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前頭葉 - Wikipedia

前頭葉ぜんとうよう

大脳だいのうひと

前頭葉ぜんとうよう(ぜんとうよう、えい: Frontal lobe)は、大脳皮質だいのうひしつ中心ちゅうしんみぞよりまえ部分ぶぶん[1]

あかしめ部分ぶぶんひだり半球はんきゅう前頭葉ぜんとうようみぎ半球はんきゅう透明とうめいにしてある。
のう: 前頭葉ぜんとうよう
主要しゅようのうみぞ側面そくめんから前頭葉ぜんとうよう左側ひだりがわあおしめされている。
ひだり大脳だいのう半球はんきゅう外側そとがわめん。オレンジしょくところ前頭葉ぜんとうよう中心ちゅうしんみぞよりまえ外側そとがわみぞよりうえ、の領域りょういきとして前頭葉ぜんとうよう定義ていぎされる。
名称めいしょう
日本語にほんご 前頭葉ぜんとうよう
英語えいご Frontal lobe
ラテン語らてんご lobus frontalis
略号りゃくごう FL
関連かんれん構造こうぞう
上位じょうい構造こうぞう 大脳だいのう
構成こうせい要素ようそ 上前うわまえあたまかいちゅう前頭まえがしらかいしも前頭まえがしらかい中心ちゅうしん前回ぜんかい前頭まえがしらきょくちょくかい眼窩がんかかい、(前部ぜんぶ帯状おびじょうかい)、いち運動うんどう前頭まえがしら前野まえの
動脈どうみゃく ぜん大脳だいのう動脈どうみゃく
ちゅう大脳だいのう動脈どうみゃく
画像がぞう
アナトモグラフィー さん次元じげんCG
Digital Anatomist 内側うちがわ
上方かみがた
のう
大脳だいのうパーツ
関連かんれん情報じょうほう
Brede Database 階層かいそう関係かんけい座標ざひょう情報じょうほう
NeuroNames 関連かんれん情報じょうほう一覧いちらん
NIF 総合そうごう検索けんさく
MeSH Frontal+Lobe
グレイ解剖かいぼうがく 書籍しょせきちゅう説明せつめい英語えいご
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概要がいよう

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前頭葉ぜんとうよう両側りょうがわ大脳だいのう半球はんきゅう前部ぜんぶ存在そんざいし、頭頂とうちょう前側まえがわがわあたま上前うわまえかた位置いちする。ヒトの場合ばあい大脳皮質だいのうひしつ全体ぜんたいの3ぶんの1をめる[1]

前頭葉ぜんとうようなかにはいち運動うんどう(4)、運動うんどう前野まえの(6)、前頭まえがしら前野まえの(9、10、11)、眼窩がんか(がんかや。12、13、14)などの部位ぶいがある[1]

前頭葉ぜんとうよう機能きのう

前頭葉ぜんとうよう部位ぶいごとに機能きのうことなっており、いち運動うんどう運動うんどう前野まえの随意ずいい運動うんどう関与かんよしており[1]前頭まえがしら前野まえののほうは注意ちゅうい思考しこう意欲いよく情操じょうそうの「」(機能きのうをになう部位ぶい)となっている[1]。(ポジトロンCTen:PET-CT)をもちいたのう研究けんきゅうのおかげで、前頭葉ぜんとうようはその部位ぶいによってことなる機能きのうたしていることがかってきた[1]。)

前頭葉ぜんとうよう実行じっこう機能きのう (えい: executive function) とばれる能力のうりょくは、現在げんざい行動こうどうによってしょうじる未来みらいにおける結果けっか認知にんちや、より行動こうどう選択せんたく許容きょようされがた社会しゃかいてき応答おうとう無効むこう抑圧よくあつ物事ものごと類似るいじてん相違そういてん判断はんだんかんする能力のうりょく関係かんけいしている。

前頭葉ぜんとうようは、課題かだいもとづかない長期ちょうき記憶きおく保持ほじにおける重要じゅうよう役割やくわりになっている。それらはしばしば大脳だいのうえんけいからの入力にゅうりょく由来ゆらいする情動じょうどう関連付かんれんづけられた記憶きおくである。前頭葉ぜんとうよう社会しゃかいてきこのましい規範きはん適合てきごうするようにこのような情動じょうどう調整ちょうせいする。

前頭葉ぜんとうよう機能きのう計測けいそくする心理しんりがくてきテストとして、ゆびはた課題かだい (Finger tapping) や、ウィスコンシンカード分類ぶんるい課題かだい言語げんご図形ずけい処理しょり流暢りゅうちょうせい計測けいそくなどがある[2]

大脳皮質だいのうひしつドーパミン感受性かんじゅせいニューロンドーパミン受容じゅようたい)の大半たいはん前頭葉ぜんとうよう存在そんざいする。ドーパミンけい報酬ほうしゅう注意ちゅうい長期ちょうき記憶きおく計画けいかく意欲いよく関連付かんれんづけられている。ドーパミンは、視床ししょうから前頭まえがしらへとつたえられる感覚かんかく情報じょうほう制限せいげん、および選択せんたく関連かんれんしているとされている。

周囲しゅういのうとの位置いち関係かんけい機能きのう関係かんけい

大脳だいのうにはのう複数ふくすうあるが、前頭葉ぜんとうよう頭頂とうちょうあいだにはいち運動うんどう存在そんざいする。いち運動うんどう中心ちゅうしん前回ぜんかい関連付かんれんづけられた特定とくてい身体しんたい部位ぶい随意ずいい運動うんどう制御せいぎょしている。

年齢ねんれいによる変化へんか

前頭葉ぜんとうよう完全かんぜん成熟せいじゅくするのは25さい前後ぜんこうわれており、これは成人せいじん認知にんちてき成熟せいじゅくしるしとされている。UCLA のアーサー・トーガ (Arthur Toga) の研究けんきゅうによって、前頭葉ぜんとうようはくただしずいさやは10代の被験者ひけんしゃよりわか成人せいじん被験者ひけんしゃにおいて増加ぞうかしていることが発見はっけんされた。

疾患しっかん

米国べいこく国立こくりつ精神せいしん保健ほけん研究所けんきゅうじょ報告ほうこくによると、前頭まえがしらぜん皮質ひしつにおけるドーパミン活性かっせい減少げんしょうこす遺伝子いでんし変異へんいワーキングメモリ課題かだいにおける成績せいせき低下ていか課題かだいちゅう前頭まえがしらぜん皮質ひしつ機能きのう低下ていかとに関係かんけいし、統合とうごう失調しっちょうしょうのリスクをわずかに増加ぞうかさせると報告ほうこくされている。

成人せいじん初期しょきにおける統合とうごう失調しっちょうしょう典型てんけいてき発症はっしょうは、不十分ふじゅうぶんミエリンと、それによってこされる前頭まえがしら細胞さいぼうあいだ効率こうりつてき結合けつごうとに関連かんれんがある。


障害しょうがい

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前頭葉ぜんとうよう障害しょうがい様々さまざま症状しょうじょうこす。できるだけ部位ぶいべつ説明せつめいする

  • 前頭葉ぜんとうようなかでも前頭まえがしら前野まえの障害しょうがいきると...
    • 注意ちゅうい集中しゅうちゅうすることができなくなる[1]
    • ひとつの動作どうさばかりをかえし、べつ動作どうさえることがむずかしくなったりする(固執こしつ傾向けいこうという)[1]。(精神せいしんてき柔軟じゅうなんせい低下ていか
    • 自発じはつ行動こうどう[1]自分じぶん自身じしん周囲しゅういたいして関心かんしんとなる[1]
  • 前頭葉ぜんとうようひだり半球はんきゅうがわには言葉ことばはなすのに必要ひつよう運動うんどうせい言語げんご中枢ちゅうすう(44、45)があり、ここに障害しょうがいきると、こえせても言葉ことばはなすことができなくなる[1]
  • 眼窩がんか前頭まえがしら障害しょうがいは、独特どくとくせい行動こうどうこす。
  • 外側そとがわ前頭まえがしら障害しょうがいは、性的せいてき興味きょうみ減少げんしょうこす。
  • 危険きけん管理かんり規則きそく順守じゅんしゅかんする感覚かんかく障害しょうがい
  • 社交しゃこうせい増加ぞうかまたは減少げんしょう
  • 会話かいわ劇的げきてき増加ぞうかまたは減少げんしょう

精神せいしん外科げか

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20世紀せいき初頭しょとう外科げか手術しゅじゅつ現在げんざいでは問題もんだいされている手術しゅじゅつ

20世紀せいき初頭しょとう精神せいしん疾患しっかん治療ちりょうほうとして、ポルトガル神経しんけい科学かがくしゃエガス・モニスによってはじめて開発かいはつされた、前頭葉ぜんとうよう大脳だいのうえんけいをつなぐ経路けいろにダメージをあたえる方法ほうほうおこなわれた。前頭まえがしらロボトミー (前頭葉ぜんとうようきり截術とも) により、患者かんじゃ苦悩くのう軽減けいげんすることに成功せいこうしたが、副作用ふくさようとして感情かんじょう意思いし人格じんかく鈍化どんかられた。この精神せいしん外科げかてき方法ほうほう無差別むさべつ使用しようは、深刻しんこく副作用ふくさよう手術しゅじゅつ危険きけんせいもあいまって、評判ひょうばんとし、精神せいしん医学いがくてき療法りょうほうとしては姿すがたした。

非常ひじょうにまれではあるが、より的確てきかくかたちでの精神せいしん外科げかてき手法しゅほういまでも時折ときおりおこなわれている。ぜん切開せっかい (anterior capsulotomy) (両側りょうがわ内包ないほうぜんあしねつ損傷そんしょう) や両側りょうがわ帯状おびじょうかい切除せつじょ (bilateral cingulotomy) (両側りょうがわぜん帯状おびじょうかい損傷そんしょう) といった治療ちりょうほうが、治療ちりょう困難こんなん強迫きょうはくせい障害しょうがいうつびょうもちいられる。

参考さんこう画像がぞう

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関連かんれん項目こうもく

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参考さんこう文献ぶんけん

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  1. ^ a b c d e f g h i j k 日本にっぽんだい百科ひゃっか事典じてん』【前頭葉ぜんとうよう
  2. ^ Kimberg, D.Y., Farah, M.J. A unified account of cognitive impariments following frontal lobe damage: the role of working memory in complex, organized behavior. J. Exp. Psychol. Gen. 1993 122(4):411-28

外部がいぶリンク

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大脳だいのうのう
外側そとがわめん 外側そとがわみぞ内部ないぶごく 内側うちがわめん
外側そとがわめん 外側そとがわみぞ内部ないぶ 内側うちがわめん - 上部じょうぶ
のう底部ていぶ - 眼窩がんかめん のう底部ていぶ - がわあたま下面かめん 内側うちがわめん - 下部かぶ