(Translated by https://www.hiragana.jp/)
リップルウッド・ホールディングス - Wikipedia

リップルウッド・ホールディングス

リップルウッドから転送てんそう

リップルウッド・ホールディングス (Ripplewood Holdings LLC) は、1995ねん設立せつりつされたアメリカニューヨーク拠点きょてんをおく投資とうしファンド運営うんえい会社かいしゃ

概要がいよう

編集へんしゅう

不振ふしん企業きぎょう買収ばいしゅうし、再生さいせいさせて企業きぎょう価値かちたかめたうえ売却ばいきゃくし、利益りえき再生さいせいファンドとわれるバイアウト・ファンド一種いっしゅである。最高さいこう経営けいえい責任せきにんしゃ (CEO) はティモシー・コリンズ (Timothy C. Collins)。

2005ねん3がつに、日本にっぽんけファンドのみを、投資とうしさき企業きぎょう連結れんけつ子会社こがいしゃとするかたちかぶ会社かいしゃし、ユーロネクストブリュッセル上場じょうじょう、「RHJインターナショナル」と名前なまええる。日本にっぽん事務所じむしょは、「株式会社かぶしきがいしゃRHJインターナショナル・ジャパン」として2005ねん設立せつりつされたが、2013ねん撤退てったい[1][2]。なお、リップルウッド・ホールディングスは、日本にっぽん以外いがいくに企業きぎょうへの投資とうしを、べつ会社かいしゃとして現在げんざいつづっている。

過去かこ日本にっぽん買収ばいしゅうした企業きぎょう

編集へんしゅう

以下いかは、リップルウッド・ホールディングス時代じだい買収ばいしゅう売却ばいきゃくした案件あんけん、およびRHJインターナショナルの投資とうしさき企業きぎょう両方りょうほうふくむ。

  • 日本にほんコロムビア
    • 2002ねん10がつから2010ねん9がつまでの社名しゃめいはコロムビアミュージックエンタテインメント。きゅう日立ひたちグループ第一興商だいいちこうしょう三菱商事みつびししょうじらと組成そせいした匿名とくめい組合くみあいファンドが買収ばいしゅう→2010ねんフェイス売却ばいきゃくとなり経営けいえい撤退てったい
  • ディーアンドエムホールディングス
    • きゅうデノン(きゅう日本にほんコロムビアのAV機器きき部門ぶもん分社ぶんしゃさせて買収ばいしゅう)がきゅう日本にほんマランツ(もとフィリップスグループ)に合流ごうりゅうするかたち経営けいえい統合とうごうとなり、だい株主かぶぬしとなる。→2009ねんベインキャピタル売却ばいきゃく経営けいえい撤退てったい
  • 日本にほんテレコム
    • もとJRグループ欧州おうしゅうボーダフォン買収ばいしゅう→(きゅう日本にほんテレコムを持株もちかぶ会社かいしゃした「日本にほんテレコムホールディングス」と子会社こがいしゃの「J-フォン株式会社かぶしきがいしゃ」のみボーダフォンが継続けいぞく保有ほゆうし、固定こてい電話でんわ通信つうしん事業じぎょう承継しょうけい分社ぶんしゃ)させた(しん日本にほんテレコムをRHが買収ばいしゅう→2005ねんにソフトバンク(現在げんざいの「ソフトバンクグループ株式会社かぶしきがいしゃ」)に売却ばいきゃく
  • ユーシン(きゅう有信ありのぶせい工業こうぎょう

投資とうし方針ほうしん

編集へんしゅう

リップルウッド・ホールディングスおよびRHJインターナショナルは、「インダストリアル・パートナーシップ・アプローチ」とばれる、産業さんぎょう戦略せんりゃく着目ちゃくもくした投資とうしアプローチをとる。これは、企業きぎょう個別こべつの「買収ばいしゅう案件あんけん」としてとらえるのではなく、まず再編さいへん機運きうん可能かのうせいのある産業さんぎょう注目ちゅうもくし、その産業さんぎょうそのものの再編さいへんシナリオを作成さくせいし、そのシナリオ実現じつげん中心ちゅうしんとなりえる企業きぎょうえらび、投資とうし提案ていあんをするというもの。そして、再編さいへん加速かそくさせるひとつの方法ほうほうろんとして、その中軸ちゅうじく企業きぎょうがさらなる買収ばいしゅう投資とうしおこなって規模きぼ市場いちば拡大かくだいしていくという「ロールアップ」も採用さいようしている。破綻はたんした長銀ちょうぎん再生さいせい上場じょうじょうや、おなじくだいさんセクターで破綻はたんしたシーガイアの買収ばいしゅうくゆえに、「再生さいせいファンド」とうイメージがつよいが、日本にほんコロムビアからはなしたDENONと、フィリップスからはなして買収ばいしゅうした日本にほんマランツを統合とうごうさせ、D&Mホールディングス(現在げんざい東証とうしょう一部いちぶ上場じょうじょう)として高級こうきゅうオーディオ業界ぎょうかいでの優位ゆういせい確立かくりつするなど、産業さんぎょう戦略せんりゃく緻密ちみつ遂行すいこうして企業きぎょう競争きょうそうりょく向上こうじょうさせることを得意とくいとする。なお、このアプローチにかせないのが、「インダストリアル・パートナー」とかく産業さんぎょう企業きぎょう経営けいえい運営うんえいのスペシャリストたちであり、もとクライスラー社長しゃちょうのトーマス・ストールカンプ、もとオムロンふく社長しゃちょう越尾こしお壮一そういち、ホンダふく社長しゃちょう入交いりまじり昭一郎しょういちろうらをはじめとする一人ひとりしゃたちが、同社どうしゃのパートナーとして投資とうし戦略せんりゃく立案りつあん参加さんかし、投資とうしさき企業きぎょう経営けいえいにもかかわっている。

長銀ちょうぎん問題もんだい

編集へんしゅう

1998ねん経営けいえい破綻はたんし、8ちょうえんおよ公的こうてき資金しきん投入とうにゅうされたきゅう日本長期信用銀行にっぽんちょうきしんようぎんこう長銀ちょうぎん)をわずか10おくえん買収ばいしゅう、リップルウッドはその自己じこ資金しきん1200おくえん投入とうにゅう長銀ちょうぎんから衣替ころもがえした新生しんせい銀行ぎんこう2004ねん2がつ19にち上場じょうじょうしたことで2200おくえん以上いじょう利益りえきた。さらに投資とうし組合くみあい本拠地ほんきょち海外かいがいにあるため、日本にっぽん政府せいふはその売却ばいきゃくえき課税かぜいできないことが報道ほうどうされ、おおくの批判ひはんびた。しかし、かり日本にっぽん政府せいふ課税かぜい措置そちをとった場合ばあい投資とうし組合くみあい本拠地ほんきょちこくでも当然とうぜん課税かぜい措置そちしょうじるため、当該とうがい企業きぎょうにとってはじゅう課税かぜい問題もんだいしょうじる。海外かいがい本拠地ほんきょち企業きぎょう課税かぜいできないのは本件ほんけんかぎったことではなく、国際こくさい取引とりひき課税かぜいではじゅう課税かぜいしょうじないような取決とりきめがなされている。巨額きょがく投資とうし純益じゅんえきかんしても、当時とうじきゅう長銀ちょうぎん買収ばいしゅう競合きょうごうした中央ちゅうおう三井信託銀行みついしんたくぎんこうグループが、投資とうし組合くみあい上回うわまわ条件じょうけん金額きんがく提示ていじできなかったこと考慮こうりょすれば、投資とうし組合くみあいがわ相当そうとうなリスクをまえた結果けっかである。 上記じょうきとおりバイアウト・ファンドは企業きぎょうなおしを援助えんじょするという性格せいかくち、くわえてもバイアウト・ファンドが提示ていじする価格かかく理解りかいしたうえ自主じしゅてき再建さいけんされた企業きぎょうかぶっているのであって、この一連いちれんながれには不正ふせいがあるわけではない。

リップルウッドはマスコミや一部いちぶ評論ひょうろんから「ハゲタカファンド」とばれることもある。ただ、長銀ちょうぎん問題もんだいかぎれば、買収ばいしゅうさきには日本人にっぽんじん社長しゃちょうえ、雇用こよう実態じったいはともあれ形式けいしきてきにはまもられていた。コリンズによれば、リップルウッドでは従業じゅうぎょういん最大さいだい資産しさんかんがえ、労働ろうどう組合くみあい存在そんざい否定ひていてきかんがえず、安易あんい解雇かいこおこなわないとしている。また、この方針ほうしん工場こうじょう労働ろうどうしゃとして苦労くろうしたコリンズのげん体験たいけんもとづくものだという。

瑕疵かし担保たんぽ条項じょうこう存在そんざいや、八城やしろまさしもと新生しんせい銀行ぎんこう社長しゃちょう当時とうじ)の国会こっかい参考さんこうじん招致しょうちたい同社どうしゃがこれを拒否きょひしたことは国民こくみんから反感はんかんった。しかし、きゅう長銀ちょうぎん売却ばいきゃくさい投資とうし組合くみあいがわ資産しさん査定さてい要求ようきゅうしたところ、日本にっぽん政府せいふ時間じかんてき問題もんだいなどを理由りゆう拒否きょひしており、瑕疵かし担保たんぽ条項じょうこうはその代償だいしょうとしてもうけられたという経緯けいいがある。また、瑕疵かし担保たんぽ条項じょうこう行使こうしは、企業きぎょう価値かち最大さいだい目的もくてきたいしてはむしろ妥当だとうであり、またこのことが、きゅう長銀ちょうぎん債権さいけん相当そうとう劣化れっかしていたことの証左しょうさでもあるという見方みかたもある[だれ?]

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう
  1. ^ Bloomberg
  2. ^ Annual Report 2013 Archived 2014ねん9がつ10日とおか, at the Wayback Machine.

外部がいぶリンク

編集へんしゅう