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中央体 - Wikipedia

中央ちゅうおうたい(ちゅうおうたい、えい: midbody)は、哺乳類ほにゅうるい細胞さいぼう一過いっかてき存在そんざいする構造こうぞうたいであり、細胞さいぼうしつ分裂ぶんれつわりごろ、分裂ぶんれつちゅう細胞さいぼう完全かんぜん分離ぶんりする直前ちょくぜん存在そんざいする。この構造こうぞうたいヴァルター・フレミングによって1891ねんはじめて記載きさいされた[1]

構造こうぞう

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チューブリン染色せんしょくによって可視かしされた中央ちゅうおうたい

中央ちゅうおうたい構造こうぞうには紡錘ぼうすいたい由来ゆらいする微小びしょうかんバンドルがふくまれ、これは細胞さいぼう分裂ぶんれつ最終さいしゅう段階だんかいでコンパクトに集合しゅうごうしたものである。一般いっぱんてきには直径ちょっけいは1 μみゅーm、ながさは3–5 μみゅーmである[2]微小びしょうかん以外いがいにも、細胞さいぼうしつ分裂ぶんれつ非対称ひたいしょう分裂ぶんれつ染色せんしょくたい分離ぶんり英語えいごばん関与かんよするさまざまなタンパク質たんぱくしつふくまれている。

中央ちゅうおうたい細胞さいぼうしつ分裂ぶんれつ最終さいしゅう段階だんかい完了かんりょうする、abscissionとばれる過程かてい重要じゅうようである[3]対称たいしょうてきなabscissionの場合ばあい中央ちゅうおうたいりょうはし切断せつだんこり、中央ちゅうおうたい細胞さいぼうがい環境かんきょう放出ほうしゅつされる。

細胞さいぼうあいだシグナル伝達でんたつにおける役割やくわり

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中央ちゅうおうたい細胞さいぼうしつ分裂ぶんれつにおけるたんなる構造こうぞうてき要素ようその1つであり、ゆういと分裂ぶんれつ完了かんりょうとともに完全かんぜん分解ぶんかいされるとながらくかんがえられてきた。しかしながら現在げんざいでは、中央ちゅうおうたいはabscissionエンドソームようのシグナル伝達でんたつ分子ぶんしへと変換へんかんされ、近隣きんりん細胞さいぼうによってインターナリゼーションされることもあることがられている[4]

このエンドソームはMKLP1英語えいごばんによって特徴とくちょうづけられ、細胞さいぼうへインターナリゼーションされたのち最大さいだい48あいだにわたって維持いじされる場合ばあいがある。この構造こうぞうアクチンによっておおわれており、インターナリゼーションした細胞さいぼうによってゆるやかに分解ぶんかいされる。

関連かんれんするタンパク質たんぱくしつ

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出典しゅってん

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  1. ^ “Walther Flemming: pioneer of mitosis research”. Nature Reviews. Molecular Cell Biology 2 (1): 72–75. (January 2001). doi:10.1038/35048077. PMID 11413469. 
  2. ^ “Isolation and initial characterization of the mammalian midbody”. The Journal of Cell Biology 94 (3): 654–661. (September 1982). doi:10.1083/jcb.94.3.654. PMC 2112229. PMID 7130277. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2112229/. 
  3. ^ “Dissection of the mammalian midbody proteome reveals conserved cytokinesis mechanisms”. Science 305 (5680): 61–66. (July 2004). Bibcode2004Sci...305...61S. doi:10.1126/science.1097931. PMC 3679889. PMID 15166316. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3679889/. 
  4. ^ “The post-abscission midbody is an intracellular signaling organelle that regulates cell proliferation”. Nature Communications 10 (1): 3181. (July 2019). Bibcode2019NatCo..10.3181P. doi:10.1038/s41467-019-10871-0. PMC 6639393. PMID 31320617. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6639393/. 
  5. ^ a b c “TEX14 interacts with CEP55 to block cell abscission”. Molecular and Cellular Biology 30 (9): 2280–2292. (May 2010). doi:10.1128/MCB.01392-09. PMC 2863583. PMID 20176808. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2863583/. 
  6. ^ “The midbody interactome reveals unexpected roles for PP1 phosphatases in cytokinesis”. Nature Communications 10 (1): 4513. (October 2019). Bibcode2019NatCo..10.4513C. doi:10.1038/s41467-019-12507-9. PMC 6778137. PMID 31586073. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6778137/.