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二銭銅貨 - Wikipedia

ぜに銅貨どうか

江戸川えどがわ乱歩らんぽによる日本にっぽん小説しょうせつ

ぜに銅貨どうか』(にせんどうか)は、1923ねん大正たいしょう12ねん)に江戸川えどがわ乱歩らんぽ発表はっぴょうした短編たんぺん推理すいり小説しょうせつであり、探偵たんてい小説しょうせつ江戸川えどがわ乱歩らんぽ処女しょじょさくである。

しばにある電機でんき会社かいしゃ工場こうじょう給料きゅうりょうに、新聞しんぶん記者きしゃ変装へんそうした紳士しんし泥坊どろぼうあらわれて、まんまと給料きゅうりょうぶくろごと、職工しょっこうたちの給料きゅうりょう5まんえんぬすんでしまった。刑事けいじ丹念たんねん捜査そうさ泥坊どろぼうつかまったが、肝心かんじん給料きゅうりょうぶくろ行方ゆくえについては一切いっさい白状はくじょうしないまま懲役ちょうえきとなった。こまてた工場こうじょう支配人しはいにんは、5まんえん給料きゅうりょう支払しはらきんに5せんえん懸賞けんしょうきんをかけた。

わたし」とその友人ゆうじん松村まつむらたけし場末ばすえ下駄げたの2かいろくじょう同居どうきょする貧窮ひんきゅう青年せいねんだったが、世間せけんさわがすこの事件じけんつよ興味きょうみっていた。ある松村まつむらつくえうえに「わたし」がいたぜに銅貨どうかめた。そしてこのぜに銅貨どうか秘密ひみつがついた松村まつむらは、これをきっかけに一人ひとり捜査そうさはじめ、ついにぬすまれた5まんえん行方ゆくえをつきとめたとして、「わたし」に得意とくいげにそのなぞかしてみせる。

わたし」が煙草たばこでおりにもらったそのぜに銅貨どうかは、ひょううらふたつにかれる容器ようきになっていて、なかには「南無阿弥陀仏なむあみだぶつ」の文言もんごん列挙れっきょされた不思議ふしぎ暗号あんごうぶんはいっていた。松村まつむらはこの暗号あんごうぶんなぞき、紳士しんし泥坊どろぼう巧妙こうみょう隠匿いんとくした5まんえんつけしたというのだが…

おもな登場とうじょう人物じんぶつ

編集へんしゅう
わたし
場末ばすえ貧弱ひんじゃく下駄げたかいの、ただいちあいだしかないろくじょうにゴロゴロしている無職むしょく青年せいねん
松村まつむらたけし
わたし」の友人ゆうじんで、下駄げた下宿げしゅく同居どうきょじんぜに銅貨どうかかくされた暗号あんごうぶん解読かいどくする。
紳士しんし泥坊どろぼう
新聞しんぶん記者きしゃけ、まんまと工場こうじょう給料きゅうりょうぬすす。ぬすんだまんえん在処ありかかずに刑務所けいむしょりとなる。

作品さくひん解説かいせつ

編集へんしゅう

1922ねん大正たいしょう11ねん)9がつ執筆しっぴつされ、1923ねん大正たいしょう12ねん)に雑誌ざっししん青年せいねん』(博文ひろぶみかんよんがつ増大ぞうだいごう掲載けいさいされた。初出しょしゅつだいは『ぜに銅貨どうか』。江戸川えどがわ乱歩らんぽ処女しょじょさくであり、日本にっぽん最初さいしょ本格ほんかく探偵たんてい小説しょうせつともいわれる作品さくひんである。

内容ないよう乱歩らんぽ傾倒けいとうしたポーの『黄金虫こがねむし』を彷佛とさせる暗号あんごうぶつである。作中さくちゅう松村まつむらのセリフで「ポオのGold Bug」や、アーサー・コナン・ドイルの『Dancing Men』への言及げんきゅうがあり、「Bacon発明はつめいしたtwo Letter暗号あんごうほう」(記号きごう暗号あんごう)など暗号あんごうかんする蘊蓄うんちくいくらかかたられていて、のちに「幻影げんえいじょう」などで内外ないがい推理すいりトリックを紹介しょうかいする、探偵たんてい小説しょうせつマニアとしての乱歩らんぽ片鱗へんりんうかがえる作品さくひんとなっている。乱歩らんぽ大学だいがく時代じだいから暗号あんごう興味きょうみち、暗号あんごう調しらべていたこともあった。ポーに私淑ししゅくしていた乱歩らんぽは、「エドガー・アラン・ポー」をもじった「江戸川えどがわ乱歩らんぽ」をほんさくみずからの筆名ひつめいとした。

 
明治めいじから昭和しょうわ初期しょきにかけて流通りゅうつうしたぜに銅貨どうか

ほんさく暗号あんごう換字かんじほう(Substitution Cipher)の一種いっしゅコード(Code)と換字かんじほうあわせたもの)に、さらにぶんおけしき暗号あんごうまれている。

乱歩らんぽ小説しょうせつ知人ちじん姓名せいめい使つかうことがおおく、ほんさくの「松村まつむらたけし」は、鳥羽とば造船ぞうせんしょ勤務きんむ時代じだいからの友人ゆうじん松村まつむら家武えたけ」の拝借はいしゃくしている。この松村まつむらどう時期じき執筆しっぴつされた『いちまい切符きっぷ』にも登場とうじょうする。松村まつむら奮発ふんぱつして按摩あんま場面ばめんがあるが、乱歩らんぽ自身じしん按摩あんまきで、当時とうじ小遣こづかいを工面くめんして3にちに1かい按摩あんまんでいた。作中さくちゅう点字てんじ暗号あんごうも、この按摩あんまから点字てんじおしえてもらったことから着想ちゃくそうた。

文中ぶんちゅう点字てんじは、戦後せんごになってあやまりの指摘してきけた(拗音ようおん表記ひょうきほう誤解ごかいしたもので、たとえば「チョ」は「拗音ようおん+ト」とあるべきところを、「チ+拗音ようおん+ヨ」とあやまっていた)。そのため、乱歩らんぽ1961ねん昭和しょうわ36ねん)に桃源とうげんしゃから全集ぜんしゅうさいにこれを訂正ていせいしている。ただし、この乱歩らんぽによる訂正ていせい周知しゅうちされず、その発行はっこうされた講談社こうだんしゃはんだい1全集ぜんしゅうだい1かん所収しょしゅう、1969ねん)・どうだい2全集ぜんしゅうだい1かん所収しょしゅう、1978ねん)や角川かどかわ文庫ぶんこはん(『一寸法師いっすんぼうし所収しょしゅう、1973ねん)などは初出しょしゅつの『しん青年せいねん』を底本ていほんとしたため、かえってあやまりがのこってしまう結果けっかになった。また、春陽しゅんよう文庫ぶんこばん(『心理しんり試験しけん所収しょしゅう、1959ねん)や新潮しんちょう文庫ぶんこはん(『江戸川えどがわ乱歩らんぽ傑作けっさくせん所収しょしゅう、1960ねん)などの文庫本ぶんこぼんでも増刷ぞうさつ修正しゅうせいがなされなかったため、1982ねん昭和しょうわ57ねん)に読者どくしゃがあらためてあやまりを指摘してきするまでの20ねんあまりのあいだ初出しょしゅつあやまりが踏襲とうしゅうされつづけてきた[1]。それ以後いごあらたにはんぐみがされた文庫ぶんこばんなどは桃源とうげんしゃばんによるなどとし訂正ていせいばん暗号あんごうによるのをつねとしているが、岩波いわなみ文庫ぶんこはんのみ初出しょしゅつの『しん青年せいねんばんによっているため間違まちがった暗号あんごう掲載けいさいされている。三上みかみのべ小説しょうせつビブリア古書こしょどう事件じけん手帖てちょう4』はこの暗号あんごうあやまりをテーマにしている。

当時とうじ宇野うの浩二こうじ小説しょうせつ愛読あいどくしていた乱歩らんぽは、文章ぶんしょうについては「『なに々したところの』といった浩二こうじしき文章ぶんしょう影響えいきょう多分たぶんけている」とかたっている。

乱歩らんぽほんさくについて、「最初さいしょ点字てんじ南無阿弥陀仏なむあみだぶつわせて暗号あんごうかんがえ、それにぜに銅貨どうかというかく場所ばしょや、偽札にせさつけんなんかを付加つけくわえたので、暗号あんごう全体ぜんたい中心ちゅうしんになっていて、そのそとたいして創意そういはないわけです」と解説かいせつしている。原稿げんこうりょういちまいにつき、いちえん当時とうじ)だった。「『しん青年せいねん』という雑誌ざっしいまよりはけちだったし、こんほどれてもいなかったし、無名むめい作家さっか原稿げんこうなんだからいちえんあたまえでしょう。いまかんがえると馬鹿ばかれんがするが、当時とうじは、元価げんかいちまいさんりんりん原稿げんこういちえんれる、ボロイ商売しょうばいだとがたおもったことである」と述懐じゅっかいしている[2]原稿げんこうりょう全部ぜんぶで50えんだったが、当時とうじ水準すいじゅんでもこれはかなりやすく、生活せいかつささえるほどの金額きんがくではなかった。

文中ぶんちゅうで「ゴジヤウダン(冗談じょうだん)」と解読かいどくされる暗号あんごうがあるが、きゅう仮名遣かなづかいをあらためた戦後せんご出版しゅっぱんでも、この仮名遣かなづかいだけは意味いみとおらなくなるのであらためていない。乱歩らんぽはこれを「はちずつばしてむと『ご常談じょうだん』となるところはどうもぎごちない。あれはなかったほうがよいとおもう」と戦後せんごになってべている[3]

発表はっぴょうまでの経緯けいい

編集へんしゅう

乱歩らんぽ大正たいしょう9ねん東京とうきょう本郷ほんごうおとうと友人ゆうじん古本屋ふるほんやさんにん書房しょぼう」をひらき、「さとしてき小説しょうせつ刊行かんこうかい」をおこしていた。乱歩らんぽはこの古本屋ふるほんやの2かいで、友人ゆうじんいちにちちゅう探偵たんてい小説しょうせつ談議だんぎれていた。この友人ゆうじん[4]はなかせていた探偵たんてい小説しょうせつのアイディアが、ほんさく筋立すじだてとなったのである。

乱歩らんぽ大正たいしょう11ねん7がつ化粧けしょうひん製造せいぞうぎょう支配人しはいにんめて失業しつぎょうし、東京とうきょういえはらって、つま赤子あかごとともに大阪おおさか父親ちちおやいえころがりんでいた。貧窮ひんきゅうなか乱歩らんぽたのしみは、『しん青年せいねん』をんで探偵たんてい小説しょうせつ世界せかいひたることだった。『しん青年せいねん』はポーやフリーマン海外かいがい翻訳ほんやくや、馬場ばば孤蝶こちょう小酒井不木こざかいふぼくしのりゅういとぐちなどの探偵たんてい随筆ずいひつ掲載けいさいしていて、失業しつぎょうちゅうだった乱歩らんぽとぼしい小遣こづかいからこれをってみ、むねおどらせていた。のちにつぎのように回想かいそうしている。

「『しん青年せいねん』はさんかい増刊ぞうかんし、わたしとぼしい小遣こづかいをいてこれをったのだが、さきさつ増刊ぞうかんとそれとをまえくらべてながめながら、わたしはいよいよ探偵たんてい小説しょうせつくべきときたとおもった。失業しつぎょうちゅうのことだから時間じかん充分じゅうぶんにある。もし、その原稿げんこうれれば、煙草たばこだいにも不自由ふじゆうしているさい、こんな有難ありがたいことはない。多年たねんつちかってきた探偵たんてい小説しょうせつへの情熱じょうねつすのはいまだ、とおもった」

失業しつぎょうちゅう乱歩らんぽは「2、3かげつあいだ本当ほんとうなにもしないでブラブラしていた」といい、あまりの所在しょざいのなさに「じゅうまんえんしいなあ、たったまんえんでもいい、そうすればいちまんえんいえてて云々うんぬんというような、むしのいい妄想もうそうえが片手間かたてまに、ちいさなおぜんだかつくえだかのまえすわって、ちいさくなってげたのが『ぜに銅貨どうか』と『いちまい切符きっぷ』です」とこのときの様子ようすかたっている。乱歩らんぽ東京とうきょう団子だんござか時代じだい大筋おおすじだけかんがえていた『ぜに銅貨どうか』と『いちまい切符きっぷ』のへん推理すいり小説しょうせつを、2、3にち下書したがきし、大正たいしょう11ねん9がつまつから10がつにかけてくわえて、あらためて原稿げんこう用紙ようしうつした。かぞどし29さいときだった。作中さくちゅうの「わたし」の貧窮ひんきゅう描写びょうしゃ、「あの泥棒どろぼううらやましい」といったセリフには、乱歩らんぽ自身じしん当時とうじ実態じったい反映はんえいしているとわれる。

乱歩らんぽはこのふたつの原稿げんこうを「当時とうじ、そのほう親玉おやだまようおもった」という馬場ばば孤蝶こちょうおくったが、半月はんつきほどたっても返事へんじがないため、憤懣ふんまんやるかたない乱歩らんぽは、質問しつもん箇条書かじょうがきにした返信へんしんよう葉書はがき同封どうふうした「失礼しつれいせんまんな」封書ふうしょ再送さいそうした。しばらくすると馬場ばばから丁重ていちょう返事へんじた。「樋口ひぐち一葉かずはなん回忌かいきとかでながらく旅行りょこうちゅうだった」との内容ないようだった。乱歩らんぽは「邪推じゃすいをしぎてだいしくじりだ。なんともおびの仕様しようがない」とこのときの心境しんきょう大正たいしょう15ねんに「探偵たんてい趣味しゅみ」でべている。乱歩らんぽ後日ごじつ大阪おおさかから上京じょうきょうしたさい馬場ばばたず無礼ぶれいびたが、馬場ばばかいしていない様子ようすで、乱歩らんぽ安心あんしんしたという。

なにはともあれ原稿げんこう返送へんそうしてもらったが、再度さいど馬場ばばてくれともえず、「探偵たんてい小説しょうせつほん舞台ぶたい」とみとめる『しん青年せいねん』の森下もりした雨村うそん返送へんそうりょうきでこの原稿げんこうおくった。「すぐにおくかえしてくるだろう、ざまあみろとおもっていた」という。返事へんじはなかなかず、「目下めした原稿げんこう山積さんせききゅうにはめない、『しん青年せいねん』は翻訳ほんやくぶつおもとしているから日本人にっぽんじんいた駄作ださくなんてせられない」というような葉書はがきた。しゃくさわった乱歩らんぽは「ひまがないならただちにおくかえしてくれ、『しん青年せいねん』が翻訳ほんやくぶつせんもんくらいのことはひゃく承知しょうちだ、もしさいわいにして外国がいこく作品さくひんあいだぜることができたらとおもっておくったのだ、投書とうしょ一緒いっしょにされておたまりこぼしがあるものか」と森下もりしたあて返事へんじいた。

乱歩らんぽのこの一文いちぶんにあてられた森下もりした原稿げんこう一読いちどく、その内容ないよう斬新ざんしんさにおどろいた森下もりした返書へんしょほんさくつぎのように絶賛ぜっさんし、「しん青年せいねん掲載けいさいむね返答へんとうした。

ぜに銅貨どうか』を拝見はいけんし、すっかり感心かんしんさせられました。『いちまい切符きっぷ』も同様どうよう一気いっき拝見はいけんし、大変たいへんいい作品さくひんだとおもいました。正直しょうじきなところ、『しん青年せいねん』へせた外国がいこくぶつさんさくなどよりはるかにいいものだとぞんじます。これだけのさくならば、無論むろんわたしほう掲載けいさいしても差支さしつかえありません」

これには乱歩らんぽも「入学にゅうがく試験しけん一番いちばん合格ごうかくしたほどのよろこびをかんじ」、「流石さすが森下もりした雨村うそんがあると、森下もりしたさん、ぐっときになった」とだいよろこびしたという。さらに森下もりした探偵たんてい作家さっか小酒井不木こざかいふぼくにもほんさくせたところ、小酒井こさかいもこれを激賞げきしょう。こうしてほんさく大正たいしょう12ねん4がつ、『しん青年せいねん』4がつ増刊ぞうかんごう掲載けいさいされ、探偵たんてい作家さっか江戸川えどがわ乱歩らんぽデビューとなったのである。

評価ひょうか

編集へんしゅう

しん青年せいねん』にほんさく掲載けいさいされると、小酒井不木こざかいふぼくほんさくに、つぎのような賛辞さんじえた。

日本にっぽんにも外国がいこく作品さくひんおとらぬ探偵たんてい小説しょうせつなくてはならぬ。わたしたちはつねにこうっていたのである。が、俄然がぜん、そうした立派りっぱ作品さくひんあらわれた。しん外国がいこく作品さくひんにもおとらない、いや、ある意味いみにおいては外国がいこく作品さくひんよりもすぐれた長所ちょうしょった純然じゅんぜんたる創作そうさくうまれたのである。江戸川えどがわ乱歩らんぽ作品さくひんがそれである」

また松本まつもと清張せいちょうはこの小説しょうせつについて、つぎのようにべている。

発表はっぴょうされたかれ処女しょじょさくともいうべき『ぜに銅貨どうか』は、『あの泥棒どろぼううらやましい。二人ふたりのあいだにこんな言葉ことばがかわされるほど、そのころは窮迫きゅうはくしていた』というしにはじまる。わたしはじめて『ぜに銅貨どうか』をんだとき、このしの素晴すばらしさにかれたものだった。このいちぎょう文章ぶんしょうなかに、これからおこ事件じけん読者どくしゃ予想よそうさせ、しかも、はしてき現在げんざい状況じょうきょう説明せつめいしている。小説しょうせつ冒頭ぼうとうたくみさは、このようなものでなければならない。よく引例いんれいされる志賀しが直哉なおや短篇たんぺん冒頭ぼうとうにも匹敵ひってきするであろう」

収録しゅうろく作品さくひん

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新潮しんちょう文庫ぶんこ 江戸川えどがわ乱歩らんぽ傑作けっさくせん ISBN 4-10-114901-1
ちくま文庫ぶんこ 江戸川えどがわ乱歩らんぽぜん短篇たんぺん 1』 ISBN 4-480-03411-0
つくもと推理すいり文庫ぶんこ 日本にっぽん探偵たんてい小説しょうせつ全集ぜんしゅう 2 江戸川えどがわ乱歩らんぽしゅう ISBN 4-488-40002-7
春陽しゅんよう文庫ぶんこ 心理しんり試験しけん ろくへん ISBN 4-394-30110-6
光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこ 江戸川えどがわ乱歩らんぽ全集ぜんしゅう だい1かん 屋根裏やねうら散歩さんぽしゃ ISBN 4-334-73716-1
岩波いわなみ文庫ぶんこ 江戸川えどがわ乱歩らんぽ短篇たんぺんしゅう ISBN 978-4-003-11811-5

ほか多数たすう

改作かいさくばん

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ぜに銅貨どうか
ポプラ社ぽぷらしゃ発行はっこうした少年しょうねんけシリーズの『少年しょうねん探偵たんてい江戸川えどがわ乱歩らんぽシリーズ37 暗黒あんこくぼし』に収録しゅうろく子供こどもけに翻案ほんあんされ、原作げんさくちゅう一人物いちじんぶつがここでは「無名むめい時代じだい明智あけち小五郎こごろう」になっている。氷川ひかわ乱歩らんぽ原典げんてん代作だいさくしたもの。

同名どうめい作品さくひん

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  • ぜに銅貨どうか』 - 黒島くろしま伝治でんじによる同名どうめい小説しょうせつ初出しょしゅつ題名だいめいは『銅貨どうかぜに』だった。ほんさくとの関連かんれんはない。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 江戸川えどがわ乱歩らんぽ処女しょじょさくぜに銅貨どうか」にミス”. 読売新聞よみうりしんぶん夕刊ゆうかん: p. 5. (1982ねん2がつ20日はつか) 
  2. ^ 『あのつくこのさく楽屋がくやばなし)』(昭和しょうわ4ねん7がつ)。
  3. ^ 芋虫いもむし』(岩谷いわたに書店しょてん昭和しょうわ25ねん)「あとがき」。本文ほんぶんは「冗談じょうだん」だが、この「あとがき」など、乱歩らんぽはこれを「ご常談じょうだん」といている。
  4. ^ 阿武野あぶのまる」(あぶのまる)の筆名ひつめいで、昭和しょうわ初期しょきから時代じだいげき探偵たんてい小説しょうせついている。

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 日本にっぽん推理すいり小説しょうせつ大系たいけいだい2かん 江戸川えどがわ乱歩らんぽしゅう』(東都とうと書房しょぼう松本まつもと清張せいちょうによる解説かいせつ
  • 江戸川えどがわ乱歩らんぽ傑作けっさくせん』(新潮しんちょう文庫ぶんこあら正人まさとによる解説かいせつ
  • 江戸川えどがわ乱歩らんぽ全集ぜんしゅうだい1かん 屋根裏やねうら散歩さんぽしゃ』(光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこ乱歩らんぽ自作じさく解説かいせつ
  • 江戸川えどがわ乱歩らんぽ推理すいり文庫ぶんこ(1) ぜに銅貨どうか』(講談社こうだんしゃ中島なかじま河太郎かわたろうによる解説かいせつ

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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