新妻にいづま千秋ちあき

新妻にいづま 千秋ちあき（にいづま ちあき）は、北村きたむら薫かおるの推理すいり小説しょうせつ「覆面ふくめん作家さっか」シリーズに登場とうじょうする架空かくうの女性じょせい。非ひ職業しょくぎょうの探偵たんてい。

概要がいよう

職業しょくぎょうは推理すいり作家さっか（覆面ふくめん作家さっか）だが、戦前せんぜんのさる大だい財閥ざいばつの令嬢れいじょうであるため、世田谷せたがやの高級こうきゅう住宅じゅうたく街がいにある巨大きょだい邸宅ていたくに、執事しつじの赤沼あかぬまや他たの大勢おおぜいの使用人しようにんたちにかしづかれつつ日々ひびを送おくっている。「天国てんごく的てき」と称しょうされる美貌びぼうの持もち主ぬしである。年齢ねんれいは、第だい1話わ『覆面ふくめん作家さっかのクリスマス』では19歳さい、第だい4話わ『覆面ふくめん作家さっかのお茶ちゃの会かい』では20歳さいとなっている。

邸やしき内ないでは非常ひじょうに内向ないこう的てきな性格せいかくで、人間にんげん恐怖症きょうふしょうの気きさえある。だが、自邸じていから一いち歩ほでた瞬間しゅんかんに、「借かりてきた猫ねこさんがサーベルタイガー」と言いわれるほど劇的げきてきに性格せいかくを変貌へんぼうさせ、外向がいこう的てきで、見方みかたによっては粗暴そぼうともいえる性格せいかくになってしまう。本人ほんにんは、この極端きょくたんな二に重じゅう人格じんかくを気きにしているらしく、邸やしきの外そとに出でるときはなるべくラフな格好かっこうをし、自みずからの言動げんどうとその容貌ようぼうとのギャップが目立めだたないように気きをつけている。しかしどちらの状態じょうたいでも、根本こんぽん的てきな部分ぶぶんは変かわらず、正義せいぎ感かんが強つよく、生真面目きまじめな性格せいかくを持もっている。また人望じんぼうもあり、自家じかの使用人しようにんから非常ひじょうに慕したわれている。

主しゅとして、双子ふたごの兄あにに警視庁けいしちょうの刑事けいじを持もつ担当たんとう編集へんしゅう者しゃ、岡部おかべ良介りょうすけが持もち込こむ事件じけんを推理すいりし、事件じけんの概要がいようを聞きいただけで真相しんそうをほぼ看破かんぱするが、いわゆる安楽椅子あんらくいす探偵たんていとは一線いっせんを画かくし、自みずから（岡部おかべを伴ともなって）捜査そうさ活動かつどうを行おこなう。扱あつかう事件じけんは刑事けいじ事件じけんがほとんどであるが、いくつかの作品さくひんでは、いわゆる日常にちじょうの謎なぞも扱あつかわれている。また、具体ぐたい名めいは示しめされていないが、一種いっしゅの護身ごしん術じゅつのようなものを元もとプロボクサーである赤沼あかぬまから伝授でんじゅされており、その腕前うでまえは、ボクサーとして相当そうとうの所ところまでいったという赤沼あかぬまを凌しのぐほど。第だい2話わ『眠ねむる覆面ふくめん作家さっか』では、警視庁けいしちょうの黒くろ帯たいである岡部おかべの兄あにが、ある勘違かんちがいによって一いち撃げきの下したにノされている。

1998年ねんに『お嬢様じょうさまは名めい探偵たんてい』（NHK）のタイトルでTVドラマ化かされた際さいにはともさかりえが演えんじている。

海洋かいよう堂どうから高野たかの文子ふみこのイラストをもとにした2体たいセットのフィギュアも発売はつばいされている。