象たいしょう者しゃがコメントが職務しょくむ上じょうのものではないと宣言せんげんすることがある。この場合ばあいその人物じんぶつの氏名しめいは書かかれず、単たんに「関係かんけい筋すじ」などと書かかれる。

これらのルールは明文化めいぶんかされたものではなく、過去かこ破やぶられたことは何なん度どもある。しかしもしジャーナリストがオフレコ情報じょうほうを記事きじにしてしまった場合ばあい、その情報じょうほう源げんは信義しんぎを破やぶられたと感かんじ、もう二度にどと彼かれから情報じょうほうを得えることはできないであろう。（こうした使つかえなくなった情報じょうほう源げんを『バーント・ソース burnt source』という。）ルールを破やぶったことは即座そくざに広ひろがり、破やぶったジャーナリストは他たの情報じょうほう源げんからも信頼しんらいされなくなる可能かのう性せいがある。

インタビューと口調くちょう

インタビューする者ものの口調くちょう・トーンも重要じゅうようである。正直しょうじきで、重要じゅうようで厳きびしい質問しつもんを率直そっちょくに投なげかけるインタビュワーは聴衆ちょうしゅうにはアピールするが、尋問じんもんを受うける側がわには魅力みりょく的てきではない。攻撃こうげき的てきだと評判ひょうばんされるようになったインタビュワーはそのうち対象たいしょう者しゃにインタビューに応おうじてもらうことが難むずかしくなるだろう。攻撃こうげき的てきなインタビューをされた対象たいしょう者しゃは往々おうおうにして対話たいわを途中とちゅうで打うち切きりにする。有名ゆうめいになった調査ちょうさジャーナリストは、虚偽きょぎの口実こうじつを使つかわないと対象たいしょう者しゃからインタビューを取とれないこともある。逆ぎゃくに、いつも「ソフトな」質問しつもんばかりするインタビュワーは観客かんきゃくや同僚どうりょうの尊敬そんけいをうしなうことがある。

理想りそうのインタビューは対面たいめん式しきのものである。多おおくの新聞しんぶん社しゃは記者きしゃに電話でんわインタビューや電子でんしメールでの回答かいとうの場合ばあいはその旨むね明記めいきするようにと定さだめている。

インタビューの研究けんきゅう

調査ちょうさ型がたのインタビューは、質問しつもん者しゃと、情報じょうほう源げんとなる対象たいしょう者しゃの間あいだに構築こうちくされた社会しゃかい的てき相関そうかん作用さようである。そこでは、最初さいしょに立たてた仮説かせつと比くらべて適切てきせつと思おもわれる情報じょうほうを得えるために質問しつもん者しゃは対話たいわを開始かいししそれをコントロールするのである。