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節 (文法) - Wikipedia

ふし (文法ぶんぽう)

言語げんごがく用語ようご
従属じゅうぞくぶしから転送てんそう
英文えいぶんほう
ふし(せつ、clause)とは、ぶん構成こうせいする、述語じゅつごとそのこうからなるまとまりのことで、そのなかでもとく定形ていけい (finite) のものだけをす。いくつかのかたりあつまってぶん一部いちぶ構成こうせいするとともに、それ自体じたいなかに〈主語しゅご述語じゅつご〉をっているもの[1]
フランス語ふらんすご文法ぶんぽう
主語しゅご述語じゅつご動詞どうし〉の基本きほん形式けいしきそなえている表現ひょうげん単位たんいは、文法ぶんぽうてき分析ぶんせきにおいてふし(proposition)とばれる。(英語えいごの clause である)[2]

ふし種類しゅるい

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ふしはそれぞれに述語じゅつごふくむが、ぶん全体ぜんたい中心ちゅうしんとなる述語じゅつごぶしおもぶし)にたいするはたらきによって以下いかのような分類ぶんるいされる。なおふしはそれぞれ単一たんいつ品詞ひんしおなじようなはたらきをするので品詞ひんしめいばれることもある。

しゅふし
ぶん全体ぜんたいをまとめるふし日本語にほんごにおいておもぶし述語じゅつご文末ぶんまつかれる。
接続せつぞくぶし
しゅふし以外いがいふしで、おもぶしへの接続せつぞく仕方しかたによって並列へいれつぶし従属じゅうぞくぶしけられる。
並列へいれつぶし
意味いみてきしゅふし対等たいとう関係かんけいにあるふしたとえば、「わたしかれきだが、」といったふし
従属じゅうぞくぶし
おもぶしたいして従属じゅうぞくてきにかかっているふし。なお副詞ふくしぶしのみを従属じゅうぞくぶしとするかんがかたもある。
連体れんたい修飾しゅうしょくぶし
名詞めいし修飾しゅうしょくするふし形容詞けいようしぶしともばれる。
副詞ふくしぶし
述語じゅつごぶん全体ぜんたい修飾しゅうしょくするふし連用れんよう修飾しゅうしょくぶし副詞ふくしぶし一部いちぶである。
補足ほそくぶし
述語じゅつご補足ほそくする名詞めいしとしての役割やくわりをになったふし名詞めいしぶしともわれる。日本語にほんごでは「の」「こと」などによって名詞めいしされるものや「~と」「~か」などによって引用いんようされるものをいう。

ドイツなどでは従属じゅうぞくぶしとそれ以外いがい主文しゅぶんとで語順ごじゅんことなる。わく構造こうぞうV2語順ごじゅん参照さんしょう

英語えいごふし

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名詞めいしぶし

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名詞めいしぶしえい: Noun clause)は、名詞めいし同様どうようのはたらきをする。

  • 疑問ぎもん(who, what, why, where)、関係かんけい(what, why, when, how)、したがえ接続詞せつぞくし(that, if, whether)によってみちびかれ、文中ぶんちゅう主語しゅご補語ほごおよ目的もくてき役割やくわりたす。なおthatは、同格どうかく先行せんこうする名詞めいし説明せつめいするので形容詞けいようしてきであるが)の名詞めいしぶしみちびくことがある。

形容詞けいようしぶし

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形容詞けいようしぶしえい: Adjectival clause)は、形容詞けいようし同様どうようのはたらきをする。

  • 関係かんけい(who, which, that, why, when, where, as, but, than)によってみちびかれ、文中ぶんちゅう先行せんこうとなる名詞めいし代名詞だいめいし修飾しゅうしょくし、意味いみ説明せつめいしたり、限定げんていしたりする役割やくわりたす。直接ちょくせつおけして修飾しゅうしょくするものは制限せいげんぶし(restrictive clause)という、関係かんけい省略しょうりゃくされることがある。コンマ(, )にはさまれて補足ほそく説明せつめいてき修飾しゅうしょくするものは制限せいげんぶし(nonrestrictive clause)という。関係かんけいりゃくされることがない。
  1. The girl who is playing tennis with your friend is my younger sister. (あなたの友達ともだちとテニスをしている少女しょうじょわたしいもうとです。ちゅう制限せいげんぶし。whoは省略しょうりゃく不可ふか。)
  2. The girl (who) your friend is playing tennis with is my younger sister. (あなたの友達ともだちがテニスをしている少女しょうじょわたしいもうとです。ちゅう制限せいげんぶし。whoは省略しょうりゃく。)
  3. The girl, who played tennis with your friend, went back home. (あなたの友達ともだちとテニスをした、あの少女しょうじょいえかえった。ちゅう制限せいげんぶし。whoは省略しょうりゃく不可ふか。)
  4. This is the same watch as I lost yesterday. (これは、わたし昨日きのうなくした時計とけいおなぶつだ。ちゅう関係かんけい代名詞だいめいしasは、the same+名詞めいし, such+名詞めいし先行せんこうとする。)

副詞ふくしぶし

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副詞ふくしぶしえい: Adverbial clause)は、副詞ふくし同様どうようのはたらきをする。

  • 条件じょうけん原因げんいん理由りゆう程度ていど譲歩じょうほとき目的もくてき様態ようたいなどを表現ひょうげんするしたがえ接続詞せつぞくし(if, in case, whether, because, since, as, so...that, as far as, as long as, though, although, even if, when, before, after, till, until, as soon as, in order that, so that, for fear(that), as if, as though, where, that)やふくあい関係かんけい副詞ふくし(whatever, whenever, wherever, however)によってみちびかれ、文中ぶんちゅうおもぶし全体ぜんたい修飾しゅうしょくするものをいう。
  1. Even if it rains tomorrow, I must go out. (たとえ明日あしたであっても、わたしかけなければならない。)
  2. I have to go to the library so that I may return the book. (わたしは、そのほんをかえすために図書館としょかんへいかなければならない。)
  3. If she had been born three hundred years ago, she would have succeeded to the throne. (もし300ねんまえまれていたら、彼女かのじょ女王じょおうになったであろう。)
  4. Though I was very tired, I continued to work. (わたし非常ひじょうつかれていたが、仕事しごとつづけた。)

ロジバンのふし

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人工じんこう言語げんごロジバンにおける上述じょうじゅつふしかく種類しゅるい相当そうとうするれいげる。

しゅふし

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i ko'e pendo mi  かれわたし友達ともだちだ。
i ko'e pendo mi gi'e cadzu lo panka  かれわたし友達ともだちで、公園こうえんあるく。
i ko'e pendo mi ije ri cadzu lo panka  かれわたし友達ともだちだ。そしてそれは公園こうえんあるく。
i ge ko'e pendo mi gi ri cadzu lo panka  かれわたし友達ともだちだ。そしてそれは公園こうえんあるく。

接続せつぞくぶし

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i lo gerku cu pendo mi gi'e cadzu lo panka  かれわたし友達ともだちで、公園こうえんあるく。 (並列へいれつぶし
i lo gerku poi ke'a pendo mi ku'o cu cadzu  わたし友達ともだちであるいぬあるく。 (従属じゅうぞく連体れんたい修飾しゅうしょくぶし制限せいげん客観きゃっかん
i lo gerku noi ke'a pendo mi ku'o cu cadzu  いぬ―それはわたし友達ともだちだが―があるく。 (従属じゅうぞく連体れんたい修飾しゅうしょくぶし制限せいげん客観きゃっかん
i lo gerku voi ke'a pendo mi ku'o cu cadzu わたし友達ともだち、とわたしんでいる・おもっているいぬあるく。 (従属じゅうぞく連体れんたい修飾しゅうしょくぶし制限せいげん主観しゅかん
再帰さいき代名詞だいめいしラムダとして ke'a をもちい、ふし終点しゅうてんは ku'o でしめす。構文こうぶんじょう曖昧あいまいせいをきたさなければこれらははぶける(これらのれいでははぶける)。
i mi na barkla ki'u lo nu carvi kei  かけない、あめっているので。 (従属じゅうぞく副詞ふくしぶし
i ki'u lo nu carvi kei mi na barkla  あめっているのでわたしかけない。 (従属じゅうぞく副詞ふくしぶし
i mi ei klama lo ckuzda tezu'e lo nu xruti lo cukta kei  わたし図書館としょかんかなければならない、そのほんかえすために。 (従属じゅうぞく副詞ふくしぶし
i tezu'e lo nu xruti lo cukta kei mi ei klama lo ckuzda  そのほんかえすためにわたし図書館としょかんかなければならない。 (従属じゅうぞく副詞ふくしぶし
ふしひらくのにNUるいもちい、終点しゅうてんは kei でしめす。構文こうぶんじょう曖昧あいまいせいをきたさなければ kei ははぶける(1つめと3つめのれいでははぶける)。ひらいたふしこうとしてLEるい(lo など)でまとめ、これを前置詞ぜんちし相当そうとうするBAIるい(ki'u, tezu'e など)でおもぶしむすびつける。
i mi na djuno lo du'u ko'o na barkla ki'u ma kau kei  わたし彼女かのじょがなぜかけないのからない。 (従属じゅうぞく補足ほそくぶし
i lo du'u ko'o na barkla ki'u ma kau kei cu na se djuno mi  彼女かのじょがなぜかけないのか、わたしらない。 (従属じゅうぞく補足ほそくぶし
* lo du'u ... kei は mi と同様どうよう賓辞ひんじ djuno がとるこうであり、統語とうごろんじょう対等たいとう関係かんけいにある。構文こうぶんじょう曖昧あいまいせいをきたさなければ kei ははぶける(1つめのれいでははぶける)。

脚注きゃくちゅう

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出典しゅってん

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  1. ^ 徹底てってい解説かいせつロワイヤル英文えいぶんほう旺文社おうぶんしゃ 2014
  2. ^ 現代げんだいフランス公文くもんのり白水しろみずしゃ 2018

関連かんれん項目こうもく

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