ビロン

ビロン（billon）は、合金ごうきんの一種いっしゅで、貴金属ききんぞく（主おもに銀ぎんだが、金きむの場合ばあいもある）と主成分しゅせいぶんとなる金属きんぞく（銅どうなど）を混まぜたものである。硬貨こうか、メダル、代用だいよう貨幣かへいなどの製造せいぞうに用もちいられる。

語源ごげんはフランス語ふらんすごの bille。

ビロン硬貨こうかは古代こだいギリシア時代じだいから中世ちゅうせい期きまで使つかわれていた。紀元前きげんぜん6世紀せいきから紀元前きげんぜん5世紀せいきにかけて、レスボス島とうでは銅どう60%、銀ぎん40%の硬貨こうかが使つかわれていた。古代こだいでも中世ちゅうせいでも、もっと貴金属ききんぞくの少すくないビロンが主おもに使つかわれ、特とくに銀ぎんの含有がんゆう量りょうは2%未満みまんということが多おおかった。フランスのリアールやドゥニエはブルボン朝あさの時代じだいであっても、ビロンで作つくられたものがあった。

特とくにロろーマ帝国まていこく時代じだいのビロン硬貨こうかがよく知しられている。紀元きげん2世紀せいき以降いこうのロろーマ帝国まていこくでは、デナリウス貨や地方ちほうで発行はっこうしていたテトラドラクマ貨を何なん度ども改鋳かいちゅうしたため、銀ぎんの含有がんゆう量りょうが減へっていき、青銅せいどうの成分せいぶんが増ふえていった。2世紀せいき後半こうはんに入はいると、それらの硬貨こうかは実質じっしつ的てきに青あお銅貨どうかとなり、銀ぎんを表面ひょうめんに薄うすく載のせる程度ていどになった。

日本にっぽんの江戸えど時代じだいの丁ちょう銀ぎんや豆板銀まめいたぎんなどを見みても、海外かいがいの貨幣かへい市場いちばでは、銀ぎん品位ひんい50%以上いじょうのもの（慶長けいちょう丁ひのと銀ぎん・豆板銀まめいたぎん、元禄げんろく丁ひのと銀ぎん・豆板銀まめいたぎんなど）を英語えいごで「silver」、銀ぎん品位ひんい50%未満みまんのもの（元もと文ぶん丁ひのと銀ぎん・豆板銀まめいたぎん、天保てんぽう丁ひのと銀ぎん・豆板銀まめいたぎんなど）を英語えいごで「billon」と呼よんで区別くべつしている場合ばあいがある。

関連かんれん項目こうもく

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