パリ伯はく

パリ伯爵はくしゃく（仏ふつ：Comte de Paris）は、カロリング朝あさフランク王国おうこくにおけるパリ周辺しゅうへん（イル＝ド＝フランス）統治とうち者しゃの称号しょうごう。パリ伯はくユーグ・カペーがフランス王おうへと推戴すいたいされ、パリが王おう都ととなるに伴ともない、パリ伯はくの称号しょうごうは失うしなわれたが、後のちにカペー家かの後継こうけいを自認じにんしてフランス王おうとなったオルレアン家かによって復興ふっこうされた。

文学ぶんがく作品さくひんではシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』にパリ伯はくという架空かくうの人物じんぶつが登場とうじょうする。

歴代れきだいパリ伯はく

カロリング宮みや宰おさむ家か

グリフォ（751年ねん - 753年ねん） - カール・マルテルの子こ。

ジラール家か

ジェラール1世せい（752年ねん - 778年ねん）
エティエンヌ（778年ねん - 811年ねん）
ベゴン（815年ねん - 816年ねん）
ルタール1世せい（816年ねん）
ジェラール2世せい（838/9年ねん - 841年ねん） - ジラール・ド・ルシヨン
ルタール2世せい（841年ねん - 858年ねん）
アダラール（882年ねん - 890年ねん） - 西にしフランク王おうルイ2世せいの舅しゅうと

古こヴェルフ家か

コンラート1世せい（858年ねん - 859年ねん）
コンラート（902年ねん - 906年ねん）

ロベール家か

ウード（ - 888年ねん） - 西にしフランク王おう
ロベール1世せい - 西にしフランク王おう
ユーグ大公たいこう（923年ねん - 956年ねん）
ユーグ・カペー（956年ねん - 996年ねん）

ブシャール家か

ブシャール1世せい（1005年ねん）
ルノー - パリ司教しきょう

オルレアン家か

19世紀せいき以降いこう、オルレアン家か当主とうしゅが4代だいにわたりパリ伯はくを名乗なのり、フランスの王位おうい継承けいしょう権けんを主張しゅちょうしている。

オルレアン朝あさの国王こくおうルイ＝フィリップ1世せいは、パリ市しと先祖せんぞであるカペー家かへの敬意けいいを込こめて、嫡孫ちゃくそんフィリップにパリ伯はくの称号しょうごうを与あたえた。

フィリップ（7世せい）（1838年ねん - 1894年ねん）
アンリ（6世せい）（1908年ねん - 1999年ねん）
アンリ（7世せい）（1933年ねん - 2019年ねん）フランス公こうとも称しょうす
ジャン（4世せい）（1965年ねん - ）フランス公こうとも称しょうす

フランス王おう党派とうはの中なかでもレジティミスト（正統せいとう主義しゅぎ者しゃ）たちは、7月がつ王政おうせい以後いごもフランス・ブルボン家かを正統せいとうな王家おうけとしてきたが、1883年ねんにシャンボール伯はくアンリ・ダルトワの死しによってその継承けいしょう者しゃが途絶とだえた。その際さい、レジティミストの多おおくは中道右派ちゅうどううはのオルレアニスト（オルレアン派は）に合流ごうりゅうしてパリ伯はくフィリップを支持しじしたが、一部いちぶはスペイン・ブルボン家かのモンティソン伯はくフアンを立たてた。これに対たいしてオルレアニストたちは、スペイン・ブルボン家かの祖そであるスペイン王おうフェリペ5世せいがフランスの王位おうい継承けいしょう権けんを放棄ほうきしたことを重視じゅうしして、パリ伯はくフィリップこそ正当せいとうなフランス王位おうい継承けいしょう者しゃであると主張しゅちょうした。王おう党派とうはの中なかにはこの王位おうい継承けいしょう権けんの放棄ほうきについては異論いろんがあるという。

レジティミストたちは現在げんざい、アンジュー公こうルイ・アルフォンス（「ルイ20世せい」）にこそ王位おうい継承けいしょう権けんがあると主張しゅちょうしているが、オルレアン家かの当主とうしゅがパリ伯はくの称号しょうごうを用もちいることは認みとめている。

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]