不都合ふつごうな真実しんじつ

『不都合ふつごうな真実しんじつ』（ふつごうなしんじつ、原題げんだい: An Inconvenient Truth）は、2006年ねんのアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのドキュメンタリー映画えいが。アル・ゴア元もとアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく副ふく大統領だいとうりょうが主演しゅえんしている。また続編ぞくへんも存在そんざいする。

不都合ふつごうな真実しんじつ
An Inconvenient Truth
監督かんとく	デイビス・グッゲンハイム
脚本きゃくほん	アル・ゴア
製作せいさく	ローリー・デヴィッド ローレンス・ベンダー スコット・Z・バーンズ
製作せいさく総そう指揮しき	ジェフ・スコル デイビス・グッゲンハイム ダイアン・ワイアーマン リッキー・ストラウス ジェフ・アイヴァース
ナレーター	ビリー・ウェスト
出演しゅつえん者しゃ	アル・ゴア
音楽おんがく	マイケル・ブルック
撮影さつえい	デイビス・グッゲンハイム ロバート・リッチマン
編集へんしゅう	ジェイ・キャシディ ダン・スウィエトリク
製作せいさく会社かいしゃ	パーティシパント・プロダクションズ
配給はいきゅう	パラマウント・クラシックス UIP
公開こうかい	2006年ねん5月がつ24日にち 2007年ねん1月がつ20日はつか
上映じょうえい時間じかん	94分ふん
製作せいさく国こく	アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
言語げんご	英語えいご
興行こうぎょう収入しゅうにゅう	$49,756,507
次つぎ作さく	不都合ふつごうな真実しんじつ2 放置ほうちされた地球ちきゅう

第だい79回かいアカデミー賞しょう長編ちょうへんドキュメンタリー映画えいが賞しょう・アカデミー歌曲かきょく賞しょうを受賞じゅしょうし、本ほん作さくで環境かんきょう問題もんだい啓発けいはつに貢献こうけんしたとしてゴアがノーベル平和へいわ賞しょうを授与じゅよされている。

内容ないよう

アル・ゴアが地球ちきゅう温暖おんだん化かを訴うったえるスライド講演こうえんに、彼かれの生おい立たちを辿たどるフィルムを交まじえる構成こうせいのドキュメンタリー映画えいがである。過去かこの気象きしょうデータや温暖おんだん化かにより変化へんかした自然しぜんの光景こうけいを用もちい、環境かんきょう問題もんだいを直視ちょくししない政府せいふの姿勢しせいを批判ひはんしており、自然しぜん環境かんきょうを意識いしきしつつ日常にちじょうを生活せいかつする重要じゅうようさを訴うったえている。

キャスト

• アル・ゴア（日本語にほんご吹替：石いし波は義人ぎじん）

スタッフ

• 監督かんとく：デイビス・グッゲンハイム
• 製作せいさく総そう指揮しき：ジェフ・スコル、デイビス・グッゲンハイム、ダイアン・ワイアーマン、リッキー・ストラウス、ジェフ・アイヴァース
• 製作せいさく：ローリー・デヴィッド、ローレンス・ベンダー、スコット・Z・バーンズ
• 音楽おんがく：マイケル・ブルック
• 配給はいきゅう：パラマウント・クラシックス、UIP

評価ひょうか

アメリカではブッシュ政権せいけんが「地球ちきゅう温暖おんだん化かなど単たんなる学問がくもん上じょうの仮説かせつで、温暖おんだん化か現象げんしょうは現実げんじつに確認かくにんできていない」とする公式こうしき見解けんかいで温暖おんだん化かを否定ひていし、ほとんどのメディア報道ほうどうも追従ついしょうしており、地球ちきゅう環境かんきょうの温暖おんだん化か問題もんだいについて本ほん作さくで初はじめて知しったアメリカ人じんもおり国内こくないで強つよい影響えいきょうを与あたえた、とする評ひょうもある。

他方たほうで、内容ないようが事実じじつ誤認ごにんやデータ誇大こだい化かなどにより「センセーショナリズムが勝まさる」等とうの批判ひはんもある。イギリスでは学校がっこうでの公開こうかいは政治せいじ的てき活動かつどうであると保護ほご者しゃらから提訴ていそされ、英えい高等法院こうとうほういんは「9ヶ所かしょ事実じじつ誤認ごにんしている場所ばしょがある」として「是正ぜせい措置そちを取とるように」と判決はんけつした。しかし、地球ちきゅう温暖おんだん化かの問題もんだい提起ていきは妥当だとうとして、保護ほご者しゃらの「上映じょうえい差さし止とめ」請求せいきゅうは退しりぞけている。アル・ゴア#環境かんきょう問題もんだい項こうで詳述しょうじゅつする。

本ほん作さくは多数たすうの論者ろんしゃらが話題わだいにしている。一いち例れいをあげると、上記じょうき英えい高等法院こうとうほういんは「西南せいなん極きょくとグリーンランド氷ごおり床ゆかの融解ゆうかいにより、近ちかい将来しょうらい海水かいすい準じゅんが最大さいだい20フィート上昇じょうしょうする可能かのう性せいがある」とするゴアの主張しゅちょうを「これは明あきらかに人騒ひとさわがせで、グリーンランド氷ごおり床ゆかの融解ゆうかいでは相当そうとう量りょうの水みずが放出ほうしゅつされるが、それは1000年ねん以上いじょう先さきのことである。」と判断はんだんしている。しかしながら、「前回ぜんかいに当あたる約やく12万まん年ねん前まえの間あいだ氷ごおり期きに、氷こおり床ゆか崩壊ほうかいにより数すう十じゅう年間ねんかんで海面かいめんが3メートル程度ていど上昇じょうしょうした。」とする研究けんきゅう結果けっかが、2009年ねん4月がつ16日にち発売はつばいの英えい科学かがく誌しネイチャーに掲載けいさいされている。

興行こうぎょう収入しゅうにゅう

北きたアメリカでは4館かんで公開こうかいがスタートし、初はつ週末しゅうまつ3日間にちかんで28万まん1330ドルを稼かせいで初はつ登場とうじょう22位いである。翌週よくしゅう末まつは77館かんに拡大かくだいされて135万まん6387ドルを稼かせぎ9位いである。最終さいしゅう的てきに587館かんまで拡大かくだい公開こうかいされて北米ほくべいの累計るいけい興行こうぎょう収入しゅうにゅうは241万まん46161ドルで、北米ほくべいでのドキュメンタリー映画えいが興行こうぎょう収入しゅうにゅうとして『シッコ』（2007年ねん）に次つぎ歴代れきだい6位いである。

日本にっぽんでは、TOHOシネマズ六本木ろっぽんぎヒルズで2007年ねん1月がつ20日はつかの公開こうかい以来いらい1年ねん以上いじょう上映じょうえいされ、上映じょうえい開始かいし映画えいが館かんでの1年ねん以上いじょう長期ちょうき上映じょうえいは『ニューシネマ・パラダイス』を抜ぬき歴代れきだい1位いである。

受賞じゅしょう歴れき

賞しょう	部門ぶもん	候補者こうほしゃ	結果けっか
アカデミー賞しょう	長編ちょうへんドキュメンタリー映画えいが賞しょう	デイビス・グッゲンハイム	受賞じゅしょう
	歌曲かきょく賞しょう	"I Need to Wake Up" メリッサ・エスリッジ（作詞さくし・作曲さっきょく）	受賞じゅしょう
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞しょう	ドキュメンタリー映画えいが賞しょう		受賞じゅしょう
ロサンゼルス映画えいが批評ひひょう家か協会きょうかい賞しょう	ドキュメンタリー映画えいが賞しょう		受賞じゅしょう
ワシントンD.C.映画えいが批評ひひょう家か協会きょうかい賞しょう	ドキュメンタリー映画えいが賞しょう		受賞じゅしょう
クリティクス・チョイス・アワード	ドキュメンタリー映画えいが賞しょう		受賞じゅしょう
	歌曲かきょく賞しょう	"I Need to Wake Up" メリッサ・エスリッジ（作詞さくし・作曲さっきょく）	ノミネート

日本にっぽんでの影響えいきょう

日本にっぽんでは、本ほん作さく公開こうかい時じに、国会こっかい質疑しつぎにおいて、「環境かんきょう大臣だいじんはこの映画えいがを観みているのか？」との質疑しつぎなどがなされた。また、チェイニー副ふく大統領だいとうりょうの来日らいにちに際さいして、安倍晋三あべしんぞう首相しゅしょうが本ほん作さくに掛かけて、「日米にちべいで協力きょうりょくして地球ちきゅう温暖おんだん化か対策たいさくを進すすめよう」と持もちかけたところ、「あの映画えいがはアル・ゴアのプロパガンダだ」と不快ふかい感かんが示しめされた旨むねが、『報道ほうどうステーション』などで報道ほうどうされた。

書籍しょせき版ばん

• 『不都合ふつごうな真実しんじつ』（ランダムハウス講談社こうだんしゃ）ISBN 978-4270001813
• 『私わたしたちの選択せんたく』（ランダムハウス講談社こうだんしゃ）ISBN 9784270005514　－『不都合ふつごうな真実しんじつ』の続編ぞくへん。

関連かんれん項目こうもく

• 地球ちきゅう温暖おんだん化か
• 沈黙ちんもくの春はる

外部がいぶリンク

• 不都合ふつごうな真実しんじつ - allcinema
• 不都合ふつごうな真実しんじつ - KINENOTE
• An Inconvenient Truth - オールムービー（英語えいご）
• An Inconvenient Truth - IMDb（英語えいご）