畑中はたなか蓼坡しょうは

畑中はたなか 蓼坡しょうは（はたなか りょうは、1877年ねん5月21日にち - 1959年ねん3月1日にち）は、日本にっぽんの演出えんしゅつ家か、俳優はいゆう、映画えいが監督かんとくである。本名ほんみょうは畠中はたけなか 作さく吉きち（はたなか さくきち）である。

はたなか りょうは 畑中はたなか 蓼坡しょうは
本名ほんみょう	畠中はたけなか 作さく吉きち はたなか さくきち
生年月日せいねんがっぴ	(1877-05-21) 1877年ねん5月21日にち
没ぼつ年月日ねんがっぴ	(1959-03-01) 1959年ねん3月1日にち（81歳さい没ぼつ）
出生しゅっしょう地ち	日本にっぽん 高知こうち市し
職業しょくぎょう	演出えんしゅつ家か、俳優はいゆう、映画えいが監督かんとく
ジャンル	新劇しんげき、映画えいが
主おもな作品さくひん
演出えんしゅつ家か 『叔父おじワーニャ』 日本にっぽん初演しょえん 『青あおい鳥とり』 舞台ぶたい俳優はいゆう 『光秀みつひでと紹巴じょうは』 映画えいが監督かんとく 『寒椿かんつばき』 『街まちの子こ』

人物じんぶつ・来歴らいれき

1877年ねん（明治めいじ10年ねん）5月21日にち、高知こうち県けん高知こうち市しに畠中はたけなか作さく吉きちとして生うまれる。

1904年ねん（明治めいじ37年ねん）、27歳さいのときにアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくに渡わたり、ニューヨーク市しのアルピニー俳優はいゆう学校がっこうに入学にゅうがく、その後ご、アマチュア劇団げきだんに参加さんか、在米ざいべい日本人にっぽんじんを観客かんきゃくとした演劇えんげき活動かつどうを行おこなっていた。

滞米たいべい15年ねんののち、42歳さいになる1919年ねん（大正たいしょう8年ねん）に帰国きこく、新劇しんげきの劇団げきだん「芸術座げいじゅつざ」に入団にゅうだんするが、同年どうねん1月がつ5日にちの松井まつい須磨子すまこの自殺じさつにより同どう劇団げきだんはまもなく解散かいさん、中外ちゅうがい社しゃ社主しゃしゅで『中外ちゅうがい』誌し主幹しゅかん内藤ないとう民治たみじの資金しきん的てき援助えんじょを受うけ、劇団げきだん「新劇しんげき協会きょうかい」を旗揚はたあげする。アントン・チェーホフの『叔父おじワーニャ』を日本にっぽん初演しょえんし、演出えんしゅつ家か・俳優はいゆうとして活躍かつやくする。同年どうねん、上山うえやま草人そうじんの推薦すいせんで「近代きんだい劇げき協会きょうかい」から伊沢いさわ蘭奢らんじゃが新劇しんげき協会きょうかいに移籍いせきしている。1920年ねん（大正たいしょう9年ねん）2月がつ、民衆みんしゅう座ざの水谷みずたに八重子やえこ主演しゅえん、石井いしい漠ばく振付ふりつけによる『青あおい鳥とり』を演出えんしゅつする。

1921年ねん（大正たいしょう10年ねん）には、映画えいがの演出えんしゅつに進出しんしゅつ、東京とうきょう府ふ南みなみ豊島としま郡ぐん淀橋よどばし町まち大字だいじ角かく筈はず字じ十じゅう二に社しゃ（現在げんざいの東京とうきょう都と新宿しんじゅく区く西新宿にししんじゅく、京王けいおうプラザホテル近辺きんぺん）にあった国際こくさい活かつ映うつ角かく筈はず撮影さつえい所しょで、小島こじま孤舟こしゅう原作げんさく『寒椿かんつばき』を井上いのうえ正夫まさお、水谷みずたに八重子やえこ主演しゅえんに撮とり、43歳さいで映画えいが監督かんとくとしてデビューした。同どう作さくは同年どうねん4月がつ24日にちに公開こうかいされて好評こうひょうを博はくし、「無声むせい映画えいがの傑作けっさくの一ひとつ」と呼よばれた。3年ねん後ごの1924年ねん（大正たいしょう13年ねん）、芹川せりかわ有ゆう吾われの父ちち・芹川せりかわ政一まさかずの東京とうきょうシネマ商会しょうかいが製作せいさくし、アイダ・トレッドウェル・サーストンの小説しょうせつ『少年しょうねん僧正そうじょう』を原作げんさくに、新劇しんげき協会きょうかいとしての唯一ゆいいつのサイレント映画えいが『街まちの子こ』を、夏川なつかわ静江しずえを主演しゅえんに抜擢ばってきして監督かんとくした。1928年ねん（昭和しょうわ3年ねん）6月がつ8日にち、伊沢いさわ蘭奢らんじゃが急死きゅうし、畑中はたなかは新劇しんげき協会きょうかいを解散かいさん、畑中はたなかは前年ぜんねんに新劇しんげき協会きょうかい入いりした清水しみず将夫まさおとともに新国劇しんこくげきに参加さんかした。

舞台ぶたい俳優はいゆうとしては、正宗まさむね白鳥しらとりの『光秀みつひでと紹巴じょうは』での明智あけち光秀みつひで役やくは畑中はたなかの当あたり役やくとされる。4本ほんの映画えいがをサイレント映画えいがを監督かんとくし、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん後ご、高齢こうれいとなってからも、1954年ねん（昭和しょうわ29年ねん）の77歳さいから、亡なくなる2年ねん前まえの1957年ねん（昭和しょうわ32年ねん）の80歳さいのころまで、日活にっかつ映画えいがに11本ほん出演しゅつえんした。

1959年ねん（昭和しょうわ34年ねん）3月1日にち、死去しきょする。満まん81歳さい没ぼつ。1957年ねん11月12日にち、古川ふるかわ卓たく巳み監督かんとくの『九きゅう人にんの死刑しけい囚しゅう』が遺作いさくとなった。

フィルモグラフィ

監督かんとく

• 『寒椿かんつばき』、国際こくさい活かつ映うつ角かく筈はず撮影さつえい所しょ、1921年ねん4月がつ24日にち
• 『街まちの子こ』、東京とうきょうシネマ商会しょうかい、1924年ねん
• 『中山なかやま安兵衛やすべえ』、助監督じょかんとくマキノ正ただし唯ただ、マキノ・プロダクション御室おむろ撮影さつえい所しょ、1925年ねん9月がつ18日にち
• 『ノンキナトウサン 花見はなみの巻まき』、原作げんさく麻生あそう豊ゆたか、脚色きゃくしょく金子かねこ洋文ひろふみ、聯合れんごう映画えいが芸術げいじゅつ家か協会きょうかい、1925年ねん9月がつ18日にち

出演しゅつえん

• 『あゝ玉杯ぎょくはいに花はなうけて』、監督かんとく小沢おざわ得二とくじ、東京とうきょうシネマ商会しょうかい、1929年ねん4月がつ10日とおか - 黙々もくもく先生せんせい役やく
• 『国定くにさだ忠治ただはる』、監督かんとく滝沢たきざわ英輔えいすけ、日活にっかつ、1954年ねん6月がつ27日にち - 忠治ただはるの父親ちちおや・五右衛門ごえもん役やく
• 『沓掛くつかけ時次郎ときじろう』、監督かんとく佐伯さえき清きよし、日活にっかつ、1954年ねん7月がつ27日にち - 住職じゅうしょく役やく
• 『地獄じごくの剣豪けんごう 平手ひらて造酒ぞうしゅ』、監督かんとく滝沢たきざわ英輔えいすけ、日活にっかつ、1954年ねん10月がつ19日にち - 医者いしゃ道どう庵あん役やく
• 『ソ満まん国境こっきょう2号ごう作戦さくせん 消きえた中隊ちゅうたい』、監督かんとく三村みつむら明あきら、日活にっかつ、1955年ねん1月がつ14日にち - 張ちょう役やく
• 『沙羅さらの花はなの峠とうげ』、監督かんとく山村やまむら聰さとし、日活にっかつ、1955年ねん10月がつ11日にち - 幸こう助役じょやく
• 『母ははなき子こ』、監督かんとく堀池ほりいけ清きよし、日活にっかつ、1955年ねん12月4日にち - 盛もり平たいら役やく
• 『ただひとりの人ひと』、監督かんとく吉村よしむら廉れん、日活にっかつ、1956年ねん1月がつ3日にち - 小田切おだぎり七蔵しちぞう役やく
• 『真昼まひるの暗黒あんこく』、監督かんとく今井いまい正ただし、現代げんだいぷろだくしょん、1956年ねん3月がつ27日にち - 青木あおきの老爺ろうや役やく
• 『乳母車うばぐるま』、監督かんとく田坂たさか具ぐ隆たかし、日活にっかつ、1956年ねん11月14日にち - 老人ろうじん役やく
• 『沖縄おきなわの民みん』、監督かんとく古川ふるかわ卓たく巳み、日活にっかつ、1956年ねん11月21日にち - 墓地ぼちの老人ろうじん役やく
• 『永遠えいえんに答こたえず』、監督かんとく西河にしかわ克己かつみ、日活にっかつ、1957年ねん6月がつ11日にち - 宏ひろしの父ちち役やく
• 『九きゅう人にんの死刑しけい囚しゅう』、監督かんとく古川ふるかわ卓たく巳み、日活にっかつ、1957年ねん11月12日にち - 村岡むらおか章あきら吉きち役やく、遺作いさく

外部がいぶリンク

• 畑中はたなか蓼坡しょうは - 日本にっぽん映画えいがデータベース
• Ryoha Hatanaka - IMDb（英語えいご）