大村おおむら幸弘ゆきひろ

大村おおむら 幸弘ゆきひろ（おおむら さちひろ、1946年ねん - ）は、日本にっぽんの考古こうこ学者がくしゃ。中近東ちゅうきんとう文化ぶんかセンター主任しゅにん研究けんきゅう員いん、アナトリア考古学こうこがく研究所けんきゅうじょ長ちょう、カマン・カレホユック遺跡いせき調査ちょうさ隊長たいちょう。

来歴らいれき・人物じんぶつ

岩手いわて県けん出身しゅっしん。盛岡もりおか藩はんの火ひ業師わざし（砲術ほうじゅつ師し）で、エトロフ島とう事件じけんに遭遇そうぐうしロシア人じんの捕虜ほりょとなった大村おおむら治おさむ五平ごへいの子孫しそん。兄あに・大村おおむら次つぎ郷きょうは写真しゃしん家か。作家さっかの森荘もりしょう已やめ池ちは伯父おじ（母親ははおやの兄あに）。父ちちの大村おおむら次じ信しんは元もと満州まんしゅう国こく協和きょうわ会かい職員しょくいんで、終戦しゅうせん直後ちょくごに満州まんしゅう国こくから一家いっかでの命いのちがけの引ひき揚あげを経験けいけんしており、幸弘ゆきひろは一家いっかが盛岡もりおかの実家じっかに帰かえり着ついた3日にち後ごに生うまれている。

早稲田大学わせだだいがく第だい一いち文学部ぶんがくぶ西洋せいよう史し科か卒業そつぎょう。トルコ給費きゅうひ生せいとしてアンカラ大学だいがく言語げんご・歴史れきし・地理ちり学部がくぶヒッタイト学科がっかに留学りゅうがく。中近東ちゅうきんとう考古こうこ学科がっか博士はかせ課程かてい修了しゅうりょう。帰国きこく後ご、中近東ちゅうきんとう文化ぶんかセンターに勤務きんむ。1986年ねんよりトルコのカマン・カレホユック遺跡いせきの発掘はっくつ調査ちょうさに従事じゅうじする。

2017年ねん9月がつに、トルコ・アナトリア地方ちほうの古代こだい遺跡いせきの紀元前きげんぜん2250～同どう2500年ねんの地層ちそうから、製鉄せいてつ関連かんれんの最古さいこ級きゅうの遺物いぶつ（酸化さんか鉄てつを多おおく含ふくむ分銅ふんどう形がたをした直径ちょっけい約やく3センチの塊かたまり）を発見はっけんし、話題わだいになった。

受賞じゅしょう歴れき

• 1981年ねん『鉄てつを生うみだした帝国ていこく』で講談社こうだんしゃノンフィクション賞しょう受賞じゅしょう
• 2004年ねん『アナトリア発掘はっくつ記き』でパピルス賞しょう受賞じゅしょう
• 2011年ねん 第だい1回かい三笠みかさ宮みやオリエント学術がくじゅつ賞しょう受賞じゅしょう

著書ちょしょ

• 『埋うずもれた古代こだい帝国ていこく〈トルコ発掘はっくつ日誌にっし〉』JTBパブリッシング 1978年ねん
• 『鉄てつを生うみだした帝国ていこく－ヒッタイト発掘はっくつ』日本にっぽん放送ほうそう出版しゅっぱん協会きょうかい<NHKブックス> 1981年ねん
• 『トルコ　世界せかい歴史れきしの旅たび』山川やまかわ出版しゅっぱん社しゃ　2000年ねん
• 『アナトリア発掘はっくつ記き－カマン・カレホユック遺跡いせきの二に十じゅう年ねん』日本にっぽん放送ほうそう出版しゅっぱん協会きょうかい<NHKブックス> 2004年ねん
• 『アナトリアの風ふう　考古学こうこがくと国際こくさい貢献こうけん』リトン　2018年ねん

共編きょうへん著ちょ

• 『カッパドキア－トルコ洞窟どうくつ修道院しゅうどういんと地下ちか都市とし』集英社しゅうえいしゃ　2001年ねん。「アジアをゆく」大村おおむら次つぎ郷きょう写真しゃしん
• 『トルコを知しるための53章しょう』永田ながた雄三ゆうぞう・内藤ないとう正ただし典てん共編きょうへん著ちょ　明石書店あかししょてん　2012年ねん。エリア・スタディーズ
• 『トロイアの真実しんじつ アナトリアの発掘はっくつ現場げんばからシュリーマンの実像じつぞうを踏査とうさする』山川やまかわ出版しゅっぱん社しゃ 2014年ねん。

翻訳ほんやく

• クルート・ビッテル（Kurt Bittel）『ヒッタイト王国おうこくの発見はっけん』吉田よしだ大輔だいすけ共とも訳やく　山本やまもと書店しょてん 1991年ねん

出演しゅつえん

• こころの時代じだい「歴史れきしに辿たどる　“自分じぶんとは何なにか”」（2020年ねん9月がつ27日にち、NHK Eテレ）
• NHK ラジオ第だい2「カルチャーラジオ日曜にちようカルチャー」「未知みちの世界せかい史しを掘ほり起おこす」全ぜん5回かい　2022年ねん7月がつ

脚注きゃくちゅう