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不整脈 - Wikipedia

不整脈ふせいみゃく(ふせいみゃく、英語えいご: Arrhythmia)とは、心拍しんぱくすうリズム一定いっていでない状態じょうたいことう。また心拍しんぱく脈拍みゃくはくせいであっても、心電図しんでんず異常いじょうがある場合ばあい臨床りんしょうてきには不整脈ふせいみゃくである。

不整脈ふせいみゃく
概要がいよう
診療しんりょう 循環じゅんかんがく, rhythmology[*]
分類ぶんるいおよび外部がいぶ参照さんしょう情報じょうほう
ICD-10 I47 - I49
ICD-9-CM 427
DiseasesDB 15206
MedlinePlus 001101
MeSH D001145
心電図しんでんずしき
  • 対義語たいぎごは「整脈せいみゃく」や正常せいじょうほら調律ちょうりつ (NSR:Normal Sinus Rhythm)であるが、医療いりょう現場げんばでは一般いっぱんてきに「サイナス」と[1] [2]
正常せいじょうほら調律ちょうりつ(サイナス)は以下いかのような特徴とくちょうをもつ。
  1. P-R間隔かんかく一定いっていである。
  2. QRSはばが0.1びょう以下いかである。
  3. Pなみ存在そんざいする。
  4. PなみとQRSの間隔かんかくが0.1〜0.2びょう程度ていど一定いっていである。
  • ぎゃくに、不整脈ふせいみゃくはこれらの条件じょうけんくらべてどのように異常いじょうがあるかによって分類ぶんるいされる。さら脈拍みゃくはくすうだけでなく、みゃく周期しゅうき強弱きょうじゃく変化へんか心電図しんでんず波形はけいがり速度そくどふくかんがえもある[3]

不整脈ふせいみゃく発生はっせいじょとして刺激しげき生成せいせい異常いじょう刺激しげき伝導でんどう異常いじょうがある。高齢こうれいしゃおおいが、かく世代せだい不整脈ふせいみゃくをもっているひと普遍ふへんてき存在そんざいしている。原因げんいんとして、きょせいこころ疾患しっかん先天せんてんせいこころ疾患しっかんなどがある。

不整脈ふせいみゃくには様々さまざま種類しゅるい存在そんざいし、まった自覚じかく症状しょうじょうともなわない不整脈ふせいみゃくもあるが、あるしゅ不整脈ふせいみゃく生命せいめい危険きけんともなっており突然とつぜん原因げんいんともりうる。ただし、普通ふつうひとでも体調たいちょう不良ふりょう不整脈ふせいみゃくこしていることはよくあり、また常時じょうじ不整脈ふせいみゃくこしているひとでも日常にちじょう生活せいかつにはなんら問題もんだいがない場合ばあいおおい。

 
興奮こうふん伝導でんどう心電図しんでんず

心臓しんぞう全身ぜんしん血液けつえきおくポンプはたらきをしている。ポンプをうごかしているのは電気でんき刺激しげきである。まず、みぎ心房しんぼうにあるほらぼう結節けっせつ (SA node) が興奮こうふんし、電気でんき刺激しげき心房しんぼうかいみぎ心房しんぼう下方かほうにあるぼうしつ結節けっせつへとつたわる。さら興奮こうふんぼうしつ結節けっせつからHisたばね、プルキンエ (Purkinje) 線維せんいへと伝導でんどうし、心筋しんきん全体ぜんたいへと電気でんき刺激しげきつたわっていく。刺激しげき生成せいせいあるいは伝導でんどう経路けいろのどこかが障害しょうがいされ、心臓しんぞう興奮こうふん正常せいじょうつたわらない状態じょうたい不整脈ふせいみゃくこす。

たとえば、心房しんぼうほそどうは、心房しんぼう筋肉きんにくかく部分ぶぶん無秩序むちつじょ不規則ふきそく興奮こうふんしている状態じょうたいであり、この無秩序むちつじょ興奮こうふんしんしつへと伝達でんたつされることでみゃく不整ふせいとなる。

心拍しんぱくすうによる分類ぶんるい

編集へんしゅう

ヒトの安静あんせい脈拍みゃくはく通常つうじょう50〜100はくぶん程度ていどであるが、これを下回したまわっている場合ばあいじょみゃくおお場合ばあいしきみゃくぶ。不整脈ふせいみゃく心拍しんぱくすうから、しきみゃくせい不整脈ふせいみゃくじょみゃくせい不整脈ふせいみゃく心拍しんぱく異常いじょうともなわない不整脈ふせいみゃくけることが出来できる。

しきみゃくせい不整脈ふせいみゃく

編集へんしゅう

がい収縮しゅうしゅく (Premature Contraction)はR-R間隔かんかくがほぼ一定いっていだが、一部いちぶ心拍しんぱくまえにずれた状態じょうたい。あるいは正常せいじょうみゃくがかきされたり(代償だいしょうせいがい収縮しゅうしゅく正常せいじょうみゃく周期しゅうき等間隔とうかんかく発生はっせいする(あいだいれせいがい収縮しゅうしゅく)こともある。症状しょうじょう場合ばあいおも胸部きょうぶたとえようのない不快ふかいかんおぼえたり、連発れんぱつするとめまいや失神しっしんおこすが、こころ疾患しっかんがない場合ばあい放置ほうちしても生命せいめいへの危険きけんはない。こころ疾患しっかんがある場合ばあい最悪さいあく場合ばあい心室しんしつほそどうなどにつながるおそれがあり危険きけんである。

うえしつせい

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ほらせいしきみゃく
正常せいじょうじんなどに運動うんどうられる。安静あんせいにおいてもられる場合ばあい呼吸こきゅう疾患しっかん感染かんせんしょう内分泌ないぶんぴつ疾患しっかん神経しんけい疾患しっかん精神せいしん疾患しっかんなどをうたが必要ひつようがある。
心房しんぼうほそどう (Af,AF
Atrial fibrillation)
R-R間隔かんかく完全かんぜん不規則ふきそくである場合ばあい、ほとんどの場合ばあいほんしょうである。またPなみ存在そんざいせず、基線きせんこまかなアーチファクトのようにうごく。
心房しんぼうどう (AF,AFL
Atrial Flutter)
基線きせん鋸歯きょしじょうれる。
みなもとせい心房しんぼうしきはく (MAT
Multifocal atrial tachycardia)
Afとおなじく、R-R間隔かんかく完全かんぜん不規則ふきそくであるが、かたちきがさまざまなPなみ存在そんざいする。Afにくらべるとまれである。
うえしつせいしきはく (Supraventricular tachycardia)
これはおおきな分類ぶんるいであり、心室しんしつせいリズムではいとうことのみを意味いみする。原因げんいん検索けんさく治療ちりょうするためにはよりこまかく分類ぶんるいする必要ひつようがある。
リエントリーせいしきはく
じょいてべられたとおり、心臓しんぞう興奮こうふん一方向いちほうこうにしかつたわらないのが正常せいじょうであるが、先天せんてん異常いじょう心筋梗塞しんきんこうそくなどで、興奮こうふん逆行ぎゃっこうする経路けいろ形成けいせいされているときる。
WPW症候群しょうこうぐん
発作ほっさせいじょうしつせいしきはく (PSVT
Paroxysmal supraventricular tachycardia)
ぼうしつ結節けっせつのリエントリーによるしきはく。Pなみ心房しんぼう活動かつどう)がみとめられない。
心房しんぼうせいがい収縮しゅうしゅく (PAC
Premature Atrial Contraction)
 
PAC
がい収縮しゅうしゅくまえにもPなみ存在そんざいし、QRSはばせまい。症状しょうじょう検査けんさ異常いじょうがなければ治療ちりょう必要ひつようはない。
ぼうしつ接合せつごうせいがい収縮しゅうしゅく(A-V junctional contraction)

心室しんしつせい

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心室しんしつせいしきはく (VT
Ventricular tachycardia)
すべてのQRSのはばが0.2びょう以上いじょうである。Pなみ存在そんざいしない。
心室しんしつほそどう (Vf
Ventricular fibrillation)
 
Vf
基線きせんく、振幅しんぷくちいさい正弦せいげんちかなみのみからなる波形はけい末梢まっしょうでは脈拍みゃくはくれない。臨床りんしょうてきにはしん停止ていし状態じょうたいである。
心室しんしつどう (VF
Ventricular Flutter)
心室しんしつせいがい収縮しゅうしゅく (PVC(VPC)
Premature Ventricular Contraction)
がい収縮しゅうしゅくのQRSはばひろい。とくにQRSのかたちきが一定いっていでない状態じょうたいみなもとせいPVCとい、心室しんしつかべ複数ふくすう部位ぶいまたはひろ範囲はんい異常いじょうきていることしめしている。とくに1分間ふんかんに6〜10かい以上いじょうられる場合ばあい上述じょうじゅつ心室しんしつせいしきはくへと発展はってんするおそれがある。

じょみゃくせい不整脈ふせいみゃく

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ここでべるブロックとは伝導でんどう障害しょうがいのことである。

うえしつせい

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ほらぼうブロック (S-A block)
ほら結節けっせつ発生はっせいした興奮こうふん伝導でんどう心房しんぼうつたわらない状態じょうたい
ぼうしつブロック (A-V block)
心房しんぼうからしんしつへの興奮こうふん伝導でんどう不完全ふかんぜんであるかまたはまったくない状態じょうたい
Iぼうしつブロック
Pなみ存在そんざいし、PなみとQRSの間隔かんかく一定いっていであるが、PR間隔かんかくが0.21びょう以上いじょうである。
IIぼうしつブロック
PなみのちにQRSがちる不整脈ふせいみゃく
ウェンケバッハがたぼうしつブロック
PR間隔かんかく徐々じょじょひらいたのち、QRSがちる。
モービッツIIがたぼうしつブロック
ときにQRSがちるが、ちていない心拍しんぱくのPR間隔かんかく一定いっていである。
IIIぼうしつブロック
Pなみ存在そんざいするが、PなみとQRSあいだなん時間じかんてき関連かんれんせいがない。
ぼうしつ解離かいり (A-V dissociation)
接合せつごうせい調律ちょうりつ (Junctional rhythm)
ほら不全ふぜん症候群しょうこうぐん (SSS : Sick sinus syndrome)
呼吸こきゅうせい不整脈ふせいみゃく (Respiratory Arrhythmia)
吸気きゅうき脈拍みゃくはく上昇じょうしょうし、呼気こき低下ていかする。若年じゃくねんしゃられる。脈拍みゃくはく不整ふせいであるが病気びょうきではない。

心室しんしつせい

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あしブロック
あしブロック(きゃくぶろっく、えいBundle branch block:BBB)は、左右さゆう心室しんしつかべのいずれかにおいて神経しんけい伝達でんたつ途切とぎれている状態じょうたいこと途切とぎれているほうの心室しんしつかべ心筋しんきん伝導でんどうによって、もう一方いっぽうよりおくれて収縮しゅうしゅくするため、QRSの波形はけいみねせい(ウサギのみみじょう)になる。
分類ぶんるい
部位ぶいによる分類ぶんるい
あしブロックはブロックされる部位ぶいによってみぎあしブロック(うきゃくぶろっく、えいRight bundle branch block:RBBB)とひだりあしブロック(さきゃくぶろっく、えいLeft bundle branch block:LBBB)の2種類しゅるいがあり、WilliaM MorroWおぼえる。すなわち胸部きょうぶ誘導ゆうどう心電図しんでんずいて、V1で下向したむきのみねせい、V6で上向うわむきのみねせいならひだりあしブロックであり、みぎあしブロックはそのぎゃくである。
程度ていどによる分類ぶんるい
またあしブロックはブロックされる程度ていどによって完全かんぜんあしブロック不完全ふかんぜんあしブロック分類ぶんるいされる。
以上いじょうより完全かんぜんみぎあしブロック不完全ふかんぜんみぎあしブロック完全かんぜんひだりあしブロック不完全ふかんぜんひだりあしブロックの4種類しゅるい分類ぶんるいされる。

症状しょうじょう

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まった症状しょうじょう場合ばあいには症候しょうこうせい不整脈ふせいみゃく症状しょうじょうのある場合ばあいには症候しょうこうせい不整脈ふせいみゃくぶ。症状しょうじょうとしては、動悸どうきめまい失神しっしん(Adam-stoks発作ほっさ)、胸部きょうぶ違和感いわかん息切いきぎれ、胸痛きょうつうなどがあげられる。

など

治療ちりょう

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上記じょうき分類ぶんるいから個々ここ不整脈ふせいみゃくこう参照さんしょうのこと。

治療ちりょう必要ひつよう不整脈ふせいみゃくたいしては、こう不整脈ふせいみゃくやくにより不整脈ふせいみゃくおさえたり、脈拍みゃくはくをコントロールする薬物やくぶつ治療ちりょうや、ペースメーカーがたじょほそどう (ICD) などの外科げかてき処置しょちおこな薬物やくぶつ治療ちりょうおこなわれる。心室しんしつほそどうなどの危険きけん不整脈ふせいみゃくではじょほそどうにより心臓しんぞうにショックをあたえ(のぞきほそどう)、心臓しんぞうのリズムを正常せいじょうもど必要ひつようがある。

ACLSにおいては、すべてのこう不整脈ふせいみゃくやくはそれ自体じたい不整脈ふせいみゃく原因げんいんとなりうるという認識にんしきもと電気でんきてき治療ちりょうをまず優先ゆうせんし、薬物やくぶつ治療ちりょう使用しようする薬剤やくざい種類しゅるい出来できるだけすくなくするよう推奨すいしょうしている。

心臓しんぞう突然とつぜん

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不整脈ふせいみゃく心筋梗塞しんきんこうそく心筋しんきんしょう弁膜べんまくしょうなどのしん疾患しっかんによる突然とつぜん心臓しんぞう突然とつぜんぶ。心臓しんぞう突然とつぜん原因げんいんとしては、きょせいこころ疾患しっかん心室しんしつほそどうおおいとされている。QT延長えんちょう症候群しょうこうぐんブルガダ症候群しょうこうぐんなどの特殊とくしゅ心電図しんでんず波形はけいしめ不整脈ふせいみゃく心臓しんぞう突然とつぜん原因げんいんとしてられている。

心電図しんでんずかた

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不整脈ふせいみゃく診断しんだんはまずは心電図しんでんずであるのでそのかたしめす。

おおまかなかんがかた

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心電図しんでんず所見しょけんのとりかたから診断しんだんのプロセスは記載きさいすると膨大ぼうだいになるので、財団ざいだん法人ほうじん心臓しんぞう血管けっかん研究所けんきゅうじょ山下やました武志たけしによる分類ぶんるいをここでしるす。どんな心電図しんでんずをみたにしろそれによっておこなうことは「放置ほうちする」、「自分じぶんちから片付かたづける」、「緊急きんきゅう他人たにんちからりる」の3つにけることができる。緊急きんきゅうせい評価ひょうかには心電図しんでんずよりもバイタルサインのほうがはっきりとする。モニター心電図しんでんずをみてVTのような波形はけいがあって循環じゅんかん動態どうたいわる意識いしき障害しょうがいなどをこしていれば緊急きんきゅう処置しょちをする必要ひつようがあるが、こえをかけて「なにですか?」とわれるようだったらそれはあくまで心電図しんでんずじょうだけの問題もんだいであり、循環じゅんかん動態どうたいまったわるくなっていない。

基本きほんてき所見しょけんをとる手順てじゅん

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  1. 調律ちょうりつ心拍しんぱくすうかんして
    • PなみとPなみ間隔かんかく、RなみとRなみ間隔かんかく計測けいそくし、その逆数ぎゃくすうから心房しんぼうはくすう心室しんしつはくすうもとめる。間隔かんかくは3心拍しんぱく平均へいきんする。心房しんぼうほそどうなどPなみがないときはPP間隔かんかく記載きさいしない。
    • PP間隔かんかくびょう)、RR間隔かんかく心房しんぼうはくすう(60〜100)、心室しんしつはくすう(60〜100)を記載きさいする。
    • 調律ちょうりつ判定はんていをする。これはせいみゃくとき不整脈ふせいみゃくか、絶対ぜったいてき不整脈ふせいみゃくかを判定はんていする。
  2. QRS平均へいきん電気でんきじく移行いこうたい測定そくていする
    • 電気でんきじくは-30から100が正常せいじょうで、移行いこうたいはV3あたりならOK。
  3. 基本きほん測定そくてい
  4. 波形はけい
  5. 総合そうごう所見しょけんべる。

ひらなおったかんがかた

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医療いりょう行為こういにおいて、医療いりょうしゃおこなうことはつぎの3つのパターンしかない。だいいち放置ほうちする、だい自分じぶんちから片付かたづける、だいさん緊急きんきゅう他人たにんちからをかりるということである。心電図しんでんずるときもおなじである。とく重要じゅうようなのは他人たにんちからりるかという判断はんだんである。これはバイタルサインなど情報じょうほうおおいに参考さんこうになる。この判断はんだん大抵たいてい心電図しんでんず以前いぜん不整脈ふせいみゃく知識ちしき解決かいけつができる。不整脈ふせいみゃくかどうかの判断はんだんおも心電図しんでんずによっておこなわれる。あくまで不整脈ふせいみゃくのスクリーニングをしたいだけならば12誘導ゆうどうのうちII誘導ゆうどうとV1誘導ゆうどうのみで十分じゅうぶんである。とくにII誘導ゆうどうはPなみみやすく重宝ちょうほうする。このやりかた不整脈ふせいみゃく以外いがい見落みおとすので注意ちゅうい必要ひつようである。ST変化へんか見落みおとしをけるためにあらかじめST変化へんかだけ12誘導ゆうどう除外じょがいしておくことが大切たいせつである。モニター心電図しんでんずなどにはSTの情報じょうほうはないと認識にんしきしておくことが大切たいせつである。経験けいけんてき心拍しんぱくすう正常せいじょうでQRSはばせまければ大抵たいてい場合ばあい血行けっこう動態どうたい安定あんていしている。しきみゃくでQRSはばひろければ患者かんじゃ状態じょうたい確認かくにんする必要ひつようがある。不整脈ふせいみゃく場合ばあいはなっておいたらわるくなるのではという不安ふあんつねきまとう。しかし、まず必要ひつようなのはこん治療ちりょう必要ひつようなのかという問題もんだいであり、将来しょうらいのことは後回あとまわしのかんがえるのが通常つうじょうである。わるくなる場合ばあい基礎きそこころ疾患しっかんがあることがおおく、心電図しんでんずだけをみてもなにもできないことがおおいからである。

まずは12誘導ゆうどうほら調律ちょうりつであるのか?ST変化へんかがないのかを調しらべる。
つぎにII誘導ゆうどうとV1誘導ゆうどう不整脈ふせいみゃくのスクリーニングをする。とく重要じゅうようなのは患者かんじゃ様子ようす心拍しんぱくすうQRSはばである。

じょみゃくかんがかた

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心拍しんぱくすう正常せいじょうは50〜100/ぶんであり、50/ぶん下回したまわるとじょみゃくといわれる。脈拍みゃくはく日内ひない変動へんどうがありよるおそくなる傾向けいこうがある。すなわち、よる脈拍みゃくはくかんしては多少たしょう正常せいじょう下回したまわってもにしなくてよい。にするべきところは不整脈ふせいみゃくとなるのかというてんであり、これはきゅうおそくなった、2びょう以上いじょうみゃくまったらといったエピソードや心電図しんでんず所見しょけんからかんがえていけばよい。じょみゃくせい不整脈ふせいみゃく診断しんだん非常ひじょう簡単かんたんである。Pなみ正常せいじょう存在そんざいしていればぼうしつブロックであり、Pなみ存在そんざいしなければほら機能きのう不全ふぜん症候群しょうこうぐんである。このふたつのちがいは非常ひじょう重要じゅうようである。ぼうしつブロックは心室しんしつ障害しょうがいであり突然とつぜんのリスクにあるからである。これをみたらしん疾患しっかんのスクリーニングをし、原因げんいんがわからなければいのちまもるためペースメーカー適応てきおうとなる。ほら機能きのう不全ふぜん症候群しょうこうぐん場合ばあいは、症状しょうじょうがなければ放置ほうちであり、症状しょうじょうがあった場合ばあい治療ちりょうをしたとしても変化へんかがないのでQOL向上こうじょう目的もくてき治療ちりょうとなる。

しきみゃくかんがかた

編集へんしゅう

心拍しんぱくすう正常せいじょうは50〜100/ぶんであり、100/ぶん上回うわまわるとしきみゃくといわれる。しきみゃくでもほらせいしきみゃくというものがあり、運動うんどう徐々じょじょしきみゃくがおこるのはきわめて正常せいじょう反応はんのうであるので不整脈ふせいみゃくをみるという観点かんてんからは突然とつぜんはやくなるというエピソードや心電図しんでんず所見しょけん重要じゅうようである。不整脈ふせいみゃくとしてのしきみゃく場合ばあいQRSはば非常ひじょう重要じゅうようである。QRSはばが0.12びょうすなわち3mm未満みまんならうえしつせい大抵たいてい心房しんぼうせい)の不整脈ふせいみゃくであり、0.12びょうすなわち3mm以上いじょうであれば心室しんしつせい不整脈ふせいみゃくである。心室しんしつせい不整脈ふせいみゃく場合ばあい緊急きんきゅう事態じたいであり、即急そっきゅう対応たいおうもとめられる。QRSはばによって不整脈ふせいみゃく部位ぶい特定とくていできるというのは、正常せいじょう特殊とくしゅ心筋しんきん刺激しげき伝導でんどうした場合ばあいは0.12s以内いない伝導でんどう終了しゅうりょうするであろうという経験けいけんそくである。重要じゅうよう例外れいがいとしてへんぎょう伝導でんどうという言葉ことばがある。これはQRSはばひろいのにうえしつせい不整脈ふせいみゃくである。しかし、QRSはばせまいのに心室しんしつせい不整脈ふせいみゃくという現象げんしょうはほとんどられていないのでまずはQRSはばひろければ緊急きんきゅう事態じたいかんがえておけばミスはすくない。心室しんしつせいうえしつせいかの判断はんだんができたら、うえしつせいならPP間隔かんかく心房しんぼうはくすう心室しんしつせいならRR間隔かんかく心室しんしつはくすう調しらべ、それによって不整脈ふせいみゃく名前なまえをつける。それとはべつ触診しょくしんほう有効ゆうこう脈拍みゃくはくすうべつかぞえておくのが重要じゅうようである。これは患者かんじゃ状態じょうたい把握はあくするもので不整脈ふせいみゃく診断しんだんにはそれほど重要じゅうようではない。しきみゃくせい不整脈ふせいみゃく場合ばあいはどれがPなみかなど波形はけいをひとつずつ定義ていぎするのはむずかしい場合ばあい多々たたある。その場合ばあいはイメージでおこなうのだが経験けいけんがないとむずかしい。基本きほんてきには電気でんきてきはくすうが100〜250/ぶんならしきはくで250〜350/ぶんならばどうであり、350/ぶんえればほそどうという。ただし、心室しんしつどうという言葉ことば臨床りんしょうじょう存在そんざいしない。たまにはやみゃく程度ていどならがい収縮しゅうしゅくという。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 看護かんごroo「用語ようご辞典じてん サイナス」
  2. ^ レバウェル看護かんご Q&A「サイナス(ほら調律ちょうりつ)にかんしてくわしくりたい」
  3. ^ 丸山まるやま仁司ひとしリスク管理かんり バイタルサイン」『理学りがく療法りょうほう科学かがくだい20かんだい1ごう理学りがく療法りょうほう科学かがく学会がっかい、2005ねん、53-58ぺーじdoi:10.1589/rika.20.53 

参考さんこう文献ぶんけん

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不整脈ふせいみゃく薬物やくぶつ治療ちりょうガイドライン(2006ねん改訂かいていばん合同ごうどう研究けんきゅうはん参加さんか学会がっかい:日本にっぽん循環じゅんかん学会がっかいほか (Minds医療いりょう情報じょうほうサービス

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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