国家航天局設立以前は、中国航空航天工業部(MOS)が中国の宇宙開発を担っていた。1992年以降改革開放をさらに推し進めた中国政府は、国家の予算に頼らない事業収益による独立採算運営をめざし、1993年6月に国家航天局と中国航天科技集団公司(CASC)を設立した。前者は国家機関として政策を担当、後者は国営企業としてその運用を担当するとされた。両者の目的や運営形態は異なるものの、両者間で指導部や人員に共通部分が多く、実質的には同一組織であった[2]。
1998年に大規模な構造改革が行われ、工業公司は国家が所有する多数の企業に分割された。政府機関が方針を決定し、そのための要求を国家が所有すれども運営しない企業に発注するという、欧米の防衛産業と同様な形態を構築することを意図してのものと思われる。