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二口女 - Wikipedia

くちおんな

日本にっぽん妖怪ようかい

くちおんな(ふたくちおんな)は、日本にっぽん江戸えど時代じだい奇談きだんしゅう絵本えほんひゃく物語ものがたり』(1841ねん)にある妖怪ようかいひとつで、後頭部こうとうぶにもうひとつのくちつという女性じょせい妖怪ようかい後頭部こうとうぶくちからもの摂取せっしゅするものとされる。

竹原たけはらはるいずみ絵本えほんひゃく物語ものがたり』より「くちおんな

概要がいよう

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下総しもうさこくげん千葉ちばけん)のあるいえ後妻ごさいとついだ。おっとには先妻せんさいとのあいだむすめがいたが、後妻ごさい自分じぶんんだむすめのみをあいし、先妻せんさいにろくな食事しょくじあたえず、とうとう餓死がしさせてしまった。それから49にちおっとたきぎっていたところ、げたおのあやまって、うしろにいたつま後頭部こうとうぶってしまった。やがて傷口きずぐち人間にんげんくちびるのようなかたちになり、頭蓋骨ずがいこつ一部いちぶしてに、にく一部いちぶしたのようになった。この傷口きずぐちはある時刻じこくになるとしきりにいたみだし、ものれるといたみがいた。さらに傷口きずぐちからちいさなおとがした。みみますと「心得違こころえちがいから先妻せんさいころしてしまった、間違まちがいだった」とこえこえたという。

同書どうしょでは、傷口きずぐち人間にんげんかおのようなかたちになりごえはっしたり、もの要求ようきゅうしたりする「人面じんめんかさ」のはなしき、わるおこないをしたもの人面じんめんかさわずらったはなしがあることから、このくちおんなみちはずれたおこないをしたための悪病あくびょうだとべている[1]。このため、同書どうしょはこうした妖怪ようかいつうじて人道じんどういているものとするせつもある[2]

絵本えほんひゃく物語ものがたり』について

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以上いじょうくちおんなはなしは、下総しもうさこくはなしとして『絵本えほんひゃく物語ものがたり』ではかれているが、実際じっさいには同地どうち伝承でんしょうされているはなしではなく、著者ちょしゃである桃山ももやまじんももはな山人さんじん)によってまれたもの(創作そうさく)であると指摘してきされている[3]。また、くちおんな悪病あくびょうわずらっただけの人間にんげんにもかかわらず、竹原たけはらはるいずみひとしによる同書どうしょ挿絵さしえではかみヘビのようになりそれをあやつってもの後頭部こうとうぶくちはこぶなど、本文ほんぶんちゅう一切いっさい描写びょうしゃえがかれており、同書どうしょないでの内容ないよう乖離かいりられる[3]

絵本えほんひゃく物語ものがたり』にかれているくちおんなはなしは『絵本えほんひゃく物語ものがたり本文ほんぶんにあるように、人面じんめんかさなどのような悪行あくぎょう起因きいんする奇病きびょう因果応報いんがおうほうく)をあつかっており、民話みんわの「めしわぬよめ」などは山姥やまうばなど妖怪ようかいけたものである。そのため、双方そうほうことなるものだともかんがえられている[4]

くちおんなにちなんだ作品さくひん

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小説しょうせつ

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 多田おおたへん 1997, pp. 51–52
  2. ^ 多田おおたへん 1997, p. 139.
  3. ^ a b 角川書店かどかわしょてん 2006, p. 189
  4. ^ 村上むらかみ健司けんじ編著へんちょ日本にっぽん妖怪ようかいだい事典じてん角川書店かどかわしょてん〈Kwai books〉、2005ねん7がつ、287-289ぺーじISBN 978-4-04-883926-6 

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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