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扈三娘 - Wikipedia

さんむすめ

みず滸伝』の登場とうじょう人物じんぶつ

さんむすめ(こ さんじょう)は、中国ちゅうごく小説しょうせつよんだい奇書きしょひとつである『みず滸伝』の登場とうじょう人物じんぶつ

さんむすめ
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出生しゅっしょう 生年せいねんしょう
扈家
死去しきょ 没年ぼつねんしょう
むつみしゅう
拼音 Hù Sānniáng
別名べつめい いちたけあお
主君しゅくん そうこう
通俗つうぞくすい滸伝豪傑ごうけつひゃくはちにんこれないいちたけあおさんむすめ

梁山泊りょうざんぱくだいじゅうきゅう好漢こうかんとしほしまれわり。渾名あだないちたけあお(いちじょうせい)。梁山泊りょうざんぱく女性じょせい頭領とうりょう一人ひとりであり、「海棠かいどうはな」とうたわれるほどの佳人かじん武芸ぶげい一流いちりゅうだが、てきらえるじゅつにもけており、おんなあなどって深追ふかおいした彭玘郝思ぶんを套索(からめなわ)でっている。豪傑ごうけつぞろいのおとこたちにまさるともおとらない活躍かつやくをしているが、令嬢れいじょう時代じだい入山にゅうざんおやおうえいときそうふとしおおやけちち名義めいぎ)に結婚けっこんいられるなど、いえれいきょうしばられていた当時とうじ良家りょうけ女子じょし悲哀ひあいあらわした人物じんぶつでもある。

生涯しょうがい

編集へんしゅう

どく竜岡たつおかさんいえひとつ、扈家の息女そくじょで、後継こうけいしゃの扈成のいもうとであり、なぐてんおうとは姻戚いんせき関係かんけいにあたる。女性じょせいでありながらよろいをまとい、日月じつげつそうかたなあやつり、葦毛あしげうまにまたがって戦場せんじょうける。どく竜岡たつおかさんいえひとつ、しゅく三男さんなんほうりぴょう許嫁いいなずけでもある。

はつ登場とうじょうだい48かいあざみしゅうから梁山泊りょうざんぱくへとかう楊雄いししゅうどきの3にんが、途中とちゅうったどく竜岡たつおかしゅくそう梁山泊りょうざんぱくかたってさわぎをこしたことから、梁山泊りょうざんぱくしゅくそうあいだ戦争せんそう勃発ぼっぱつほうりぴょう許嫁いいなずけである扈さんむすめ援軍えんぐんとして参戦さんせんする。その武勇ぶゆうおうすぐるり、おうおおとりうままったけず、味方みかた士気しきおおいにげる。その偵察ていさつをしていたそうこうらえようとするが、深追ふかおいしたところではやし遭遇そうぐう、さすがの扈さんむすめはちじゅうまんきんぐん武芸ぶげい師範しはんつとめたほどのはやし冲にはてきわず、らえられる。扈さんむすめ山塞さんさい護送ごそうされ、そうこうちちそうふとしおおやけしたあづけられた。

いもうと・扈さんむすめられたあに・扈成は梁山泊りょうざんぱく秘密裏ひみつり交渉こうしょうし、扈さんむすめ無事ぶじえに、しゅく加担かたんしないことと、しゅく人間にんげんげてきたららえてわたすことを約束やくそくする。そのしゅくそう援軍えんぐんとしてやってまごりついちぎょう寝返ねがえりによって壊滅かいめつする。扈成は扈家にんできたほうりぴょうらえ、梁山泊りょうざんぱくわたそうとするが、「梁山泊りょうざんぱくが扈さんむすめくるしめられた」と勝手かってうらんでいたが、ほうりぴょうったついでに扈家も攻撃こうげきし、当主とうしゅ以下いか皆殺みなごろしにして壊滅かいめつした(扈成はのべやすいのちからがらに逃亡とうぼうして、のちみなみそう功臣こうしんのひとりとなった)。家族かぞく婚約こんやくしゃかえいえうしなった扈さんむすめは、そうこう説得せっとくされ、以前いぜんそうこうが「女性じょせい世話せわする」と約束やくそくしていたおうえい結婚けっこん梁山泊りょうざんぱく一員いちいんとなった。

入山にゅうざん直後ちょくごは、おっとおうえいとも馬匹ばひつ監督かんとくというしょくについた(これはおうえい身分みぶんわせたものとおもわれる)。しかしよびのべぐんとのたたかいでは、だいよんぐんひきい、緒戦しょせんてき副将ふくしょう彭玘り、そう大将たいしょうよびのべ灼とも互角ごかくわたう。つづだいいち北京ぺきんじょう攻略こうりゃくせんでは、おな女性じょせい頭目とうもく顧大あによめまごむすめんでいちせん部隊ぶたいひきい、せきまさるとのたたかいではてきしょう郝思ぶん手柄てがらてた。

ひゃくはちほし集結しゅうけつは、三軍さんぐん内務ないむをつかさどる騎兵きへい頭領とうりょう任命にんめいされる。招安たたかいではおもそうぐん従軍じゅうぐんし、おっとおうえいともりょう国軍こくぐんしょうとうさと孛やほうぐんの范疇とあつしかつゆずる、また顧大あによめまごむすめともほう臘軍のしょうちょう道原どうばらっている。

しかし、ほう討伐とうばつむつみしゅう攻略こうりゃくせんてき援軍えんぐんていぴょうていくんともばれている)にいどんだおうえいが、ていぴょう幻術げんじゅつひるんだところをやりのどかれて戦死せんしする。おっと救出きゅうしゅつけつけた扈さんむすめだったが、おっとかたきとうとていぴょう深追ふかおいしたところ、ていぴょうはなったどう磚をかおけ、落馬らくばして死亡しぼうした。

みず滸伝』の舞台ぶたい前後ぜんごするみなみそう初期しょきに、いちたけあお渾名あだな盗賊とうぞく出身しゅっしん女将おかみぐん実在じつざいした。これに、実在じつざい人物じんぶつである扈成のつまや、かねまつ反乱はんらん集団しゅうだん首領しゅりょうであるあきらつま・楊妙しん伝説でんせつわせて、いちたけあお・扈さんむすめ人物じんぶつぞうつくられたものとかんがえられる[1]

また渾名あだないちたけあお意味いみ諸説しょせつあってはっきりしない。以下いかにそのいくつかをあげる。

  • 美少女びしょうじょまたは美少年びしょうねん作中さくちゅう美男びなんつばめあお形容けいようする単語たんごとしても使つかわれており、みず滸伝の下敷したじきとなった『だいそうせんのここと』にいちたけあおよこという海賊かいぞく登場とうじょうする)という意味いみつとするせつよしみすず)。
  • 彼女かのじょるいまれ長身ちょうしんぬしで、それを形容けいようしたものとするせつおう利器りき)。この場合ばあいおっとであるおうえい相方あいかたであるてい天寿てんじゅがそうであったのと同様どうよう身長しんちょうひくみにくおうえいとの対比たいひという意味合いみあいをつ。
  • いちたけ」は身長しんちょう、「あお」は刺青しせいのことであるというせついむあつしえき)。このせつもとづくと、扈さんむすめじつ良家りょうけ令嬢れいじょうには程遠ほどとお女傑じょけつであったことになる。

出典しゅってん

編集へんしゅう
  1. ^ 宁稼『《みず浒传》おもむき谈与さくかいはる风文出版しゅっぱんしゃ、1997ねん