ホバ隕石いんせき

ホバ隕石いんせき（ホバいんせき、hoba meteorite）はナミビア・オチョソンデュパ州しゅうで発見はっけんされた鉄てつ隕石いんせき。確認かくにんされているものの中なかで世界せかいで最もっとも重おもい^[1]。

概要がいよう

ホバ隕石いんせきは2.7m×2.7mの長方形ちょうほうけいで0.9mの厚あつさである。1920年ねんには66トンの重おもさがあったが、侵食しんしょくや調査ちょうさのためのサンプル切きり出だし、破壊はかい行為こういなどによって、現在げんざいの重量じゅうりょうは60トンを若干じゃっかん超こえるほどと見積みつもられている。隕石いんせきの成分せいぶんは約やく84%が鉄てつ､16%がニッケル、コバルトの痕跡こんせきが含ふくまれており、ニッケルの含有がんゆう量りょうが多おおいアタキサイトに分類ぶんるいされている。表面ひょうめんには風化ふうかによって生しょうじた鉄てつの水酸化物すいさんかぶつが見みられる。

8万まん年ねん以上いじょう前まえに落下らっかしたと考かんがえられており、地球ちきゅう大気たいきによって減速げんそくされて、損傷そんしょうが少すくない状態じょうたいになったと考かんがえられている。隕石いんせきの形状けいじょうが他たに例れいのない平ひらたい面めんをもつ形状けいじょうであったため大気圏たいきけんの上部じょうぶで水切みずきりのようにはねて落下らっかしたと考かんがえられている。

経緯けいい

ホバ隕石いんせきは衝突しょうとつクレーターを残のこさなかったので、発見はっけんは偶然ぐうぜんのものだった。地中ちちゅうに埋うまった隕石いんせきは、グルートフォンテイン(Grootfontein)近ちかくの農園のうえんホバ・ウエスト・ファームにおいて牛うしを使つかって耕たがやしていた際さいに発見はっけんされた。1920年ねん、この隕石いんせきについて報告ほうこくをした科学かがく者しゃジェイコブス・ブリッツ(Jacobus Hermanus Brits)の調査ちょうさによって掘ほり起おこされた。
1955年ねん、外来がいらい者しゃによる破壊はかいを防ふせぐためとして、ナミビア政府せいふはこれを国家こっか的てき記念きねん物ぶつに指定していした。また、1985年ねんにはRossing Uranium Ltdの資金しきんによって更さらなる保護ほご策さくが講こうじられた。
1987年ねんにホバ・ウエスト・ファームの所有しょゆう者しゃは隕石いんせきと土地とちを国家こっかに寄付きふし､その後ごに国くにがツーリスト・センターを開設かいせつした。その結果けっか、外来がいらい者しゃによる破壊はかいは止とまり、毎年まいとし数すう千せん人にんの観光かんこう旅行りょこう者しゃが訪おとずれるようになった。