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鍵 (暗号) - Wikipedia

かぎ (暗号あんごう)

平文へいぶん暗号あんごう、あるいはふくごうするための暗号あんごうアルゴリズム
暗号あんごうかぎから転送てんそう

暗号あんごう技術ぎじゅつにおいて、かぎかぎ、key)とは、暗号あんごうアルゴリズムの手順てじゅん制御せいぎょ[よう説明せつめい]するためのデータである[1]

かぎは、おな暗号あんごう方式ほうしき使用しようしながら利用りようしゃごと暗号あんごう手順てじゅんことなるものにするためにかんがされたものであるが、暗号あんごうだけではなく、デジタル署名しょめいメッセージ認証にんしょうコード(Keyed-hashなど)でも使用しようされる。擬似ぎじ乱数らんすうもちいられるシード(たね)もかぎ一種いっしゅである。

アルゴリズムが公開こうかいされている現代げんだい暗号あんごうにおいては、かぎ第三者だいさんしゃわたることは、暗号あんごうぶん秘匿ひとくせいなどがうしなわれることを意味いみするので、かぎ非常ひじょう重要じゅうよう役割やくわりたしている。

概要がいよう

編集へんしゅう

暗号あんごうでは、おな暗号あんごう方式ほうしき使用しようしながら利用りようしゃごと暗号あんごう手順てじゅんことなるものにするために使用しようされる[よう検証けんしょう]暗号あんごう方式ほうしき平文へいぶんおなじであっても、かぎちがえば生成せいせいされる暗号あんごうぶんことなるものになる。 暗号あんごうぶん復号ふくごうするさいにも、暗号あんごう使用しようしたかぎ対応たいおうするかぎ使用しようされる。 復号ふくごうさいには暗号あんごう使つかったかぎおなかぎ共通きょうつうかぎ暗号あんごうとき)か、または対応たいおうする(暗号あんごうようとはべつの)かぎ公開こうかいかぎ暗号あんごうとき)が必要ひつようで、うしなうと復号ふくごうできなくなる(またはきわめてむずかしい)。

たとえば、シーザー暗号あんごうではアルファベットをずらすかずえることによってちが暗号あんごうぶん生成せいせいされる。このかずかぎである。実際じっさいシーザーもちいたものはこのかずかぎ)が3であった。

デジタル署名しょめいでも、おな署名しょめい方式ほうしき使用しようしながら利用りようしゃごとに、生成せいせいされる署名しょめいことなるものにするために使用しようされる[よう検証けんしょう]利用りようしゃ秘密ひみつ保持ほじしているかぎければ利用りようしゃおな署名しょめい生成せいせいできないことが、デジタル署名しょめい電子でんし署名しょめい認証にんしょうなどに利用りようできる根拠こんきょとなっている。

現実げんじつ世界せかいかぎ比較ひかくして、暗号あんごうアルゴリズムを錠前じょうまえ暗号あんごうかぎかぎることが可能かのうであるが、実際じっさい錠前じょうまえはただいち種類しゅるいかぎしかけないのにくらべ、暗号あんごう場合ばあい無数むすうかぎかぎ空間くうかんばれる)をすべれるというちがいがある。

かぎのデータりょうかぎちょうかぎちょう)といい、一般いっぱんてきにはかぎデータを2進数しんすう表現ひょうげんしたさいのビットちょうあらわ[2]。たとえば128ビットのかぎちょうという場合ばあいはデータりょう総数そうすうは2128やく340=3.4*1038)である。かぎちょう不十分ふじゅうぶんであると、アルゴリズムにかかわらずそうたりかぎこと可能かのうになるため、かぎちょう暗号あんごう強度きょうど直結ちょっけつしている[3]。コンピュータの性能せいのう向上こうじょうともなって現実げんじつてき時間じかんそうたり可能かのうかぎちょうながくなっており、それに対応たいおうするためじつ運用うんようもちいられるかぎ徐々じょじょながくなってきている。かぎちょう十分じゅうぶんれば安全あんぜんせいたかまるが、計算けいさんりょう利便りべんせい低下ていかする[3]。しかし必要ひつようかぎちょうはアルゴリズムによるため、楕円だえん曲線きょくせん暗号あんごうなどの暗号あんごうアルゴリズムを利用りようすることでRSA暗号あんごうよりもかぎちょうおさえつつ安全あんぜんせい担保たんぽできる[4]

かぎ種類しゅるい

編集へんしゅう
  • 共通きょうつうかぎ - 共通きょうつうかぎ暗号あんごうとう暗号あんごう復号ふくごう使用しようするかぎ元々もともとたんかぎ、あるいは秘密ひみつかぎばれていたが、公開こうかいかぎ暗号あんごう登場とうじょう公開こうかいかぎ暗号あんごうかぎペア(の一方いっぽう)と区別くべつするために秘密ひみつかぎではなく共通きょうつうかぎばれることがおおくなった。共通きょうつうかぎは、暗号あんごう方式ほうしきによってことなるが、通常つうじょう、128 - 256ビット程度ていどのバイナリデータである。Nビットならば、0〜(2^N)-1の範囲はんいからランダムに選択せんたくすることで生成せいせいするものがおおい。
  • 公開こうかいかぎ/秘密ひみつかぎ - 公開こうかいかぎ暗号あんごうとう使用しようされるかぎ英語えいごのPublic keyとPrivate keyに対応たいおうする。公開こうかいかぎ暗号あんごう署名しょめい検証けんしょうとうに、秘密ひみつかぎ復号ふくごう署名しょめい生成せいせいとう使つかう。Private keyの訳語やくごとしては「プライベートかぎ」または「私有しゆうかぎ」が使つかわれることもある。
  • マスターかぎ (master key)
  • 個別こべつかぎ, 派生はせいかぎ
  • 共有きょうゆうかぎ
  • セッションかぎ (session key)
  • シードかぎ (seed key)

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 暗号あんごうかぎとは 「かぎ, キー」 (key) あんごうかぎ: - IT用語ようご辞典じてんバイナリ”. www.sophia-it.com. 2024ねん2がつ13にち閲覧えつらん
  2. ^ かぎちょうとは - IT用語ようご辞典じてん”. IT用語ようご辞典じてん e-Words. 2024ねん2がつ13にち閲覧えつらん
  3. ^ a b かぎちょうとは 「キーサイズ, キーレングス」 (key size) かぎちょう: - IT用語ようご辞典じてんバイナリ”. www.sophia-it.com. 2024ねん2がつ13にち閲覧えつらん
  4. ^ みじか暗号あんごうかぎちょう「ECC」でパフォーマンスとセキュリティの両立りょうりつはかるベリサイン”. atmarkit.itmedia.co.jp. 2024ねん2がつ13にち閲覧えつらん