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岩盤浴 - Wikipedia

岩盤がんばんよく(がんばんよく)とは、湿度しつどたか室温しつおん40程度ていど部屋へやで、あたためられたいしうえよこになり、岩盤がんばんからはっするどお赤外線せきがいせんなどの温熱おんねつ効果こうか入浴にゅうよく方法ほうほう[1]あせをかく[2]天然てんねん浴場よくじょうでは秋田あきたけん玉川たまがわ温泉おんせん元祖がんそとされる[3]温泉おんせんより負担ふたんすくなく[4]サウナより温度おんどひく[2]岩石がんせきにはブラックシリカ、ゲルマニウム宝石ほうせきFU 、てんあきらせきなどが使つかわれる[5]とお赤外線せきがいせん放射ほうしゃされているとされるが、皮膚ひふ表面ひょうめんとどくのみである[3]。リラクゼーション効果こうかがある[6]。1年間ねんかん継続けいぞくてき使用しよう血糖けっとう改善かいぜんしたという研究けんきゅうがある[7]。2006ねん頂点ちょうてんとして2000年代ねんだいにブームとなり岩盤がんばんよく専門せんもんてん増加ぞうかしたがブームはり、そのはスーパー銭湯せんとうない岩盤がんばんよく併設へいせつえた。

旅館りょかん客室きゃくしつ岩盤がんばんよくゆか

利用りようほう

編集へんしゅう

ゆかめた天然石てんねんせきを、温水おんすいもしくは電熱でんねつにより加熱かねつし、発生はっせいするとお赤外線せきがいせん利用りようした温熱おんねつ施設しせつである。利用りようしゃは、さくつとむころもひとし浴衣ゆかたにつけ、バスタオルとうゆかいて、そのうえに20~30ふんよこたわる。ゆかめんからの輻射ふくしゃねつによって全身ぜんしんくまなくあたため、発汗はっかんをもたらす。浴室よくしつ温度おんどが40℃前後ぜんこう低温ていおんごしやすく、女性じょせい高齢こうれいしゃ無理むりなく利用りようできる。

事前じぜん事後じご水分すいぶん補給ほきゅうをしっかりおこなう。

 
玉川たまがわ温泉おんせん地獄じごく地帯ちたい岩盤がんばんよく

日本にっぽんでは玉川たまがわ温泉おんせん元祖がんそとされ、世界せかいてきふるくからあり中国ちゅうごくでは温石おんじゃく療法りょうほうばれる[3]玉川たまがわ温泉おんせんでは地熱じねつあたたまった露出ろしゅつしたきた投石とうせき岩盤がんばん人々ひとびとよこたわっており、現代げんだいてき施設しせつでは室温しつおん40前後ぜんこう部屋へやあたためられた岩盤がんばんよこたわる[8]

2001ねん6がつ宮城みやぎけん気仙沼けせんぬま登場とうじょうして以降いこう岩手いわてけん北海道ほっかいどう、そして、当初とうしょ使用しようしたいし宮崎みやざきけん高千穂たかちほさんであったことから、九州きゅうしゅう各地かくちへとひろがりをみせた。その地方ちほう発生はっせいしたブームが大都市だいとしへと波及はきゅうする特異とくいなかたちで、東京とうきょう大阪おおさか名古屋なごやなどで大小だいしょうみだれて、岩盤がんばんよく専門せんもんてん乱立らんりつするようになった。公衆こうしゅう浴場よくじょう経営けいえい経験けいけん業者ぎょうしゃがほとんどで、なかには保健所ほけんじょ許可きょか取得しゅとくせぬまま開業かいぎょうしている店舗てんぽうけられた。当初とうしょ女性じょせい専用せんよう中心ちゅうしんとした岩盤がんばんよく専門せんもんてん全国ぜんこく各地かくち急速きゅうそく出店しゅってんされ、ピークは2000てんちかえた。

ブームがピークにたっした2006ねん9がつ小学館しょうがくかん発行はっこう週刊しゅうかん週刊しゅうかんポスト』が、岩盤がんばん浴室よくしつ衛生えいせい問題もんだい告発こくはつする記事きじを3しゅう連続れんぞく掲載けいさいし、岩盤がんばんよく事業じぎょうしゃ深刻しんこく打撃だげきあたえた。これにたいし、九州きゅうしゅう中国ちゅうごく地方ちほう経営けいえいしゃ9にん小学しょうがくかん(ポスト)、光文社こうぶんしゃ女性じょせい自身じしん)を提訴ていそし、衛生えいせいじょう問題もんだいとなる数値すうちではなく、検出けんしゅつされなかった細菌さいきん検出けんしゅつされたようにもほうじたとうったえた[9]岩盤がんばんよく記事きじめぐ施設しせつ経営けいえいしゃら、小学館しょうがくかんなどを提訴ていそ」『読売新聞よみうりしんぶん西部せいぶ 朝刊ちょうかん』20071-31、30めん(また公衆こうしゅう浴場よくじょうほうにおいては一般いっぱん細菌さいきんきん衛生えいせい基準きじゅんさだめられていない)。2009ねん時点じてんでは、岩盤がんばんよくとくに30-40だい女性じょせい支持しじされ根強ねづよ人気にんきがあるとされている[10]

小規模しょうきぼ岩盤がんばんよく専門せんもんてん急速きゅうそくっていき、その一方いっぽうで、スーパー銭湯せんとう併設へいせつされるケースがえている。岩盤がんばんよく専門せんもんてんり、大型おおがた施設しせつのなかの人気にんきコンテンツとして定着ていちゃくミストサウナしおサウナなど低温ていおんサウナのひとつとして位置いちづけられる。とくフィットネスクラブ温浴おんよく施設しせつホテルエステなどデイスパとばれる日帰ひがえ利用りよう可能かのう都度つどばら可能かのう施設しせつまれ、導入どうにゅうされている。

岩盤がんばんよくにより皮膚ひふ表面ひょうめん温度おんど皮膚ひふ流量りゅうりょう増加ぞうかする[8]

岩盤がんばんよく使つかわれる岩石がんせきには、ブラックシリカ、ゲルマニウム宝石ほうせきFU 、てんあきらせきなどが使つかわれ、それぞれ特性とくせい安全あんぜんであることは似通にかよっているが、このうち宝石ほうせきのみ放射ほうしゃりつが0.9をえており、これを特徴とくちょうとする場合ばあいもある[5]天然てんねんであったり人工じんこうてき混合こんごうされたものももちいられる[8]岩盤がんばんよくから放出ほうしゅつされるどお赤外線せきがいせんは、そうしたとお赤外線せきがいせん放射ほうしゃたいからできた天然てんねん岩盤がんばん浴用よくよう岩石がんせきからは4μみゅーmから14μみゅーmの範囲はんい放出ほうしゅつされ、人間にんげんでのやく9.3μみゅーmにちかく、そのような波長はちょうでは人間にんげん皮膚ひふ表面ひょうめんから0.2mm程度ていどまではい人体じんたい吸収きゅうしゅうされ、人体じんたい分子ぶんしらし減衰げんすいすることでねつ変換へんかんされ、温熱おんねつ効果こうか[3]。(放射線ほうしゃせんはっする玉川たまがわ温泉おんせん特殊とくしゅ岩石がんせきについては、きた投石とうせき参照さんしょう

主観しゅかんてきなアンケートでは、はだがきれいになったというものがもっとおおく、気持きもちがいい、からだかるいとった回答かいとうられリラクゼーション効果こうかることがおおいとかんがえられる[6]緊張きんちょう不安ふあんいかりなどの評価ひょうかは、岩盤がんばん浴後よくご統計とうけいてき有意ゆうい減少げんしょうしたが、この試験しけん比較ひかく対照たいしょうぐんがなく岩盤がんばんよくでのみこるのかは不明ふめいである[11]

しゅう2かい岩盤がんばんよくを1年間ねんかんおこない、健康けんこうものでは変動へんどうはないが、2がた糖尿とうにょうびょうものでは血糖けっとうなどの指標しひょう改善かいぜんした[12][7]研究けんきゅう主任しゅにん岡山大学おかやまだいがく大学院だいがくいん保健ほけんがく研究けんきゅう教授きょうじゅうえしゃ(じょうじゃ)郁夫いくおは、自身じしん岩盤がんばんよく体験たいけん花粉かふんしょう症状しょうじょう緩和かんわかんじたことから研究けんきゅう着手ちゃくしゅ温熱おんねつ効果こうか活発かっぱつするねつショックタンパクしつ (HSP) に着目ちゃくもくし、花粉かふんしょうなどアレルギー疾患しっかんにも効果こうかがあるのではとコメントしている[13]

安全あんぜんせい

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温泉おんせん入浴にゅうよく比較ひかくして、岩盤がんばんよくからだへの負担ふたんすくない[4][8]。またサウナより温度おんどひくいが、高齢こうれいしゃ熱中ねっちゅうしょうとなったれいがあり、十分じゅうぶん水分すいぶん補給ほきゅう無理むりをせず、監視かんし体制たいせい重要じゅうようである[2]

衛生えいせい

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公衆こうしゅう浴場よくじょうほうでは、「その公衆こうしゅう浴場よくじょう」に分類ぶんるいされる[1]日本にっぽんサウナスパ協会きょうかいによる自主じしゅ基準きじゅんでは、岩盤がんばん浴室よくしつない毎日まいにち清掃せいそうつね衛生えいせいてき維持いじ管理かんりするとともにつきいち以上いじょう消毒しょうどくすることとされる[1]

熱線ねっせんなどによる乾燥かんそう作用さようは、ダニなど害虫がいちゅう忌避きひするが細菌さいきん殺傷さっしょう能力のうりょくはない[14]高温こうおん多湿たしつだが衛生えいせい管理かんり徹底てっていすればそれほどむずかしくなく衛生えいせいめんはクリアできる[3]


出典しゅってん

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  1. ^ a b c サウナおよびスパ営業えいぎょう施設しせつにおける衛生えいせい確保かくほかんする自主じしゅ管理かんり基準きじゅん (PDF) (Report). 日本にっぽんサウナスパ協会きょうかい. September 2004. p. 14. 2020ねん9がつ30にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c 沢本さわもとけいさとるぶん尚史ひさし米田よねだひとし武山たけやま佳洋よしひろ岩盤がんばんよく入浴にゅうよくちゅうに3熱中ねっちゅうしょう発症はっしょうした1れい」『日本にっぽん救急きゅうきゅう学会がっかい雑誌ざっしだい20かんだい4ごう、2009ねん、221-225ぺーじdoi:10.3893/jjaam.20.221 
  3. ^ a b c d e 岡島おかじまさとし岩盤がんばんよく温熱おんねつ効果こうか」『日本にっぽん機械きかい学会がっかいだい112かんだい1087ごう、2009ねん、472-473ぺーじdoi:10.1299/jsmemag.112.1087_472 
  4. ^ a b Morioka I, Izumi Y, Inoue M, Okada K, Sakaguchi K, Miyai N (2014). “Effect of stone Spa bathing and hot-spring bathing on pulse wave velocity in healthy, late middle-aged females” (Japanese). Nihon Eiseigaku Zasshi 69 (2): 146–52. doi:10.1265/jjh.69.146. PMID 24858510. 
  5. ^ a b 作田さくた雅之まさゆき宿やど利成としなりあきら高橋たかはし清太郎せいたろうおさむ大河内おおこうち正一しょういち岡島おかじまさとし宝石ほうせき岩盤がんばん温浴おんよくにおけるとお赤外線せきがいせん波長はちょう特性とくせいとその有効ゆうこうせいについて」『北海道ほっかいどう支部しぶ講演こうえんかい講演こうえん概要がいようしゅうだい2007かんだい0ごう、2007ねん、9-10ぺーじdoi:10.1299/jsmehokkaido.2007.46.9 
  6. ^ a b 長坂ながさかたけし矢野やの智子さとこ田中たなか美智子みちこ194)岩盤がんばんよく利用りようしゃにおける生活せいかつ習慣しゅうかん入浴にゅうよく主観しゅかんてき評価ひょうか」『日本にっぽん看護かんご研究けんきゅう学会がっかい雑誌ざっしだい30かんだい3ごう、2007ねん、3_204-3_204、doi:10.15065/jjsnr.20070628221 
  7. ^ a b うえしゃ郁夫いくお藤井ふじい義徳よしのり黒田くろだ昌宏まさひろ、ほか「2がた糖尿とうにょうびょう血糖けっとうたいする岩盤がんばんよく効果こうか (だい2ほう)」(PDF)『日本にっぽん補完ほかん代替だいたい医療いりょう学会がっかい学術がくじゅつ集会しゅうかいプログラム・抄録しょうろくしゅうだい11かん、2008ねん、95ぺーじ 
  8. ^ a b c d 大波おおなみ英幸ひでゆき大河内おおこうち正一しょういち大網おおあみ貴夫たかお吉岡よしおか久美子くみこ片岡かたおかじき五味ごみ常明つねあき岩盤がんばんよくにおける温熱おんねつ効果こうか評価ひょうか」(PDF)『温泉おんせん科学かがくだい58かんだい1ごう、2008ねん6がつ30にち、14-24ぺーじNAID 10024162909 
  9. ^ 岩盤がんばんよく記事きじめぐり提訴ていそ 経営けいえいしゃら、小学館しょうがくかん光文社こうぶんしゃを」『朝日新聞あさひしんぶん』2007ねん1がつ31にち、33めん
  10. ^ よし・癒・けん』05-消費しょうひしゃニーズにみる“よし・癒・けん”マーケット分析ぶんせき」、綜合そうごうユニコム株式会社かぶしきがいしゃ、2009ねん3がつ31にち発行はっこう
  11. ^ Hayasaka S, Tsutsumi A, Noda T, Murata C, Ojima T (2009-8). “Effects of stone spa (Ganban-yoku) on psychological states”. Complement Ther Clin Pract 15 (3): 129–32. doi:10.1016/j.ctcp.2009.06.007. PMID 19595411.  またはどう内容ないよう早坂はやさか信哉のぶやつつみ昭人あきと岩盤がんばんよく心理しんりめんへの影響えいきょう」『日本にっぽん温泉おんせん気候きこう物理ぶつり学会がっかい雑誌ざっしだい73かんだい1ごう、2009ねん11月、55ぺーじ 
  12. ^ うえしゃ郁夫いくお藤井ふじい義徳よしのり黒田くろだ昌宏まさひろ2がた糖尿とうにょうびょう血糖けっとうたいする岩盤がんばんよく効果こうか」(PDF)『日本にっぽん補完ほかん代替だいたい医療いりょう学会がっかい学術がくじゅつ集会しゅうかいプログラム・抄録しょうろくしゅうだい10かん、2007ねん、58ぺーじ 
  13. ^ 岩盤がんばんよくとお赤外線せきがいせん 糖尿とうにょうびょう症状しょうじょう緩和かんわ効果こうか うえしゃ岡山大おかやまだい大学院だいがくいん教授きょうじゅ調査ちょうさ”. MEDICA (2009ねん7がつ15にち). 2020ねん9がつ29にち閲覧えつらん
  14. ^ 作田さくた雅之まさゆき宿やど利成としなりあきら青原あおばらせいだか高橋たかはし清太郎せいたろう岡島おかじまさとし20617 岩盤がんばんよくにおけるとお赤外線せきがいせん効果こうかについて(スポーツ・福祉ふくし工学こうがく,一般いっぱん講演こうえん,学術がくじゅつ講演こうえん)」『日本にっぽん機械きかい学会がっかい関東かんとう支部しぶ総会そうかい講演こうえんかい講演こうえんろん文集ぶんしゅうだい2008かんだい0ごう、2008ねん、155-156ぺーじdoi:10.1299/jsmekanto.2008.14.155 

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