三池港航路北側突堤の根本屈曲部の港外側には、遠浅の砂浜海岸があった[3]。この砂浜は長さ約300 mの人工海浜で[4]、「三池海水浴場」(座標)として利用されており、夏季には多くの海水浴客で賑わっていた[3]。同海水浴場は福岡県筑後地区では唯一の海水浴場であった[4]。
同海水浴場は国と三井鉱山の所有地で[6]、1927年(昭和2年)7月10日[7]、三川商工会が三井鉱山の承認を得て開設した[8]。1952年(昭和27年)からは大牟田観光協会が主体となって開設しており[8]、市民の夏の楽しみとして親しまれていたが[9]、1970年(昭和45年)には水質汚濁のため閉鎖が決定され、同年7月26日 - 29日までの4日間は熊本県の海浦海水浴場へ列車が運行された[10]。しかし1978年(昭和53年)7月20日には9年ぶりに再開された[11]。
海岸から約20 km南西の有明海の対岸は島原半島であり、雲仙普賢岳の活動による火山性地震で津波が発生した際に被害が出ることが予想されたため、雲仙岳の大規模噴火があった1991年(平成3年)以降は1997年(平成9年)まで休止していた[4]。1998年(平成10年)に再開され[4]、2000年(平成12年)は7月15日にオープンしたが[9]、
集客の伸び悩み、海水浴場としての自然条件の厳しさ(潮の干満差が大きく遊泳時間が限定されたり、遠浅になりにくかったり、潮流などの関係で漂流物が漂着しやすかったりするなど)、駐車場確保の困難さなどを理由に、同年を最後に開設されなくなっている[12]。
- 大牟田駅西口より西鉄バス大牟田の路線バス(直行5番)で約8分、終点下車。三池港待合所(三池島原ラインのりば)前。
- 大牟田駅前(大牟田商工会館前乗り場)より西鉄バス大牟田の路線バス(2番)で「三川町1丁目」下車。内港ドック地区まで徒歩10分、三池港待合所(三池島原ラインのりば)まで徒歩15分。
- ^ “祝・世界遺産! 国内19番目の「明治日本の産業革命遺産」全23資産を一挙紹介”. マイナビニュース. 2018年9月18日閲覧。
- ^ 近藤聡司(2015年4月2日). “高速船三池島原ライン:事業引き継ぎ運航”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
- ^ a b 大牟田市市史編さん委員会(編集)『『新大牟田市史』別冊 年表と写真で見る大牟田市の100年〜市制施行100周年記念〜』2017年3月1日発行、大牟田市、149頁「8. 安定成長からバブルへ《企業都市から市民都市へ》1974年(昭和49)〜1989年(平成元) 8-1 三池海水浴場」
- ^ a b c d 『朝日新聞』1998年7月18日西部夕刊第4版第一社会面11頁「ぼくもわたしも夏休み!小中学校など一斉に終業式 家族旅行はより安・近・短」「8年ぶり海開き 三池海水浴場 普賢岳噴火以来」(朝日新聞西部本社)
- ^ 『読売新聞』1998年3月6日西部夕刊第一社会面10頁「普賢岳対岸も“安全” 三池海水浴場、8年ぶり今夏から再開/福岡・大牟田市 「地震や津波、もう大丈夫」」(読売新聞西部本社)
- ^ 大牟田市市史編さん委員会(編集)『『新大牟田市史』別冊 年表と写真で見る大牟田市の100年〜市制施行100周年記念〜』2017年3月1日発行、大牟田市、72頁「4. 第1次世界大戦期から世界恐慌へ《市制施行前後の大牟田》1914年(大正3)〜1930年(昭和5) > 1927(昭和2年) > 大牟田市関連 > 7.10 三池海水浴場開設」
- ^ a b 大牟田市市史編さん委員会(編集)『『新大牟田市史』別冊 年表と写真で見る大牟田市の100年〜市制施行100周年記念〜』2017年3月1日発行、大牟田市、159頁「8. 安定成長からバブルへ《企業都市から市民都市へ》1974年(昭和49)〜1989年(平成元) 8-9 三池海水浴場」
- ^ a b 大牟田市市史編さん委員会(編集)『『新大牟田市史』別冊 年表と写真で見る大牟田市の100年〜市制施行100周年記念〜』2017年3月1日発行、大牟田市、186頁「9.バブル崩壊後《炭鉱閉山と新たなまちづくり》1990年(平成2)〜2015年(平成27) 9-26 三池海水浴場の最後の開設」
- ^ 大牟田市市史編さん委員会(編集)『『新大牟田市史』別冊 年表と写真で見る大牟田市の100年〜市制施行100周年記念〜』2017年3月1日発行、大牟田市、159頁「7. 高度経済成長期《エネルギー転換による苦境》1955年(昭和30)〜1973年(昭和48) > 1970(昭和45年) > 大牟田市関連 > 6.20 水質汚濁のため三池海水浴場閉鎖決定、熊本県海浦海水浴場へ列車運行(7.26〜29の4日間)」
- ^ 大牟田市市史編さん委員会(編集)『『新大牟田市史』別冊 年表と写真で見る大牟田市の100年〜市制施行100周年記念〜』2017年3月1日発行、大牟田市、151頁「8. 安定成長からバブルへ《企業都市から市民都市へ》1974年(昭和49)〜1989年(平成元) > 1978(昭和53年) > 大牟田市関連 > 7.20 三池海水浴場9年ぶりに再開」
- ^ “三池海水浴場の開設について”. 大牟田市ホームページ. 大牟田市 (2017年5月). 2020年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月30日閲覧。