(Translated by https://www.hiragana.jp/)
消化管造影検査 - Wikipedia

消化しょうかかん造影ぞうえい検査けんさ

ウィキメディアの曖昧あいまい回避かいひページ

消化しょうかかん造影ぞうえい検査けんさ(しょうかかん・ぞうえい・けんさ)とは、造影ぞうえいざいくち肛門こうもん瘻孔から注入ちゅうにゅうし、Xせん透視とうしにより形態けいたい検査けんさするもののこと。Xせん撮影さつえいいち形態けいたいである。

造影ぞうえいされた小腸しょうちょう

上部じょうぶ消化しょうかかん 編集へんしゅう

その開発かいはつ経緯けいいから「透視とうし」(い・とうし)としばしばばれる。ほかにも「上部じょうぶ消化しょうかかんXせん検査けんさ」「MDL」(ドイツ: Magendurchleuchtung略語りゃくご)「Xせんじゅう造影ぞうえい」などとばれる。英語えいごでは Upper gastrointestinal seriesぶ。検査けんさされるのは食道しょくどう十二指腸じゅうにしちょうである。

一般いっぱんてきにはブスコパンなどの鎮痙剤ちんけいざい注射ちゅうしゃしたのち硫酸りゅうさんバリウム服用ふくようしつつXせん透視とうし病変びょうへんさがす。病変びょうへんがないのならば、部位ぶいごとに病変びょうへんがないことをしめすXせん写真しゃしん撮影さつえいする。バリウム少量しょうりょう→バリウム充満じゅうまんぞう撮影さつえいえたら、発泡はっぽうざい服用ふくようし、気体きたい(炭酸たんさんガス)とバリウムによるじゅう造影ぞうえいおこなう。くまなく透視とうし確認かくにんしたのち圧迫あっぱく装置そうちにより圧迫あっぱくしつつ透視とうしおこなう。検査けんさちゅうはゲップをしてはならない。検査けんさ硫酸りゅうさんバリウムの排出はいしゅつうながすために下剤げざい服用ふくようする。

胃癌いがん検診けんしんなどで撮影さつえい画像がぞうすうめられている場合ばあいでも、病変びょうへんみとめられる場合ばあいには医師いし診療しんりょう放射線ほうしゃせん技師ぎしによる追加ついか撮影さつえいおこなわれている。

上部じょうぶ消化しょうかかんのXせんじゅう造影ぞうえい日本にっぽん開発かいはつされた検査けんさ手法しゅほうであり、千葉ちば医科いか大学だいがく白壁しらかべ彦夫市川いちかわ平三郎へいさぶろう業績ぎょうせきがよくられている。

胃壁いへきへのバリウムの付着ふちゃくをよくする(いわゆるバリウムの”のり”をくする)には、いきおくバリウムをぶつけることがコツと指摘してきする書籍しょせきもある[1]。また360水平すいへいでのみぎまわりを3回転かいてん指摘してきする意見いけんもある[2]

造影ぞうえい検査けんさではなまけんはできないため、がん確定かくてい診断しんだんはできない。透視とうし病変びょうへんうたがわれるときには、上部じょうぶ消化しょうかかん内視鏡ないしきょう検査けんさ施行しこうする。

小腸しょうちょう検査けんさ 編集へんしゅう

日本にっぽんことなり、欧米おうべいではEnteroclysisばれるていちょうメチルセルロースえきもちいたじゅう造影ぞうえい主流しゅりゅうである。
造影ぞうえいざいとして、硫酸りゅうさんバリウムやガストログラフィン経口けいこう服用ふくようするか、またはゾンデカテーテル留置りゅうちして注入ちゅうにゅうする。じゅう造影ぞうえいには空気くうきもちいる。[3]造影ぞうえいざいかたち病変びょうへん判断はんだんしていく。Xせん透視とうしにリアルタイムに造影ぞうえい所見しょけんをとることもあるし、まった時間じかんごとにXせん写真しゃしん撮影さつえいをする「追跡ついせき撮影さつえい」をすることもある。

下部かぶ消化しょうかかん 編集へんしゅう

ちゅうちょう検査けんさ」「Barium enema」などとばれる。肛門こうもんからカテーテル挿入そうにゅう留置りゅうちし、硫酸りゅうさんバリウムと空気くうき注入ちゅうにゅうする。重力じゅうりょく利用りようして、身体しんたいきをえたり、透視とうしだいかたむけたりして、かく部位ぶい透視とうし所見しょけんをとり、Xせん撮影さつえいする。

撮影さつえい機器きき薬剤やくざい 編集へんしゅう

  • 日本にっぽんでは、キヤノン(東芝とうしば)富士ふじフイルム(日立ひたち)島津製作所しまづせいさくしょ撮影さつえい機器きき製造せいぞう販売はんばいしている。欧米おうべいではシーメンスなどが製造せいぞうしている。従来じゅうらいのアナログXせんテレビ・フィルムは次第しだい姿すがたしつつある。(メンテナンス部品ぶひん入手にゅうしゅ困難こんなんになりつつある。) 2011ねん現在げんざいではデジタルすすみ、CCDFPDによるデジタルXせんテレビ・フィルムレス運用うんようへと、機器きき更新こうしんされている状態じょうたいである。
  • 硫酸りゅうさんバリウム製剤せいざい日本にっぽんにおいては、カイゲンファーマ伏見製薬所ふしみせいやくしょ堀井ほりい薬品やくひんひとし製造せいぞう販売はんばいをしている。下部かぶ消化しょうかかんよう製剤せいざいは、ちゅうちょう検査けんさ需要じゅよう低下ていかとうから2023ねん現在げんざいでは伏見製薬所ふしみせいやくしょのみが製造せいぞう販売はんばいおこなっている。
  • 消化しょうかかん蠕動ぜんどうによる撮影さつえいへの影響えいきょうけるため、ブスコパンチアトンなどの鎮痙剤ちんけいざい検査けんさまえ投与とうよすることがおおい。緑内障りょくないしょう排尿はいにょう障害しょうがい不整脈ふせいみゃくのためこうコリンざい使つかえないときには、グルカゴンちゅう投与とうよする。
  • 透視とうしにおいてバリウムは、造影ぞうえい効果こうか増強ぞうきょうのため、こう濃度のうど製剤せいざい(200% W/V以上いじょう一般いっぱんてきには220-240%)を少量しょうりょう(140mL程度ていど)使用しようするようになっている(下記かきガイドライン参照さんしょう)。
  • じゅう造影ぞうえいでの発泡はっぽうざいは、従来じゅうらいみず服用ふくようするなどしていた。しかしこう濃度のうどバリウム溶液ようえきみず希釈きしゃくされることをけるため、バリウム溶液ようえき服用ふくようする製剤せいざい開発かいはつされている(バリエース発泡はっぽう顆粒かりゅう、バックス発砲はっぽう顆粒かりゅう)。

出典しゅってん 編集へんしゅう

  1. ^ 市川いちかわ平三郎へいさぶろう: Xせん読影をきわめる、2001, p4
  2. ^ 有末ありすえ太郎たろう: 日本にっぽん医事いじ新報しんぽう No.4530, p88-89
  3. ^ 松本まつもとぬし 日内ひない会誌かいし 100:23-28, 2011

参考さんこう書籍しょせき 編集へんしゅう

  • これなら見逃みのがさない!Xせん読影ほうとらまき : シェーマ+内視鏡ないしきょうぞう+病理びょうりぞう一目瞭然いちもくりょうぜん! ISBN 978-4-7581-1058-7 -- Xせん写真しゃしん病変びょうへん・スケッチと内視鏡ないしきょう画像がぞう病理びょうり対比たいひまで同時どうじになされて、ビジュアルがすぐれている。
  • しんXせん撮影さつえいほう(間接かんせつ直接ちょくせつ)ガイドライン ISBN 9784896008418
  • 上部じょうぶ消化しょうかかんXせん診断しんだんブレイクスルー ISBN 9784260138451
  • 馬場ばばじゅく最新さいしんXせん検査けんさほう ISBN 9784260138840