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如意宝珠 - Wikipedia

如意宝珠にょいほうじゅ(にょいほうじゅ、: चिन्तामणि (チンターマニ)、 えい: Cintāmaṇi)、またたからたま(ほうぎょく)とは、仏教ぶっきょうにおいて霊験れいけんあらわすとされるたからたまのこと。

左手ひだりて如意宝珠にょいほうじゅをもつ吉祥天きちじょうてん立像りつぞう浄瑠璃寺じょうるりでら

名称めいしょう

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サンスクリットでチンターとは「思考しこう」、マニは「たま」を言葉ことばで、「のままにねがいをかなえるたから」と解釈かいしゃくできる。如意にょいたから如意にょいたま、または宝珠ほうしゅ(ほうじゅ、ほうしゅ)とばれる。

特徴とくちょう

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チンターマニの形状けいじょうは、日本にっぽんでは一般いっぱんてき下部かぶ球形きゅうけい上部じょうぶやまなりに湾曲わんきょくしてとがっている。一方いっぽうチベット仏教ぶっきょう宗教しゅうきょう建造けんぞうぶつでは、下部かぶ円柱えんちゅうとしてびており、上部じょうぶやまなりに湾曲わんきょくしてとがっている。

如意宝珠にょいほうじゅ表現ひょうげんするひとつの種類しゅるいとして、3つのチンターマニがかさなったもの(おおくはしたに2よこならびそのうえ1個いっこったかたち)をひとつの火炎かえんつつんだものがあり、これはさんべん宝珠ほうしゅばれる。

チンターマニはふつふつおしえの象徴しょうちょうかんがえられる。地蔵じぞう菩薩ぼさつ虚空蔵菩薩こくうぞうぼさつ如意輪観音にょいりんかんのんなどの持物もちもの三昧ざんまい耶形とされる。チンターマニは無限むげん価値かちつものとつたえられており、いのりの対象たいしょうとなる。

チンターマニは通常つうじょう仏塔ぶっとう相輪そうりんさい上部じょうぶけられる。そのほかには仏堂ぶつどう頂上ちょうじょうかれることがある。

擬宝珠ぎぼうしゅはし欄干らんかんなど寺院じいん以外いがい建造けんぞうぶつ装飾そうしょく)は、チンターマニをしたものとするせつがある。

如意宝珠にょいほうじゅ概念がいねん天台てんだいさとし顗(さとし)の訶止かんとともに日本にっぽんつたわった[1]平安へいあん時代じだいには神道しんとうにもとりこまれ、いねった豊穣ほうじょう女神めがみウカノミタマが、富裕ふゆうかみとして如意宝珠にょいほうじゅった姿すがたえがかれるようになった[2]。ウカノミタマとともに信仰しんこうされてきた如意宝珠にょいほうじゅ図柄ずがらは、熊野くまの本宮ほんぐう大社たいしゃうしだまたからしるし伏見ふしみ稲荷いなり大社たいしゃのご朱印しゅいんとして押印おういんされつづけ、現代げんだいでも信仰しんこう対象たいしょうとして使用しようされている[3][4]。なお宝珠ほうしゅしるし原型げんけいられるほのおはなえきしずく図柄ずがらは、日本にっぽん仏教ぶっきょうつたわるまえの6世紀せいきごろ高句麗こうくり高山たかやまほら1ごうふんきたかべ玄武げんぶ壁画へきが中央ちゅうおうにすでにえがかれている[5]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 如意宝珠にょいほうじゅとは”. 日蓮にちれん正宗まさむね 真光寺しんこうじ. 2020ねん5がつ2にち閲覧えつらん
  2. ^ 稲荷いなりしん概要がいよう”. 徒然つれづれ草子ぞうし. 2020ねん5がつ2にち閲覧えつらん
  3. ^ 熊野くまのまいらいおも. 講談社こうだんしゃ学術がくじゅつ文庫ぶんこ. (2004/12/10). p. 49 
  4. ^ 朱印しゅいん”. 伏見ふしみ稲荷いなり大社たいしゃ. 2020ねん5がつ2にち閲覧えつらん
  5. ^ 早乙女さおとめ雅博まさひろ監修かんしゅう高句麗こうくり壁画へきが古墳こふん報道ほうどう写真しゃしんてん. 共同通信社きょうどうつうしんしゃ. (2012/10/6). pp. 8, 23, 29 

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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