メタル・マスター

『メタル・マスター』（Master of Puppets）は、アメリカのヘヴィメタルバンド・メタリカの3作さく目めのアルバム。

『メタル・マスター』
メタリカ の スタジオ・アルバム
リリース	1986年ねん3月3日にち
録音ろくおん	1985年ねん9月がつ - 12月
ジャンル	スラッシュメタル
時間じかん	54分ふん49秒びょう
レーベル	エレクトラ ミュージック・フォー・ネイションズ CBSソニー→ソニーレコード（リイシュー盤ばん） ユニバーサル・ミュージック（リイシュー盤ばん）
プロデュース	メタリカ、フレミング・ラスムッセン
専門せんもん評論ひょうろん家かによるレビュー
Allmusic link Rolling Stone link
メタリカ アルバム 年表ねんぴょう
ライド・ザ・ライトニング （1984年ねん） メタル・マスター （1986年ねん） メタル・ガレージ （1987年ねん）
ミュージックビデオ
「Master Of Puppets (Live)」 - YouTube 「Master Of Puppets (Official Lyric Video)」 - YouTube

解説かいせつ

前作ぜんさくに続つづき、ラーズ・ウルリッヒの故郷こきょうであるデンマーク・コペンハーゲンにあるスウィート・サイレンス・スタジオにて行おこなわれた。

全米ぜんべい29位い・全ぜん英えい41位いを記録きろく。彼かれらにとって初はつの全米ぜんべいトップ40入いりを果はたし、現在げんざいまでに、アメリカだけでも600万まん枚まい以上いじょうの売うり上あげを記録きろくしている。また、ベーシストのクリフ・バートンが参加さんかした最後さいごのアルバムでもある。

『ローリング・ストーン誌しが選えらぶオールタイム・ベストアルバム500』(大だい規模きぼなアンケートによる選出せんしゅつ)に於おいて、97位いにランクイン。

発表はっぴょうから20年ねん後ごの2006年ねん、メタリカは本ほん作さくをライヴで完全かんぜん再現さいげんした。なお、「オライオン」がイントロも含ふくめて完全かんぜんな形かたちで演奏えんそうされたのは、この時ときが初はじめてである。2006年ねん8月がつのサマーソニックでも、同様どうようの試こころみが行おこなわれ、大おおきな話題わだいとなった。

2016年ねん3月23日にち、アメリカ議会ぎかい図書館としょかんが「文化ぶんか的てき、歴史れきし的てき、芸術げいじゅつ的てきに重要じゅうような録音ろくおん物ぶつを保存ほぞんすること」を目的もくてきに2000年ねんから毎年まいとし行おこなっている『全米ぜんべい録音ろくおん資料しりょう登録とうろく簿ぼ』の2015年度ねんど作品さくひんに本ほん作さくが登録とうろくされた。

収録しゅうろく曲きょく

1. バッテリー - Battery （James Hetfield, Lars Ulrich）

   タイトルは野球やきゅう用語ようごから来きており、バンドを過小かしょう評価ひょうかする評論ひょうろん家かなどへの怒いかりと、ファンとの絆きずな、すなわちバッテリーがテーマ。

   静しずかなアコースティックギターのイントロから突如とつじょとしてアグレッシヴな演奏えんそうに切きり替かわる。

2. メタル・マスター - Master of Puppets （Kirk Hammett, Hetfield, Cliff Burton, Ulrich）

   人間にんげんを操あやつる薬物やくぶつ依存いぞんの恐怖きょうふを描えがいており、「鏡かがみの上うえで朝食ちょうしょくを刻きざむ」という一節いっせつはコカインの使用しようを連想れんそうさせる。

   『ローリング・ストーン誌しが選えらぶオールタイム・グレイテスト・ギター・ソングス100』に於おいて、33位いにランクイン。

3. ザ・シング - The Thing That Should Not Be （Hammett, Hetfield, Ulrich）

   クトゥルー神話しんわにインスパイアされた楽曲がっきょく。

4. ウェルカム・ホーム（サニタリウム） - Welcome Home (Sanitarium) （Hammett, Hetfield, Ulrich）

   映画えいが『カッコーの巣すの上うえで』にインスパイアされた楽曲がっきょく。サニタリウム、つまり隔離かくり病棟びょうとうに入いれられた精神病せいしんびょう患者かんじゃが描えがかれている。

   この楽曲がっきょくを発展はってんさせたのが、次回じかい作さく『メタル・ジャスティス』の収録しゅうろく曲きょくで、グラミー賞しょうのベスト・メタル・パフォーマンス部門ぶもんを受賞じゅしょうした「One」である。

5. ディスポーザブル・ヒーローズ - Disposable Heroes （Hammett, Hetfield, Ulrich）

   タイトルを直訳ちょくやくすれば「使つかい捨すての英雄えいゆうたち」。命令めいれいに盲従もうじゅうし、前線ぜんせんに駆かり出だされる兵士へいしを描えがいている。

6. リパー・メサイア - Leper Messiah （Hetfield, Ulrich）

   カルト宗教しゅうきょうとその教祖きょうそがテーマ。

7. オライオン - Orion （Hetfield, Burton, Ulrich）

   クリフ・バートンのベースを主軸しゅじくに据すえたインストゥルメンタル。タイトルは星座せいざの「オリオン座ざ」からの命名めいめい。

8. ダメージ・インク - Damage, Inc. （Hammett, Hetfield, Burton, Ulrich）

カバー

ドリーム・シアターは、ライブにおいて本ほん作さくを丸まるごとカヴァーし、マイク・ポートノイ主宰しゅさいのレーベル『Ytse Jam Record』からオフィシャル・ブートレグ『Master of Puppets』として発売はつばいした。

イギリスのロック雑誌ざっし『ケラング!』は1102号ごう（2006年ねん4月がつ5日にち発売はつばい）において、若手わかて・中堅ちゅうけんバンドによる本ほん作さくのカヴァー・アルバム『Master Of Puppets:Remastered』を付録ふろくとした。マシーン・ヘッド、トリヴィアム、ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン等ひとしが参加さんかしている。

リンプ・ビズキットは、ロック・アム・リングにてタイトル・ナンバーをカヴァーした。

演奏えんそうメンバー

• ジェイムズ・ヘットフィールド（ヴォーカル、ギター）
• カーク・ハメット（ギター）
• クリフ・バートン（ベース）
• ラーズ・ウルリッヒ（ドラムス）