(Translated by https://www.hiragana.jp/)
天体望遠鏡 - Wikipedia

天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう(てんたい ぼうえんきょう)とは、天体てんたい観測かんそくよう望遠鏡ぼうえんきょう[1][2]

米国べいこくロサンゼルス近郊きんこうウィルソンやま天文台てんもんだいにある100インチ(2.54 m)フッカー反射はんしゃ望遠鏡ぼうえんきょうエドウィン・ハッブル銀河ぎんがあか方偏かたへんうつり測定そくていし、宇宙うちゅう全体ぜんたいてき膨張ぼうちょう発見はっけんするために使用しようしました。

天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう歴史れきしまえると、可視かしこうをとらえるための天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう歴史れきしながく、それがオーソドックスではあるが、その可視かしこう以外いがいをとらえるための望遠鏡ぼうえんきょう次々つぎつぎ開発かいはつされて多様たようしてきた歴史れきしがあり)最近さいきんではひかりより波長はちょうなが電磁波でんじは赤外線せきがいせん望遠鏡ぼうえんきょう電波でんぱ望遠鏡ぼうえんきょうなども、また人工じんこう衛星えいせい搭載とうさいして地球ちきゅう大気たいきがいから観測かんそくおこなスペーステレスコープ(space telescope。宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう)も広義こうぎ天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょうふくめている[2]

個人こじん購入こうにゅう使用しようできる小型こがた光学こうがく望遠鏡ぼうえんきょうから、大学だいがく研究けんきゅう機関きかん行政ぎょうせい組織そしき国際こくさい組織そしきなどが設置せっち運用うんようする大型おおがた望遠鏡ぼうえんきょう高性能こうせいのう望遠鏡ぼうえんきょうまで、多様たようである。

太陽たいようについては光量ひかりりょう非常ひじょうおおきく、通常つうじょう天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょうでは失明しつめいなどきわめて重大じゅうだい健康けんこう被害ひがいしょうじるおそれがあるため、専用せんよう太陽たいよう望遠鏡ぼうえんきょうもちいる。

種類しゅるい

編集へんしゅう

さまざまな分類ぶんるいほうがあるが、 ひとつの分類ぶんるいほうとしてはらえる電磁波でんじはひかりふくむ)に着目ちゃくもくして、光学こうがく望遠鏡ぼうえんきょう / 電波でんぱ望遠鏡ぼうえんきょう / Xせん望遠鏡ぼうえんきょう / 赤外線せきがいせん望遠鏡ぼうえんきょう ...などと分類ぶんるいする方法ほうほうがある。

光学こうがく望遠鏡ぼうえんきょう

編集へんしゅう

天体てんたいから可視かしこう赤外線せきがいせん紫外線しがいせん光学こうがくてき機構きこう観測かんそくする望遠鏡ぼうえんきょう

大型おおがた光学こうがく天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう

編集へんしゅう

大型おおがた研究けんきゅうよう望遠鏡ぼうえんきょうはほとんどの場合ばあいカセグレンしき望遠鏡ぼうえんきょうとしてもニュートンしき望遠鏡ぼうえんきょうとしても使用しようできる。なが焦点しょうてん距離きょりせま視野しやこう倍率ばいりつ観測かんそくしたい場合ばあいには前者ぜんしゃを、よりあかるい視野しや使つかいたい場合ばあいには後者こうしゃもちいる。これらの大型おおがた望遠鏡ぼうえんきょうにはあなひらいたおもきょうとニュートン焦点しょうてん、そして様々さまざま位置いち脱着だっちゃく可能かのうふくかがみとそれをささえるスパイダーなどがもうけられている。

1987ねんには集合しゅうごうきょう望遠鏡ぼうえんきょう(MMT)が建設けんせつされ、望遠鏡ぼうえんきょう開発かいはつあたらしい時代じだいむかえた。この望遠鏡ぼうえんきょう口径こうけい1.8mのかがみ6まいからなり、これらのかがみ合成ごうせいして口径こうけい4.5m相当そうとうしゅうこうりょく仕組しくみになっている。この方式ほうしきケック望遠鏡ぼうえんきょうがれている。ケック望遠鏡ぼうえんきょう口径こうけい1.8mのかがみを36まいわせた合成ごうせい口径こうけい10mの望遠鏡ぼうえんきょうである。

現在地げんざいちじょう建設けんせつされている世代せだい望遠鏡ぼうえんきょうは、口径こうけい6-8mのおもきょうっている。この世代せだい望遠鏡ぼうえんきょうでは反射はんしゃきょうはたいてい非常ひじょううすく、多数たすうならんだアクチュエータによって最適さいてき形状けいじょうたもたれる仕組しくみをそなえている(能動のうどう光学こうがく参照さんしょうのこと)。この技術ぎじゅつ口径こうけい30m、50m、100mといった未来みらい望遠鏡ぼうえんきょう計画けいかく設計せっけい推進すいしんする原動力げんどうりょくとなっている。

望遠鏡ぼうえんきょう使つかわれる検出けんしゅつは、はじめは人間にんげんであった。のちに、写真しゃしん乾板かんぱんがその地位ちいき、分光ぶんこうけい導入どうにゅうされてスペクトル情報じょうほうることを可能かのうにした。現在げんざいでは写真しゃしん乾板かんぱんつづいて電荷でんか結合けつごう素子そし (CCD) のような電子でんし検出けんしゅつ世代せだいこうぎ、感度かんど解像度かいぞうど両面りょうめん完全かんぜん性能せいのうたっしつつある。

現在げんざい研究けんきゅうよう望遠鏡ぼうえんきょうには以下いかのようないくつかの装置そうちいている。

  • さまざまな波長はちょう対応たいおうした撮像さつぞうようカメラ
  • さまざまな波長はちょういきのスペクトルをるための分光ぶんこうけい
  • ひかりへんこう検出けんしゅつするへんこうけい
  • その

近年きんねん地上ちじょう望遠鏡ぼうえんきょうにおいて地球ちきゅう大気たいき悪影響あくえいきょう克服こくふくするためのいくつかの技術ぎじゅつ開発かいはつされ、成果せいかげている。これについては補償ほしょう光学こうがく参照さんしょうのこと。

回折かいせつという光学こうがく現象げんしょうがあるために、望遠鏡ぼうえんきょう到達とうたつできる解像度かいぞうど画質がしつには制限せいげんがある。一般いっぱんてん光源こうげん回折かいせつによって有限ゆうげん面積めんせき円盤えんばんじょうひろがってえ、これをエアリーディスクぶ。エアリーディスクの有効ゆうこう面積めんせき解像度かいぞうどまり、これによって、近接きんせつする2つのディスクのかく距離きょりがどれだけあれば両者りょうしゃ分離ぶんりできるかがまる。この絶対ぜったいてき限界げんかいスパローの限界げんかいぶ。この限界げんかい観測かんそくするひかり波長はちょう望遠鏡ぼうえんきょうかがみ直径ちょっけい依存いぞんする。(あかひかりあおひかりよりもはやくこの限界げんかいたっする。)これは、ある直径ちょっけいかがみ望遠鏡ぼうえんきょうはある波長はちょうではある一定いってい限界げんかいまでしかぞう分解ぶんかいできないことを意味いみする。したがって、その波長はちょうでよりたか分解能ぶんかいのうようとすれば、よりおおきなかがみつくるしかない。

有名ゆうめい天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう

編集へんしゅう
  • アメリカヤーキス天文台てんもんだいの 1.02m 望遠鏡ぼうえんきょう現在げんざい使つかわれているもっとおおきな口径こうけい屈折くっせつ望遠鏡ぼうえんきょうである。1897ねんにつくられ、レンズは1mの直径ちょっけいち、おもさは0.5tにもおよぶ。[3]
  • アメリカのウィルソンやま天文台てんもんだいの100in(2.54m)フッカー望遠鏡ぼうえんきょうエドウィン・ハッブル銀河ぎんがあか方偏かたへんうつり発見はっけんした望遠鏡ぼうえんきょうである。反射はんしゃきょうサンゴバンせい緑色みどりいろガラスでつくられている。現在げんざいではのウィルソンやま望遠鏡ぼうえんきょうとともに開口かいこう合成ごうせい望遠鏡ぼうえんきょうアレイの一部いちぶとなっており、いまでも最先端さいせんたん研究けんきゅう役立やくだっている。
  • アメリカパロマー天文台てんもんだいの200in(5.08m)ヘール望遠鏡ぼうえんきょうは1948ねん完成かんせい以来いらい長年ながねんにわたって世界一せかいいち口径こうけいほこった歴史れきしある研究けんきゅうよう望遠鏡ぼうえんきょうである。ボイジャーなどの惑星わくせい観測かんそくはたハッブル宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうすばる望遠鏡ぼうえんきょうなど近年きんねん活躍かつやくによりえられるまで、てん文書ぶんしょせられるおおくの天体てんたい写真しゃしんがヘールによるものであった。この反射はんしゃきょうはホウケイ酸けいさんガラスパイレックス)の単一たんいつきょうで、開発かいはつ困難こんなんきわめたことがられている。架台かだいもユニークで、赤道あかみち儀式ぎしきだがフォークしきではなくホースシューしきである。この方式ほうしきもフォークしき同様どうようてん北極ほっきょくちかくを撮像さつぞうできる利点りてんがある。
  • ロシア共和きょうわこくきゅうソビエト)のゼレンスカヤ天文台てんもんだいの6m光学こうがく反射はんしゃしき望遠鏡ぼうえんきょうBTA-6は、大型おおがた望遠鏡ぼうえんきょうでは当時とうじめずらしかった経緯けいいだいしき架台かだい採用さいようしている。2018ねんおもきょう交換こうかんして運用うんようちゅうである。
  • ハッブル宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう (HST、口径こうけい2.4m) は地球ちきゅう大気たいきそと軌道きどうじょうにあり、大気たいきによる屈折くっせつぞうゆがみをけることなく観測かんそくおこなうことができる。この意味いみでこの望遠鏡ぼうえんきょう回折かいせつ限界げんかいまでの性能せいのうることが可能かのうであり、紫外線しがいせん赤外線せきがいせん波長はちょういきでも使つかわれている。
  • ハッブルの後継こうけいとして、ラグランジュてん(L2)を周回しゅうかいするジェイムズ・ウェッブ宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう口径こうけい6.5m)が2021ねんげられ、2022ねんから稼働かどうした。ただしこれは赤外線せきがいせん望遠鏡ぼうえんきょうであり、きん紫外線しがいせん可視かしこう観測かんそく能力のうりょくたない。
  • ちょう大型おおがた望遠鏡ぼうえんきょうVLTは2005ねん現在げんざいもっと口径こうけいおおきな望遠鏡ぼうえんきょうである。口径こうけい8.1mの望遠鏡ぼうえんきょう4だいからなる。チリアタカマ砂漠さばく建設けんせつされ、ESO保有ほゆうしている。4だい望遠鏡ぼうえんきょう独立どくりつして操作そうさすることも同時どうじ使用しようすることもできる。同時どうじ使用しようした場合ばあい口径こうけい 16.2m 相当そうとうしゅうこうりょくとなる。
  • 日本にっぽん国立こくりつ天文台てんもんだいハワイしゅうマウナ・ケアさん建設けんせつしたすばる望遠鏡ぼうえんきょう口径こうけい8.2mで、単一たんいつきょう望遠鏡ぼうえんきょうとしては2007ねんだい双眼そうがん望遠鏡ぼうえんきょう建設けんせつされるまでもっと口径こうけいおおきかった。
ギャラリー

ひかり以外いがい電磁波でんじは観測かんそくする望遠鏡ぼうえんきょう

編集へんしゅう

たん望遠鏡ぼうえんきょうえば通常つうじょう光学こうがく望遠鏡ぼうえんきょうすが、ほかにも電磁波でんじはのほとんどすべての波長はちょういきについて、それぞれの電磁波でんじは観測かんそくするための望遠鏡ぼうえんきょう存在そんざいする。

電波でんぱ望遠鏡ぼうえんきょう

編集へんしゅう

Xせん・ガンマ(γがんま)せん望遠鏡ぼうえんきょう

編集へんしゅう

Xせん望遠鏡ぼうえんきょうガンマ線がんません望遠鏡ぼうえんきょうにはいくつかの困難こんなんがある。これらのこうエネルギ電磁波でんじははたいていの金属きんぞくやガラスを透過とうかしてしまうので、光学こうがくしき反射はんしゃ望遠鏡ぼうえんきょうのような、めんにほぼ垂直すいちょく入射にゅうしゃする構成こうせい反射はんしゃきょうつくることができず、屈折くっせつ望遠鏡ぼうえんきょうのようなレンズも、屈折くっせつりつが1よりちいさいのでつくれない。そのためXせん望遠鏡ぼうえんきょうでは、きむなどの重金属じゅうきんぞくでリングじょう回転かいてんものめん同心円どうしんえんじょう多数たすう配置はいちし、めんにほぼ水平すいへいちか角度かくど電磁波でんじは入射にゅうしゃさせることでぜん反射はんしゃさせてぞうむすぶ。だが、ガンマ線がんません望遠鏡ぼうえんきょうにいたっては、それさえできず、各種かくしゅ素粒子そりゅうし検出けんしゅつする方法ほうほう同様どうようガンマ線がんません電離でんりした粒子りゅうし検知けんちする、のような方法ほうほうをとらざるをないのが現状げんじょうである。半導体はんどうたい検出けんしゅつ参照さんしょうのこと。

また、Xせんガンマ線がんません地球ちきゅう大気たいき吸収きゅうしゅうされるため、観測かんそくには望遠鏡ぼうえんきょう搭載とうさいした人工じんこう衛星えいせい大気圏たいきけんがいげる必要ひつようがある。

宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう

編集へんしゅう

さらマイクロなどでも、一部いちぶ波長はちょう領域りょういきのぞき、だい部分ぶぶん地球ちきゅう大気たいきによって吸収きゅうしゅうされるため、精密せいみつ観測かんそくおこなうためには、望遠鏡ぼうえんきょう搭載とうさいした人工じんこう衛星えいせい大気圏たいきけんがいげる必要ひつようがある。

現在げんざいまでに、この領域りょういきでも、ふるくは有人ゆうじんスカイラブ計画けいかくやサリュート計画けいかくはじめとし、日本にっぽんふく無人むじん人工じんこう衛星えいせい多数たすうげられている。太陽たいよう観測かんそくはじめとして、宇宙うちゅう誕生たんじょうしょうじたくろたい輻射ふくしゃ銀河系ぎんがけいのガス分布ぶんぷ彗星すいせい発見はっけんなどで活躍かつやくしている。

電磁波でんじは以外いがい観測かんそくする望遠鏡ぼうえんきょう

編集へんしゅう

素粒子そりゅうし重力じゅうりょくなど、宇宙うちゅうからやってくる電磁波でんじは以外いがい粒子りゅうし波動はどう検出けんしゅつ観測かんそくする装置そうちのことをひろ意味いみ望遠鏡ぼうえんきょう場合ばあいがある。れいとして下記かきのような装置そうち存在そんざいする。

ニュートリノ望遠鏡ぼうえんきょう

編集へんしゅう

ニュートリノ電気でんきてき中性ちゅうせい質量しつりょうがほとんど0にちかい、きわめてかる粒子りゅうしである。通常つうじょう物質ぶっしつとまったく反応はんのうせず、地球ちきゅうすらたやすくすりけるので容易ようい観測かんそくされないが、巨大きょだい水槽すいそうみずなどの液体えきたい大量たいりょうめ、そこをとおけるニュートリノがごくわずかなかくりつ物質ぶっしつ反応はんのうしたさい発生はっせいするチェレンコフこう検出けんしゅつすることで間接かんせつてき観測かんそくしている。日本にっぽんでは、岐阜ぎふけん神岡かみおか鉱山こうざん地下ちかふかくにちょうじゅんみずもちいたニュートリノ観測かんそく装置そうちカミオカンデおよび「スーパーカミオカンデ」をつくり、超新星ちょうしんせい爆発ばくはつによってしょうじるニュートリノを観測かんそくするニュートリノ天文学てんもんがく発展はってんさせた。

重力じゅうりょく望遠鏡ぼうえんきょう

編集へんしゅう

ちょう巨大きょだいブラックホール中性子星ちゅうせいしせいのような非常ひじょうおも天体てんたい回転かいてん衝突しょうとつするとき重力じゅうりょく発生はっせいするとかんがえられており、実際じっさいれんぼしパルサー周期しゅうき変動へんどうなどによって間接かんせつてき観測かんそくされている。この重力じゅうりょく直接ちょくせつ検出けんしゅつこころみる装置そうち重力じゅうりょく望遠鏡ぼうえんきょうぶことがある。重力じゅうりょく望遠鏡ぼうえんきょうには干渉かんしょうけいかた共振きょうしんがたがある。干渉かんしょうけいかたではレーザーひかり使用しようするマイケルソン干渉かんしょうけい使用しようする。共振きょうしんがたではウェーバー・バーのように推定すいていされる重力じゅうりょく周波数しゅうはすう共振きょうしんする固有こゆう周波数しゅうはすうゆうする共振きょうしんたい使用しようされる[4]

1960年代ねんだいにアメリカのウェーバー巨大きょだいなアルミニウム円筒えんとう伸縮しんしゅく精密せいみつ観測かんそくして重力じゅうりょく検出けんしゅつしようとこころみたのがはじまりで、現在げんざいではレーザー干渉かんしょうけいによって空間くうかんのわずかなゆがみを観測かんそくするなどの方法ほうほう重力じゅうりょく直接ちょくせつキャッチしようというこころみが世界せかい各地かくちでなされている。代表だいひょうてき観測かんそく装置そうちとしてアメリカの LIGO日本にっぽん国立こくりつ天文台てんもんだいTAMA300、ドイツのGEO600 などがある。 2016ねん2がつには、LIGOグループによってブラックホールれんぼしからの重力じゅうりょくをはじめてとらえることに成功せいこうしたと発表はっぴょうされた[5][6][7]

宇宙うちゅう空間くうかん設置せっちする計画けいかくすすめられており、2015ねん12月3にちLISA パスファインダーヴェガロケットリサジュー軌道きどうげられた[8]

天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう架台かだい

編集へんしゅう

赤道あかみち儀式ぎしき架台かだい経緯けいいだいしき架台かだい、1じくしき架台かだい、「自在じざいジョイント」方式ほうしき架台かだいなどがある。

天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう基本きほんてき天体てんたい観測かんそくもちいるものなので、天体てんたいうごき(にちしゅう運動うんどう)を追尾ついびするのが容易ようい架台かだい基本きほんてきには便利べんりであり、その意味いみでは赤道あかみち儀式ぎしき架台かだい便利べんりである。

現代げんだい天文台てんもんだいでは、電動でんどうモーターでうごき、数値すうち制御せいぎょされ、天体てんたい自動じどう追尾ついび可能かのうとする架台かだいもちいられることが一般いっぱんてきになってきているが、同様どうよう機能きのう(の基本きほんてきなもの)を実現じつげんする個人こじんけの比較的ひかくてき安価あんかちいさなユニットも市販しはんされている。

ただし、1960年代ねんだいあたりにジョン・ドブソンが、地面じめんゆか直接ちょくせつく きわめてシンプルな水平すいへい回転かいてんばんうえに、たかさのひくい1じくしき架台かだい大砲たいほう架台かだいのようなもの)をせ、そこにだい口径こうけい望遠鏡ぼうえんきょうをまるで大砲たいほうのようにのせることをおこなうようになり、それが近年きんねん、アマチュアの天文てんもん観測かんそくあいだでは流行りゅうこうしている。もともとは一応いちおう、2じく架台かだいであったが、最近さいきんは1じくしきの、より一層いっそうシンプルなものもえてきている。

なお人工じんこう衛星えいせい観測かんそくよう望遠鏡ぼうえんきょうなど、特殊とくしゅ用途ようとでは3じく以上いじょう自由じゆう架台かだいもある。

赤道あかみち儀式ぎしき架台かだい

地球ちきゅう自転じてんじく平行へいこうきょくじくと、それに直交ちょっこうしたあかぬきじくの2じく構成こうせいされた架台かだいである。

経緯けいいだいしき架台かだい

かがみとう水平すいへい回転かいてん経線けいせん)をじくと、それと直交ちょっこうした俯仰ふぎょうかくじく緯線いせん)の2じく架台かだいである。観光かんこうなどに設置せっちされている有料ゆうりょう大型おおがた双眼鏡そうがんきょう架台かだいとしても使つかわれており、また同様どうよう構造こうぞうつものに、測量そくりょうもちいられるトランシットがある。


天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう展示てんじ施設しせつ

編集へんしゅう
  • 国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかん地球ちきゅうかん地下ちか3かいに、かつてはく屋上おくじょう設置せっちしていた望遠鏡ぼうえんきょう屈折くっせつ赤道あかみちただし)を展示てんじしている[9]
  • やく300てん所蔵しょぞうする「天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう博物館はくぶつかん」が2016ねん香川かがわけんさぬき廃校はいこう利用りようして開設かいせつされた[10][11]


脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう
  1. ^ ブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてん しょう項目こうもく事典じてん
  2. ^ a b 世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん だいはん
  3. ^ 最新さいしん天文てんもん百科ひゃっか 宇宙うちゅう惑星わくせい生命せいめいをつなぐサイエンス HORIZONS Exploring the Universe p86 ISBN 978-4-621-08278-2
  4. ^ Lindley, David. “A Fleeting Detection of Gravitational Waves”. 2016ねん3がつ27にち閲覧えつらん
  5. ^ LIGO Scientific Collaboration and Virgo Collaboration, B. P. Abbott (2016-2-11). “Observation of Gravitational Waves from a Binary Black Hole Merger”. Physical Review Letter 116, 061102 (2016). doi:10.1103/PhysRevLett.116.061102. http://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.116.061102 2016ねん2がつ11にち閲覧えつらん. 
  6. ^ Castelvecchi, Davide; Witze, Witze (2016-02-11). “Einstein's gravitational waves found at last”. ネイチャーニュース. doi:10.1038/nature.2016.19361. http://www.nature.com/news/einstein-s-gravitational-waves-found-at-last-1.19361 2016ねん2がつ11にち閲覧えつらん. 
  7. ^ Gravitational waves detected 100 years after Einstein's prediction”. LIGO (2016ねん2がつ11にち). 2016ねん2がつ11にち閲覧えつらん
  8. ^ LISA Pathfinder”. ESA. 2013ねん12月23にち閲覧えつらん
  9. ^ 地球ちきゅうかん地下ちか3かい宇宙うちゅうさぐる」コーナー>―歴史れきしてき望遠鏡ぼうえんきょう(20cm屈折くっせつ赤道あかみちただし展示てんじ国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかん(2014ねん4がつ9にち)2018ねん1がつ10日とおか閲覧えつらん
  10. ^ 天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう博物館はくぶつかん(2018ねん1がつ10日とおか閲覧えつらん
  11. ^ 【はたらく】(3)生涯しょうがい現役げんえき 意欲いよくかぎり/望遠鏡ぼうえんきょう博物館はくぶつかん■68さい 化粧けしょうひんしょどうに『読売新聞よみうりしんぶん朝刊ちょうかん2018ねん1がつ9にち経済けいざいめん

外部がいぶリンク

編集へんしゅう