V ≅ F n は n -次元 じげん ベクトル空間 くうかん で {e 1 , ..., e n } がその基底 きてい を与 あた えるものとする。n × n 行列 ぎょうれつ A は A = (B (e i , e j )) で定義 ていぎ され、ベクトル v , w をこの基底 きてい に関 かん して表 あらわ す n × 1 行列 ぎょうれつ をそれぞれ x , y であるとすれば
B
(
v
,
w
)
=
x
T
A
y
=
∑
i
,
j
=
1
n
a
i
j
x
i
y
j
{\displaystyle B(\mathbf {v} ,\mathbf {w} )=x^{\mathrm {T} }Ay=\sum _{i,j=1}^{n}a_{ij}x_{i}y_{j}}
が成 な り立 た つ。別 べつ な基底 きてい {f 1 , ..., f n } を取 と るとき、正則 せいそく 線型 せんけい 変換 へんかん S ∈ GL (n ; F ) が存在 そんざい して
[f 1 , ..., f n ] = [e 1 , ..., e n ]S
と書 か けるから、同 おな じ双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき のこの基底 きてい に関 かん する行列 ぎょうれつ 表現 ひょうげん は、S T AS により与 あた えられる。
ベクトル空間 くうかん V 上 うえ の任意 にんい の双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき B に対 たい し、カリー化 か により、V から双対 そうつい 空間 くうかん V * への線型 せんけい 写像 しゃぞう の対 たい B 1 , B 2 : V → V * が
B
1
(
v
)
=
B
(
v
,
∙
)
:
V
→
F
;
w
↦
B
1
(
v
)
(
w
)
=
B
(
v
,
w
)
{\displaystyle B_{1}(\mathbf {v} )=B(\mathbf {v} ,\bullet )\colon V\to F;\;\mathbf {w} \mapsto B_{1}(\mathbf {v} )(\mathbf {w} )=B(\mathbf {v} ,\mathbf {w} )}
B
2
(
w
)
=
B
(
∙
,
w
)
:
V
→
F
;
v
↦
B
2
(
w
)
(
v
)
=
B
(
v
,
w
)
{\displaystyle B_{2}(\mathbf {w} )=B(\bullet ,\mathbf {w} )\colon V\to F;\;\mathbf {v} \mapsto B_{2}(\mathbf {w} )(\mathbf {v} )=B(\mathbf {v} ,\mathbf {w} )}
として誘導 ゆうどう される。ここに黒丸 くろまる • は、得 え られる線型 せんけい 汎 ひろし 函数 かんすう の引数 ひきすう が入 はい る場所 ばしょ を示 しめ すプレースホルダ である。
V が有限 ゆうげん 次元 じげん ベクトル空間 くうかん である場合 ばあい には、B 1 または B 2 のいずれか一方 いっぽう が同型 どうけい ならば、両者 りょうしゃ とも同型 どうけい となり、このとき双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき B は非 ひ 退化 たいか であると言 い う。より具体 ぐたい 的 てき に、有限 ゆうげん 次元 じげん ベクトル空間 くうかん 上 じょう の双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき B が非 ひ 退化 たいか であるとは、
B
(
x
,
y
)
=
0
(
∀
y
∈
V
)
⟹
x
=
0
,
{\displaystyle B(x,y)=0\,(\forall y\in V)\implies x=0,}
B
(
x
,
y
)
=
0
(
∀
x
∈
V
)
⟹
y
=
0
{\displaystyle B(x,y)=0\,(\forall x\in V)\implies y=0}
がともに成立 せいりつ することを言 い う。
可 か 換 かわ 環 たまき R の上 うえ の加 か 群 ぐん M の場合 ばあい にこれと対応 たいおう する概念 がいねん として、双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき B : M × M → R がユニモジュラー (unimodular) であるとは、誘導 ゆうどう される写像 しゃぞう B 1 , B 2 : M → M * := Hom(M ,R ) が同型 どうけい であるときに言 い う。可 か 換 かわ 環 かん 上 うえ の有限 ゆうげん 階数 かいすう 加 か 群 ぐん が与 あた えられたとき、誘導 ゆうどう された写像 しゃぞう が単 たん 射 い (上 うえ の意味 いみ で非 ひ 退化 たいか )だがユニモジュラーでないという場合 ばあい が起 お こり得 え る。例 たと えば、有理 ゆうり 整数 せいすう 環 たまき Z 上 うえ の双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき B (x , y ) = 2xy は非 ひ 退化 たいか だがユニモジュラーでない(実際 じっさい 、誘導 ゆうどう される Z → Z * = Z は 2 -倍 ばい 写像 しゃぞう だから同型 どうけい でない)。
V が有限 ゆうげん 次元 じげん の場合 ばあい は、V と二 に 重 じゅう 双対 そうつい V ** とを同 どう 一 いち 視 し できる。このとき、B 2 は線型 せんけい 写像 しゃぞう B 1 の転置 てんち 写像 しゃぞう となることが示 しめ せる(V が無限 むげん 次元 じげん の場合 ばあい には、B 2 は B 1 の転置 てんち 写像 しゃぞう を V ** における V の像 ぞう に制限 せいげん したものと一致 いっち する)。与 あた えられた双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき B に対 たい し、B の転置 てんち とは
B*(v , w ) = B(w , v )
で定義 ていぎ される双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき を言 い う。
双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき B の左 ひだり 根基 こんき および右 みぎ 根基 こんき とは、それぞれ B 1 および B 2 の核 かく [1] 、すなわちそれぞれ左 ひだり および右 みぎ の引数 ひきすう の空間 くうかん 全体 ぜんたい と直交 ちょっこう するベクトル全 すべ てからなる部分 ぶぶん 空間 くうかん を言 い う[2] 。
V が有限 ゆうげん 次元 じげん ならば、B 1 の階数 かいすう は B 2 の階数 かいすう に等 ひと しい。この階数 かいすう が dim(V ) に等 ひと しいならば B 1 , B 2 はともに V から V * への線型 せんけい 同型 どうけい であり、したがって B は非 ひ 退化 たいか である。階数 かいすう ・退化 たいか 次数 じすう の定理 ていり により、これは左 ひだり 根基 こんき が(あるいは同 おな じことだが右 みぎ 根基 こんき が)自明 じめい であるという条件 じょうけん と同値 どうち である。実際 じっさい 、有限 ゆうげん 次元 じげん の場合 ばあい には、しばしばこれを非 ひ 退化 たいか の定義 ていぎ として採用 さいよう する:
定義 ていぎ
双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき B が非 ひ 退化 たいか であるとは、B (v , w ) = 0 (∀w ) ならば v = 0 となることをいう。
線型 せんけい 写像 しゃぞう A : V → V * が任意 にんい に与 あた えられると、
B (v , w ) = A (v )(w )
と置 お くことにより V 上 うえ の双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき B が定 さだ まる。この形式 けいしき が非 ひ 退化 たいか であるための必要 ひつよう 十 じゅう 分 ふん 条件 じょうけん は A が同型 どうけい であることである。
V が有限 ゆうげん 次元 じげん の時 とき 、V の適当 てきとう な基底 きてい に関 かん して、双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき が退化 たいか するための必要 ひつよう 十 じゅう 分 ふん 条件 じょうけん は、対応 たいおう する行列 ぎょうれつ の行列 ぎょうれつ 式 しき が零 れい となること。同様 どうよう に、非 ひ 退化 たいか 形式 けいしき は対応 たいおう する行列 ぎょうれつ の行列 ぎょうれつ 式 しき が零 れい でない(行列 ぎょうれつ が正則 せいそく )である双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき である。これらは基底 きてい の取 と り方 かた に依 よ らず成 な り立 た つ事実 じじつ である。
可 か 換 かわ 環 かん 上 うえ の加 か 群 ぐん の場合 ばあい には、ユニモジュラー形式 けいしき とは付随 ふずい する行列 ぎょうれつ の行列 ぎょうれつ 式 しき が単元 たんげん (例 たと えば 1 )、したがって各項 かくこう もそうであるような双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき である。付随 ふずい する行列 ぎょうれつ が非 ひ 零 れい だが単元 たんげん でない形式 けいしき は、非 ひ 退化 たいか だがユニモジュラーでないことに注意 ちゅうい すべきである(例 たと えば、整数 せいすう 環 たまき 上 じょう 定義 ていぎ された
B
(
x
,
y
)
=
2
x
y
{\displaystyle B(x,y)=2xy}
など)。
対称 たいしょう 性 せい 、歪 ひずみ 対称 たいしょう 性 せい および交代 こうたい 性 せい
編集 へんしゅう
与 あた えられた双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき が、
対称 たいしょう であるとは、V の全 すべ ての v , w に対 たい し、B (v , w ) = B(w , v ) のこと;
交代 こうたい 的 てき であるとは、V の全 すべ ての v に対 たい し、B (v , v ) = 0 のこと;
歪 いびつ 対称 たいしょう であるとは、V の全 すべ ての v , w に対 たい し、B (v , w ) = −B (w , v ) のこと
と定義 ていぎ する。
注意 ちゅうい
任意 にんい の交代 こうたい 形式 けいしき が歪 いびつ 対称 たいしょう となることは B (v +w , v +w ) を展開 てんかい すれば明 あき らかであり、基礎 きそ 体 たい F の標 しるべ 数 すう が 2 でないときは、逆 ぎゃく も正 ただ しい。即 すなわ ち、双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき が歪 いびつ 対称 たいしょう 的 てき であることと交代 こうたい 的 てき であることとは同 おな じ概念 がいねん をさだめる。
しかし char(F) = 2 のときは、歪 ひずみ 対称 たいしょう 形式 けいしき は対称 たいしょう 形式 けいしき と同一 どういつ の概念 がいねん を表 あらわ すこととなり、また交代 こうたい 形式 けいしき ではない対称 たいしょう /歪 ひずみ 対称 たいしょう 形式 けいしき が存在 そんざい する。
双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき が対称 たいしょう (あるいは歪 ひずみ 対称 たいしょう )であるための必要 ひつよう 十 じゅう 分 ふん 条件 じょうけん は、その双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき の(任意 にんい の基底 きてい に対 たい する)表現 ひょうげん 行列 ぎょうれつ が対称 たいしょう (あるいは歪 いびつ 対称 たいしょう )となることである。また双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき が交代 こうたい 的 てき となる必要 ひつよう 十 じゅう 分 ふん 条件 じょうけん は、この双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき の表現 ひょうげん 行列 ぎょうれつ が歪 いびつ 対称 たいしょう でかつ対 たい 角 かく 成分 せいぶん がすべてゼロであるとなることである(char(F ) ≠ 2F の時 とき は、歪 ひずみ 対称 たいしょう よりこのことが従 したが う)。
双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき が対称 たいしょう であるための必要 ひつよう 十 じゅう 分 ふん 条件 じょうけん は、それに対応 たいおう する二 ふた つの線型 せんけい 写像 しゃぞう B1 , B2 : V → V* が相 そう 等 ひと しいことであり、また歪 ひずみ 対称 たいしょう であるための必要 ひつよう 十 じゅう 分 ふん 条件 じょうけん は、対応 たいおう する線型 せんけい 写像 しゃぞう の一方 いっぽう が他方 たほう の符号 ふごう を変 か えたものとなっていることである。また、char(F) ≠ 2 のとき、双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき は
B
±
=
1
2
(
B
±
B
∗
)
{\displaystyle B^{\pm }={\frac {1}{2}}(B\pm B^{*})}
と置 お くことにより、対称 たいしょう 部分 ぶぶん と歪 ひずみ 対称 たいしょう 部分 ぶぶん に分解 ぶんかい することができる。ここに、B ∗ は B の(上 うえ で定義 ていぎ した意味 いみ での)転置 てんち である。
双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき B : V × V → F に対 たい し、付随 ふずい する二 に 次 じ 形式 けいしき Q B : V → F は Q B (v ) := B (v , v ) で与 あた えられる。
char(F) ≠ 2 のとき、二 に 次 じ 形式 けいしき はそれに付随 ふずい する対称 たいしょう 双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき の言葉 ことば を用 もち いて定義 ていぎ することができる。同様 どうよう の仕方 しかた で、二 に 次 じ 形式 けいしき の概念 がいねん の、歪 ひずみ 対称 たいしょう 形式 けいしき 、エルミート形式 けいしき 、歪 いびつ エルミート形式 けいしき などに対応 たいおう する変形 へんけい 版 ばん を定義 ていぎ することができる。これを一般 いっぱん にまとめた概念 がいねん としてε いぷしろん -二 に 次 じ 形式 けいしき (英語 えいご 版 ばん ) (ε いぷしろん -quadratic form) がある。
定義 ていぎ
双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき B : V × V → F が反射 はんしゃ 的 てき (reflexive) であるとは、V の全 すべ ての v , w に対 たい して、B (v , w ) = 0 ならば B (w , v ) = 0 が成 な り立 た つことを言 い う。
反射 はんしゃ 的 てき 双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき B : V × V → F に対 たい し、V の v , w が B に関 かん して直交 ちょっこう (orthogonal) するとは B (v , w ) = 0 が成 な り立 た つこと(これは B (w , v ) = 0 が成 な り立 た つこととしても同 おな じ)を言 い う。
双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき B が反射 はんしゃ 的 てき であるには、それが対称 たいしょう 的 てき もしくは交代 こうたい 的 てき の何 いず れかとなることが必要 ひつよう 十分 じゅうぶん である[3] 。反射 はんしゃ 性 せい を落 お として考 かんが えるばあいには、左 ひだり 直交 ちょっこう と右 みぎ 直交 ちょっこう の概念 がいねん を区別 くべつ しなければならない。反射 はんしゃ 的 てき 空間 くうかん においては左右 さゆう の根基 こんき は一致 いっち し、自分 じぶん 以外 いがい の全 すべ てのベクトルと直交 ちょっこう するようなベクトル全体 ぜんたい の成 な す部分 ぶぶん 空間 くうかん として、双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき の核 かく 、もしくは根基 こんき と呼 よ ばれる。すなわち、行列 ぎょうれつ 表現 ひょうげん x をもつベクトル v が行列 ぎょうれつ 表現 ひょうげん A を持 も つ双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき の根基 こんき に属 ぞく するというのは、Ax = 0 となること(いまの場合 ばあい x T A = 0 となることとしても同 おな じ)である。根基 こんき は、常 つね に V の部分 ぶぶん 空間 くうかん である。根基 こんき が自明 じめい であることと、行列 ぎょうれつ A が非特異 ひとくい であることとは同値 どうち であり、従 したが って、双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき が非 ひ 退化 たいか であることとも同値 どうち である。
部分 ぶぶん 空間 くうかん W に対 たい して、B に関 かん する直交 ちょっこう 補 ほ 空間 くうかん [4] は
W
⊥
=
{
v
∣
B
(
v
,
w
)
=
0
∀
w
∈
W
}
{\displaystyle W^{\perp }=\{v\mid B(\mathbf {v} ,\mathbf {w} )=0\ \forall \mathbf {w} \in W\}}
で定義 ていぎ される。有限 ゆうげん 次元 じげん 空間 くうかん の上 うえ の非 ひ 退化 たいか 二 に 次 じ 形式 けいしき に対 たい し、写像 しゃぞう W ↔ W⊥ は全 ぜん 単 たん 射 しゃ であり、W⊥ の次元 じげん は dim(V) − dim(W) で与 あた えられる。
同 おな じ基礎 きそ 体 たい の上 うえ の双 そう 線型 せんけい 写像 しゃぞう
B : V × W → F
に対 たい しても、上 うえ で述 の べた双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき に関 かん する議論 ぎろん の大半 たいはん について同様 どうよう の内容 ないよう が成立 せいりつ する。例 たと えばこの場合 ばあい においても、双 そう 線型 せんけい 写像 しゃぞう からは、V から W ∗ への線型 せんけい 写像 しゃぞう と W から V ∗ への線型 せんけい 写像 しゃぞう が誘導 ゆうどう される。これらの写像 しゃぞう が同型 どうけい となることも起 お こり得 え る(有限 ゆうげん 次元 じげん の場合 ばあい は、やはり一方 いっぽう が同型 どうけい ならば他方 たほう も同型 どうけい でなければならない)。その場合 ばあい 、B は完全 かんぜん 対 たい (perfect pairing) である、または V と W とを双対 そうつい にする という。
有限 ゆうげん 次元 じげん では、これはペアリングが非 ひ 退化 たいか であることと同値 どうち である(空間 くうかん は必然 ひつぜん 的 てき に同 どう 次元 じげん となる)。(ベクトル空間 くうかん ではなく)加 か 群 ぐん について言 い えば、非 ひ 退化 たいか 形式 けいしき であるということがユニモジュラ形式 けいしき であるという条件 じょうけん より弱 よわ い条件 じょうけん であるのとちょうど同 おな じ意味 いみ で、非 ひ 退化 たいか 対 たい であることは完全 かんぜん 対 たい であることよりも弱 よわ い条件 じょうけん になる。非 ひ 退化 たいか ではるが完全 かんぜん ではない例 れい としては、(x ,y ) ↦ 2xy による Z × Z → Z は非 ひ 退化 たいか ではあるが、写像 しゃぞう Z → Z * の上 うえ に 2による積 せき を引 ひ き起 お こす。
そこで、こういった場合 ばあい に対 たい しても双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき という言葉 ことば がしばしば用 もち いられる。例 たと えば、リース・ハーヴィは「八 はち 種類 しゅるい の内積 ないせき 」[5] について議論 ぎろん するのに、非 ひ 零 れい 成分 せいぶん は +1 または −1 しか持 も たないような対 たい 角 かく 行列 ぎょうれつ A ij を用 もち いてそれらの「内積 ないせき 」を定義 ていぎ した。ここでいう「内積 ないせき 」の中 なか には、斜 はす 交形式 しき や半双 はんそう 線型 せんけい 形式 けいしき 、エルミート形式 けいしき であるようなものが含 ふく まれる。その議論 ぎろん は、一般 いっぱん の体 からだ F ではなくて、具体 ぐたい 的 てき に実数 じっすう 体 たい R , 複素数 ふくそすう 体 たい C , 四 よん 元 げん 数 すう 体 からだ H を詳述 しょうじゅつ するものである。例 たと えば
∑
k
=
1
p
x
k
y
k
−
∑
k
=
p
+
1
n
x
k
y
k
{\displaystyle \sum _{k=1}^{p}x_{k}y_{k}-\sum _{k=p+1}^{n}x_{k}y_{k}}
なる形 かたち の双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき は、実 じつ 対称 たいしょう 型 がた (real symmetric case) と呼 よ ばれ、R(p , q ) (ただし p + q = n ) というラベル で分類 ぶんるい される。旧来 きゅうらい の用語 ようご との関係 かんけい については
実 じつ 対称 たいしょう 型 がた 双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき には非常 ひじょう に重要 じゅうよう なものが含 ふく まれる。正 せい 定値 ていち の場合 ばあい の R(n , 0) はユークリッド空間 くうかん に対応 たいおう し、また一 ひと つが負 ふ 符号 ふごう の R(n −1, 1) はローレンツ空間 くうかん に対応 たいおう する。n = 4 の場合 ばあい のローレンツ空間 くうかん はミンコフスキー空間 くうかん またはミンコフスキー時空 じくう とも呼 よ ばれている。R(p , p ) なる特別 とくべつ な場合 ばあい は分解 ぶんかい 型 がた と呼 よ ばれるものである。
と述 の べている[6] 。
テンソル積 せき の持 も つ普遍 ふへん 性 せい により、V 上 うえ の双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき は、線型 せんけい 写像 しゃぞう V ⊗ V → F と 1 対 たい 1 に対応 たいおう する。B が V 上 うえ の双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき であれば、対応 たいおう する線型 せんけい 写像 しゃぞう は
v ⊗ w ↦ B(v , w )
によって与 あた えられる。全 すべ ての線型 せんけい 写像 しゃぞう V ⊗ V → F の集合 しゅうごう は、V ⊗ V の双対 そうつい 空間 くうかん であるので、双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき は
(V ⊗ V )* ≅ V* ⊗ V*
の元 もと と考 かんが えられる。同様 どうよう にして、対称 たいしょう 双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき は Sym2 (V*) (V* の二 に 次 じ 対称 たいしょう 冪 べき )の元 もと とも考 かんが えることができ、交代 こうたい 双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき は、Λ らむだ 2 V* (V* の二 に 次 じ 外 そと 冪 べき )の元 もと とも考 かんが えられる。
定義 ていぎ
ノルム線型 せんけい 空間 くうかん の上 うえ の双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき は、全 すべ ての u , v ∈ V に対 たい して、
B
(
u
,
v
)
≤
C
‖
u
‖
‖
v
‖
{\displaystyle B(\mathbf {u} ,\mathbf {v} )\leq C\|\mathbf {u} \|\|\mathbf {v} \|}
が成立 せいりつ するような定数 ていすう C が存在 そんざい するとき、有界 ゆうかい (bounded)であるという。
ノルム線型 せんけい 空間 くうかん の上 うえ の双 そう 線型 せんけい 形式 けいしき が楕円 だえん 的 てき (elliptic)、もしくは強圧 きょうあつ 的 てき (英語 えいご 版 ばん ) であるとは、全 すべ ての u ∈ V に対 たい して、
B
(
u
,
u
)
≥
c
‖
u
‖
2
{\displaystyle B(\mathbf {u} ,\mathbf {u} )\geq c\|\mathbf {u} \|^{2}}
となるような定数 ていすう c > 0 が存在 そんざい する場合 ばあい を言 い う。
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