単位 たんい の換算 かんさん (たんいのかんさん、Conversion of units )とは、ある大 おお きさの量 りょう Q をある単位 たんい u1 で表 あらわ した数値 すうち q1 から、別 べつ の単位 たんい u2 で表 あらわ した数値 すうち q2 を求 もと めることである。この操作 そうさ を、単位 たんい u1 から単位 たんい u2 への換算 かんさん という。単位 たんい の換算 かんさん のことを「単位 たんい 換算 かんさん 」、「単位 たんい 変換 へんかん 」、「単位 たんい の変換 へんかん 」ともいう。本 ほん 項目 こうもく では主 おも に物理 ぶつり 単位 たんい の換算 かんさん を例 れい に取 と って述 の べる。
同 おな じ物理 ぶつり 量 りょう であったとしても、その値 ね の大 おお きさを定量 ていりょう 的 てき に示 しめ すために使 つか われている単位 たんい が異 こと なる場合 ばあい がある。例 たと えば長 なが さを表現 ひょうげん する単位 たんい としては、m のほかに、km 、光年 こうねん 、Å などの様々 さまざま な単位 たんい がある。通常 つうじょう は、「太陽 たいよう と地球 ちきゅう の距離 きょり 」と「Siの共有 きょうゆう 結合 けつごう 半径 はんけい 」を比較 ひかく することよりも、「太陽 たいよう と地球 ちきゅう の距離 きょり 」と「太陽 たいよう と木星 もくせい の距離 きょり 」を比較 ひかく することが多 おお いことから、同 どう 一 いち スケールの現象 げんしょう の比較 ひかく に便利 べんり なように、同 どう 一 いち スケールの現象 げんしょう を有効 ゆうこう 数字 すうじ 2桁 けた 程度 ていど で比較 ひかく ができるような単位 たんい が用 もち いられている。従 したが って、「太陽 たいよう と地球 ちきゅう の距離 きょり 」と「Siの共有 きょうゆう 結合 けつごう 半径 はんけい 」のように異 こと なるスケールの現象 げんしょう を物理 ぶつり 量 りょう の値 ね に基 もと づいて比較 ひかく せねばならない場合 ばあい には、通常 つうじょう は単位 たんい の換算 かんさん が必要 ひつよう である。
物理 ぶつり 学 がく をはじめとした定量 ていりょう 科学 かがく では、物理 ぶつり 量 りょう の値 ね 同士 どうし の関係 かんけい を数式 すうしき で表 あらわ すことが多 おお い。物理 ぶつり 量 りょう の値 ね を表 あらわ す数値 すうち 同士 どうし の関係 かんけい を表 あらわ した等式 とうしき を数値 すうち 方程式 ほうていしき [1] [2] という。しかし、ある単位 たんい で表 あらわ された数値 すうち 方程式 ほうていしき に、異 こと なる単位 たんい で表 あらわ された数値 すうち を代入 だいにゅう せねばならない場合 ばあい がある。例 たと えば、「m と kg と s を用 もち いて表 あらわ された公式 こうしき 」に、「mm と g と min で表 あらわ された数値 すうち 」を代入 だいにゅう せねばならない場合 ばあい がある。このような場合 ばあい にも、単位 たんい の換算 かんさん を行 おこな う必要 ひつよう がある。
「物理 ぶつり 量 りょう 」に関 かん する用語 ようご の定義 ていぎ は意外 いがい にも曖昧 あいまい で、いくつかの異 こと なる意味 いみ で使 つか われているため、混乱 こんらん をさけるため以下 いか の用語 ようご を定義 ていぎ する。
物理 ぶつり 量 りょう
「kg原器 げんき の重 おも さ」、「光 ひかり が1秒間 びょうかん にすすむ距離 きょり 」、「Si原子 げんし の共有 きょうゆう 結合 けつごう 半径 はんけい 」、「地球 ちきゅう の公転 こうてん 周期 しゅうき 」、「光速 こうそく 」、「A氏 し の体重 たいじゅう 」などのように客観 きゃっかん 的 てき に測定 そくてい でき、定量 ていりょう 的 てき な議論 ぎろん が可能 かのう な量 りょう であり、かつ物理 ぶつり 、化学 かがく 等 とう の自然 しぜん 科学 かがく や工学 こうがく における議論 ぎろん の対象 たいしょう になるもの。あるいはそれの実 じつ 数 すう 倍 ばい 。物理 ぶつり 量 りょう のことを「物理 ぶつり 量 りょう の値 ね 」ともいう。
物理 ぶつり 量 りょう の種類 しゅるい
具体 ぐたい 的 てき な物理 ぶつり 量 りょう それぞれを、「相互 そうご に比較 ひかく できるか否 ひ か」に基 もと づきグループ分 わ けしたときのグループの名前 なまえ 。「長 なが さ」、「時間 じかん 」など。
単位 たんい
「kg原器 げんき の重 おも さ」、「光 ひかり が1秒間 びょうかん にすすむ距離 きょり 」のように具体 ぐたい 的 てき な物理 ぶつり 量 りょう そのもの、あるいはそれの実数 じっすう 倍 ばい として定 さだ められる物理 ぶつり 量 りょう で、特 とく に再現 さいげん 性 せい よく、誤差 ごさ が少 すく なく測定 そくてい できるものであり、これと同一 どういつ の種類 しゅるい の物理 ぶつり 量 りょう に属 ぞく する物理 ぶつり 量 りょう を測定 そくてい する際 さい の基準 きじゅん となるもの。
物理 ぶつり 量 りょう の数値 すうち
「私 わたし の体重 たいじゅう 」のような具体 ぐたい 的 てき な物理 ぶつり 量 りょう を、それと比較 ひかく 可能 かのう な単位 たんい と比較 ひかく したときに、その単位 たんい の何 なん 倍 ばい であるかを示 しめ した数 かず 。私 わたし の体重 たいじゅう が53 kgであるときには、53という(単位 たんい の付 つ かない)実数 じっすう が、物理 ぶつり 量 りょう の数値 すうち である。
教科書 きょうかしょ によっては、本 ほん 記事 きじ でいうところの「物理 ぶつり 量 りょう の種類 しゅるい 」や、「単位 たんい 」のことを「物理 ぶつり 量 りょう 」としている場合 ばあい 、あるいは、どれを指 さ しているかあいまいな場合 ばあい もある。また、「物理 ぶつり 量 りょう の値 ね 」という
用語 ようご は、物理 ぶつり 量 りょう と同義 どうぎ でつかわれる場合 ばあい が多 おお いが、実 じつ は「物理 ぶつり 量 りょう の数値 すうち 」と同義 どうぎ で用 もち いられることもある。
同 おな じ次元 じげん の物理 ぶつり 量 りょう の2つの単位 たんい を u1 と u2 とすれば、どちらも定 さだ められた一定 いってい の大 おお きさなので、両者 りょうしゃ の比 ひ k は定数 ていすう である。この比 ひ は単位 たんい の換算 かんさん 係数 けいすう と呼 よ ばれ、様々 さまざま な単位 たんい 間 あいだ の換算 かんさん 係数 けいすう を表 ひょう にした換算 かんさん 表 ひょう が知 し られている。ウィキペディアの単位 たんい の換算 かんさん 一覧 いちらん には多 おお くの物理 ぶつり 量 りょう の換算 かんさん 表 ひょう が記載 きさい されており、主 おも な物理 ぶつり 量 りょう の換算 かんさん 表 ひょう は理科 りか 年表 ねんぴょう にも記載 きさい されている。また多 おお くの物理 ぶつり 学 がく や化学 かがく の教科書 きょうかしょ には、主 おも な物理 ぶつり 量 りょう の換算 かんさん 表 ひょう が付表 ふひょう として記載 きさい してあることが多 おお い。また『単位 たんい の辞典 じてん 』丸善 まるぜん [3] にはメ め ートル法 とるほう 以外 いがい の多 おお くの単位 たんい についての換算 かんさん 表 ひょう も記載 きさい されている。
物理 ぶつり 量 りょう の測定 そくてい とは、異 こと なる物理 ぶつり 量 りょう の値 ね を2つとり、そのどちらか片方 かたがた を基準 きじゅん とした時 とき に、もう片方 かたがた が基準 きじゅん としたほうの何 なん 倍 ばい になるかを決 き める行為 こうい である。このとき基準 きじゅん とした方 ほう の物理 ぶつり 量 りょう を単位 たんい と呼 よ ぶ[1]
[4]
[5]
[6]
[7] 。
国際 こくさい 単位 たんい 系 けい (SI)の考 かんが え方 かた では量 りょう の値 ね (the value of a quantity )は数値 すうち (numerical value )と単位 たんい (unit )の積 せき と捉 とら えられ、そのように表現 ひょうげん される。そして単位 たんい 記号 きごう 、量 りょう 記号 きごう 、数値 すうち 記号 きごう はすべて通常 つうじょう の数式 すうしき の演算 えんざん 規則 きそく に従 したが う[1] [4] [5] 。
Q
=
q
u
{\displaystyle Q=\mathrm {q} \,\mathrm {u} }
(1-1)
例 れい
L
=
5
m
{\displaystyle L=5\,\mathrm {m} }
(1-1a)
ただし、ひとつの量 りょう の値 ね (量 りょう の大 おお きさ)を表 あらわ す数値 すうち 記号 きごう と単位 たんい 記号 きごう との間 あいだ には空白 くうはく (space )が置 お かれ、この空白 くうはく が積 せき を表 あらわ す記号 きごう になる。また、ひとつの組立 くみたて 単位 たんい の表現 ひょうげん のなかでの単位 たんい 記号 きごう 同士 どうし の積 せき は空白 くうはく または中点 ちゅうてん (half-height dot )で表 あらわ す[4] 。なお、単位 たんい 記号 きごう には、その周囲 しゅうい の文書 ぶんしょ の様式 ようしき に関係 かんけい なく立体 りったい を用 もち いると定 さだ められている。また量 りょう 記号 きごう は一般 いっぱん に、イタリック体 たい (斜体 しゃたい )の単独 たんどく の活字 かつじ で表 あらわ される[4] 。
式 しき (1-1)は各項 かくこう が物理 ぶつり 量 りょう を表 あらわ す量 りょう 方程式 ほうていしき であるが、数値 すうち 方程式 ほうていしき として数値 すうち を表 あらわ す表記 ひょうき 方法 ほうほう には次 つぎ のようなものが知 し られている。
Q
/
u
=
q
{\displaystyle Q/\mathrm {u} =\mathrm {q} }
(1-2)
例 れい
L
/
m
=
5
{\displaystyle L/\mathrm {m} =5}
(1-2a)
{
Q
}
u
=
q
{\displaystyle \{Q\}_{\mathrm {u} }=\mathrm {q} }
(1-3)
例 れい
{
L
}
m
=
5
{\displaystyle \{L\}_{\mathrm {m} }=5}
(1-3a)
Q
[
u
]
=
q
{\displaystyle Q[\mathrm {u} ]=\mathrm {q} }
(1-4)
Q
(
u
)
=
q
{\displaystyle Q(\mathrm {u} )=\mathrm {q} }
(1-4)'
例 れい
L
[
m
]
=
5
{\displaystyle L[\mathrm {m} ]=5}
(1-4a)
例 れい
L
(
m
)
=
5
{\displaystyle L(\mathrm {m} )=5}
(1-4a)'
式 しき (1-2)はSIで定 さだ められている表記 ひょうき であり、式 しき (1-1)を通常 つうじょう の数式 すうしき の演算 えんざん 規則 きそく に従 したが って変形 へんけい すれば得 え られる。表 ひょう の項目 こうもく 名 めい を式 しき (1-1)の左辺 さへん の形 かたち で表記 ひょうき すると、項目 こうもく には単位 たんい なしの数値 すうち のみを書 か くことになり、各 かく 項目 こうもく に全 すべ て単位 たんい を記 しる す手間 てま が省 はぶ ける。
式 しき (1-3)はJIS-Z8202で例示 れいじ されている表記 ひょうき であるが、推奨 すいしょう されているわけではない。そもそも、「量 りょう 方程式 ほうていしき は単位 たんい の選 えら び方 かた には無関係 むかんけい であるという利点 りてん がある」ので、「通常 つうじょう は、量 りょう 方程式 ほうていしき を用 もち いるのが望 のぞ ましい」とされている[2] 。この表記 ひょうき は、SI規則 きそく に沿 そ ったイタリック体 たい の量 りょう 記号 きごう を中 ちゅう 括弧 かっこ で囲 かこ むことで、量 りょう の値 ね ではなく数値 すうち を表 あらわ していることを明示 めいじ し、下付 かふ 添 そ え字 じ で単位 たんい を示 しめ している。
また式 しき (1-4)の表記 ひょうき はその使用 しよう 法 ほう にも一貫 いっかん 性 せい がないとの指摘 してき がある[5] 。実際 じっさい 、日本 にっぽん の初等 しょとう 中等 ちゅうとう 教育 きょういく の教科書 きょうかしょ では、括弧 かっこ で囲 かこ んだ単位 たんい 記号 きごう をSIにおける単位 たんい 記号 きごう と同様 どうよう に扱 あつか うかのような、以下 いか の(1-5)のような表記 ひょうき も使 つか われており[5] 、誤解 ごかい の余地 よち が生 しょう じやすい面 めん がある。
5
[
m
]
,
5
(
m
)
{\displaystyle \mathrm {5\ [m],\quad 5\ (m)} }
(1-5)
ただし、式 しき (1-4)の記法 きほう を、(1-4)'にあるような、L(m) のような記法 きほう と均等 きんとう と解釈 かいしゃく した場合 ばあい には、最近 さいきん のPhysical Review Letters 上 うえ の論文 ろんぶん (例 たと えば
[8] )
でも頻繁 ひんぱん に使用 しよう されていて、式 しき (1-2)や式 しき (1-3)のような記法 きほう は、(本来 ほんらい 正式 せいしき のはずだが)
原著 げんちょ 論文 ろんぶん 上 じょう ではほとんど見 み かけられないものであるので、現状 げんじょう 最 もっと も「無難 ぶなん 」であろう。
(尚 なお 、(1-5)のような記法 きほう は、殆 ほとん どみられない)
式 しき (1-3)や式 しき (1-4)の単位 たんい 記号 きごう は量 りょう 記号 きごう と一体 いったい となってひとつの数値 すうち 変数 へんすう を表 あらわ しているのであり、単位 たんい 記号 きごう だけを独立 どくりつ して移項 いこう したりできるものではない。式 しき (1-4)の表記 ひょうき では量 りょう 記号 きごう と単位 たんい 記号 きごう の大 おお きさが同等 どうとう なので、式 しき (1-3)に比 くら べて両者 りょうしゃ が一体 いったい であることを失念 しつねん する可能 かのう 性 せい が高 たか いかも知 し れない。
単位 たんい u1 と u2 との換算 かんさん 係数 けいすう を k とする。すなわち
u
1
=
k
u
2
{\displaystyle \mathrm {u} _{1}=\mathrm {k} \,\mathrm {u} _{2}}
とする。すると、通常 つうじょう の数式 すうしき の演算 えんざん 規則 きそく に従 したが って単位 たんい u1 から単位 たんい u2 への換算 かんさん が行 おこな える。
q
1
u
1
=
q
1
⋅
k
u
2
{\displaystyle \mathrm {q} _{1}\,\mathrm {u} _{1}=\mathrm {q} _{1}\cdot \mathrm {k} \,\mathrm {u} _{2}}
このようにひとつの単位 たんい での表記 ひょうき から別 べつ のひとつの単位 たんい での表記 ひょうき への換算 かんさん は単純 たんじゅん である。特 とく にSI接頭 せっとう 語 ご (センチ (c)、ミリ (m)、マイクロ (µ)、ナノ (n)、キロ (k) など)を付 つ けた単位 たんい のように換算 かんさん 係数 けいすう が10の冪 べき 乗 じょう だけの場合 ばあい は位取 くらいど りだけで数値 すうち 計算 けいさん の必要 ひつよう もない。
123456
m
m
=
12345.6
c
m
=
123.456
m
{\displaystyle 123456\,\mathrm {mm} =12345.6\,\mathrm {cm} =123.456\,\mathrm {m} }
だがひとつの量 りょう の表記 ひょうき に複数 ふくすう の単位 たんい を同時 どうじ に使 つか い、しかもその複数 ふくすう の単位 たんい 間 あいだ の換算 かんさん 係数 けいすう が10の冪 べき 乗 じょう ではない場合 ばあい はやや計算 けいさん が複雑 ふくざつ になる。ヤード・ポンド法 ほう や尺貫法 しゃっかんほう の関連 かんれん する換算 かんさん がその例 れい である。またSI単位 たんい ではないが国際 こくさい 度量衡 どりょうこう 委員 いいん 会 かい (CIPM)でも認 みと められている[9] 時間 じかん の単位 たんい 、日 ひ (d)、時間 じかん (h)、分 ぶん (min) の関連 かんれん する換算 かんさん や、角度 かくど の単位 たんい の度 たび (゚)、分 ぶん (')、秒 びょう (") の関連 かんれん する換算 かんさん もその例 れい である。なお時間 じかん のSI単位 たんい は秒 びょう (s) であり角度 かくど のSI単位 たんい はラジアン (rad) である。
しかしひとつの量 りょう の表記 ひょうき に複数 ふくすう の単位 たんい を同時 どうじ に使 つか う場合 ばあい でもSI方式 ほうしき に従 したが えば、通常 つうじょう の数式 すうしき の演算 えんざん 規則 きそく に従 したが って変形 へんけい してゆくだけで換算 かんさん ができる。
例 れい 1. ヤードポンド法 ほう での表記 ひょうき からメ め ートル法 とるほう での表記 ひょうき への換算 かんさん
50
y
d
2
f
t
3
i
n
=
50
(
3
f
t
)
+
2
f
t
+
3
(
1
/
12
f
t
)
=
152.25
f
t
=
152.25
⋅
(
0.3048
m
)
=
46.4058
m
{\displaystyle {\begin{aligned}50\,\mathrm {yd} \ 2\,\mathrm {ft} \ 3\,\mathrm {in} &=50(3\,\mathrm {ft} )+2\,\mathrm {ft} +3(1/12\,\mathrm {ft} )\\&=152.25\,\mathrm {ft} \\&=152.25\cdot (0.3048\,\mathrm {m} )\\&=46.4058\,\mathrm {m} \end{aligned}}}
この例 れい のように伝統 でんとう 的 てき な多 おお くの単位 たんい 系 けい を含 ふく む異 こと なる単位 たんい 系 けい の間 あいだ の換算 かんさん 係数 けいすう は、一般 いっぱん には整数 せいすう 値 ち ではなく、正確 せいかく な小 しょう 数値 すうち として定 さだ められていないことさえ多 おお い。このような異 こと なる単位 たんい 系 けい の間 あいだ の換算 かんさん では、まず一方 いっぽう の単位 たんい 系 けい でひとつの単位 たんい のみの表記 ひょうき に変換 へんかん し、次 つぎ に他方 たほう の単位 たんい 系 けい でのひとつの単位 たんい に変換 へんかん すると、桁数 けたすう の多 おお い換算 かんさん 係数 けいすう を使 つか う回数 かいすう が少 すく なくて済 す み、誤差 ごさ も小 ちい さくできると考 かんが えられる。
例 れい 2. 秒 びょう 表記 ひょうき から時間 じかん ・分 ふん ・秒 びょう による表記 ひょうき への変換 へんかん
50000
s
=
(
833
⋅
60
+
20
)
s
=
833
⋅
60
s
+
20
s
=
833
m
i
n
+
20
s
=
(
13
⋅
60
+
53
)
m
i
n
+
20
s
=
13
h
+
53
m
i
n
+
20
s
=
13
h
53
m
i
n
20
s
{\displaystyle {\begin{aligned}50000\,\mathrm {s} &=(833\cdot 60+20)\,\mathrm {s} \\&=833\cdot 60\,\mathrm {s} +20\,\mathrm {s} \\&=833\,\mathrm {min} +20\,\mathrm {s} \\&=(13\cdot 60+53)\,\mathrm {min} +20\,\mathrm {s} \\&=13\,\mathrm {h} +53\,\mathrm {min} +20\,\mathrm {s} \\&=13\,\mathrm {h} \ 53\,\mathrm {min} \ 20\,\mathrm {s} \end{aligned}}}
この例 れい のように、小 ちい さな単位 たんい ひとつだけでの表記 ひょうき から複数 ふくすう 単位 たんい への変換 へんかん では商 しょう と余 あま り を求 もと める演算 えんざん を繰 く り返 かえ すことになる。
また組立 くみたて 単位 たんい の換算 かんさん を、そこに含 ふく まれる基本 きほん 単位 たんい 同士 どうし の換算 かんさん 係数 けいすう から求 もと めたいときも、通常 つうじょう の数式 すうしき の演算 えんざん 規則 きそく に従 したが って単位 たんい 同士 どうし の積 せき を行 おこな えばよい。
例 れい 3. キロメートル毎時 まいじ からメートル毎秒 まいびょう への変換 へんかん
5
k
m
/
h
=
5
⋅
(
(
k
m
)
/
(
h
)
)
=
5
⋅
(
1000
m
)
/
(
3600
s
)
=
5
⋅
(
1000
/
3600
)
⋅
(
m
)
/
(
s
)
≈
1.389
m
/
s
{\displaystyle {\begin{aligned}5\,\mathrm {km/h} &=5\cdot ((\mathrm {km} )/(\mathrm {h} ))\\&=5\cdot (1000\,\mathrm {m} )/(3600\,\mathrm {s} )\\&=5\cdot (1000/3600)\cdot (\mathrm {m} )/(\mathrm {s} )\\&\approx 1.389\,\mathrm {m/s} \end{aligned}}}
例 れい 4. 密度 みつど の単位 たんい の lb⋅ft−3 (ポンド 毎 まい 立方 りっぽう フィート )から g⋅cm−3 (グラム毎 まい 立方 りっぽう センチメートル)への変換 へんかん
見 み やすくするために換算 かんさん 係数 けいすう を次 つぎ の記号 きごう で表 あらわ しておく。
1
f
t
=
k
f
t
m
{\displaystyle 1\,\mathrm {ft} =\mathrm {k_{ft}\ m} }
ここで、
k
f
t
=
0.3048
{\displaystyle \mathrm {k_{ft}} =0.3048}
1
l
b
=
k
l
b
k
g
{\displaystyle 1\,\mathrm {lb} =\mathrm {k_{lb}\ kg} }
ここで、
k
l
b
=
0.45359237
{\displaystyle \mathrm {k_{lb}} =0.45359237}
すると、
5
l
b
⋅
f
t
−
3
=
5
⋅
(
(
k
l
b
k
g
)
⋅
(
k
f
t
m
)
−
3
)
=
5
⋅
(
k
l
b
⋅
k
f
t
−
3
⋅
k
g
⋅
m
−
3
)
=
5
⋅
k
l
b
⋅
k
f
t
−
3
⋅
(
1000
g
)
⋅
(
100
c
m
)
−
3
)
=
5
⋅
k
l
b
⋅
k
f
t
−
3
⋅
(
1000
⋅
100
−
3
)
g
⋅
c
m
−
3
=
0.005
⋅
k
l
b
⋅
k
f
t
−
3
g
⋅
c
m
−
3
≈
0.0800923
g
⋅
c
m
−
3
{\displaystyle {\begin{aligned}5\,\mathrm {lb\cdot ft^{-3}} &=5\cdot (\mathrm {(k_{lb}\ kg)\cdot (k_{ft}\ m)^{-3}} )\\&=5\cdot (\mathrm {k_{lb}\cdot k_{ft}^{-3}} \cdot \mathrm {kg\cdot m^{-3}} )\\&=5\cdot \mathrm {k_{lb}\cdot k_{ft}^{-3}} \cdot \mathrm {(1000\ g)\cdot (100\ cm)^{-3}} )\\&=5\cdot \mathrm {k_{lb}\cdot k_{ft}^{-3}} \cdot (1000\cdot 100^{-3})\mathrm {g\cdot cm^{-3}} \\&=0.005\cdot \mathrm {k_{lb}\cdot k_{ft}^{-3}} \,\mathrm {g\cdot cm^{-3}} \\&\approx 0.0800923\,\mathrm {g\cdot cm^{-3}} \end{aligned}}}
次 つぎ の方法 ほうほう は、英語 えいご 圏 けん の大学 だいがく 初年 しょねん 級 きゅう の教科書 きょうかしょ によく載 の っている。例 たと えば、
[10]
[11]
[12]
[13]
[14]
[15]
この手順 てじゅん はミスが少 すく なく複雑 ふくざつ な場合 ばあい にも計算 けいさん が複雑 ふくざつ になりにくいとされ、機械 きかい 的 てき でミスが少 すく ないので実務 じつむ 家 か 向 む けには良 よ い方法 ほうほう とされている[10] 。なお、この方法 ほうほう でもSI方式 ほうしき と同様 どうよう に、単位 たんい 記号 きごう はすべて物理 ぶつり 量 りょう (の大 おお きさ)を表 あらわ していて、単位 たんい 記号 きごう と数値 すうち 記号 きごう はすべて通常 つうじょう の数式 すうしき の演算 えんざん 規則 きそく に従 したが う。
単位 たんい u1 と単位 たんい u2 が同 おな じ物理 ぶつり 量 りょう を表 あらわ す単位 たんい であり換算 かんさん 係数 けいすう が k であることは次 つぎ 式 しき で表 あらわ せる。
u
1
=
k
u
2
{\displaystyle \mathrm {u} _{1}=\mathrm {k\ u} _{2}}
変形 へんけい すると、次 つぎ の式 しき が得 え られる。
1
=
k
u
2
u
1
=
u
1
k
u
2
{\displaystyle 1={\frac {\mathrm {k\ u} _{2}}{\mathrm {u} _{1}}}={\frac {\mathrm {u} _{1}}{\mathrm {k\ u} _{2}}}}
この関係 かんけい を使 つか い、変換 へんかん 元 もと の単位 たんい や量 りょう に1を次々 つぎつぎ と掛 か ける形式 けいしき で計算 けいさん する。ここで掛 か ける分数 ぶんすう の形 かたち の係数 けいすう を変換 へんかん 率 りつ または変換 へんかん 比 ひ と呼 よ ぶ[11] 。
{
a
u
1
=
a
⋅
1
u
1
=
a
k
u
2
u
1
u
1
=
a
⋅
k
u
2
b
u
2
=
b
⋅
1
u
2
=
b
u
1
k
u
2
u
2
=
b
k
u
1
{\displaystyle \left\{{\begin{aligned}&\mathrm {a} \,\mathrm {u} _{1}=\mathrm {a} \cdot 1\,\mathrm {u} _{1}=\mathrm {a} \ {\frac {\mathrm {k\ u} _{2}}{\mathrm {u} _{1}}}\mathrm {u} _{1}=\mathrm {a\cdot k} \,\mathrm {u} _{2}\\&\mathrm {b} \,\mathrm {u} _{2}=\mathrm {b} \cdot 1\,\mathrm {u} _{2}=\mathrm {b} \ {\frac {\mathrm {u} _{1}}{\mathrm {k\ u} _{2}}}\mathrm {u} _{2}={\frac {\mathrm {b} }{\mathrm {k} }}\,\mathrm {u} _{1}\\\end{aligned}}\right.}
組立 くみたて 単位 たんい の変換 へんかん では次 つぎ の例題 れいだい のように複数 ふくすう の変換 へんかん 率 りつ を掛 か ければよい。
例 れい 1. キロメートル毎時 まいじ (km⋅h−1 ) からメートル毎秒 まいびょう (m⋅s−1 ) への変換 へんかん
5
k
m
⋅
h
−
1
=
5
k
m
⋅
h
−
1
⋅
(
1000
m
1
k
m
)
(
3600
s
1
h
)
−
1
=
5
(
k
m
1000
m
1
k
m
)
(
h
3600
s
1
h
)
−
1
=
5
⋅
1000
⋅
3600
−
1
m
⋅
s
−
1
≈
1.389
m
⋅
s
−
1
{\displaystyle {\begin{aligned}5\,\mathrm {km\cdot h^{-1}} &=5\,\mathrm {km\cdot h^{-1}\cdot \left({\frac {1000\ m}{1\ km}}\right)\left({\frac {3600\ s}{1\ h}}\right)^{-1}} \\&=5\,\mathrm {\left(km{\frac {1000\ m}{1\ km}}\right)\left(h{\frac {3600\ s}{1\ h}}\right)^{-1}} \\&=5\cdot 1000\cdot 3600^{-1}\,\mathrm {m\cdot s^{-1}} \\&\approx 1.389\,\mathrm {m\cdot s^{-1}} \end{aligned}}}
また、多 た 段階 だんかい の変換 へんかん を経 へ て単位 たんい の換算 かんさん を行 おこな う場合 ばあい にも、変換 へんかん 率 りつ 方式 ほうしき では最初 さいしょ の1行 ぎょう で全 ぜん 段階 だんかい での変換 へんかん が表記 ひょうき される。これは次 つぎ の例題 れいだい で示 しめ される。
例 れい 2. 1週間 しゅうかん は何 なん 秒 びょう か?
1
w
e
e
k
=
1
w
e
e
k
(
7
d
1
w
e
e
k
)
(
24
h
1
d
)
(
60
m
i
n
1
h
)
(
60
s
1
m
i
n
)
=
1
⋅
7
⋅
24
⋅
60
⋅
60
s
=
604800
s
{\displaystyle {\begin{aligned}1\,\mathrm {week} &=1\,\mathrm {week\ \left({\frac {7\ d}{1\ week}}\right)\left({\frac {24\ h}{1\ d}}\right)\left({\frac {60\ min}{1\ h}}\right)\left({\frac {60\ s}{1\ min}}\right)} \\&=1\cdot 7\cdot 24\cdot 60\cdot 60\,\mathrm {s} \\&=604800\,\mathrm {s} \end{aligned}}}
同 おな じ例 れい 2 を先 さき に紹介 しょうかい したSI方式 ほうしき で解 と くと、次 つぎ のようになる。
1
w
e
e
k
=
1
⋅
(
7
d
)
=
1
⋅
7
⋅
(
24
h
)
=
1
⋅
7
⋅
24
⋅
(
60
m
i
n
)
=
1
⋅
7
⋅
24
⋅
60
⋅
(
60
s
)
=
1
⋅
7
⋅
24
⋅
60
⋅
60
s
=
604800
s
{\displaystyle {\begin{aligned}1\,\mathrm {week} &=1\cdot (7\,\mathrm {d} )\\&=1\cdot 7\cdot (24\,\mathrm {h} )\\&=1\cdot 7\cdot 24\cdot (60\,\mathrm {min} )\\&=1\cdot 7\cdot 24\cdot 60\cdot (60\,\mathrm {s} )\\&=1\cdot 7\cdot 24\cdot 60\cdot 60\,\mathrm {s} \\&=604800\ \mathrm {s} \end{aligned}}}
数値 すうち 方程式 ほうていしき における単位 たんい の換算 かんさん
編集 へんしゅう
数値 すうち 方程式 ほうていしき では、物理 ぶつり 量 りょう と単位 たんい の表記 ひょうき に述 の べた式 しき (1-2), (1-3), (1-4) のような表記 ひょうき を使 つか う。これを一般 いっぱん 式 しき で示 しめ すと、
Y
[
U
]
=
f
(
X
1
[
U
1
]
,
…
,
X
n
[
U
n
]
)
{\displaystyle Y[\mathrm {U} ]=f({X_{1}}[\mathrm {U} _{1}],\dots ,{X_{n}}[\mathrm {U} _{n}])}
のように、左辺 さへん に示 しめ す1個 いっこ の従属 じゅうぞく 変数 へんすう (統計 とうけい 学 がく 用語 ようご では目的 もくてき 変数 へんすう )が、右辺 うへん に示 しめ す1個 いっこ 以上 いじょう の独立 どくりつ 変数 へんすう (統計 とうけい 学 がく 用語 ようご では説明 せつめい 変数 へんすう )の関数 かんすう に等 ひと しいという等式 とうしき になる。
すなわち、数値 すうち 方程式 ほうていしき とは、例 たと えば
F
/
N
=
m
/
k
g
×
α あるふぁ
/
(
m
/
s
2
)
{\displaystyle F/\mathrm {N} =m/\mathrm {kg} \times \alpha /(\mathrm {m/s^{2}} )}
(2-1a)
{
F
}
N
=
{
m
}
k
g
×
{
α あるふぁ
}
m
/
s
2
{\displaystyle \{F\}_{\mathrm {N} }=\{m\}_{\mathrm {kg} }\times \{\alpha \}_{\mathrm {m/s^{2}} }}
(2-1b)
F
[
N
]
=
m
[
k
g
]
×
α あるふぁ
[
m
/
s
2
]
{\displaystyle F[\mathrm {N} ]=m[\mathrm {kg} ]\times \alpha [\mathrm {m/s^{2}} ]}
(2-1c)
のように、物理 ぶつり 量 りょう の値 ね (物理 ぶつり 量 りょう の大 おお きさ)を表 あらわ す数値 すうち 同士 どうし の関係 かんけい を示 しめ した数式 すうしき 、つまり等式 とうしき ないし不等式 ふとうしき である。すなわち数値 すうち 方程式 ほうていしき の各項 かくこう は物理 ぶつり 量 りょう の値 ね (物理 ぶつり 量 りょう の大 おお きさ)ではなく数値 すうち である。特 とく によく使 つか われるのは、左辺 さへん が単 たん 一 いち 項 こう の等式 とうしき であり、これは右辺 うへん の複数 ふくすう の数値 すうち から左辺 さへん の単一 たんいつ の数値 すうち を導 みちび く方法 ほうほう を示 しめ した式 しき になっている。例 たと えば式 しき (2-1)は、「加速度 かそくど の値 ね を単位 たんい m/s2 で表現 ひょうげん した数値 すうち 」と「質量 しつりょう の値 ね を kg で表現 ひょうげん した数値 すうち 」から「力 ちから の値 ね を N で表現 ひょうげん した数値 すうち 」を導 みちび き出 だ す。
数値 すうち 方程式 ほうていしき の単位 たんい の換算 かんさん
編集 へんしゅう
数値 すうち 方程式 ほうていしき は使用 しよう する単位 たんい に依存 いぞん するので、与 あた えられた数値 すうち 方程式 ほうていしき に使 つか われている単位 たんい と問題 もんだい の中 なか で使 つか われている単位 たんい とが異 こと なるときは、単位 たんい の換算 かんさん が必要 ひつよう になる。数値 すうち 方程式 ほうていしき の単位 たんい を換 か えるときにも量 りょう 方程式 ほうていしき から通常 つうじょう の数式 すうしき の演算 えんざん 規則 きそく に従 したが って単位 たんい の換算 かんさん を行 おこな い、その結果 けっか から数値 すうち 方程式 ほうていしき を作成 さくせい することができる。
具体 ぐたい 的 てき には、以下 いか のように考 かんが えればよい。
式 しき (3-1)については、L [u1 ] u1 や L [u2 ] u2 が「物理 ぶつり 量 りょう 」であり、L [u1 ] や L [u2 ] は物理 ぶつり 量 りょう の値 ね であり、u1 や u2 が単位 たんい であることを考 かんが えれば想到 そうとう 出来 でき よう。
もっと言 い えば、物理 ぶつり 量 りょう L が、物理 ぶつり 量 りょう の値 ね と、単位 たんい の積 せき として、
L
=
L
[
u
1
]
u
1
=
L
[
u
2
]
u
2
{\displaystyle L=L[{\mathrm {u} }_{1}]\ {\mathrm {u} }_{1}=L[{\mathrm {u} }_{2}]\ {\mathrm {u} }_{2}}
書 か かれるという、物理 ぶつり 量 りょう の「定義 ていぎ 」そのものを言 い っているに過 す ぎない。
例 れい 解 かい するならば
家 いえ から学校 がっこう までの距離 きょり = 5 km = 5000 m
のように言 い っているにすぎない。この例 れい においては、
L = 家 いえ から学校 がっこう までの距離 きょり
L
[
u
1
]
=
5
{\displaystyle L[{\mathrm {u} }_{1}]=5}
u
1
=
k
m
{\displaystyle {\mathrm {u} }_{1}=\mathrm {km} }
L
[
u
2
]
=
5000
{\displaystyle L[{\mathrm {u} }_{2}]=5000}
u
2
=
m
{\displaystyle {\mathrm {u} }_{2}=\mathrm {m} }
である。
式 しき (3-2)については、以下 いか のように考 かんが えればよい。
u
1
=
α あるふぁ
u
2
{\displaystyle {\mathrm {u} }_{1}=\alpha \ {\mathrm {u} }_{2}}
であれば、
L
[
u
1
]
=
1
⇔
L
[
u
2
]
=
α あるふぁ
{\displaystyle L[{\mathrm {u} }_{1}]=1\Leftrightarrow L[{\mathrm {u} }_{2}]=\alpha }
である。従 したが って、
L
[
u
1
]
=
x
⇔
L
[
u
2
]
=
α あるふぁ
x
{\displaystyle L[{\mathrm {u} }_{1}]=x\Leftrightarrow L[{\mathrm {u} }_{2}]=\alpha x}
であり、
L
[
u
1
]
=
(
1
/
α あるふぁ
)
L
[
u
2
]
{\displaystyle L[{\mathrm {u} }_{1}]=(1/\alpha )L[{\mathrm {u} }_{2}]}
L
[
u
2
]
=
α あるふぁ
L
[
u
1
]
{\displaystyle L[{\mathrm {u} }_{2}]=\alpha L[{\mathrm {u} }_{1}]}
である。
例 れい 解 かい するならば、長 なが さ L について
1 km = 1000 m
を用 もち いて数値 すうち 方程式 ほうていしき の単位 たんい 換算 かんさん を考 かんが えた場合 ばあい 、
L [km] = 1 ⇔ L [m] = 1000
である。従 したが って、
L [km] = x ⇔ L [m] = 1000x (x は任意 にんい 実数 じっすう )
であり、
L [km] = (1/1000)L [m]
L [m] = 1000L [km]
となる。
より複雑 ふくざつ な場合 ばあい 、例 たと えば式 しき (2-1)が与 あた えられたときに次 つぎ の問題 もんだい を解 と く場合 ばあい も同様 どうよう の考 かんが え方 かた が可能 かのう である。[note 1]
問題 もんだい : 1 t(トン)の質量 しつりょう の物体 ぶったい に、1 km/h⋅s の加速度 かそくど を与 あた える力 ちから を、kN単位 たんい で求 もと めたい。
解法 かいほう 1 :式 しき (3-1) または式 しき (3-2)を用 もち いて、それぞれの物理 ぶつり 量 りょう について個別 こべつ に換算 かんさん して、後 うしろ で元 もと の式 しき に代入 だいにゅう する。まず個別 こべつ に換算 かんさん すると
F
[
N
]
=
m
[
k
g
]
⋅
a
[
m
/
s
2
]
=
m
[
k
g
]
⋅
L
[
m
]
(
T
1
[
s
]
⋅
T
2
[
s
]
)
{\displaystyle F[\mathrm {N} ]=m[\mathrm {kg} ]\cdot a[\mathrm {m/s^{2}} ]=m[\mathrm {kg} ]\cdot {\frac {L[\mathrm {m} ]}{\left({T_{1}}[\mathrm {s} ]\cdot {T_{2}}[\mathrm {s} ]\right)}}}
(4-1)
である。
式 しき (3-1)より、
F
[
N
]
N
=
F
[
k
N
]
k
N
=
1000
F
[
k
N
]
N
{\displaystyle F[\mathrm {N} ]\,\mathrm {N} =F[\mathrm {kN} ]\,\mathrm {kN} =1000F[\mathrm {kN} ]\,\mathrm {N} }
m
[
k
g
]
k
g
=
m
[
t
]
t
=
m
[
t
]
1000
k
g
{\displaystyle m[\mathrm {kg} ]\,\mathrm {kg} =m[\mathrm {t} ]\,\mathrm {t} =m[\mathrm {t} ]1000\,\mathrm {kg} }
L
[
m
]
m
=
L
[
k
m
]
k
m
=
L
[
k
m
]
1000
m
{\displaystyle L[\mathrm {m} ]\,\mathrm {m} =L[\mathrm {km} ]\,\mathrm {km} =L[\mathrm {km} ]1000\,\mathrm {m} }
T
1
[
s
]
s
=
T
1
[
h
]
h
=
T
1
[
h
]
3600
s
{\displaystyle {T_{1}}[\mathrm {s} ]\,\mathrm {s} ={T_{1}}[\mathrm {h} ]\,\mathrm {h} ={T_{1}}[h]3600\,\mathrm {s} }
である。従 したが って、物理 ぶつり 量 りょう の値 ね のみに着目 ちゃくもく すると、
F
[
N
]
=
1000
F
[
k
N
]
{\displaystyle F[\mathrm {N} ]=1000F[\mathrm {kN} ]}
m
[
k
g
]
=
1000
m
[
t
]
{\displaystyle m[\mathrm {kg} ]=1000m[\mathrm {t} ]}
L
[
m
]
=
1000
L
[
k
m
]
{\displaystyle L[\mathrm {m} ]=1000L[\mathrm {km} ]}
T
1
[
s
]
=
3600
T
1
[
h
]
{\displaystyle {T_{1}}[\mathrm {s} ]=3600{T_{1}}[\mathrm {h} ]}
が得 え られる。これらを式 しき (4-1)に代入 だいにゅう すると、
1000
F
[
k
N
]
=
1000
m
[
t
]
⋅
1000
L
[
k
m
]
(
3600
T
1
[
h
]
⋅
T
2
[
s
]
)
{\displaystyle 1000F[\mathrm {kN} ]=1000m[\mathrm {t} ]\cdot {\frac {1000L[\mathrm {km} ]}{\left(3600{T_{1}}[\mathrm {h} ]\cdot {T_{2}}[\mathrm {s} ]\right)}}}
となり、両辺 りょうへん 約分 やくぶん すると、
F
[
k
N
]
=
1
3.6
m
[
t
]
⋅
L
[
k
m
]
(
T
1
[
h
]
⋅
T
2
[
s
]
)
{\displaystyle F[\mathrm {kN} ]={\frac {1}{3.6}}m[\mathrm {t} ]\cdot {\frac {L[\mathrm {km} ]}{\left({T_{1}}[\mathrm {h} ]\cdot {T_{2}}[\mathrm {s} ]\right)}}}
が得 え られる。
結論 けつろん を、JIS/ISO流 りゅう に数値 すうち 項 こう に示 しめ す単位 たんい 情報 じょうほう を下付 かふ 添 そ え字 じ で表 あらわ す(これは単位 たんい そのものと誤認 ごにん されにくくするため である。)と、
{
F
}
k
N
=
(
1
/
3.6
)
⋅
{
F
}
t
⋅
k
m
⋅
h
−
1
⋅
s
−
1
=
(
1
/
3.6
)
⋅
{
m
}
t
⋅
{
α あるふぁ
}
k
m
⋅
h
−
1
⋅
s
−
1
{\displaystyle {\begin{aligned}\{F\}_{\mathrm {kN} }&=(1/3.6)\cdot \{F\}_{\mathrm {t\cdot km\cdot h^{-1}\cdot s^{-1}} }\\&=(1/3.6)\cdot \{m\}_{\mathrm {t} }\cdot \{\alpha \}_{\mathrm {km\cdot h^{-1}\cdot s^{-1}} }\end{aligned}}}
となる。
解法 かいほう 2 :式 しき (3-1)または式 しき (3-2)を用 もち いて、量 りょう 方程式 ほうていしき から通常 つうじょう の数式 すうしき の演算 えんざん 規則 きそく に従 したが って、一斉 いっせい に単位 たんい の換算 かんさん を行 おこな う方法 ほうほう にて考 かんが える。まず、
1
t
⋅
k
m
⋅
h
−
1
⋅
s
−
1
=
(
1000
k
g
)
⋅
(
1000
m
)
⋅
(
3600
s
)
−
1
⋅
s
−
1
=
(
1000
⋅
1000
⋅
3600
−
1
)
k
g
⋅
m
⋅
s
−
2
=
(
1000
/
3.6
)
N
=
(
1
/
3.6
)
k
N
{\displaystyle {\begin{aligned}1\,\mathrm {t\cdot km\cdot h^{-1}\cdot s^{-1}} &=\mathrm {(1000\ kg)\cdot (1000\ m)\cdot (3600\ s)^{-1}\cdot s^{-1}} \\&=(1000\cdot 1000\cdot 3600^{-1})\,\mathrm {kg\cdot m\cdot s^{-2}} \\&=(1000/3.6)\,\mathrm {N} \\&=(1/3.6)\,\mathrm {kN} \end{aligned}}}
すなわち、
t
⋅
k
m
⋅
h
−
1
⋅
s
−
1
=
(
1
/
3.6
)
k
N
{\displaystyle \mathrm {t\cdot km\cdot h^{-1}\cdot s^{-1}} =(1/3.6)\,\mathrm {kN} }
より、
F
[
t
⋅
k
m
⋅
h
−
1
⋅
s
−
1
]
=
1
⇔
F
[
k
N
]
=
(
1
/
3.6
)
{\displaystyle F[\mathrm {t\cdot km\cdot h^{-1}\cdot s^{-1}} ]=1\Leftrightarrow F[\mathrm {kN} ]=(1/3.6)}
または
F
[
t
⋅
k
m
⋅
h
−
1
⋅
s
−
1
]
=
x
⇔
L
[
k
N
]
=
(
1
/
3.6
)
x
{\displaystyle F[\mathrm {t\cdot km\cdot h^{-1}\cdot s^{-1}} ]=x\Leftrightarrow L[\mathrm {kN} ]=(1/3.6)x}
であり、従 したが って、
F
[
t
⋅
k
m
⋅
h
−
1
⋅
s
−
1
]
=
3.6
⋅
F
[
k
N
]
{\displaystyle F[\mathrm {t\cdot km\cdot h^{-1}\cdot s^{-1}} ]=3.6\cdot F[\mathrm {kN} ]}
F
[
k
N
]
=
(
1
/
3.6
)
⋅
F
[
t
⋅
k
m
⋅
h
−
1
⋅
s
−
1
]
{\displaystyle F[\mathrm {kN} ]=(1/3.6)\cdot F[\mathrm {t\cdot km\cdot h^{-1}\cdot s^{-1}} ]}
となることが判 わか る。
以下 いか 、「物理 ぶつり 量 りょう の数値 すうち の換算 かんさん 」「数値 すうち 方程式 ほうていしき の単位 たんい 換算 かんさん 」[16] [17] [11] について説明 せつめい する。
「物理 ぶつり 量 りょう の値 ね 」の単位 たんい の換算 かんさん
編集 へんしゅう
物理 ぶつり 量 りょう の表記 ひょうき 方法 ほうほう も、さまざまな流儀 りゅうぎ があるが、以下 いか の記載 きさい では次 つぎ の表記 ひょうき を採用 さいよう した。
ある物理 ぶつり 量 りょう の値 ね そのものを表 あらわ すときには、SI, ISO, JISに準拠 じゅんきょ した表記 ひょうき を使 つか う。物理 ぶつり 量 りょう と単位 たんい の表記 ひょうき に述 の べた式 しき (1-1)のごとき表記 ひょうき である。
例 たと えば、「時速 じそく 360 km/hで飛行 ひこう する飛行機 ひこうき の速 はや さは、秒速 びょうそく に換算 かんさん すると何 なに m/sになるか」 という問題 もんだい を例 れい に取 と る。
先 さき に述 の べた変換 へんかん 率 りつ 方式 ほうしき での方法 ほうほう を具体 ぐたい 的 てき に上記 じょうき の例題 れいだい に適用 てきよう すると、次 つぎ の解法 かいほう 1の手順 てじゅん となる。
解法 かいほう 1 :
1
=
(
1000
m
1
k
m
)
{\displaystyle 1=\left({\frac {1000\,\mathrm {m} }{1\,\mathrm {km} }}\right)}
1
=
3600
s
1
h
{\displaystyle 1={\frac {3600\,\mathrm {s} }{1\,\mathrm {h} }}}
より、
360
k
m
/
h
=
360
(
k
m
⋅
1
)
(
h
⋅
1
)
=
360
(
k
m
⋅
1000
m
1
k
m
)
(
h
⋅
3600
s
1
h
)
=
(
360
⋅
1000
m
3600
s
)
=
100
m
/
s
{\displaystyle 360\,\mathrm {km/h} =360\ {\frac {\left(\mathrm {km} \cdot 1\right)}{\left(\mathrm {h} \cdot 1\right)}}=360\ {\frac {\left(\mathrm {km} \cdot {\frac {1000\,\mathrm {m} }{1\,\mathrm {km} }}\right)}{\left(\mathrm {h} \cdot {\frac {3600\,\mathrm {s} }{1\,\mathrm {h} }}\right)}}=\left(360\cdot {\frac {1000\,\mathrm {m} }{3600\,\mathrm {s} }}\right)=100\,\mathrm {m/s} }
日本 にっぽん の小学校 しょうがっこう 、中学校 ちゅうがっこう (方程式 ほうていしき の単元 たんげん )で習 なら う方法 ほうほう は、大筋 おおすじ では以下 いか の解法 かいほう 2または解法 かいほう 3のどちらかである[5] [18] 。これらの方法 ほうほう は、計算 けいさん 過程 かてい を意識 いしき できるため、単位 たんい 換算 かんさん の計算 けいさん 過程 かてい を理解 りかい する上 じょう で良 よ いとされる。どちらの方法 ほうほう も、数字 すうじ も単位 たんい 記号 きごう も通常 つうじょう の数式 すうしき の演算 えんざん 規則 きそく に従 したが っており、解法 かいほう 3はSI方式 ほうしき の換算 かんさん で述 の べた方法 ほうほう とほぼ同 おな じである。
解法 かいほう 2 :
360
k
m
/
h
=
x
m
/
h
{\displaystyle 360\,\mathrm {km/h} =\mathrm {x\ m/h} }
x
m
/
h
=
y
m
/
s
{\displaystyle \mathrm {x\ m/h} =\mathrm {y\ m/s} }
と置 お くと、
360
k
m
=
x
m
{\displaystyle 360\,\mathrm {km} =\mathrm {x\ m} }
から、
x
=
360
×
1000
=
3600
×
10
2
{\displaystyle \mathrm {x} =360\times 1000=3600\times 10^{2}}
一方 いっぽう 、
y
h
=
x
s
{\displaystyle \mathrm {y\ h} =\mathrm {x\ s} }
から、
y
=
3600
x
=
100
{\displaystyle \mathrm {y} =3600\mathrm {x} =100}
よって、
360
k
m
/
h
=
100
m
/
s
{\displaystyle 360\,\mathrm {km/h} =100\,\mathrm {m/s} }
解法 かいほう 3 :
1
k
m
/
h
=
1000
m
/
h
=
1000
m
/
3600
s
=
(
10
/
36
)
m
/
s
{\displaystyle 1\,\mathrm {km/h} =1000\,\mathrm {m/h} =1000\,\mathrm {m} /3600\,\mathrm {s} =(10/36)\,\mathrm {m/s} }
>
よって
360
k
m
/
h
=
360
(
10
/
36
)
m
/
s
=
100
m
/
s
{\displaystyle 360\,\mathrm {km/h} ={\text{360}}\left(10/{\text{36}}\right)\,\mathrm {m/s} =100\,\mathrm {m/s} }
以下 いか 、換算 かんさん ミス について記載 きさい するが、このテーマでは主観 しゅかん 的 てき 概念 がいねん が多 おお くなりがちなので、いくつかの言葉 ことば の定義 ていぎ の目安 めやす を述 の べておく。
複雑 ふくざつ である 計算 けいさん ステップが多 おお いこと。複雑 ふくざつ さは人間 にんげん による計算 けいさん ミスの一因 いちいん になりうるが、全 すべ てではない。本稿 ほんこう では計算 けいさん 量 りょう 理論 りろん におけるような厳密 げんみつ な定義 ていぎ は意図 いと しない。
紛 まぎ らわしい、間 あいだ 違 ちが いやすい 人間 にんげん による計算 けいさん ミス(ヒューマンエラー)が生 しょう じやすいこと。個人 こじん の能力 のうりょく や体調 たいちょう にも左右 さゆう されるため主観 しゅかん 的 てき 評価 ひょうか となりやすいと考 かんが えられるが、ある計算 けいさん 手順 てじゅん が別 べつ の計算 けいさん 手順 てじゅん に比 くら べて間違 まちが いやすいかどうかは統計 とうけい 的 てき に測定 そくてい 可能 かのう であり、その要因 よういん も複雑 ふくざつ さなどを含 ふく めて客観 きゃっかん 的 てき に考察 こうさつ 可能 かのう とも考 かんが えられる。
異 こと なる単位 たんい 系 けい で定式 ていしき 化 か された公式 こうしき に数値 すうち を代入 だいにゅう せねばならない事態 じたい が重 かさ なると、使用 しよう すべき単位 たんい を誤 あやま り結果 けっか の取 と り違 ちが いや計算 けいさん ミスを犯 おか す可能 かのう 性 せい がある。このミスは取 と り返 かえ しのつかない事態 じたい に至 いた るまで気 き がつかないこともありうる。
量 りょう の大 おお きさと数値 すうち との違 ちが いの理解 りかい が曖昧 あいまい な場合 ばあい は、量 りょう 記号 きごう と数値 すうち 記号 きごう とを混同 こんどう して例 たと えば以下 いか の4つの等式 とうしき の違 ちが いを紛 まぎ らわしく感 かん じたり、意味 いみ を誤解 ごかい したりする可能 かのう 性 せい がある。
下記 かき の4つの式 しき は、内容 ないよう は全 まった く同 おな じこと を言 い っているが、両辺 りょうへん の項 こう の意味 いみ は異 こと なる 。
1
k
m
=
1000
m
{\displaystyle \mathrm {1\ km=1000\ m} }
(5-1)
x
k
m
=
1000
x
m
{\displaystyle \mathrm {x\ km=1000x\ m} }
(5-2)
L
[
k
m
]
=
L
[
m
]
/
1000
{\displaystyle L[\mathrm {km} ]=L[\mathrm {m} ]/1000}
(5-3)
{
L
}
k
m
=
{
L
}
m
/
1000
{\displaystyle \{L\}_{\mathrm {km} }=\{L\}_{\mathrm {m} }/1000}
(5-4)
式 しき (5-1)と式 しき (5-2)の両辺 りょうへん は量 りょう を示 しめ しているが、式 しき (5-3)と式 しき (5-4)の両辺 りょうへん は数値 すうち を示 しめ していて、式 しき (5-3)の [km] と [m] および式 しき (5-4)の下 しも 付記 ふき 号 ごう は記号 きごう L の添 そ え字 じ というべきものである。式 しき (5-1), (5-2)の単位 たんい 記号 きごう とは異 こと なり、式 しき (5-3)の [km] と [m] は独立 どくりつ した記号 きごう として通常 つうじょう の数学 すうがく 記号 きごう と同様 どうよう の演算 えんざん 規則 きそく に従 したが うものではなく、L [km] という記号 きごう 列 れつ が一体 いったい となってひとつの数値 すうち を表 あらわ す変数 へんすう 記号 きごう を表 あらわ している。括弧 かっこ 付 つ き量 りょう 記号 きごう と下付 かふ 単位 たんい 記号 きごう による式 しき (5-4)の表記 ひょうき はISOやJISで数値 すうち 方程式 ほうていしき の項 こう の表記 ひょうき として推奨 すいしょう されているものであり[1] 、式 しき (5-3)の表記 ひょうき に比 くら べて {L }km という記号 きごう 列 れつ が一体 いったい であることが認識 にんしき されやすいであろう。
つまり式 しき (5-1), (5-2)は量 りょう 方程式 ほうていしき であり式 しき (5-3), (5-4)は数値 すうち 方程式 ほうていしき なのだが、両者 りょうしゃ の違 ちが いを認識 にんしき していない場合 ばあい には、以下 いか の式 しき (5-1), (5-2)と式 しき (5-3), (5-4)の係数 けいすう のかかり方 かた が逆 ぎゃく であることに単位 たんい 換算 かんさん の紛 まぎ らわしさを感 かん じる可能 かのう 性 せい はある。
接頭 せっとう 語 ご のかかりかたに関 かん する紛 まぎ らわしい点 てん
編集 へんしゅう
数学 すうがく で扱 あつか われる数式 すうしき では一般 いっぱん に、ひとつの変数 へんすう が1文字 もじ または1文字 もじ に上 うえ 付 つ きや下 した 付 つ きの添 そ え字 じ を付 つ けた記号 きごう で表 あらわ されることが多 おお い。それゆえ接頭 せっとう 語 ご 付 つ きの単位 たんい 記号 きごう が2変数 へんすう の積 せき と誤解 ごかい される可能 かのう 性 せい がありうる。また接頭 せっとう 語 ご 付 つ きの単位 たんい 記号 きごう は2文字 もじ でひとつの変数 へんすう を表 あらわ すことは理解 りかい していたとしても、1文字 もじ の単位 たんい 記号 きごう もあるために、多数 たすう の単位 たんい 記号 きごう の積 せき を示 しめ す記号 きごう 列 れつ が複数 ふくすう 通 どお りに解釈 かいしゃく できてしまう可能 かのう 性 せい がある。
このような曖昧 あいまい さを避 さ けるために、SIの規則 きそく では、「積 せき は空白 くうはく (space )または中点 ちゅうてん (half-height dot )で表 あらわ し、接頭 せっとう 語 ご が単位 たんい 記号 きごう と間違 まちが えられないようにする」と定 さだ めている[4] 。
また商 しょう を示 しめ すために斜線 しゃせん (/) を複 ふく 数 すう 回 かい 使 つか うと、解釈 かいしゃく が紛 まぎ らわしくなる。そのためSIの規則 きそく では、「多 おお くの単位 たんい 記号 きごう が混在 こんざい するときは、例 たと えば括弧 かっこ や負 まけ の指数 しすう を用 もち いて、曖昧 あいまい さを排除 はいじょ しなければならない。曖昧 あいまい さを排除 はいじょ するための括弧 かっこ が無 な い場合 ばあい 、一 ひと つの表現 ひょうげん の中 なか で斜線 しゃせん を複 ふく 数 すう 回 かい 用 もち いてはならない。」と定 さだ めている[4] 。
以上 いじょう のような規則 きそく を守 まも らない表記 ひょうき は、解釈 かいしゃく が紛 まぎ らわしく誤解 ごかい の余地 よち が生 しょう じる可能 かのう 性 せい がある。
^ ここで km/h⋅s(キロメートル毎時 まいじ 毎秒 まいびょう )は、物理 ぶつり 学 がく の教科書 きょうかしょ ではあまりみかけないかもしれないが、現実 げんじつ の測定 そくてい データとしてはよくありえる。例 たと えば自動車 じどうしゃ 、エレベータ等 とう の速度 そくど の生 なま データは km/h であり、数 すう 十 じゅう 秒 びょう 程度 ていど のスケールで所定 しょてい 速度 そくど に達 たっ するので、これらの、起動 きどう 加速度 かそくど の生 なま データとしては直感 ちょっかん 的 てき に相応 ふさわ しいであろう。そのため採用 さいよう した。