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ブリストル 223 - Wikipedia

タイプ 223

SSTプロジェクトのシルエット平面図

SSTプロジェクトのシルエット平面へいめん

ブリストル タイプ 223英語えいご: Bristol Type 223)は、1950年代ねんだいから1960年代ねんだいにかけて、イギリス研究けんきゅうされたちょう音速おんそく輸送ゆそう計画けいかくである。イギリス政府せいふ支援しえんけたブリストルしゃによって研究けんきゅうおこなわれた。ブリストル 223は、乗客じょうきゃく100めいせ、マッハ2で大西洋たいせいよう横断おうだんする旅客機りょかくき計画けいかくであり、どう時期じきフランスシュド・アビアシオンしゃでほぼ同様どうよう機体きたいであるシュド シュペル・カラベル計画けいかくされていたことから、両機りょうき開発かいはつ計画けいかく統合とうごうされ、1962ねん11月にコンコルド開発かいはつ計画けいかくへと発展はってんした。

計画けいかく推移すいい

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1950年代ねんだい、イギリスの航空機こうくうき業界ぎょうかい技術ぎじゅつてき商業しょうぎょうてき凋落ちょうらく傾向けいこうとなっていた。ブリストル ブラバゾンは、能力のうりょくてきには充分じゅうぶんなものをっていたが、技術ぎじゅつてきには優秀ゆうしゅうではなく、また大西洋たいせいよう横断おうだん航路こうろ顧客こきゃくにとっては必要ひつよう以上いじょうおおきく高価こうかであったため、商業しょうぎょうてきにも失敗しっぱいしていた。デ・ハビランド DH.106 コメット世界せかいはつのジェット旅客機りょかくきであったものの、一連いちれん墜落ついらく事故じここし、その原因げんいん究明きゅうめいおこなっているあいだに、旅客機りょかくき市場いちばにはアメリカせいボーイング707ダグラス DC-8登場とうじょうしていた。

このような状態じょうたいではあったが、イギリスの航空機こうくうき業界ぎょうかいは、試験しけん製作せいさくし、高速こうそく飛行ひこうかんする研究けんきゅうおこなっていた。1950年代ねんだいなかばまでにちょう音速おんそく巡航じゅんこうてきしたあげこうつ2つの機体きたいデザインが研究けんきゅうされた。一方いっぽうのはアームストロング-ホイットワースしゃによるするどいMつばさであり、もう一方いっぽうほそいデルタつばさであった。1956ねんごろには、これらの研究けんきゅう政府せいふ関心かんしんをひき、モーリン・モルガンきょうひきいるちょう音速おんそく輸送ゆそう委員いいんかい (SATC: Supersonic Transport Aircraft Committee) は、ちょう音速おんそく輸送ゆそう開発かいはつ研究けんきゅうおこなうこととなった。

1959ねん3がつには、STACはイギリス政府せいふに2種類しゅるいちょう音速おんそく輸送ゆそう開発かいはつするように勧告かんこくした。ひとつはロンドン - ニューヨークあいだをマッハ2で運航うんこうする150せき長距離ちょうきょり、もうひとつは欧州おうしゅうないをマッハ1.2で運航うんこうする短距離たんきょりである。さらに高速こうそくのマッハ3の機体きたい開発かいはつ可能かのうせいがあったが、実用じつようじょうはマッハ2.2が上限じょうげんかんがえられた。これは、マッハ2.2以上いじょうでは機体きたい構成こうせいするアルミニウム合金ごうきんそらりょく加熱かねつによって強度きょうど不足ふそくとなるためであり、あたらしい金属きんぞく材料ざいりょう開発かいはつ必要ひつようせいがでてくるためである。

ブリストル 198 と 213

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1950年代ねんだいとおして、ブリストルしゃハンドレーページしゃホーカー・シドレーしゃがSTACの指導しどうした様々さまざまなデルタつばさ研究けんきゅうおこなっていた。ブリストルしゃ198かた基本形きほんけいにして研究けんきゅうおこなっていた。1958ねんごろの198がた計画けいかくは、かたつばさ配置はいちのデルタつばさで8はつのエンジンを搭載とうさいし、乗客じょうきゃく150めい、マッハ2というものであった。1959ねんには、ブリストルしゃは35まんポンドり、さらに研究けんきゅう続行ぞっこうした。また、ロイヤル・エアクラフト・エスタブリッシュメント風洞ふうどうもちいた研究けんきゅう結果けっか、マッハ2クラスの大西洋たいせいよう横断おうだん航路こうろけの機体きたいのみが開発かいはつ価値かちがあり、短距離たんきょりちょう音速おんそく輸送ゆそうは、そのコストのわり十分じゅうぶん時間じかん短縮たんしゅく効果こうかられないことが判明はんめいした。

どう時期じきにブリストルしゃは、マッハ2.2以上いじょうでも十分じゅうぶん強度きょうどたもてるステンレスこうせいの、213かたというほぼどうサイズの航空機こうくうき並行へいこうして研究けんきゅうしていた。しかし、どう時期じきおこなわれた、ステンレスせい実験じっけんブリストル 188のデータより、ステンレスせい機体きたい経済けいざいてきでないことが判明はんめいした。そのため、ブリストルしゃはアルミニウム合金ごうきん温度おんど限界げんかいえない最大さいだい速度そくどマッハ2.2の航空機こうくうき設計せっけいすることとした。

ブリストル 223

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1960ねん1がつ1にち、イギリスの航空機こうくうきメーカーのおおくは、BAC (British Aircraft Corporation)統合とうごうされた。この時点じてんで、ホーカーシドレーしゃちょう音速おんそく輸送ゆそう設計せっけいおこなっていたが、ブリストルしゃあんのほうがすぐれていた。ブリストルしゃあらたに150せき計画けいかくあん開始かいしし、また1961ねんには110せき4はつエンジンのブリストル 223開発かいはつ開始かいしした。この機体きたいていつばさ配置はいちのデルタつばさであり、エンジンを主翼しゅよく装備そうびしていた。

1961ねん、シュド・アビアシオンしゃパリ航空こうくうショーで、シュド シュペル・カラベルあん披露ひろうした。このときまでにSTACはブリストル223を開発かいはつすることを検討けんとうしていたが、その開発かいはつ費用ひよう膨大ぼうだいなものとなりそうであった。両者りょうしゃあんとも似通にかよったデザインであったが、ブリストル223のほうがおおきいサイズであった。コスト要因よういんから、1962ねん11月29にちにシュドしゃあんとブリストルしゃあん統合とうごう、コンコルド計画けいかくとなることが調印ちょういんされた。

データ:バーンズC.H.ブリストル航空機こうくうき1910ねん以降いこうp.383[1]

一般いっぱんてき特徴とくちょう

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  • 乗組のりくみいん:6
  • 定員ていいん:90めい
  • 全長ぜんちょう:176フィート6インチ(53.80 m)
  • つばさはば:70フィート0インチ(21.34 m)
  • 全高ぜんこう:35フィート0インチ(10.67 m)
  • つばさ面積めんせき:3,700平方へいほうフィート(340 m2)
  • 空虚くうきょ重量じゅうりょう:104,000ポンド(47,174 kg)
  • そう重量じゅうりょう: 251,700ポンド(114,169 kg)
  • パワープラント:4 ×ブリストル-シドレーオリンパス593、かく28,000 lbf(120 kN)推力すいりょく

パフォーマンス

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  • 最高さいこう速度そくど:毎時まいじ1,450マイル(毎時まいじ2,330キロ、1,260キロ)
  • 航続こうぞく距離きょり: 3,300 マイル (5,300 km, 2,900 nmi)
  • 実用じつよう上昇じょうしょう限度げんど: 60,000 m(18,000 フィート)

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Barnes, C.H. (1970). Bristol Aircraft since 1910. London: Putnam Publishing. pp. 380–1, 383. ISBN 0370000153