内陸ないりく湖みずうみ

内陸ないりく湖みずうみ（ないりくこ、英えい: Endorheic lake、Terminal Lake、Sink Lake）は、湖沼こしょうの形態けいたいの一ひとつ。降雨こううなどで湖沼こしょうへ流入りゅうにゅうする自然しぜん河川かせんはあっても、湖沼こしょうから流出りゅうしゅつする自然しぜん河川かせんがない「無口むくち湖こ（むこうこ）」^[1]のことで、乾燥かんそう地域ちいきの低地ていちや盆地ぼんち、凹地、火山かざんの火口かこうや河かわ道どう閉塞へいそくなどで生しょうじることがある。内陸ないりく湖みずうみへの流域りゅういきは内陸ないりく流域りゅういきを形成けいせいする。このような湖沼こしょうからは水みずはもっぱら湖面こめんから蒸発じょうはつしていく。利水りすいのために人為じんい的てきに引水ひきのみずが行おこなわれることがある。人為じんい的てきには過度かどの利水りすいや、埋うめ立たて、自然しぜんには乾燥かんそうや降雨こうう減少げんしょうなどの環境かんきょうの変化へんかで縮小しゅくしょう・消滅しょうめつすることがある。

概説がいせつ編集へんしゅう

日本にっぽんにおいて湖みずうみと海うみとの違ちがいは汽水湖みずうみなどを除のぞき比較的ひかくてき明瞭めいりょうだが、世界せかいには生活せいかつ圏けんを遥はるかに凌しのぐほど広大こうだいで「海うみ」を名なに持もつ内陸ないりく湖みずうみがあるほどに定義ていぎは明確めいかくでない。しかし内陸ないりく湖みずうみには国際こくさい海洋かいよう法ほうが適用てきようされていない。内陸ないりく湖みずうみであるカスピ海かすぴかいは、その水面すいめんをめぐって沿岸えんがんの5か国こくが主権しゅけんを争あらそっていたが、2018年ねんの会議かいぎで「海うみ」と主張しゅちょうするロシア、アゼルバイジャン、トルクメニスタン、カザフスタンに、「湖みずうみ」と主張しゅちょうするイランが大おおきく譲歩じょうほして5か国こく間あいだで領海りょうかい協定きょうていが締結ていけつされた。カスピ海かすぴかいは「領海りょうかい」として分割ぶんかつされることになり、20年ねんにもわたった国際こくさい紛争ふんそうが事実じじつ上じょう決着けっちゃくした^[2]。