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氷川瓏 - Wikipedia

(ひかわ ろう、1913ねん7がつ16にち[1] - 1989ねん12月26にち)は、日本にっぽん作家さっか探偵たんてい小説しょうせつ東京とうきょう出身しゅっしん[1]

氷川ひかわひかわ ろう
ペンネーム 氷川ひかわひかわ ろう
誕生たんじょう 渡辺わたなべ 祐一ゆういちわたなべ ゆういち
1913ねん7がつ16にち
東京とうきょう
死没しぼつ (1989-12-26) 1989ねん12月26にち(76さいぼつ
職業しょくぎょう 小説しょうせつ翻訳ほんやく
国籍こくせき 日本の旗 日本にっぽん
最終さいしゅう学歴がくれき 東京とうきょう商科しょうか大学だいがく
ジャンル ミステリー
幻想げんそう文学ぶんがく
おも受賞じゅしょうれき だい7かい日本にっぽん探偵たんてい作家さっかクラブしょう奨励しょうれいしょう(「睡蓮すいれん婦人ふじん」)
デビューさく乳母車うばぐるま
親族しんぞく 渡辺わたなべけんおとうと
ひかわ玲子れいこめい
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経歴けいれき人物じんぶつ

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本名ほんみょう渡辺わたなべ 祐一ゆういち[1]おなじく探偵たんてい作家さっか渡辺わたなべけん本名ほんみょう渡辺わたなべ健治けんじ)は実弟じっていである。また、ファンタジー作家さっかひかわ玲子れいこめい末弟ばっていむすめ)にあたる。東京とうきょう商科しょうか大学だいがく現在げんざい一橋大学ひとつばしだいがく前身ぜんしん卒業そつぎょう

だい世界せかい大戦たいせん創刊そうかんされてあいだもなかった雑誌ざっし宝石ほうせき1946ねん昭和しょうわ21ねん)5がつごうに、「乳母車うばぐるま」を発表はっぴょうしデビューした[2]以後いご断続だんぞくてき幻想げんそう怪奇かいきけいぞくする探偵たんてい小説しょうせつ作品さくひんいた。作品さくひんおおくは短編たんぺんである[1]

一方いっぽうでもともと純文学じゅんぶんがく指向しこうのあったかれ木々きぎ高太郎たかたろう編集へんしゅうにあたっていた『三田みた文学ぶんがく』に本名ほんみょうで「天平てんぴょう商人しょうにんひきおに」、「洞窟どうくつ」のへん発表はっぴょう後者こうしゃ1952ねん上半期かみはんきだい27かい直木賞なおきしょう候補こうほとなっている[3]。また1953ねん久々ひさびさ発表はっぴょうした幻想げんそう小説しょうせつ睡蓮すいれん婦人ふじん」がよく1954ねんだい7かい日本にっぽん探偵たんてい作家さっかクラブしょう候補こうほとなり、このかいには受賞じゅしょうさくなかったものの候補こうほとなったさんさくほんさく鷲尾わしお三郎さぶろう雪崩なだれ」、おかよしたけ二郎じろうなまりしょうはこ」)には奨励しょうれいしょうあたえられている[3]

その、1950年代ねんだい昭和しょうわ30年代ねんだい)には一旦いったんオリジナルの小説しょうせつからはなれ、ポプラ社ぽぷらしゃ少年しょうねん探偵たんていだんシリーズなど江戸川えどがわ乱歩らんぽ作品さくひん子供こどもけリライトや、「美人びじん」(黒岩涙香くろいわるいこうさく)など乱歩らんぽ名義めいぎ翻案ほんあんがけた。また、野口のぐち英世ひでよ伝記でんき帰国きこく」をいている。

江戸川えどがわ乱歩らんぽしょう予選よせん委員いいんながつとめるなど、ミステリかいとのつながりはたもっていたものの、やがて創作そうさく分野ぶんやでは純文学じゅんぶんがく方向ほうこうおおきくシフトし、1961ねんからは同人どうじん文学ぶんがく造形ぞうけい』を主宰しゅさい1963ねんには木々きぎ高太郎たかたろう主宰しゅさいした『評論ひょうろん小説しょうせつ』にも参加さんかしている[3]。しかし1975ねん昭和しょうわ50ねん)になって探偵たんてい小説しょうせつ専門せんもん幻影げんえいじょう』が創刊そうかんされると、「陽炎かげろういえおよび「華胥かしょしま」を執筆しっぴつ、ミステリ作家さっかとしていまふでおとろえがないことをしめした。

1989ねん平成へいせい元年がんねん)、心不全しんふぜんにより死去しきょ

作風さくふう

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鮎川あいかわ哲也てつやかれ作風さくふうについて、1976ねん2がつ刊行かんこうしたアンソロジーのなかつぎのように言及げんきゅうしている。

どぎつい描写びょうしゃけ、すべてにひかだから迫力はくりょくかんあるいは恐怖きょうふかんとは無縁むえんだが、それだけにのり(のり)をえることのない上品じょうひん作品さくひんばかりである。 — 鮎川あいかわ哲也てつや、『怪奇かいき探偵たんてい小説しょうせつしゅう収録しゅうろくさく乳母車うばぐるまとびらの「紹介しょうかいぶん

オリジナル作品さくひん

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氷川ひかわ名義めいぎ

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  • 乳母車うばぐるま (『宝石ほうせき』1946ねん(昭和しょうわ21ねん)5がつごう)
  • はる妖記 (『宝石ほうせき』1947ねん(昭和しょうわ22ねん)10がつごう)
  • しろちょう (『くろねこ』1947ねん(昭和しょうわ22ねん)12がつごう)
  • しろ外套がいとうおんな (『宝石ほうせき』1948ねん(昭和しょうわ23ねん)11+12月ごう)
  • 悪魔あくま顫音せんおん(トリル) (『宝石ほうせき』1949ねん(昭和しょうわ24ねん)7がつごう)
  • 天使てんし犯罪はんざい (『宝石ほうせき』1949ねん(昭和しょうわ24ねん)9がつ増刊ぞうかんごう)
  • 風原かざはら博士はかせかい実験じっけん (『宝石ほうせき』1950ねん(昭和しょうわ25ねん)7がつごう)
  • 浴室よくしつ (『宝石ほうせき』1950ねん(昭和しょうわ25ねん)12がつごう)
  • まど (『宝石ほうせき』1951ねん(昭和しょうわ26ねん)9がつごう)
  • サーカスの殺人さつじん (『宝石ほうせき』1951ねん(昭和しょうわ26ねん)11がつごう) - NHKラジオ番組ばんぐみ犯人はんにんだれだ」放送ほうそうよう台本だいほん
  • 睡蓮すいれん婦人ふじん (『宝石ほうせき』1953ねん(昭和しょうわ28ねん)7がつごう)
  • 風蝕ふうしょく (『あいせきかい』1972ねん(昭和しょうわ47ねん)4がつごう - 1973ねん(昭和しょうわ48ねん)3がつごう)
  • 陽炎かげろういえ (『幻影げんえいじょう』1975ねん(昭和しょうわ50ねん)5がつごう)
  • 華胥かしょしま (『幻影げんえいじょう』1975ねん(昭和しょうわ50ねん)10がつごう)
  • 路地ろじおく (『幻影げんえいじょう』1976ねん(昭和しょうわ51ねん)1がつごう)

渡辺わたなべ祐一ゆういち 名義めいぎ

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  • 天平てんぴょう商人しょうにんひきおに (『三田みた文学ぶんがく』1951ねん(昭和しょうわ26ねん)9がつごう)
  • 洞窟どうくつ (『三田みた文学ぶんがく』1952ねん(昭和しょうわ27ねん)1がつごう)

翻案ほんあん翻訳ほんやく

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関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c d 鮎川あいかわ哲也てつや怪奇かいき探偵たんてい小説しょうせつしゅう』1(双葉ふたばポケット文庫ぶんこ、1983ねん)p.234、「乳母車うばぐるま著者ちょしゃ紹介しょうかい
  2. ^ この掲載けいさい江戸川えどがわ乱歩らんぽ推薦すいせんによるもの。元々もともとおとうと渡辺わたなべけん編集へんしゅうした自筆じひつ同人どうじん黄金虫こがねむし(こがねむし)』に掲載けいさいされた作品さくひんであった。
  3. ^ a b c 怪奇かいき探偵たんてい小説しょうせつ名作めいさくせん9 氷川ひかわ瓏集 睡蓮すいれん婦人ふじん日下くさか三蔵さんぞうへんちくま文庫ぶんこ・2003ねん 巻末かんまつ解説かいせつ」より