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ビスムチン - Wikipedia

ビスムチン (bismuthine) は、ビスマス水素すいそ化物ばけものにあたる無機むき化合かごうぶつで、アンモニア類縁るいえんたいとしてはもっともおも分子ぶんしである。沸点ふってんは 16.8 ℃ と予想よそうされているが、それよりもひく温度おんど分解ぶんかいこしてしまう。この分子ぶんしは H−Bi−H 結合けつごうかくがそれぞれほぼ 90 ° の、ピラミッド構造こうぞうをとっていると予想よそうされている。IUPAC系統けいとうめいビスムタン (bismuthane)。ほか、水素すいそビスマスともばれる。

ビスムチン
識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう 18288-22-7
PubChem 9242
特性とくせい
化学かがくしき BiH3
モル質量しつりょう 212.00 g/mol
外観がいかん 無色むしょく気体きたい
密度みつど 0.008665 g/mL (20 °C)
沸点ふってん

16.8 °C (推定すいてい)

構造こうぞう
分子ぶんしかたち さん角錐かくすいがた
関連かんれんする物質ぶっしつ
関連かんれんする水素すいそ化物ばけもの アンモニア
ホスフィン
アルシン
スチビン
特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・つねあつ (100 kPa) におけるものである。

合成ごうせいほう

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ビスムチンは、メチルビスムチン ( ) のひとしによりられる。

 

性質せいしつ

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ビスムチンは、アルシン (AsH3) やスチビン (SbH3) よりもさらに不安定ふあんていで、したしきのように元素げんそ単体たんたいへの分解ぶんかいこしてしまう。

  ΔでるたHf'ogas = −278 kJ/mol

法医学ほういがくなどでヒ素ひそ検出けんしゅつほうとしてられるマーシュほう (Marsh test) は、ビスマスの検出けんしゅつにも使つかえる。この検出けんしゅつほうは、だい15ぞく元素げんそ (As, Sb, Bi) をふく検体けんたい金属きんぞく亜鉛あえん硫酸りゅうさん処理しょりしてだい15ぞく元素げんそ水素すいそ化物ばけもの揮発きはつさせ、つづねつ分解ぶんかい元素げんそ単体たんたいとしてガラス容器ようきかがみじょう付着ふちゃくさせる手法しゅほうである。この手法しゅほう検出けんしゅつされるだい15ぞく元素げんそのなかで、ヒ素ひそつぎ塩素えんそさんナトリウム水溶液すいようえきに、アンチモン硫化りゅうかアンモニウムの水溶液すいようえきけることから区別くべつできる。ビスマスはそれらのどちらにもけない。

有機ゆうきビスムチン

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有機ゆうき化学かがくにおいて、水素すいそビスマスをおや化合かごうぶつとして一般いっぱんしきが RR1R2Bi(置換ちかんもとは H または有機ゆうきもと)とあらわされる一連いちれん誘導体ゆうどうたいをビスムチンとしょうする。

参考さんこう文献ぶんけん

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  • Holleman, A. F.; Wiberg, E. "Inorganic Chemistry" Academic Press: San Diego, 2001.
  • Jerzembeck, W.; Bürger, H.; Constantin, L.; Margulès, L.; Demaison, J.; Breidung, J.; Thiel, W. "Bismuthine BiH3: Fact or Fiction? High-Resolution Infrared, Millimeter-Wave, and Ab Initio Studies", Angew. Chem., Int. Ed. 2002, 41, 2550-2552.