プノンペン

プノンペン
プノンペン; ភ្នំពេញ;
	都と
	プノンペン都と; ក្រុងភ្នំពេញ; Phnom Penh Capital City
	; 印章いんしょう
	; 印章いんしょう
	詳細しょうさい地図ちず
	北緯ほくい11度ど33分ふん東経とうけい104度ど55分ふん / 北緯ほくい11.550度ど東経とうけい104.917度ど
国くに	カンボジア
都と	プノンペン都と
建設けんせつ	1372年ねん
政府せいふ
• 都知事とちじ	クオン・スレン
面積めんせき
• 合計ごうけい	678.46 km2
標高ひょうこう	11.89 m
人口じんこう（2019年ねん）
• 合計ごうけい	2,129,371人にん
• 密度みつど	3,100人にん/km2
等ひとし時とき帯おび	UTC+7 (カンボジア標準時ひょうじゅんじ)
市外しがい局番きょくばん	+855 (023)
ウェブサイト	プノンペン都と公式こうしきサイト

プノンペン（クメール語ご: ក្រុងភ្នំពេញ、英語えいご: Phnom Penh Capital City^[1]）は、カンボジア王国おうこくの首都しゅと。

カンボジアの行政ぎょうせい、文化ぶんか、経済けいざいの中心ちゅうしん地ちで、「東洋とうようのパリ」と謳うたわれたフランス植民しょくみん地ち時代じだいの美うつくしい街並まちなみが残のこっている。また、王宮おうきゅうがあり、カンボジア国王こくおう一家いっかが住すんでいる。

プノンペンという名なはクメール語ごで「ペン（夫人ふじん）の丘おか」という意味いみである。ペン夫人ふじんは信心しんじん深ふかい女性じょせいで、川かわを流ながれてきた仏像ぶつぞうを見みつけ、近ちかくの丘おかに祠ほこらを作つくり仏像ぶつぞうを手厚てあつく祀まつったことから「プノンペン」と名付なづけられ、それが町まちの名前なまえになった。その丘おかはワット・プノン（Wat Phnom）と名なづけられ、ペン夫人ふじんの像ぞうや仏塔ぶっとうが立たっている。

歴史れきし

市庁舎しちょうしゃ

13世紀せいきジャヤヴァルマン7世せいの時代じだい、ワット・ウナロムの地ちに寺院じいんが建立こんりゅうされている。 1431年ねんシャムの度重たびかさなる侵攻しんこうにより時ときの王おうポニェ・ヤートはアンコール・トムからコンポンチャム州しゅうのスレイ・サントーに遷都せんとしたが、あまりに河川かせんの氾濫はんらんたびたび起おこるのでプノンペンに再さい遷都せんとしたという。 15－16世紀せいきはプノンペン、ロンヴァェクと首都しゅとも転々てんてんとした。

16世紀せいき、四よっつの大河たいがの出会であう場所ばしょ、すなわちチャット・ムック（「四よっつの川かわ＝四よっつの顔かお」を意味いみする。「四よっつの腕うで」という解釈かいしゃくも知しられるが間違まちがい）の名なで知しられたプノンペンは交易こうえきがさかんな町まちではあったが湿地しっち帯たいだった。スペイン人じんやオランダ人じん、あるいは華僑かきょうや日本人にっぽんじんが貿易ぼうえきで多数たすう往来おうらいしていた。彼かれらはカンボジア王室おうしつの内紛ないふんに介入かいにゅうしたりもしていたという。

1866年ねん王宮おうきゅう建設けんせつ、ウドンからプノンペンに遷都せんとを行おこなった。

1920年代ねんだい、"アジアの真珠しんじゅ" として知しられる。プノンペン国際こくさい空港くうこう建設けんせつ。

1953年ねんのカンボジア独立どくりつ以来いらい1960年代ねんだいまでは隣国りんごくの内戦ないせんをよそに表面ひょうめん的てきな平和へいわを保たもち、プノンペンは「東洋とうようのパリ」としてその美うつくしさと治安ちあんのよさを称となえられていた。

1970年ねんのロン・ノルによる軍事ぐんじクーデターにより、アメリカがカンボジアに軍事ぐんじ介入かいにゅうし、共産きょうさん勢力せいりょくを攻撃こうげきするために農村のうそん部ぶに爆ばく撃げきを開始かいしした。そのため農業のうぎょうができなくなった農民のうみんたちが、アメリカからの空輸くうゆ食料しょくりょうを求もとめて首都しゅとに集結しゅうけつせざるを得えなくなり、1975年ねんロン・ノル政権せいけん末期まっきにはプノンペンの人口じんこうは200万まん人にんを超こえていたといわれている。

1975年ねん 4月がつ17日にち、クメール・ルージュによりプノンペンは陥落かんらくした。最初さいしょは市民しみんに歓迎かんげいムードで迎むかえられたクメール・ルージュであるが、アメリカが爆ばく撃げきに来くるなどと市民しみんを偽いつわり、あるいは暴力ぼうりょくをもって強制きょうせい的てきに市民しみんを各かく方面ほうめんへと放逐ほうちくした。この過程かていで抵抗ていこうして射殺しゃさつされたり、自殺じさつしたり病人びょうにん、老人ろうじんや子供こども、妊にん婦ふなど数すう万まん人にんが犠牲ぎせいとなったといわれている。

以後いご1979年ねん1月がつ7日にちの、ヴェトナム軍ぐんと、ヘン・サムリン率ひきいるカンプチア民族みんぞく救国きゅうこく戦線せんせんとによるプノンペン陥落かんらくまでの間あいだ、都市とし人口じんこうはわずかに5000人にんほどであったといわれている。プノンペンにはS21という、元々もともとはキエンスワイという土地とちで高等こうとう学校がっこうだった場所ばしょに強制きょうせい収容しゅうよう所しょが設もうけられ、ロンノル時代じだいの公務員こうむいん、軍人ぐんじん、知識ちしき人じんはもとより、クメール・ルージュの忠実ちゅうじつな幹部かんぶまでがさまざまなスパイ容疑ようぎのもとに収容しゅうよう、拷問ごうもんされた挙句あげく、市外しがい近郊きんこうのチュンエク（英語えいご版ばん）にある、いわゆるキリング・フィールドにて惨殺ざんさつされた。2万まん人にん以上いじょう収容しゅうようされて、生存せいぞん者しゃはわずかに6名めいといわれている。ちなみに映画えいがでも有名ゆうめいになったキリング・フィールドという言葉ことばは固有名詞こゆうめいしでは決けっしてなく、カンボジア各地かくちに存在そんざいする。

またこの時代じだい、シハヌーク元もと国王こくおう一族いちぞくはシハモニ現げん国王こくおうともどもプノンペンの王宮おうきゅうに幽閉ゆうへいされていた。しかし彼かれらはプノンペン陥落かんらく前まえにクメール・ルージュによって中国ちゅうごくに脱出だっしゅつさせられた。

1991年ねんにカンボジア内戦ないせんが終結しゅうけつし、その後ごはカンボジアの経済けいざい成長せいちょうと共ともに発展はってんを続つづけている。近年きんねんでは日本にっぽん企業きぎょうの進出しんしゅつも活発かっぱつであり、2014年ねんにはカンボジア国内こくない初はつの本格ほんかく的てきショッピングモールであるイオンモールプノンペン、更さらに2015年ねんにはカンボジア国内こくない初はつの日本にっぽん資本しほんのホテルである東横ひがしよこインプノンペンがオープンした。また三菱商事みつびししょうじや三井住友銀行みついすみともぎんこう・パナソニックの企業きぎょうも市内しないに事務所じむしょを設置せっちしている^[2]。

地理ちり

カンボジア南部なんぶにあり、メコン川がわの上下じょうげ流りゅう・トンレサップ川がわ・バサック川がわの「四よっつの川かわ」の合流ごうりゅう点てんに位置いちする（厳密げんみつに言いえば「トンレサップ」は湖みずうみと川かわの両方りょうほうを含ふくめた語彙ごいであり、「トンレサップの河川かせん部分ぶぶん」という表現ひょうげんが正ただしい）。

気候きこう

プノンペンの気候きこう
月つき	1月がつ	2月がつ	3月がつ	4月がつ	5月	6月がつ	7月がつ	8月がつ	9月	10月	11月	12月	年とし
平均へいきん最高さいこう気温きおん °C （°F）	31.5 (88.7)	32.8 (91)	34.9 (94.8)	34.9 (94.8)	34.3 (93.7)	33.5 (92.3)	32.5 (90.5)	32.5 (90.5)	32.3 (90.1)	31.1 (88)	29.9 (85.8)	30.1 (86.2)	32.5 (90.5)
平均へいきん最低さいてい気温きおん °C （°F）	21.9 (71.4)	23.0 (73.4)	24.1 (75.4)	25.0 (77)	25.3 (77.5)	25.0 (77)	24.7 (76.5)	24.6 (76.3)	24.3 (75.7)	23.8 (74.8)	22.7 (72.9)	21.7 (71.1)	23.8 (74.8)
降水こうすい量りょう mm （inch）	25.5 (1.004)	11.5 (0.453)	58.0 (2.283)	101.0 (3.976)	111.6 (4.394)	177.1 (6.972)	195.9 (7.713)	172.0 (6.772)	248.8 (9.795)	318.9 (12.555)	135.0 (5.315)	80.3 (3.161)	1,635.6 (64.394)
平均へいきん降雨こうう日数にっすう	2.8	2.4	5.2	8.6	16.4	16.6	19.6	21.4	19.8	24.0	11.8	4.8	153.4
出典しゅってん：Hong Kong Observatory October 2011

行政ぎょうせい

詳細しょうさいは「カンボジアの地方ちほう行政ぎょうせい区画くかく」を参照さんしょう

他たの州しゅうと並列へいれつの首都しゅと単独たんどくの自治体じちたいであり、首都しゅとプノンペン^[3]、プノンペン都と^[4]などと呼称こしょうされている。

行政ぎょうせい区画くかく

14区くに分わかれている。日本語にほんごは在ざいカンボジア日本にっぽん大使館たいしかんの表記ひょうき^[5]

チャムカモン区く（英語えいご版ばん）（クメール語ご: ខណ្ឌចំការមន）
ドンペン区く（英語えいご版ばん）（クメール語ご: ខណ្ឌដូនពេញ）
7マカラ区く（英語えいご版ばん）（クメール語ご: ខណ្ឌប្រាំពីរមករា）
トゥ―ルコーク区く（クメール語ご: ខណ្ឌទួលគោក）
ダンカオ区く（英語えいご版ばん）（クメール語ご: ខណ្ឌដង្កោ）
ミエンチェイ区く（英語えいご版ばん）（クメール語ご: ខណ្ឌមានជ័យ）
ルセイカエウ区く（英語えいご版ばん）（クメール語ご: ខណ្ឌឫស្សីកែវ）
センソック区く（英語えいご版ばん）（クメール語ご: ខណ្ឌសែនសុខ）
ポーセンチェイ区く（英語えいご版ばん）（クメール語ご: ខណ្ឌពោធិ៍សែនជ័យ）
チュロイチョンバー区く（英語えいご版ばん）（クメール語ご: ខណ្ឌជ្រោយចង្វារ）
プレークプノウ区く（英語えいご版ばん）（クメール語ご: ខណ្ឌព្រែកព្នៅ）
チュバーオンパウ区く（英語えいご版ばん）（クメール語ご: ខណ្ឌច្បារអំពៅ）
ボンケンコン区く（英語えいご版ばん）（クメール語ご: ខណ្ឌបឹងកេងកង）
コンボ―ル区く（英語えいご版ばん）（クメール語ご: ខណ្ឌកំបូល）

交通こうつう

王宮おうきゅう

プノンペン国際こくさい空港くうこう

プノンペン駅えき

プノンペン郊外こうがい

空港くうこう

カンボジア最大さいだいの空港くうこう、プノンペン国際こくさい空港くうこうがある。日本にっぽんへの直行ちょっこう便びんは2016年ねん9月がつ1日にちより全日本空輸ぜんにほんくうゆによって成田なりた国際こくさい空港くうこう―プノンペン国際こくさい空港くうこう間あいだで直行ちょっこう便びんが１日にち１往復おうふく運航うんこうしている^[6]。

新しんプノンペン国際こくさい空港くうこうが、2023年ねんの開港かいこうを予定よていしている。

鉄道てつどう

仏ふつ領りょうインドシナ時代じだいに鉄道てつどうが整備せいびされ、タイへの国際こくさい列車れっしゃが運行うんこうもされていたが、カンボジア内戦ないせんにより設備せつびは荒廃こうはいした。戦後せんごカンボジア国鉄こくてつによりプノンペン - バッタンバン間あいだに1週間しゅうかんに1往復おうふく運行うんこうされた時期じきもあったが、2010年ねん現在げんざい全線ぜんせん運休うんきゅう状態じょうたいである。

2010年代ねんだいには、タイに向むかう鉄路てつろの修復しゅうふくが行おこなわれており、2018年ねん段階だんかいでは一部いちぶ区間くかん（プノンペンからポーサット州しゅう）は運行うんこうが可能かのうな状態じょうたいとなっている^[7]。

バス

2014年ねん2月がつ2日にちから、試験しけん的てきに1路線ろせんを走はしらせ始はじめた。当初とうしょはモニボン通どおりを南北なんぼくに往復おうふくする系統けいとうで10～15分ふん間隔かんかくでの運行うんこうとなっていた。その後ご、2014年ねん3月がつより1番ばんの本格ほんかく運行うんこうを開始かいしした。更さらに2014年ねん9月がつには2番ばんと3番ばんの運行うんこうを開始かいしした。

国際こくさいバス

また隣国りんごくベトナムのホーチミン市しへの直行ちょっこうまたは連絡れんらくバスがあり、最もっともメジャーなゲストハウスの老舗しにせキャピタル・ゲストハウスが運行うんこうするホーチミン行いきのバスは、バベット／モクバイ国境こっきょうまでは、キャピタル・ゲストハウスのバスを、ベトナム側がわはシンカフェのバスを利用りようする。デタム通どおりにあるシンカフェ本店ほんてんの前まえに到着とうちゃくする。またタイのバンコクへの連絡れんらくバスも運行うんこうされている。乗のり継つぎはシェムリアップの場合ばあいが多おおい。

国内こくないバス

国内こくないの各かく都市としへは路線ろせんバスが運行うんこうされている。キャピタルゲストハウスの場合ばあい、ゲストハウスの前まえから、シェムリアップ行いき、シアヌークビル行いきなどが運行うんこうされている。

タクシー

プノンペン市内しないから地方ちほうへの乗のり合あいの路線ろせんタクシーが運行うんこうされている。決きまった時刻じこく表ひょうはなくタクシーが定員ていいんになると出発しゅっぱつする。

市内しないを走はしるメータータクシーが、2008年ねん4月がつごろから登場とうじょう。同年どうねん10月がつ現在げんざい、依然いぜんとして台数だいすうは少すくない。しかし電話でんわ予約よやく、無線むせん配車はいしゃのサービスも受うけられるようになっている。

トックトック

観光かんこう客きゃくの足あしとして、バイクの後うしろにカーゴを連結れんけつさせ、そこに客きゃくが乗車じょうしゃできる仕様しよう。料金りょうきんは交渉こうしょう制せいで、下記かきのモト・ドップの1.5～2倍ばいほどの料金りょうきん。

モト・ドッブ(バイクタクシー)

庶民しょみんの足あしとして、バイクの後うしろに客きゃくを乗のせるモト・ドッブ(バイクタクシー)が市内しないを流ながして走はしっている。料金りょうきんは交渉こうしょう制せい。

水路すいろ

シソワット・キーの船着場ふなつきばから隣国りんごくベトナムのヴィンスーン国境こっきょうを経へてチャウドックまでメコン川がわを通行つうこうする国際こくさいボートをいくつかの旅行りょこう会社かいしゃが運営うんえいしている。

放送ほうそう

周波数しゅうはすう	局きょく名めい
918kHzきろへるつ	カンボジア国営こくえい放送ほうそう
88.0MHz	スウィートFM(クメール語ご/中国ちゅうごく語ご)
89.5MHz	ボイス・オブ・ニューライフ
90.0MHz	FM90
90.5MHz	Ta Phrom Radio
92.0MHz	フランス国際こくさい放送ほうそう(フランス語ふらんすご)
93.5MHz	FM93.5
95.0MHz	Eagle 95
97.0MHz	Planet 97FM
97.5MHz	Love FM(英語えいご)
98.0MHz	FM98
99.0MHz	FM99
99.5MHz	FEBC MANILA
100.0MHz	BBC(英語えいご)
101.5MHz	ラジオ・オーストラリア(英語えいご)
102.0MHz	WMC Radio
103.0MHz	Municipality Radio(クメール語ご)
105.5MHz	Radio Beehive
107.0MHz	Khmer FM