産業さんぎょう連関れんかん表ひょう

産業さんぎょう連関れんかん表ひょう（さんぎょうれんかんひょう、英えい: Input Output Table）は、産業さんぎょうごとの生産せいさん・販売はんばい等ひとしの取引とりひき額がくを行列ぎょうれつ形式けいしきにした指標しひょう。英語えいごの頭文字かしらもじを取とってI-O表ひょうとも。アメリカの経済けいざい学者がくしゃであるワシリー・レオンチェフが、1936年ねんにアメリカを対象たいしょうとして作成さくせいしたものが最初さいしょである。一般いっぱん均衡きんこう理論りろんを現実げんじつの経済けいざいに適用てきようしようとする試こころみであり、レオンチェフ自身じしんによればカール・マルクスの再さい生産せいさん表ひょう式しきから着想ちゃくそうしたとされる^[1]^[2]^[3]。

概要がいよう

財ざい・サービスといった産業さんぎょうごとの生産せいさん構造こうぞう（どの産業さんぎょうからどれだけ原料げんりょう等とうを入手にゅうしゅし、賃金ちんぎん等とうを払はらっているか）、販売はんばい構造こうぞう（どの産業さんぎょうに向むけて製品せいひんを販売はんばいしているか）をみることができ、経済けいざい構造こうぞうの把握はあく、生産せいさん波及はきゅう効果こうかの計算けいさんなどに利用りようされる。

アメリカを初はじめ世界せかい各国かっこくで作成さくせいされており、日本にっぽんでは総務そうむ省しょうが中心ちゅうしんとなり各かく省庁しょうちょう共同きょうどうで5年ねんごとに作成さくせいされている（1951年ねん表ひょうは経済企画庁けいざいきかくちょう（現げん内閣ないかく府ふ）、通商産業省つうしょうさんぎょうしょう（現げん経済けいざい産業さんぎょう省しょう）がそれぞれ独自どくじに作成さくせい）。

産業さんぎょう連関れんかん表ひょうを使用しようした分析ぶんせき例れいとしては、例たとえば公共こうきょう事業じぎょうとして税金ぜいきんを使つかいダムを建設けんせつすると、建設けんせつ業ぎょうの売上うりあげが増ふえる。さらに、ダムの材料ざいりょうや機械きかいなどを消費しょうひすることによってこれらの産業さんぎょうの売上うりあげとひいては利益りえきが増ふえる。利益りえきを得えた産業さんぎょうの従業じゅうぎょう員いんの給与きゅうよも上あがるから、従業じゅうぎょう員いんがお金かねを使つかい消費しょうひも増ふえる…といったような分析ぶんせきもできる。そうした意味いみで、産業さんぎょう連関れんかん表ひょうは経済けいざい全体ぜんたい像ぞうを網羅もうらしているものでもある。

構造こうぞう

産業さんぎょう連関れんかん表ひょう

産業さんぎょう連関れんかん表ひょうは、右みぎ図ずのような行列ぎょうれつ（マトリクス）構造こうぞうとなっている。

投入とうにゅう構造こうぞう: 表ひょうを縦たてにみると、ある産業さんぎょうの生産せいさん額がくのうち、どのくらいが原材料げんざいりょうで、どのくらいが従業じゅうぎょう員いんの給与きゅうよや企業きぎょうの利益りえきになっているかをみることができる。

産出さんしゅつ構造こうぞう: 表ひょうを横よこにみると、ある産業さんぎょうの生産せいさん額がくが、他たの産業さんぎょうの原材料げんざいりょうや個人こじん消費しょうひ、輸出ゆしゅつなどに、どれだけ向むけられたかをみることができる。

なお、粗そ付加ふか価値かち額がくと最終さいしゅう需要じゅようの間あいだには、

粗そ付加ふか価値かち額がく＝最終さいしゅう需要じゅよう－輸入ゆにゅう

という関係かんけいがある。

産業さんぎょう連関れんかん表ひょうの構造こうぞうについては、総務そうむ省しょうの産業さんぎょう連関れんかん表ひょうの仕組しくみも参照さんしょうされたい。

経済けいざい効果こうか

詳細しょうさいは「経済けいざい効果こうか」を参照さんしょう

産業さんぎょう連関れんかん表ひょうを利用りようして、あるイベントが起おこったことによる経済けいざい効果こうか（経済けいざい全体ぜんたいの付加ふか価値かちの増加ぞうか分ぶん）を推定すいていすることができる。

参照さんしょう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ W. Leontief, “Quantitative Input and Output Relations in the Economic System of the United States”. In: Review of Economics and Statistics Vol. 18, 1936, pp. 105-125.
^ “Interrelation of Prices, Output, Savings and Investment”. In: Review of Economics and Statistics, Vol. 18, 1937, pp. 109-132.
^ "The significance of Marxian economics for present-day economic theory". The American Economic Review, Vol. 28, No. 1, March 1938.

外部がいぶリンク

産業さんぎょう連関れんかん表ひょうのページ - 総務そうむ省しょう

[1] W. Leontief, “Quantitative Input and Output Relations in the Economic System of the United States”. In: Review of Economics and Statistics Vol. 18, 1936, pp. 105-125.

[2] “Interrelation of Prices, Output, Savings and Investment”. In: Review of Economics and Statistics, Vol. 18, 1937, pp. 109-132.

[3] "The significance of Marxian economics for present-day economic theory". The American Economic Review, Vol. 28, No. 1, March 1938.

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産業さんぎょう連関れんかん表ひょう

目次もくじ

概要がいよう

構造こうぞう

経済けいざい効果こうか

参照さんしょう

関連かんれん項目こうもく

外部がいぶリンク