審議しんぎ会かい

審議しんぎ会かい（しんぎかい）は、日本にっぽんにおいては国くにまたは地方自治体ちほうじちたいなどの行政ぎょうせい庁ちょうに付随ふずいする行政ぎょうせい機関きかん、あるいは民間みんかんの組織そしきなどに任意にんいに設もうけられる合議ごうぎ制せいの諮問しもん機関きかんの名称めいしょうの一ひとつである。外部がいぶの有識者ゆうしきしゃや利害りがい関係かんけい者しゃを招まねいて意見いけんを聞きくことが多おおい。

なお、民間みんかんにおいても企業きぎょうや政党せいとう、各種かくしゅ団体だんたいの運営うんえいにおいても類似るいじの諮問しもん会議かいぎが開ひらかれることもある。

行政ぎょうせい庁ちょう

行政ぎょうせい庁ちょうに置おかれる場合ばあいは、総そうじて国民こくみん各層かくそうの利益りえきを代表だいひょうする業界ぎょうかい団体だんたい、職能しょくのう団体だんたい、消費しょうひ者しゃ団体だんたい、環境かんきょう保護ほご団体だんたい、労働ろうどう団体だんたいや当事とうじ者しゃ団体だんたいなどを代表だいひょうする委員いいんと、実務じつむ・学識がくしき経験けいけん者しゃなどのいわゆる公益こうえき委員いいんにより組織そしきされることが多おおく、議会ぎかい制せい民主みんしゅ主義しゅぎを補完ほかんする国民こくみん参加さんか機関きかんとして、当該とうがい行政ぎょうせいに関かんする重要じゅうような政策せいさく方針ほうしんを策定さくていしたり、特定とくていの処分しょぶんを下くだす際さいに意見いけんの答申とうしんを行おこなうことなどを目的もくてきとすることが多おおい。

国くにに設置せっちされる場合ばあいの根拠こんきょ法令ほうれいは内閣ないかく府ふ設置せっち法ほう第だい37条じょう・第だい54条じょう、国家こっか行政ぎょうせい組織そしき法ほう第だい8条じょうであるが、この場合ばあいは組織そしき形態けいたいを指さす総称そうしょうとしての呼称こしょうは「審議しんぎ会かい等とう」と規定きていされている。「等ひとし」が付つくのは税制ぜいせい調査ちょうさ会かいのように名称めいしょう中ちゅうに「審議しんぎ」の文字もじを含ふくまない「調査ちょうさ会かい」組織そしきがあるためであり、必かならずしも複数ふくすうという意味いみを示しめすものではない。「審議しんぎ会かい等とう」組織そしきを一ひとつしか置おかない府ふ省しょうの設置せっち法ほう・組織そしき令れいの条文じょうぶんでも総称そうしょうは原則げんそくとして「審議しんぎ会かい等とう」と呼称こしょうしている。代表だいひょう的てきな審議しんぎ会かい等とうとしては、内閣ないかく府ふ設置せっち法ほうに基もとづき設置せっちされるものとして税制ぜいせい調査ちょうさ会かい、地方ちほう制度せいど調査ちょうさ会かい等ひとしが、国家こっか行政ぎょうせい組織そしき法ほう第だい8条じょうに基もとづき設置せっちされるものとして法制ほうせい審議しんぎ会かい、医道いどう審議しんぎ会かい、中央ちゅうおう教育きょういく審議しんぎ会かい等ひとしがある。

2001年ねん1月がつ6日にちに行おこなわれた中央ちゅうおう省庁しょうちょう再編さいへんに際さいしては、審議しんぎ会かい等とうは基本きほん的てきな政策せいさくを審議しんぎする「基本きほん的てき政策せいさく型がた審議しんぎ会かい」と、法令ほうれいによって審議しんぎ会かい等とうが決定けってい・同意どうい機関きかんとされている場合ばあい等とうの「法ほう施行しこう型がた審議しんぎ会かい」に整理せいり・統合とうごうされ、121の審議しんぎ会かい等とうの廃止はいし等とうの改革かいかくが行おこなわれた^[1]。

なお、外部がいぶの有識者ゆうしきしゃを招まねいて方針ほうしんを討議とうぎする、法令ほうれい上じょうの根拠こんきょがない「懇談こんだん会かい」「研究けんきゅう会かい」等とうの会合かいごうについては、「行政ぎょうせい運営上うんえいじょうの会合かいごう」と定義ていぎされ、審議しんぎ会かい等とうとは異ことなるものである。これについては、1999年ねんの閣議かくぎ決定けっていで開催かいさい・運営うんえい等とうについて取とり決きめがなされている。詳細しょうさいについては懇談こんだん会かいの項目こうもくを参照さんしょうのこと。

批判ひはん

審議しんぎ会かい委員いいんの人選じんせんは官庁かんちょうの裁量さいりょうで決きめることができ、官庁かんちょうの人脈じんみゃくなど恣意しい的てきな要素ようそで委員いいんが決定けっていされることがあり、初はじめから議論ぎろんの結論けつろんが決きまっている場合ばあいも少すくなくないという指摘してきがある^[2]。審議しんぎ会かいそのものに対たいしても問題もんだいについて審議しんぎや議論ぎろんをする場ばではなく、審議しんぎをしたことを示しめすための単たんなる手続てつづきの場ばとなっており、審議しんぎ会かいの意向いこうに沿そったお墨付すみつきを与あたえる御用ごよう学者がくしゃ的てきな役割やくわりを果はたしている委員いいんもおり、中立ちゅうりつ性せいに関かんして疑問ぎもんが呈ていされることも少すくなくない^[3]。

民間みんかん

民間みんかんに設もうけられる例れいでは、放送ほうそう法ほう第だい3条じょうの4に基もとづき放送ほうそう事業じぎょう者しゃに置おかれる放送ほうそう番組ばんぐみ審議しんぎ機関きかん（一般いっぱん的てきには「番組ばんぐみ審議しんぎ会かい」、あるいは「番ばん審しん」などと呼称こしょうされる）などがある。

また、開成かいせい中学校ちゅうがっこう・高等こうとう学校がっこうでは、運動会うんどうかい審議しんぎ会かいと呼よばれる、同校どうこうで開催かいさいされている運動会うんどうかいのルールや予算よさん、プログラム等とうを審議しんぎする機関きかんが存在そんざいしている。

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

出典しゅってん

^ 審議しんぎ会かい等とうの整理せいり合理ごうり化かに関かんする基本きほん的てき計画けいかく - 首相しゅしょう官邸かんてい
^ 蔵田くらた伸雄のぶお「（5）提言ていげん・その5：「政策せいさく決定けってい過程かてい・手続てつづき・機構きこう等とうに関かんする生命せいめい倫理りんり基本きほん法ほう」」『北大ほくだい法学ほうがく論集ろんしゅう』第だい56巻かん第だい3号ごう、2005年ねん9月がつ26日にち、422-407頁ぺーじ、2011年ねん6月がつ3日にち閲覧えつらん。「また多おおくの政府せいふの審議しんぎ会かい・委員いいん会かいは「事務じむ局きょく指導しどうであり、議論ぎろんの結論けつろんが決きまっているという批判ひはんもある。また委員いいん会かいが提出ていしゅつする報告ほうこく書しょも、担当たんとう官かんが作成さくせいすることが多おおく、委員いいん会かいでの議論ぎろんの論調ろんちょうが適切てきせつに反映はんえいされていないと言いわれることもある。また委員いいんの人選じんせんは官庁かんちょうの裁量さいりょうにまかせられているが、実際じっさいには「適材適所てきざいてきしょ」ではなく「官庁かんちょうの人脈じんみゃく」によって委員いいん会かいのメンバーが決定けっていされることになる。結果けっかとして、基本きほん的てきな知識ちしきに乏とぼしい委員いいんや、意欲いよくに乏とぼしい委員いいんがメンバーに選えらばれることも少すくなくない。また委員いいん会かいの中立ちゅうりつ性せいに関かんして疑問ぎもんが出だされることも多おおい。」
^ 蔵田くらた伸雄のぶお (2005/09/26), “（5）提言ていげん・その5：「政策せいさく決定けってい過程かてい・手続てつづき・機構きこう等とうに関かんする生命せいめい倫理りんり基本きほん法ほう」”, 北大ほくだい法学ほうがく論集ろんしゅう 56 (3): 422-407, https://hdl.handle.net/2115/15395 2011年ねん6月がつ3日にち閲覧えつらん, "土木どぼく行政ぎょうせいなどでは、「御用ごよう学者がくしゃ」と呼よばれるような、審議しんぎ会かいで「お墨付すみつき」を与あたえる役目やくめを果はたすことになってしまっている研究けんきゅう者しゃもいる。生命せいめい倫理りんり関連かんれんの審議しんぎ会かい・委員いいん会かいでも同様どうようの御用ごよう学者がくしゃ的てきな役目やくめをはたしている委員いいんは少すくなくない。委員いいん会かいが「審議しんぎしました」ということを示しめすためのただの手続てつづきにすぎなくなっているという批判ひはんは全まったく的まとはずれとは言いえない。"

外部がいぶリンク

国家こっか行政ぎょうせい組織そしき法ほう - e-Gov法令ほうれい検索けんさく
内閣ないかく府ふ設置せっち法ほう - e-Gov法令ほうれい検索けんさく

[1] 審議しんぎ会かい等とうの整理せいり合理ごうり化かに関かんする基本きほん的てき計画けいかく - 首相しゅしょう官邸かんてい

[kurata-2] 蔵田くらた伸雄のぶお「（5）提言ていげん・その5：「政策せいさく決定けってい過程かてい・手続てつづき・機構きこう等とうに関かんする生命せいめい倫理りんり基本きほん法ほう」」『北大ほくだい法学ほうがく論集ろんしゅう』第だい56巻かん第だい3号ごう、2005年ねん9月がつ26日にち、422-407頁ぺーじ、2011年ねん6月がつ3日にち閲覧えつらん。「また多おおくの政府せいふの審議しんぎ会かい・委員いいん会かいは「事務じむ局きょく指導しどうであり、議論ぎろんの結論けつろんが決きまっているという批判ひはんもある。また委員いいん会かいが提出ていしゅつする報告ほうこく書しょも、担当たんとう官かんが作成さくせいすることが多おおく、委員いいん会かいでの議論ぎろんの論調ろんちょうが適切てきせつに反映はんえいされていないと言いわれることもある。また委員いいんの人選じんせんは官庁かんちょうの裁量さいりょうにまかせられているが、実際じっさいには「適材適所てきざいてきしょ」ではなく「官庁かんちょうの人脈じんみゃく」によって委員いいん会かいのメンバーが決定けっていされることになる。結果けっかとして、基本きほん的てきな知識ちしきに乏とぼしい委員いいんや、意欲いよくに乏とぼしい委員いいんがメンバーに選えらばれることも少すくなくない。また委員いいん会かいの中立ちゅうりつ性せいに関かんして疑問ぎもんが出だされることも多おおい。」

[3] 蔵田くらた伸雄のぶお (2005/09/26), “（5）提言ていげん・その5：「政策せいさく決定けってい過程かてい・手続てつづき・機構きこう等とうに関かんする生命せいめい倫理りんり基本きほん法ほう」”, 北大ほくだい法学ほうがく論集ろんしゅう 56 (3): 422-407, https://hdl.handle.net/2115/15395 2011年ねん6月がつ3日にち閲覧えつらん, "土木どぼく行政ぎょうせいなどでは、「御用ごよう学者がくしゃ」と呼よばれるような、審議しんぎ会かいで「お墨付すみつき」を与あたえる役目やくめを果はたすことになってしまっている研究けんきゅう者しゃもいる。生命せいめい倫理りんり関連かんれんの審議しんぎ会かい・委員いいん会かいでも同様どうようの御用ごよう学者がくしゃ的てきな役目やくめをはたしている委員いいんは少すくなくない。委員いいん会かいが「審議しんぎしました」ということを示しめすためのただの手続てつづきにすぎなくなっているという批判ひはんは全まったく的まとはずれとは言いえない。"

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