全ぜん輪わ駆動くどう

全ぜん輪わ駆動くどう車しゃ（ぜんりんくどうしゃ、英えい: All-wheel drive vehicle; AWD vehicle）または総そう輪わ駆動くどう車しゃ（そうりんくどうしゃ）は、（常時じょうじまたはオンデマンド式しきで）全すべての車輪しゃりんへ動力どうりょくを提供ていきょうすることができる動力どうりょく列れつ（パワートレイン）を持もつ車両しゃりょうである。

ジープ・ラングラーは、4×4の四よん輪りん駆動くどう車くるまで、ローレンジギアボックスを搭載とうさいし、ドライバーがローレンジとハイレンジのギアを選択せんたくできるようになっている。

ヘイズ・WHDX 70-170 6×6トラクター

HETS（米べい軍ぐん重量じゅうりょう機材きざい輸送ゆそうシステム）の8×8トラクター部ぶ

最もっとも一般いっぱん的てきな全ぜん輪わ駆動くどうの形式けいしきは、

4×4（四よん輪りん駆動くどう、4WD）

両りょう端はしに車輪しゃりんが付ついた2つの車軸しゃじくにそれぞれ動力どうりょくを供給きょうきゅうすることができる

6×6（六ろく輪りん駆動くどう、6WD）

両りょう端はしに車輪しゃりんが付ついた3つの車軸しゃじくにそれぞれ動力どうりょくを供給きょうきゅうすることができる

8×8（八はち輪りん駆動くどう、8WD）

両りょう端はしに車輪しゃりんが付ついた4つの車軸しゃじくにそれぞれ動力どうりょくを供給きょうきゅうすることができる

である。

車くるまはパートタイム全ぜん輪わ駆動くどうか常時じょうじ（フルタイム）全ぜん輪わ駆動くどうのいずれかとなる。

オンデマンド（パートタイム）

一方いっぽうの車軸しゃじくは恒久こうきゅう的てきに駆動くどう部ぶに連結れんけつされており、もう一方いっぽうは必要ひつように応おうじて連結れんけつされる。

常時じょうじ（フルタイム）

全すべての車軸しゃじくが恒久こうきゅう的てきに連結れんけつされている（差さ動どう装置そうちの有無うむにかかわらず）。

独立どくりつ

車輪しゃりんは駆動くどうされるが、セントラル機械きかい式しき出力しゅつりょくカップリングに依存いぞんしていない。

用語ようごの使用しよう

特とくに北米ほくべいでは、数すう十じゅう年ねん前まえから「AWD」という呼称こしょうが使つかわれており、「4X4」や「4WD」とは区別くべつして、常時じょうじ駆動くどう、前後ぜんごのドライブシャフト間あいだの差さ動どう装置そうち（デファレンシャル）、アクティブなトルク伝達でんたつの管理かんりなどを行おこなう駆動くどうシステムを搭載とうさいした車くるまを指さすようになり、特とくにABSの登場とうじょう後ごはその傾向けいこうが強つよくなっている。しかし、「AWD」や「全ぜん輪わ駆動くどう（all-wheel drive）」という呼称こしょうは、この傾向けいこうよりもずっと前まえから存在そんざいしており、アソシエイテッド・イクイップメント・カンパニー（AEC）は1929年ねんに、アメリカの先駆せんく者しゃであるフォー・ホイール・ドライブ・オート・カンパニーの英国えいこく子会社こがいしゃと共同きょうどうでAWDトラックを製造せいぞうしていた。さらに、ゼネラルモーターズは1930年代ねんだい後半こうはんに早はやくも「全ぜん輪わ駆動くどう」としてのラインを製造せいぞうし始はじめた。なお、北米ほくべい以外いがいではこのような用語ようごの使つかい分わけは一般いっぱん的てきではない。

日本にっぽんの自動車じどうしゃメーカーではSUBARUが自社じしゃの四よん輪りん駆動くどうシステムを「AWD」と、いすゞ自動車ずじどうしゃは4×4駆動くどうを含ふくめて「総そう輪わ駆動くどう」と呼よんでいる（他社たしゃでの呼称こしょうは「4WD」）。

関連かんれん項目こうもく

• 全ぜん地形ちけい対応たいおう車しゃ
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